結論テキスト
審判費用は、請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 無効2003−35010(T2003−35010/J3) |
|---|---|
| 審判種別 | 無効 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第4502378号商標(以下「本件商標」という。)は、平成
12年5月17日に登録出願され、「SMART LIFE」の欧文字を標準文字で書してなり、役務の区分第36類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として、同13年8月31日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
登録第4374891号商標(以下「引用商標」という。)は、平成10年12月11日に登録出願され、別掲に示すとおりやや図案化されてなる「smart」の欧文字を横書きしてなり、役務の区分第36類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として、同12年4月7日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
請求人は、「本件商標の登録を無効とする。審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求める。」と申し立て、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第5号証(枝番含む)を提出した。
(1)本件商標は、欧文字「SMART LIFE」から成り、「LIFE」は、「生命保険」との関係が極めて強く、本件商標の指定役務中、「生命保険に関する役務」以外に付して使用した場合、役務の質の誤認を生じると思われる。
従って、「LIFE」は本件商標中の付記的部分として捉えるのが妥当であり、他商標との類否は、要部である「SMART」を以て考えるべきである。
上記条件の下、本件商標と引用商標の類否を検討したところ、本件商標は引用商標の存在を理由として登録されるべきものではないことは明白である。
(2)本件商標は、標準文字商標「SMART LIFE」であり、その指定役務中には、「保険」に関する役務、すなわち、「生命保険契約の締結の媒介,生命保険の引受け,保険料率の算出」が含まれている。
ところで、本件商標中、「LIFE」からは、「保険」特に「生命保険」(life insurance)が容易に想起され、BANK(銀行)、SECURITY(証券)やTRUST(信託)と同様に特定の役務が自然にイメージされるものである(甲第3号証)。それ故、「LIFE」を本件商標に係る役務中、「保険」に関するもの以外の役務に使用した場合、一般人に対し、あたかも「保険」に関するサービスの如き誤認を生じさせるおそれがある商標と言わざるをえない。
従って、「LIFE」は、本件商標中、識別力のない部分と見なし、他商標との類否は、要部である「SMART」のみを以て考えるのが妥当と思われる。
この観点よりすれば本件商標と引用商標とは「スマート」の称呼を共通にする類似の商標であり、商標法第4条第1項第11号及び同第16号に該当する瑕疵ある登録である。したがって、本件商標登録は、商標法第46条第1項第1号の規定により無効とされるべきものである。
(3)答弁に対する弁駁
(a)引用商標は冒頭の「s」以外はロゴ化され、これより格別の称呼・観念を生じない、とされるが、甲第2号証からも明らかのように、参考情報と
してではあるが引用商標の[称呼]として「スマート」が記載されている以上、これを判読不能とするのは失当である。
(b)本件商標の「LIFE」について述べるに、この言葉は「生命、生
存、生活、人生」等多義を有し、広範に使用され親しまれているが、これが商標として使用された場合、指定商品又は役務との関係でその意味が限定されることは多言を要しないところである。
ところで第36類の役務は「金融、保険、不動産の取引」等のサービスを含む区分であるが、特に金融、保険の役務については銀行、証券会社、生命保険会社あるいは火災海上保険会社、信託会社等が行い、これらに照応する「BANK」「SECURITY」「LIFE INSURANCE」「FIRE & MARINE INSURANCE」「TRUST&BANKING」といった英語も広く知られ使われる言葉である。
そして本件商標であるが、「LIFE」を広義に「人生、一生涯」と解釈すればスマートな人生(これは個人差があり特定できない)を送る為に銀行、生保、損保等が提供するサービスと認識され、又「SMART」とは切り離して「LIFE」を狭義に解すれば「生命」の観念が生じ、指定役務との関連でその役務に係る業種名、すなわち当該取り扱いに係る「生命保険」の役務の質、内容を表示したものと認識される可能性も否定し得ない。被請求人は「LIFE」、「ライフ」等の登録例を挙げこれらは自他識別力を有し、「保険」以外の役務について誤認が生ずるものではないと主張するが、本来「BANK」、「LIFE」、「SECURITY」、「TRUST」等は本類役務の基本的概念を表す言葉であって、特定人に独占させることは不適当なものであるから、これらと組み合わせた商標において要部たり得ない。
(4)以上により本件商標中「LIFE」は役務の質を表示したものであり「SMART」の部分から「スマート」の略称をも生ずるものであるから引用商標と称呼を共通にする類似の商標であり、又「LIFE」から「LIFE INSURANCE」が想起される可能性がある以上、「生命保険」以外の役務への使用は役務の質について誤認が生ずるおそれも否定できない。
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし同第11号証を提出した。
(1)請求人の主張する類否について検討するに、本件商標は欧文字で「S
MART LIFE」と一連に書して成るところから、迅速性を要求される実際の商取引において、一般需要者はその構成通りの「SMART LIFE」とのみ認識し且つ「スマートライフ」とのみ称呼するものである。
これに対し引用商標は、その商標公報にも示される如く冒頭の「s」以外はロゴ化されたものであり、格別の称呼観念を生じない。
このように本件商標と引用商標は構成を全く異にするところからして両者が類似しないのは明らかである。
仮に百歩を譲って、引用商標を「SMART」とみるにしても、本件商標が類似しないことは前記と同様である。
何となれば、本件商標は「SMART LIFE」と一体不可分に連綴して成るところから、需要者は称呼観念においても「スマートライフ」とのみ認識するものである。
これに対し引用商標は、単に「スマート」とのみ称呼観念されるからである。
(2)請求人は、本件商標の構成中「LIFE」の文字は「保険」に関して識別力を有しないと主張しているが、これも誤りである。
即ち、「保険」のみを指定役務とした「ライフ」の文字及び「ライフ」の文字をその商標中に含む商標が少なからず登録されている例がある(乙第3号証ないし乙第5号証)。
(3)請求人は、LIFEの文字を有する商標を「保険」以外の役務に使用した場合、あたかも「保険」に関するサービスの如き誤認を生じさせるおそれがあると主張しているが、これも誤りである。
即ち、「保険」以外の役務について、「ライフ」の文字及び「ライフ」の文字をその商標中に含む商標が少なからず登録されている例がある(乙第6号証ないし乙第11号証)。
(4)以上詳述したように、本件商標は、引用商標に類似しないは勿論のこと、役務の質の誤認を生ずるおそれもなく、いずれにしても商標法第4条第1項第11号及び同第16号の規定に該当しない。
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、「SMART LIFE」の欧文字を標準文字で書してなるところ、構成各文字はまとまりよく構成されており、これより生ずると認められる「スマートライフ」の称呼も格別冗長というべきものでなくよどみなく一連に称呼し得るものである。
また、請求人は、「本件商標中の『LIFE』の文字より『保険』特に『生命保険』の意味合いを容易に看取する。」旨主張しているが、本件商標は前記したとおり、「SMART LIFE」の一連の欧文字であって、これよりは「スマートな生き方」程度の意味合いを看取するとみられるものであるから、かかる構成において「LIFE」の文字が役務の質を具体的に表示するものとして直ちに理解され得るとは言い難い。
さらに、本件商標中の「LIFE」の文字は、「生命、生涯、生き方」等の意味合いを有する英語であり、これより直ちに「生命保険」を意味する英語「life insurance」を想起するとは言い難いものというべきである。
そうとすれば、本件商標より生ずる称呼は「スマートライフ」の一連の称呼のみであると判断するのが相当である。
他方、引用商標は、やや図案化されてなる「smart」の欧文字よりなるところ、一部図案化された部分があるとしても、全体構成としては、やはり「smart」の文字よりなるものみるのが相当であるから、これよりは「スマート」の称呼を生ずると認められる。
そこで、本件商標より生ずる「スマートライフ」の称呼と、引用商標より生ずる「スマート」の称呼とを比較するに、両者は後半部における「ライフ」の音の有無に顕著な差違を有するものであるから、称呼上明らかに聴別し得るものである。
加えて、本件商標よりは「スマートな生き方」程度の意味合いを生ずるとみられるのに対して、引用商標よりは「スマートな」の意味合いを生ずるから、両者は観念上区別し得るものであり、かつ、それぞれの構成からみて、外観上も区別し得るものである。
してみれば、本件商標と引用商標は、その外観、称呼及び観念のいずれからしても十分に区別し得る商標であるといわざるを得ない。
(2)商標法第4条第1項第16号について
請求人は、「本件商標中の『LIFE』の文字からは、『保険』特に『生命保険』が容易に想起されるから、これを本件商標の指定役務中、『保険』に関するもの以外の役務に使用した場合、一般人に対し、あたかも『保険』に関するサービスの如き誤認を生じさせるおそれがある商標と言わざるをえない。」旨主張している。
しかるところ、本件商標は単に「LIFE」の文字よりなるものではなく、「SMART LIFE」の文字よりなるものであり、かつ、「LIFE」の文字は、「生命、生涯、生き方」等の意味合いを有する英語であって、当該文字には「保険」の意味合いはない。
また、本件商標よりは「スマートな生き方」程度の一連の意味合いを生ずるとみられるものであるから、かかる構成において「LIFE」の文字より直ちに「保険」の意味合いを想起するという請求人の主張は到底認め難いところである。
してみれば、本件商標をその指定役務に使用しても、役務の質について誤認を生じさせるおそれはないものといわざるを得ない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同第16号に違反して登録されたものではないから、同法第46条第1項により、その登録を無効とすべきではない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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