Trademark Appeal Case
著名商標との混同
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 平成11年審判第21057号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、別掲のとおりの構成からなり、第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,仮装用衣服,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」を指定商品として平成11年1月18日に登録出願されたものである。
2 原査定の理由
原査定は、「本願商標は、その構成中に商品『紳士・婦人既製服、靴、革製バック、革小物、ベルト、香水』等に使用して本願商標出願前から著名となっているイタリア国のデザイナーである『Giorgio Armani』を容易に看取させる『ARMANI』の文字と、また、商品『紳士・婦人服』等に使用して本願商標出願前から著名となっているフランスのデザイナーである『Agnes b』がトカゲをデザインした図形と類似する図形を有してなるものであるから、出願人がこれをその指定商品について使用する場合、前記デザイナーの業務に係る商品又は何らかの関係のある者の業務に係る商品であるかの如く、商品の出所について混同を生ずるおそれがあるものと認める。したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。」旨認定、判断して、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
(1)「ARMANI」、「Armani」及び「アルマーニ」の著名性について
イタリアのデザイナーである「ジョルジュ・アルマーニ」(Giorgio Armani)は、1975年に始めて「アルマーニ」という自分の店を開き、紳士物のエッセンスを婦人服にいかし、わずか3年間で「ジャケットの王様」といわれるほど名が広まり、レーンコート、シャツ、皮革製品、ニットなど、スポーティ感覚の服は現代の趣向に合い、今やミラノ・アルタ・モーダ・プロンタのコレクションでは最も人気のあるスチリストの一人であるとされ(昭和54年3月5日文化出版局発行「服飾辞典」)、デザイナー本人やそのデザインに係る商品が各種書籍において紹介されている(例えば、昭和53年7月20日講談社発行「男の一流品大図鑑」、昭和59年12月1日同「'85年版」、1981年4月25日同文書院発行「田中千代服飾事典」、昭和56年5月25日講談社発行「世界の一流品大図鑑」の「'81年版」、昭和60年5月25日同「'85年版」、平成3年5月23日同「'91年版」、平成7年5月10日同「'95年版」、平成8年5月12日同「'96年版」、平成10年5月30日同「'98年版」、昭和58年9月28日サンケイ マーケティング発行「舶来ブランド事典'84THE BRAND」、1986年4月15日読売新聞社発行「The 一流品」、1988年11月24日マガジンハウス発行「Hanako」、昭和60年5月25日講談社発行「FASHION SHOPPING BIBLE '85 流行ブランド図鑑」、1990年8月1日婦人画報社発行「MEN'S CLUB 1990年8月号」、1990年研究社発行「英和商品名辞典」、1991年6月1日学習研究社発行「エフピー6月号」)。
これらの紹介記事においては、「ジョルジョ・アルマーニ」、「GIORGIO ARMANI」等の文字と共に商品が紹介されており、とりわけ、上記「The一流品」誌では、「ARMANI」の商標が付された香水の写真が掲載されているほか、上記「世界の一流品大図鑑」の'95年版では、「ARMANI」の商標が付されたオードトワレ、オードトワレスプレーの価格表示が掲載され、上記「Hanako」誌では、表紙中央部に「羨望!アルマーニの服」と表示されると共に、「時代を超えるイタリアの感性 憧憬のアルマーニ」との表題で記事が掲載され、上記「MEN'S CLUB」誌では、「アルマーニの入門服として人気の高いエンポリオ アルマーニ、幅広い商品構成も大きな魅力だ。」との見出しの記事が掲載され、上記「エフピー6月号」誌では、表紙に「アルマーニの世界戦略」との特集記事の紹介がされ、また、上記「英和商品名辞典」では、「Armani アルマーニ」の項において「Giorgio Armani」を見よと表示されている。さらに、「ニセブランド商品にご注意!!」と題するパンフレット(社団法人日本輸入団体連合会1999年制作)においては、「海外有名ブランド品のニセモノがふえています」の見出しの下で、「・・・バーバリー、アルマーニの衣料、ロレックスの腕時計などといった海外有名ブランド商品は、消費者の間で根強い人気があることから、これに便乗してニセモノの横行が目立っております。・・・」と記述されている。
以上の事実によれば、本願商標の出願時には既に、「Giorgio Armani」及び「ジョルジョ・アルマーニ」の文字はイタリアのデザイナーの名称として、かつ、同デザイナーの取扱いに係る商品について使用する商標として取引者、需要者間に広く認識されると共に、その略称としての「ARMANI」、「Armani」及び「アルマーニ」もまた同様に取引者、需要者間に広く認識されていたものであり、その状態は現在においても継続しているというのが相当である。
(2)商品の出所の混同のおそれについて
本願商標は、別掲のとおり、図形と文字の組み合わせからなるところ、図形と文字とが常に一体不可分のものとしてのみ認識されるとすべき格別の理由は見出し難く、文字部分自体が独立して自他商品の識別標識としての機能を果たすものというべきであり、その文字部分は、「FRANCO ARMANI」と表示され、「ARMANI」の文字が含まれていることが明らかである。また、本願商標は、上記著名となっている「Giorgio Armani」、「ジョルジョ・アルマーニ」、「ARMANI」、「Armani」及び「アルマーニ」の商標が使用されている被服等と同一又は類似の商品及び被服等と近接した商品を指定商品とするものである。
かかる事情において、本願商標をその指定商品に使用するときは、これに接する取引者、需要者はその構成中の「ARMANI」の文字部分に注目して上記著名となっている「ARMANI」、「Armani」又は「アルマーニ」の商標を連想、想起し、該商品がジョルジョ・アルマーニ(Giorgio Armani)又は同人と経済的・組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く、商品の出所について混同を生ずるおそれがあるものというべきである。
(3)結論
以上のとおり、本願商標は商標法第4条第1項第15号に該当するものといわざるを得ないから、これを登録することはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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