Trademark Appeal Case
トランスプラントの記述性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2002−9606(T2002−9606/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「トランスプラント」の文字と「TRANSPLANT」の欧文字を二段に横書きしてなり、第35類「企業の海外生産拠点の設立に関する事前調査・企画立案・指導及び助言」を指定役務として、平成10年11月9日に登録出願されたものである。
2 原査定における拒絶の理由
原査定は、「本願商標は、『移転工場、現地生産品』等の意を有する英語『トランスプラント』及び『TRANSPLANT』の文字を書してなるものであるから、これを海外で商品を生産化するに必要な役務である本願指定役務に使用したときには、単に提供する役務の内容を表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
本願商標は、「トランスプラント」の文字と「TRANSPLANT」の欧文字を2段に横書きしてなるところ、構成中「トランス」、「TRANS」の文字は「別の状態、場所へ、超越して」等の意味を有する接頭語として、また、「プラント」、「PLANT」の文字は「(道具・機械類・取付品、時には土地・建物をも含めた)生産設備、プラント、(製造)工場」等の意味を有する語としてよく知られているものであるから、両語を結合した本願商標よりは、全体として「生産設備の別の場所への移設」程度の意味合いを看取させるものである。
しかして、近年、国内企業が生産拠点としての工場を海外に移設し、海外において生産業務等を行うようになっている現状にあるなか、こうした海外への工場移設等に伴うサポート業務を「トランスプラント」と称し、この種業界において種々提供されていることは、下記インターネットホームページ情報、各種新聞情報等からも裏付けられるところである。
(1)「トランスプラント」SUMITRANSでは様々な業種・仕向地への既存設備の解体以降、現地据付に至るまでの一貫したトランスプラント関連業務を受注完遂し、お客様から高い評価を受けております。また、発電所、通信案件等大規模なプロジェクトを数多く経験し、世界各国からの部資材の調達及び納期管理に始まるプロジェクト全体のコーディネート業務を遂行して参りました。(http://www.sumitrans.co.jp/transplant/)
(2)「国内企業の海外工場移設をリースでサポートする」住商リースが展開するトランスプラントとは、その名の通り、国内企業が生産設備を海外に移転する際、その生産設備一切をリースするというビジネスである。ここで留意したいのは、リース事業の海外展開とは性格を異にすることだ。海外に現地法人を設立し、その地域で現地の企業に向けてリースを提供するのではなく、あくまで国内企業が生産拠点を海外に求める際、その工場移設にリースを提供しようというものである。(http://www.scl.co.jp/sumisho2003/project01.html)
(3)「山九、海外でプラント受注を拡大、鉄鋼・電力・エネルギー・環境など」山九はプラント事業で、海外市場でトランスプラントを含めたプラント建設案件の受注活動を積極化する。鉄鋼、電力、エネルギー、環境などの分野を主な対象として、責任一貫施工体制の下、国内のプラント・エンジニアリング企業などと共同で案件の発掘を行っていく。鉄鋼分野では高炉改修を中心に、また近年建設が増えつつあるごみ焼却設備、エネルギー関連では液化天然ガス(LNG)基地やパイプライン工事を、東南アジア、中国、南米などでの実績をベースに受注拡大する。新規設備のほか、国内などから工場を解体・移設して現地に据え付けるトランスプラントにも対応していく。(2002.11.20 化学工業日報)
(4)「鉄鋼のメタルワン、東南アジア拠点設立」三菱商事と日商岩井の鉄鋼部門を統合して設立される「メタルワン」は、東南・南アジアの統括拠点として、シンガポールに「メタルワン・アジア」を設立する。新会社の設立は来月7日。三菱商事が1996年に設立した完全出資子会社エムシースチール・トレード・センターを母体とし、資本金は110万米ドル。来年上半期をめどにインドネシア、マレーシア、タイ、フィリピン、ベトナム、インド、バングラデシュに拠点を開設する。エムシースチールの遠藤訓部長は、「地域全体はまだ景気回復がみられないものの、トランスプラント(日系企業の工場移転)などの潜在需要、域内製鉄業の今後の伸長には疑いがない」としている。(2002.12.27 シンガポール 経済)
以上の事実を総合勘案すると、本願商標をその指定役務に使用した場合、これに接する取引者、需要者は、該役務が工場の海外移転に際して、例えば、工場を解体・移設する等これらをサポートする役務であること、すなわち、役務の質、内容を表示するにすぎないものと認識するに止まり、自他役務の識別標識としての機能を発揮するものとは認識し得ないとみるのが相当である。
したがって、本願商標が、商標法第3条第1項第3号に該当するとした原査定は妥当であって、取り消すことはできない。
なお、請求人は、本願商標は、使用事実により、請求人の業務に係る役務を表示するものとして需要者、取引者に認識されるようになっているものであるから、自他役務の識別標識としての機能を獲得、具備するに至っており、また、使用商標は「トランスプラント」又は「TRANSPLANT」であり、本願商標がそれらの二段併記であっても、実質的には両者は社会通念上、同一性を有する商標といい得る旨述べているが、使用により識別力を有するに至った商標として登録が認められるのは、その商標と同一の商標及びその商標を使用していた商品又は役務と同一の商品又は役務に関する場合のみであるところ、請求人提出の証拠は、いずれも本願商標とはその構成態様を異にするものであり、また、使用により識別力を獲得したことを客観的に示すに足る証左は見当たらないから、その主張を採用することはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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