結論テキスト
審判費用は被請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 無効2003−35254(T2003−35254/J3) |
|---|---|
| 審判種別 | 無効 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
本件登録第4531070号商標(以下「本件商標」という。)は、後掲のとおり、やや図案化した「KANNON」の欧文字を左右両端を折り曲げたリボン状帯枠内に書し、これを外郭を右へ流れる如き炎で包んだ子持ち黒塗り円内に白抜きで表した「V」の字形とその下部先端部に「Cycles」の筆記体風の欧文字を書したものの中央部に重ねるように描いてなる構成であり、平成10年6月19日に登録出願し、指定商品を第12類「二輪自動車・自転車並びにそれらの部品及び附属品,陸上の乗物用の動力機械(その部品を除く。),軸,軸受,軸継ぎ手,ベアリング,動力伝導装置,緩衝器,ばね,制動装置,陸上の乗物用の交流電動機又は直流電動機(その部品を除く。),タイヤ又はチューブの修繕用ゴムはり付け片,乗物用盗難警報器」として、平成13年12月21日に設定登録されたものである。
請求人が本件商標の登録無効の理由に引用する登録商標は、次の(1)ないし(13)のとおりである。
(1)「KANON」の欧文字を横書きしてなり、昭和62年1月6日登録出願、第11類「電気機械器具」他、商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成2年3月27日に設定登録された登録第2218109号商標。
(2)「KANON」の欧文字を横書きしてなり、昭和62年1月6日登録出願、第9類「動力機械器具(電動機を除く)その他の機械器具で他の類に属しないもの、これらの部品及び附属品(他の類に属するものを除く)機械要素」他、商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成2年7月30日に設定登録された登録第2252556号商標。
(3)「カノン」の片仮名文字と「KANON」の欧文字を二段に横書きしてなり、昭和29年8月13日登録出願、第17類「紙類裁断機、ライター、その他本類に属する商品」を指定商品として、昭和30年5月14日に設定登録された登録第465690号商標。
(4)「カノン」の片仮名文字と「KANON」の欧文字を二段に横書きしてなり、昭和29年8月13日登録出願、第7類「写真処理用金属製皿、その他本類に属する商品」を指定商品として、昭和31年6月29日に設定登録された登録第483596号商標。
(5)「カノン」の片仮名文字を横書きしてなり、昭和60年4月15日登録出願、第11類「電気機械器具」他、商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成1年5月30日に設定登録された登録第2140182号商標。
(6)「KANON」の欧文字と「カノン」の片仮名文字を二段に横書きしてなり、平成7年5月15日登録出願、第9類「配電用又は制御用の機械器具,回転変流機,調相機,火災報知機,盗難警報器」他、商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成9年10月3日に設定登録された登録第4065339号商標。
(7)「カノン」の片仮名文字と「KANON」の欧文字を二段に横書きしてなり、平成8年12月17日登録出願、第12類「二輪自動車並びにその部品及び附属品,自転車並びにその部品及び附属品,陸上の乗物用の動力機械器具,陸上の乗物用の機械要素,陸上の乗物用の交流電動機又は直流電動機,タイヤ又はチューブの修繕用ゴムはり付け片・乗物用盗難警報器」他、商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成10年2月20日に設定登録された登録第4117587号商標。
(8)「カノン」の片仮名文字と「KANON」の欧文字を二段に横書きしてなり、平成8年12月12日登録出願、第9類「配電用又は制御用の機械器具,回転変流機,調相機,火災報知機,盗難警報器」他、商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成10年3月6日に設定登録された登録第4122426号商標。
(9)「カノン」の片仮名文字と「KANON」の欧文字を二段に横書きしてなり、平成8年12月5日登録出願、第6類「金属製の滑車及びばね(機械要素に当たるものを除く。)」他、商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成10年3月27日に設定登録された登録第4129714号商標ものである。
(10)「カノン」の片仮名文字と「KANON」の欧文字を二段に横書きしてなり、平成8年12月17日登録出願、第7類「動力機械器具(陸上の乗物用のものを除く。),起動器,交流電動機及び直流電動機(陸上の乗物用のものを除く。),交流発電機,直流発電機」他、商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成10年3月27日に設定登録された登録第4129725号商標。
(11)「カノン」の片仮名文字と「KANON」の欧文字を二段に横書きしてなり、平成8年12月17日登録出願、第11類「ボイラー」他、商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成10年5月22日に設定登録された登録第4148748号商標。
(12)「CAMNON」の欧文字を横書きしてなり、昭和54年2月8日登録出願、第11類「電気機械器具」他、商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、昭和57年11月26日に設定登録された登録第1553176号商標。
(13)「CAMNON」の欧文字を横書きしてなり、昭和54年2月8日登録出願、第9類「動力機械器具(電動機を除く)その他の機械器具で他の類に属しないもの、これらの部品及び附属品(他の類に属するものを除く)機械要素」他、商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、昭和58年4月27日に設定登録された登録第1581081号商標。
以下、上記(1)ないし(11)の登録商標をまとめて「引用商標1」と、(12)及び(13)についての商標をまとめて「引用商標2」という。
また、引用商標の当該各商標権の登録原簿の記載に徴すれば、引用商標1の各商標権は、何れも存続期間の更新登録がされ現在存続中であり、同じく、引用商標2の(12)登録第1553176号商標の商標権は、平成14年11月26日に、及び(13)登録第1581081号商標の商標権は平成15年4月27日にそれぞれ存続期間が満了している。
請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第21号証(枝番を含む。)を提出した。
本件商標は、その先出願に係る上記第2に挙げる登録商標と類似するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当し、同法第46条第1項第1号により、無効にすべきものである。
(1)本件商標から生じる称呼
本件商標は、図形と欧文字「KANNON」等との組み合わせよりなるものであるところ、構成中、中央に位置するリボン状枠内に顕著に表された欧文字「KANNON」の文字部分は独立して自他商品識別標識として機能し得るものであるから、当該文字部分に照応した「カンノン」又は「カノン」の称呼が生じるものである。
そして、「KANNON」の文字部分からは「カノン」の称呼をも生じることについては、「dinner(ディナー)、manner(マナー)、announcer(アナウンサー)、anniversary(アニバーサリー)、cannon(キャノン)、funny(ファニー)、sunny(サニー)、connection(コネクション)、innovation(イノベーション)」のような英単語は日本人にとって慣れ親しまれ、日常一般に使用される語であって、これら英単語の表音からも首肯できる。
しかして、欧文字の造語よりなる商標を称呼する場合には、過去の審決及び判決において、欧文字の造語商標からは英語風読みの称呼も生じることについて、既に明確な判断が示されている。
したがって、本件商標からは、上記の英単語における中間に位置した「NN」の発音例に倣い「カノン」の称呼をも生じるとみるのが自然である。
(2)本件商標と引用商標1から生じる称呼の類否
本件商標からは上述のとおり「カンノン」または「カノン」の称呼が生じるものである。
一方、引用商標1は、上記第2のとおり「KANON」又は「カノン」ないしこれらの文字を併記した構成よりなるものであるから、その構成中の「カノン」及び「KANON」の文字に照応して「カノン」の称呼が自然と生じるものである。
したがって、本件商標と引用商標1とは「カノン」の称呼を共通にする類似の商標である。
(3)本件商標と引用商標2から生じる称呼の類否
本件商標からは「カノン」の他に「カンノン」の称呼が生じることは前述のとおりである。
一方、引用商標2の構成は欧文字にて「CAMNON」と横書きしてなるものであるから、引用商標2からはその欧文字に照応して自然と「カムノン」または「キャムノン」の称呼が生じるものである。
そこで、引用商標2から生じる「カムノン」の称呼と本件商標から生じる「カンノン」の称呼とを対比考察するに、「カムノン」と「カンノン」とは第2音において「ム」と「ン」の差異を有するものではあるが、「ム」と「ン」は、共に音質を同じくする鼻音の弱音であって、極めて近似の音であるばかりでなく、破裂音で称呼上アクセントを有し強く発音される語頭音の「カ」に続く弱い音のため、全体称呼上、両相違音は明確に聴別し難い音である。
加えて、本件商標と引用商標2は何れも無意味な造語であるから、両商標から生じる観念が称呼上に影響して区別を可能にするとの事情もない。
したがって、「カムノン」と「カンノン」は互いに聴別し難い類似の称呼であるから、本件商標は引用商標2にも称呼上、類似する商標である。
(4) 本件商標と引用商標1及び2の指定商品の類似
本件商標の指定商品と引用商標1及び2の指定商品は、上記、第1ないし第2のとおりであるから、本件商標の指定商品は引用商標1及び2の指定商品と同一又は類似のものである。
被請求人は、請求人の主張に対して答弁するところがない。
本件商標は、後掲のとおりの構成よりなるところ、中央部に位置するリボン状帯枠内の「KANNON」の欧文字を書した部分は、他の外郭部の炎、子持ち黒塗り円の各図形、及び白抜きで表した「V」の字形とその下部先端部の筆記体文字「Cycles」等の各構成要素とは、視覚上自ずと分離して看取されるばかりでなく、意味上においてこれらを常に一体のものとして把握しなければならないような格別の事情は存しないから、該「KANNON」の欧文字部分は独立して取引に資されるものといえる。そして、かかる場合、本件商標に接する取引者、需要者は、記憶し易い「KANNON」の欧文字部分に着目し、かつ、該文字部分より生じる称呼をもって取引に資するとみるのが取引の経験則上相当である。
しかして、「KANNON」の欧文字は、特定の意味合いを生じ得ない造語というべきものであるから、かかる場合、我が国における英語の普及度からすれば、請求人の挙げる「dinner(ディナー)、manner(マナー)、announcer(アナウンサー)、anniversary(アニバーサリー)、funny(ファニー)、sunny(サニー)、connection(コネクション)」等の英単語の用例に倣った英語風読みをもって、商取引に資することが決して少なくないから、本件商標は「KANNON」の欧文字部分に相応し、「カンノン」の称呼のほか、「カノン」の称呼をも生じるものといわなければならない。
一方、引用商標1は、「KANON」、「カノン」、「カノン」と「KANON」及び「KANON」と「カノン」の各文字を書してなるものであるから、その片仮名文字及び欧文字に照応して「カノン」の称呼が生じるものである。
してみれば、本件商標と引用商標1とは、「カノン」の称呼を共通にし、称呼において紛れる虞がある類似の商標である。
さらに、両商標は、構成全体の外観における差異はあるものの、本件商標の当該文字部分「KANNON」と引用商標1中の「KANON」の欧文字とは、その綴りの異なる箇所は中間に位置する「NN」と「N」であって、両者とも綴りに馴染みのない造語であり、その称呼の同一性と相俟って、「N」の多寡は稀釈し、彼此見誤る場合も多いものというのが相当である。
そうすると、本件商標と引用商標1とは、「カノン」の称呼を共通にする類似の商標であり、かつ、本件商標の欧文字部分「KANNON」と引用商標1の欧文字部分とは、綴りにおいても近似する類似の商標とみて差し支えないものである。
また、本件商標の指定商品は、引用商標1の指定商品と同一又は類似のものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであるから、商標法第46条第1項の規定により、その登録を無効とすべきである。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
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