結論テキスト
審判費用は、被請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2003−30792(T2003−30792/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
本件登録第4072110号商標(以下、「本件商標」という。)は、後掲に示したとおりの構成よりなり、平成5年5月13日に登録出願、 第10類「コンドーム」を指定商品として、同9年10月24日に設定登録されたものである。
(1)請求の趣旨
結論同旨の審決を求める。
(2)請求の理由
本件商標は、継続して3年以上その指定商品全てについて被請求人により使用されていないものである。また、本件商標について、専用使用権または通常使用権の設定登録がなされていないことも請求人の調査により判明している。したがって、本件商標の登録は、指定商品全てについて、商標法第50条第1項により、取り消されるべきものである。
(3)答弁に対する弁駁
被請求人の審判事件答弁書の理由には、「缶ジュースの自動販売機に入れ約10箇所くらいの拠点で販売しておりました。・・・」等の記載があるものの、その時期及び販売の事実については全く主張立証がされておらず、本件商標の使用についてはなんら証拠能力を有しているものではない。証拠書類として提出した業務協定に関する覚書(乙第1号証)と証する書面には、被請求人が「カンドーム」「CANDOME」というカタカナとローマ字表記による商標が別々に記載され、安斉商事に通常使用権が設定されていることがうかがわれる。また、被請求人の答弁書には本件商標を商品に使用しているとの記載があり、その使用の事実を示す書類として写真及領収書が添付されている。(但し、証拠方法としての乙第2号証は領収書であり、写真は証拠ではない。)写真には「感動夢 CANDOME お楽しみ景品」という商標の付された缶及び別の商標を付した内容物が写っている。このような状況を客観的に見ると被請求人が、「カンドーム」「CANDOME」を付したものを販売した事実が一応推認されるかのように見える。
しかしながら、他方、証拠を子細に吟味すれば、以下の諸点を指摘することができる。
ア、乙第1号証の証明力
本件乙第1号証は、業務協定に関する覚書(以下、本覚書という)と証する書面であるが、この書面中には本件商標を特定する商標番号ならびに指定商品につき何ら明記されていない。また、本件商標は、アルファベットとカタカナを2段書きにした商標であるにもかかわらず、本覚書においては、「カンドーム」「CANDOME」と別個の商標として通常使用権を与えているものであり、到底本件商標につき、通常使用権を与えたものとはいえない。なお、「カンドーム」という商標は他に商標第4414799号もあり、被請求人においては、本覚書において、何の権利において、何を使用許諾したのか全く不明であり、乙第1号証の使用証明としての証明力はないといわざるを得ない。
イ、乙第2号証の証明力
被請求人の答弁書の証拠方法によれば、乙第2号証として掲示の領収書は、境川と親しむが安斉商事から出店料を受領したことを示すにすぎず、全く指定商品の使用証明としての能力を得ないといわざるを得ない。
しかしながら、百歩譲って、乙第2号証全体を使用証明としてみて、乙2号証の写真につき、その証明力につき検討する。
これらの写真は、いずれもその撮影場所、撮影年月日、撮影者が全く明らかでなく、これのみをもって本件商標がその指定役務「コンドーム」について使用されていることの証拠とすることは到底いえない。また、「感動夢 CANDOME お楽しみ景品」という商標がついた缶が認められ、その中に一応、別の商標を付した内容物が確認できるが、この中身については全く不明であり、これをもって、被請求人が指定商品に使用したということが、推認できる状況にすら至っていない。現に、指定商品については、写真の何処にもその存在を認めることができない。
よって、過去3年以内における本件商標の使用の事実を証明するものではないといわざるを得ない。
添付書類につき、その使用証明の証明力を検討する。証拠書類は「第4回 境川と親しむ会」についての書類であると一応推定できる。それらには、a 被請求人の店舗らしきもの、b 安斉商店の出店らしきもの、c 「カンドームグッズ」と書かれたたて看板、d 乙第2号証と同一の書面などがあるが、写真については、いずれもその撮影場所、撮影年月日、撮影者が全く明らかでなく、その余についても、その内容を詳細に吟味するまでもなく、本件商標が指定商品に使われている使用証明にはならないといわざるを得ない。
被請求人の本件答弁書には、本件商標につき継続して使用している旨の理由が述べられているが、周知のとおり、不使用取消審判とは「継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれもが各指定商品又は指定役務についての登録商標の使用をしていないとき」商標登録を取り消すことについて審判を請求することができるものである。つまり、指定商品について、本件商標が使用されていることが明らかにならない限り、継続して使用している証明にはならないのである。この点につき、被請求人は本件答弁書において、指定商品(コンドーム)については、その使用様態、明確な証拠写真等、何ら主張立証していないし、これらを証する文書も、審判において何ら提出されていない。また、その使用を証明する過去3年以内に撮られた写真、本件商標について通常使用権を設定したという明確な書面も存在しない。
以上のように、被請求人の主張はいずれも失当であり、また、不使用の正当理由の主張もないことから、本件商標は、商標法第50条第1項の規定に該当する。
(1)答弁の趣旨
本件審判請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求める。
(2)答弁の理由
被請求人は、答弁の理由を以下のように述べ、証拠方法として、添付書類2ないし11及び乙第1号証、乙第2号証を提出した。
「カンドーム」の商品は当初、缶ジュースの自動販売機に入れ約10箇所位の拠点で販売していた。約3年位自動販売機で売っていたが、サッポロ等のメーカーから飲料との併売はイメージに合わないとの申し入れが有り中断した。しかし、当初より、おもしろグッズとして、ライオンズクラブの仲間や地元の催し物の景品等に、製品の改良等含め販売や提供をして「カンドーム」の維持継続を図って来た。
当社は、サッポロ、サントリー等と業務提携して自動販売機を千葉県、都内含め約400台前後の設置基数が有あり、今も自社店頭では展示販売している。また、露天商の企業1社(有)安斎商事と貿易商社の(有)IDP社とは平成13年1月より業務提携契約を行い、カンドームの通常使用権を与え販売使用を継続しており、それらの声を活かして更に製品開拓、研究開発に努力している。全国展開や広範な宣伝販売は行っていないが、請求人の言う継続して使用していないと言うことは無い旨断言する。
(1)商標法第50条の商標登録の取消審判にあっては、その登録商標の使用をしていないことについて正当な理由がある場合を除いて、その審判の請求の登録前3年以内に日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかがその請求に係る指定商品又は指定役務のいずれかについての登録商標の使用をしていることを被請求人が証明しない限り、商標権者は、その指定商品又は指定役務に係る商標登録の取消しを免れない(商標法第50条第2項)とされている。
(2)そこで、被請求人の提出に係る添付書類等を徴するに、添付書類2は、請求の登録(平成15年7月16日)前3年以内である平成14年4月21日に実施されたイベント「第4回境川と親しむ会」の広告チラシであるが、これには、本件商標をその指定商品について使用していることを示すところはない。添付書類3は、添付書類2で示されたイベントの風景写真であると認められるが、本件商標をその指定商品について使用していることを示すものではない。添付書類4は、本件商標を商品に付して取り扱っているとする露天屋台の風景写真であるが、この屋台が出店された時期及び場所は、前記添付書類2及び3で示されたイベントチラシ及び風景写真とは、1.上記イベントの屋台は全て川を背にして設置されている(添付書類8)にもかかわらず森又は公園を背にして設置されている、2.背にしている広葉樹等が上記イベントの季節感と著しく異なる、等、上記イベントに係る屋台の出店とは見られないところから、該商品の展示の日付けが定かなものでなく、請求の登録前3年以内の使用を証明するとは認められないものである。添付書類5ないし9は、本件商標をその指定商品について使用していることを示すものではない。添付書類10に示された商品の姿写真は、その展示が商品の販売を目的とするものとは認められず、また、その日付も確認できないものであり、その下段の領収証写し及び添付書類11は、本件商標の使用を示すものではない。乙第1号証及び乙第2号証は、上記添付書類10及び添付書類11と同様に本件商標の使用を示すものではない。
(3)してみれば、被請求人の提出に係る上記添付書類等によっては、本件商標の審判の請求の登録前3年以内に日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかがその請求に係る指定商品のいずれかについての登録商標の使用をしていることを被請求人が証明したとは認められないものである。
また、被請求人は、本件商標の使用をしていないことについて正当な理由があると述べるものでもない。
(4)したがって、本件商標の登録は、商標法第50条第1項の規定により、取り消すべきである。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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