結論テキスト
審判費用は、請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 無効2003−35051(T2003−35051/J3) |
|---|---|
| 審判種別 | 無効 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第4497762号商標(以下「本件商標」という。)は、「日本リファインシステム」の文字を標準文字で横書きしてなり、平成12年5月29日に登録出願、第37類「建築一式工事,しゅんせつ工事,土木一式工事,舗装工事,石工事,ガラス工事,鋼構造物工事,左官工事,大工工事,タイル・れんが又はブロックの工事,建具工事,鉄筋工事,塗装工事,とび・大工又はコンクリートの工事,内装仕上工事,板金工事,防水工事,屋根工事,管工事,機械器具設置工事,さく井工事,電気工事,電気通信工事,熱絶縁工事」を指定役務として、同13年8月10日に設定登録されたものである。
請求人が本件商標の登録無効の理由に引用する登録第3108031号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、平成4年9月29日に登録出願、第37類「建築一式工事,しゅんせつ工事,土木一式工事,舗装工事,石工事,ガラス工事,鋼構造物工事,左官工事,大工工事,タイル・れんが又はブロックの工事,建具工事,鉄筋工事,塗装工事,とび・土工又はコンクリートの工事,内装仕上工事,板金工事,防水工事,屋根工事,管工事,機械器具設置工事,さく井工事,電気工事,電気通信工事,熱絶縁工事,エレベーターの修理又は保守,火災報知機の修理又は保守,暖冷房装置の修理又は保守,バーナーの修理又は保守,ボイラ―の修理又は保守,ポンプの修理又は保守,冷凍機械器具の修理又は保守,電子計算機(中央処理装置及び電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスクその他の周辺機器を含む。)の修理又は保守,電話機の修理,家具の修理,時計の修理又は保守,建築物の外壁の清掃,窓の清掃,床敷物の清掃,床磨き,し尿処理槽の清掃,浴槽又は浴槽がまの清掃」を指定役務として、同7年12月26日に設定登録されたものである。
請求人は、「本件商標の登録は無効にする。審判費用は、被請求人の負担とする。」との審決を求めると申し立て、その理由を要旨(平成15年12月26日付提出の弁駁書における主張を含む。)次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第21号証(枝番号を含む。)を提出している。
(1)本件商標と引用商標とを比較すると、「日本リファインシステム」の中、「システム」の文字は、「組織」「系統」の意味を有する英語であって、本件商標の指定役務中、建築工事、土木工事、電気工事などの役務については、自他役務の識別力を有しないというべきである。
すなわち、「システム工学」「システムエンジニアリング」「システムハウス」等の事例のように「システム」の語は「組織」「系統」を表す語として普通に使用されている(甲第3号証ないし甲第7号証の審決参照)。
(2)次に、本件商標中の「日本」の文字は、本件指定役務を提供する場所を表す語として普通に使用されている。
例えば、本件の指定役務についても建築工事という役務の提供は「日本」においてなされ、また、電気工事という役務も「日本」において提供されている。
その他、本件指定役務中、すべての役務は「日本」においてなされているため、「日本」の語は役務の提供がなされている場所を表すものであり、結局、「日本」の文字は自己の役務と他人の役務とを識別する力を有しないというべきである。
(3)このように、本件商標中「日本」及び「システム」の文字は、自己の役務と他人の役務とを区別する力を有しないから、このサービスマークの要部は「リファイン」の文字にあるというべきであり、したがって、両商標は「リファイン」の称呼において互に類似するというべきである。
(4)請求人の所有に係る引用商標は、昭和57年頃より継続的に使用されてきた結果、本件商標の出願日前、及び現在において需要者の間において広く認識されている。そして、本件商標と引用商標とは、「リファイン」の称呼が一致するため、両商標は類似するというべきである。また、両商標に係る指定役務が同一であるから、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に違反して登録されたものである。
さらに、引用商標は、本件商標の出願日以前及び現在において需要者の間において広く認識されているため、本件商標を使用した場合に、引用商標の事業者の業務に係る役務であると誤認し、その役務の需要者が役務の出所について混同するおそれがあるものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものである。
この事実を立証するため、請求人は甲第8号証ないし甲第21号証を提出する。
以上の証拠により、「Refine」及び「リファイン」の登録商標が需要者の間において広く認識されている事実を立証する。
(5)よって、本件商標の登録は、商標法第46条第1項の規定により無効にされるべきである。
被請求人は、結論と同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし甲第3号証を提出している。
(1)商標法第4条第1項第10号について
(ア)本件商標は、その構成中の「日本」や「リファイン」の部分が分離され得るような構成にはなっていない。本件商標は、標準文字で「日本リファインシステム」と、同一の書体及び大きさの文字により等間隔で表された商標である。このような外観構成上の一連一体性から、称呼に際しては「ニホンリファインシステム」と連続してよどみなく称呼されるもので、観念上も「日本リファインシステム」と認識される造語商標である。
したがって、類否判断においても、商標「日本リファインシステム」全体と引用商標「Refine」とが比較されて類否判断されるべきである。
これに対して、請求人は、「日本」や「システム」の部分が識別力を有しないと述べるのみで、類否判断において「日本」や「システム」の部分が何故に分離判断されなければならないかについて言及していない。商標の類否判断は、外観、観念及び称呼のいずれかが類似することを問題とし、そのためには、商標の構成、称呼、意味合い(観念)、造語であるか否か等が問題とされるべきである。なお、かかる点は、本件商標における異議決定の理由でも示されたものである
(イ)請求人は、「日本リファインシステム」の中「システム」の語は、「組織」「系統」を表す語として普通に使用されている旨述べ、甲第3号証から甲第7号証を挙げている。
しかしながら、識別力の有無は指定商品や指定役務との関係において判断すべきものであるにもかかわらず、今回の役務(建築工事等)との関係で説明(立証)しようとせずに、いずれの審決も、今回の役務(建築工事等)とは異なる指定商品との関係において「システム」の文字が問題となったものを挙げており、これをもってして、本件商標の「システム」の文字が指定役務「建築一式工事等」との関係で自他商品識別力を有しないことの根拠とはならない。
(ウ)上述のように、本件商標においては「日本」を分離して判断すべき格別の理由はない。その構成から一連−体とみるべきである。さらに「日本」の文字は、本件商標の語頭にあることから称呼及び外観において印象強く認識され、この「日本」の二文字だけが漢字であることから外観及び観念においても注目されやすい部分となっており、本件商標において識別力を十分に発揮している。
請求人の主張は、「日本」の語があれば、どのような外観構成や造語商標であっても識別力がないという主張である。そのような審決例や判例を挙げない一方的な主張である。
(エ)以上から、請求人の請求理由には具体的妥当性に欠け、したがって、商標法第4条第1項第10号の規定に該当するような理由とはなっていない。
(オ)ここで、特許庁ホームページの「商標出願・商標登録」による検索を行ったところ、登録第3073568号「ヤナセ リファイン システム」(乙第1号証)、登録第3118362号「日本エアシステム」(乙第2号証)と登録第4536415号「日本メディカルシステム」(乙第3号証)が発見された。
そこで検討するに、「ヤナセ リファインシステム」では、本件商標との比較において、「リファイン」部分が分離され得る構成であると思慮する。しかし、これが登録されていることは、一連一体的なものと判断された結果ではないかと考える。したがって、本件商標の構成からすれば、分離されることはないと考える。
なお、「日本エアシステム」と「日本メディカルシステム」については、請求人の主張内容からすると分離されて判断されることになると思われるが、これらも本件商標と同様に一連一体的に全体としてみなければならないものと考える。
(2)第4条第1項第15号について
上述のように、本件商標は「日本リファインシステム」として一連一体に認識されるものであり、「システム」及び「日本」の文字が分離され得るような構成ではなく、全体として一つの識別力を発揮するものであり、外観、観念、称呼のいずれにおいても引用商標とは大きく異なることから、需要者により両商標が混同されることはない。
(3)以上から、今回の請求人の主張内容は、具体的妥当性にかけることから、無効理由はない。
(1)本件商標は、「日本リファインシステム」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成に係る各文字は、同じ書体、同じ大きさで一体的に表されており、外観上一体として把握し得るものである。そして、その全体より生ずる「ニホンリファインシステム」の称呼は、多少冗長であるとしても、よどみなく一連に称呼し得るものである。また、本件商標が「日本」の文字、「洗練すること、みがきをかけること」を意味する「リファイン」の文字及び「組織、体系、方式」を意味する「システム」の文字を結合したものであるとしても、これら各文字間には軽重の差は認め難く、構成中の中間に位置する「リファイン」の文字部分のみをもって取引に資されると解すべき特段の理由は見いだすことが出来ない。
したがって、本件商標は、その構成文字の全体をもって、一体不可分の構成よりなると認識し、把握されるとみるのが自然である。
そうとすれば、本件商標は、その構成文字の全体に相応して「ニホンリファインシステム」の称呼のみを生ずるものであって、一種の造語を表したものと判断するのが相当である。
請求人は、本件商標中の「日本」及び「システム」の文字は自己の役務と他人の役務とを区別する力を有しないから、このサービスマークの要部は「リファイン」の文字にある旨主張する。
しかしながら、本件商標中の「日本」、「リファイン」及び「システム」の各文字は、いずれも広く使用されている一般的な語であって、上述のとおり、その有する観念において、いずれかのみが格別に印象に残るものではない。加えて、事業者の名称やその業務に係る名称(商標)に国名の「日本」や都市名を冠して他の事業者のそれと区別して認識されている取引の実情が少なからず存在し、また、「システム」の語が「○○○システム」のように他の語と結合して全体で一種のシステムの名称を表すことが少なくないことをも併せ考えれば、本件商標については、上記のとおり判断するのが相当であり、その要部が「リファイン」の文字にあると述べる請求人の主張は、採用することができない。
これに対し、引用商標は、別掲のとおり「Refine」の文字よりなるものであり、該文字に相応して「リファイン」の称呼を生ずるものである。
してみれば、本件商標より生ずる「ニホンリファインシステム」の称呼と引用商標より生ずる「リファイン」の称呼とは、構成音数の差、各音の音質の差により明らかに聴別し得る差異を有するものであり、本件商標は、引用商標と称呼において類似するものではない。
また、両商標は、それぞれの構成よりして、外観においては類似するものではなく、さらに、観念においては比較することの出来ないものである。
(2)上述のとおり、本件商標は不可分一体のものであって、引用商標と類似する商標でないと認められるところ、本件商標をその指定役務に使用した場合、これより直ちに引用商標を連想、想起させると認めるに足りる格別の事情が、引用商標に存するか否かについて以下検討する。
請求人の提出に係る証拠によれば、「クロワッサン」1999年3月10日号(甲第8号証)、同2000年2月10日号(甲第9号証)、「家庭画報」1999年11月号(甲第10号証)、同2000年3月号(甲第11号証)、「HOUSING」2000年5月号(甲第12号証)、「新しい住まいの設計」1999年4月号(甲第13号証)、「モダンリビング」1999年5月号(甲第14号証)、「ナイスリフォーム」1999年春号(甲第15号証)、同1999年秋号(甲第16号証)、「goodライフ&リフォーム」第5巻(甲第17号証)、同第9巻(甲第18号証)、「リフォームくらぶ」2000春特大号(甲第20号証)及び「リフォームくらぶ」1999秋号(甲第21号証)のそれぞれに、引用商標を使用した請求人の建物の増改築に関連した役務の広告が掲載されていたことが認められる。
また、請求人が作成したと述べる「リファイン宣伝計画書」(甲第19号証)には、「13/上リファイン宣伝計画」の項に12月から5月までの欄が、「13/下リファイン宣伝計画」の項に6月から11月の欄が設けられて、各月におけるテレビ、新聞、雑誌などの媒体を用いた宣伝内容が示されている。また「14/上リファイン宣伝計画」及び「14/下リファイン宣伝計画」にも同様の宣伝内容が示されている。そして、「13/上」、「13/下」及び「14/上」、「14/下」のそれぞれに対応している月の表示との関係よりみると、これらの宣伝計画書は、平成13年及び同14年の上期と下期におけるものと推認することができる。
請求人の提出に係る証拠には、引用商標の役務の提供に関する売上高など取引の実績を示すものはない。
以上の事実を総合すると、請求人が、平成11年頃から引用商標を使用して建物の増改築に関連した役務を提供していたことは、認められる。
しかしながら、本件商標の登録出願は平成12年5月であり、本件商標出願前の使用期間はわずか1年である。また、その売上高なども明らかでない。広告宣伝の実績も、短期間の間、雑誌を介して行われたに止まり、テレビによる広告宣伝を開始したのは、提出された証拠に限ってみれば、本件商標の登録出願後である。
そうすると、引用商標は、本件商標の登録出願前に、請求人の業務に係る役務を表示するものとして取引者、需要者の間に広く認識されていたものとは判断することができず、他に、本件商標から引用商標を直ちに連想、想起させるに足りる格別の事情は、見いだせない。
してみれば、本件商標をその指定役務に使用した場合、これに接した取引者、需要者が、これより引用商標を連想、想起し、その役務を請求人又は請求人と何らかの関係を有する者の業務に係る役務であるかのように、その役務の出所について混同するおそれはないものといわなければならない。
(3)以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第10号及び第15号のいずれの規定にも違反して登録されたものではないから、同法第46条第1項の規定により、その登録を無効とすることはできない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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