Trademark Appeal Case
記述的商標の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2001−22019(T2001−22019/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「そうだったのか!」の文字を書してなり、第16類「印刷物」を指定商品として、平成12年11月24日に登録出願されたものである。
2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、『ものごとがわかった時に使う言葉』と認識される『そうだったのか』の文字と文の終わりにつけて感嘆の気持ちを表す符号として一般に使用されている『!』の文字を書してなるものであるから、これを本願指定商品に使用してもキャッチフレーズの一種と認められるものであり、需要者が何人の業務に係る商品であるかを認識することができないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審において通知した証拠調べ
当審において、要旨以下のとおりの証拠調べを行い、意見書を提出する相当な期間を指定して、平成15年10月22日付けで請求人に通知した。
書籍等を取り扱う業界においては、それらの書籍が読んで分かり易いことを強調するため、「そうだったのか」の文字が付された書籍が多数出版・販売されている実情があるところ、例えば、インターネット・ホームページ(三省堂書店:書名検索)によっても、その一端を窺い知ることができる。
(ア)そうだったのか!一眼レフ(Asahi original)/阿部 秀之〔著〕/朝日新聞社
(イ)家庭料理「そうだったのか!」クイズ/長坂 幸子監修/PHP研究所
(ウ)そうだったのか! 1 コード理論編/田熊 健編著
(エ)そうだったのか!現代史 パート2/池上 彰著/ホーム社
(オ)そうだったのか現代思想(講談社+α文庫)/小阪 修平〔著〕/講談社
(カ)そうだったのか、野球!(チャートBOOKS)/知球会編/数研出版
(キ)そうだったのか!(ブルーバックス B−1261)/ジェイ・イングラム著/講談社
(ク)生活設計白書 2002年度版 そうだったのか!/確定拠出年金/明治生命フィナンシュアランス研究所
(ケ)「そうだったのか!」これがメインレースの当て方!!/プロジェクトG著/東邦出版
(コ)そうだったのか...!/林 真理子著/文芸春秋
以上の実情に照らしてみるに、書籍等を取り扱う業界においては、「そうだったのか」の文字は、その書籍の内容が、物事について解説するものであって、それが理解・納得し易いように書かれていることを誇称する語として、一般的に使用されていることがわかる。
4 証拠調べ通知に対する請求人の意見の要点
「そうだったのか」の文字のみからでは、どの様な物事の真相が明らかになったのか全く不明であり、商品「書籍」の内容を認識することは出来ない。
「証拠調べ通知」において列挙された書籍を検討しても、書籍を取り扱う業界においては、その書籍の内容が、物事について解説するものであって、それが理解・納得し易いように書かれていることを誇称する語として「そうだったのか」の文字が用いられる場合、必ず「その書籍の特定の内容」を表す文字と結合されるものであり、「そうだったのか(!)」の文字が単独で使用される場合はない。
5 当審の判断
(1)本願商標は、「そうだったのか」の文字に、感嘆や強調を表す符号「!」を結合してなるところ、その構成中「そうだったのか」の文字部分は、一般的に他者から聞き又は書籍等の記事によって、物事の真相(謎、不可思議)等がわかったときに用いる話し言葉を表したものであって、本願の指定商品中、主に物事について解説する文章等が掲載されている「書籍」等との関係では、「物事の謎や不可思議さを理解・納得させてくれる」程の意味合いを表わしているものと容易に理解させるものであり、その「そうだったのか」の文字に付加されている感嘆符「!」は、「そうだったのか」の意味を強調する意図のもとに付加されていると理解されるものと認められる。
この点、前項3における証拠調べにおいても、書籍等を取り扱う業界においては、「そうだったのか」の語は、その書籍の内容が物事の謎や不可思議さを理解・納得させてくれるものを表すものとして用いられている実情があるものと認められる。
そうすると、本願商標を、その指定商品中「書籍」に使用した場合、これに接する取引者・需要者は、その商品(書籍)が物事の謎や不可思議さを、理解・納得させてくれるものであると認識し、商品の品質(誇称)を表示したものと理解するに止まるものであるから、結局、本願商標は、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものと判断するのが相当である。
(2)なお、請求人は、「そうだったのか」の文字のみからでは、どの様な物事の真相が明らかになったのか全く不明であり、真相が明らかとなった物事を特定する文字と結合することによって、初めて商品の品質を表示したものと理解されるものである旨主張している。
しかしながら、確かに請求人主張のように、書籍の内容を表す題号等においては、「そうだったのか ○○○」等のごとく、説明又は解説している物事を表す語と共に「そうだったのか」の語が用いられている場合が多いとしても、書籍等を取り扱う業界においては、前項3の証拠調べで認定したとおり、例えば、一眼レフカメラ、コンピューター、家庭料理、野球、歴史等の説明又は解説する書籍等に「そうだったのか」の語が多数使用されている実情があるとすれば、単に「そうだったのか!」の語を書籍の表示(商標)として題号又は宣伝広告の表示として使用するとしても、その商標に接する取引者、需要者は、書籍が説明又は解説する物事について十分に理解できる程に説明又は解説していること、すなわち、その商品の品質(分かりやすく説明又は解説していること)を誇称的に表しているものと優に認識させるものとみるのが相当である。
また、「そうだったのか!」の語が、たとい、その語が単独で使用されている事実が見出せないとしても、上記のとおり、書籍等における取引者、需要者が商品の品質を認識するものであれば、商標法第3条第1項第3号に規定する商品の品質を表わすものと解するのが妥当であり、上記請求人の主張は採用できない。
したがって、本願商標は、その指定商品中「書籍」について使用するときは、その商品の品質を表示するものであるから、商標法第3条第1項第3号に該当するものといわなければならない。
なお、原査定は、本願商標は商標法第3条第1項第6号に該当する旨認定しているが、同第3号と同第6号とは、自他商品の識別標識として機能し得ないものは登録を受けることができないとする商標登録の要件に関する同趣旨の条項と解されるものであり、また、当審において前項3のとおり証拠調べ通知を行い、請求人が意見書を提出する機会を与えていることから、当審において本願商標を同第3号に該当するものとして、新たな拒絶理由を通知することなく判断した。
よって、結論のとおり審決する。
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