Trademark Appeal Case
自由診療型の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2002−12154(T2002−12154/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「自由診療型」の文字(標準文字)を書してなり、第36類に属する願書に記載のとおりの役務を指定役務として、平成13年1月5日に登録出願、その後、指定役務については、同14年3月29日付け手続補正書をもって、第36類「預金の受入れ(債券の発行により代える場合を含む。)及び定期積金の受入れ,資金の貸付け及び手形の割引,内国為替取引,債務の保証及び手形の引受け,有価証券の貸付け,金銭債権の取得及び譲渡,有価証券・貴金属その他の物品の保護預かり,両替,金融先物取引の受託,金銭・有価証券・金銭債権・動産・土地若しくはその定著物又は地上権若しくは土地の賃借権の信託の引受け,債券の募集の受託,外国為替取引,信用状に関する業務,前払式証票の発行,ガス料金又は電気料金の徴収の代行,有価証券の売買,有価証券指数等先物取引,有価証券オプション取引及び外国市場証券先物取引,有価証券の売買・有価証券指数等先物取引・有価証券オプション取引及び外国市場証券先物取引の媒介・取次ぎ又は代理,有価証券市場における有価証券の売買取引・有価証券指数等先物取引及び有価証券オプション取引の委託の媒介・取次ぎ又は代理,外国有価証券市場における有価証券の売買取引及び外国市場証券先物取引の委託の媒介・取次ぎ又は代理,有価証券の引受け,有価証券の売出し,有価証券の募集又は売出しの取扱い,株式市況に関する情報の提供,商品市場における先物取引の受託,割賦購入あっせん,生命保険契約の締結の媒介,生命保険の引受け,損害保険契約の締結の代理,損害保険に係る損害の査定,損害保険の引受け,保険料率の算出,保険情報の提供,保険に関する助言,建物の管理,建物の貸借の代理又は媒介,建物の貸与,建物の売買,建物の売買の代理又は媒介,建物又は土地の鑑定評価,土地の管理,土地の貸借の代理又は媒介,土地の貸与,土地の売買,土地の売買の代理又は媒介,建物又は土地の情報の提供,土地・建物に関する相談,骨董品の評価,美術品の評価,宝玉の評価,中古自動車の評価,企業の信用に関する調査,慈善のための募金,紙幣・硬貨計算機の貸与,現金支払機・現金自動預け払機の貸与」と補正されたものである。
2 原査定における拒絶の理由
原査定は、「本願商標は、『自由診療型』の文字を標準文字で書してなるところ、これをその指定役務との関係においてみると『けがや病気等をした場合、どのような診療を受けても保険金を支払う形式の保険』程度の意味合いを表したと理解し把握させるに止まるものであるから、これをその指定役務中『生命保険契約の締結の媒介,生命保険の引受け,損害保険契約の締結の代理,損害保険に係る損害の査定,損害保険の引受け,保険料率の算出,保険情報の提供,保険に関する助言』等前記文字に照応する役務に使用するときは、単に役務の質(内容)を表したにすぎず、自他役務の識別標識としての機能を果たすものとは認められない。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記役務以外の役務に使用するときは、役務の質の誤認を生じさせるおそれがあるので、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
本願商標は、「自由診療型」の文字を書してなるものであるところ、構成中前半の「自由診療」の文字は「健康保険を利用せず、医療費をすべて自己負担して受ける診療」との意味合いを容易に理解させるものである。また、同後半の「型」の文字は、「ある決まった形を作る基となるもの。物事を分類した際に、性質や形状などの共通した特徴を持つ個々の類、タイプ、パターン」の意味を有するものとしてよく知られたものといえる。
しかして、「自由診療」の文字が上記意味合いをもって、広く一般においても知られたものであることは下記インターネット情報等からも確認し得るところである。
(1)YOMIURI ON−LINE(読売新聞)「医療と介護」には、「自由診療」とは「健康保険を利用せず、医療費をすべて自己負担して診療を受けること。健康保険を利用(自己負担は3割)する保険診療は、適用される医療行為の範囲と公定価格が決められている。自由診療では、保険未承認の先進的な医療も受けることが可能で、費用は医療機関が決める」(wysiwyg://141/http://www.yomiuri.co.jp.iryou.ansin/an361701.html)との記載があること。
(2)毎日新聞、ことば「自由診療」の項には、「公的健康保険が使えない診療。治療費全額が自己負担になる。美容整形や不妊治療など病気と認めれていないものや、高材質を使った歯の詰め物などが対象。移植の一部や、新薬など最先端医療でも保険が適用されないものがある。高額負担となるが、自由診療を対象とした民間保険もある。」(http://www.mainichi.co.jp/news/kotoba/sa/20030228_01.html)との記載があること。
(3)自由診療保証システム。治療後の安心システム<自由診療>保証制度を導入しております。患者さんが自由診療(保険外診療)にて治療された場合、歯の治療後も安心できるように当院では、「保証制度」を設けております。(http://www.matsumoto.or.jp/html/ziyuu.html)との記載があること。
しかして、自由診療による治療を受けた場合、極めて高額な費用を被治療者自身が負担しなければならない実情にあることも、上記インターネット情報より確認し得るところである。
従来、保険業界においては、医療や介護を単独で保障する単独型の医療保険は、事実上外資系の生命保険会社だけが扱い、国内の生命保険会社等の医療保障を対象とした商品は、生命保険等の医療特約として販売されてきたところである。しかしながら、1996年の日米保険協議において保険の規制緩和が合意され、2001年よりその規制が撤廃されたことにより、生損保各社が医療保険に相互参入し、高額な保険外診療等に対応してその治療費等を保障する様々な医療保険が開発、販売されている実情にある。
そうしてみると、構成中「自由診療」の文字は、健康保険を利用して受ける保険診療の枠を超える診療を意味する語として用いられているものであり、一方、保険業界においては、こうした自由診療等高額な治療を受けた場合の補償を行う保険システムが登場していること等を併せ考慮すれば、「自由診療型」の文字よりなる本願商標を、その指定役務中「生命保険契約の締結の媒介,生命保険の引受け,損害保険契約の締結の代理,損害保険に係る損害の査定,損害保険の引受け,保険料率の算出,保険情報の提供,保険に関する助言」等に使用した場合、これに接する取引者、需要者は、単に当該役務が自由診療に要する高額な費用を補償するタイプのもの(保険)であること、すなわち、その役務の質(内容)を表すものとしてこれを理解し、自他役務の識別標識としては認識し得ないものと判断するのが相当である。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、登録することはできない。
なお、請求人(出願人)は、本願商標の使用事実を証明する資料及び本願商標の識別性を証明する資料を収集中である旨述べ、審理の猶予を求めているが、本件審判請求から既に1年半余の期間を経過しているにもかかわらず、その後、何らの証拠資料も提出するところがないことから、審理を終結し、審決することとした。
よって、結論のとおり審決する。
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