結論テキスト
審判費用は、請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2003−30843(T2003−30843/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第470378号商標(以下「本件商標」という。)は、「Dress」の欧文字を筆記体で横書きしてなり、第3類「香料類及び他類に属しない化粧品」を指定商品として、昭和29年10月23日に登録出願、同30年9月9日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
請求人は、本件商標の指定商品中「香水、香粉、香袋、香紙、髪油、髪液、白粉及び化粧下」についての登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求めると申し立て、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のとおり述べ、証拠方法として甲第1号証及び甲第2号証を提出した。
被請求人は、本件商標はその指定商品中「香水、香粉、香袋、香紙、髪油、髪液、白粉及び化粧下」について、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において使用されていない。また、上記商品について、専用使用権者及び通常使用権者が本件商標を使用している事実も存しない。
したがって、本件商標の指定商品中「香水、香粉、香袋、香紙、髪油、髪液、白粉及び化粧下」についての登録は、商標法第50条第1項により、取り消されるべきである。
(1)商標権者(被請求人)である株式会社セブン化学は、本件審判事件について、株式会社セブンツーセブン(以下「セブンツーセブン」という。)の代表者を代理人に選任しているところ、両会社の代表者である宮副孝夫は、同一人物と見受けられる。
すなわち、被請求人とセブンツーセブンとは、それぞれ別法人であるものの、被請求人の代表者である宮副孝夫とこの代理人としてセブンツーセブンの宮副孝夫に授権され本答弁書を提出されるも、両社において宮副孝夫が共通することから、これは民法第108条に規定の自己契約の外観を呈しており、自己契約は基本的に禁止されている。また、これに類する規定として商法第265条に規定の利益相反取引がある。このように、自己契約が禁止される理由は、本人の利益を害する可能性が高いことから禁止されるのであり、また、利益相反取引きが禁止されるのは、会社の利益が不当に害されないようにするためである。しかしながら、両社が自己契約及び利益相反取引きの外観を容易に呈し得ることは、これは取りも直さず、被請求人とセブンツーセブンとの関係が極めて親密であり、利益が完全に一致していることを示すものである。
そうすると、提出された乙各号証は、被請求人とセブンツーセブンのそれぞれに共通する代表者のもので、自分達の都合のよい証拠方法を作出することも簡単であると推察される。また、両社者間における商取引きにおいて利益相反行為もいとも簡単になし得ることも推察される。
(2)乙第1号証ないし乙第3号証は、製造元が「株式会社セブン化学」であり、発売元が「株式会社セブンツーセブン」となっており、また、売上伝票も上記両社による取引きの形態を取っている。
しかしながら、乙各号証を精査しても、客観的な第三者が介在した如き形跡は全く見受けられず、答弁の理由及び乙各号証による本件商標の使用は、本来あるべき商取引下における商標の使用とは言い難いものである。
(3)したがって、本件商標の指定商品中「香水、香粉、香袋、香紙、髪油、髪液、白粉及び化粧下」についての登録は、商標法第50条の規定により取り消されるべきものである。
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第3号証の2を提出した。
本件商標は、その指定商品中の「白粉」に包含される「おしろい(フェイスアップパウダー)」(以下使用商品」という。)について、商標権者によって、本件審判請求の登録前3年以内に使用されているものである(乙第1号証、乙第2号証、乙第3号証)。
(1)使用商品の外箱の上面に、図形と「face up」の文字との間に、「DRESS」の文字が表示され、かつ、外箱側面の「face up」の文字の上に「DRESS」の文字が表示されている(乙第1号証及び乙第2号証)ところ、該文字は、筆記体で書された「Dress」の文字よりなる本件商標と称呼及び観念が同一のものであるから、本件商標と社会通念上同一の商標というべきものである。
(2)使用商品は、被請求人よりセブンツーセブンに販売され、かつ、セブンツーセブンより、セブンツーセブン東京神奈川営業所に納品されているものである(乙第3号証の1及び2)。
(1)乙第1号証は、平成15年8月28日に撮影された使用商品及びその包装用箱の写真であり、乙第2号証は、使用商品の包装用箱と認められるところ、該包装用箱の上部及び側面には、活字体で書された「DRESS」の文字が表示されている。また、包装用箱の底に当たる部分には、「727 ドレス フェイスアップパウダー」、「おしろい」、「発売元 株式会社セブンツーセブン」、「製造元 株式会社セブン化学」などの文字が記載されている。
(2)乙第3号証の1は、株式会社セブン化学からセブンツーセブンに宛てた、平成13年(2001年)10月20日付け売上伝票であるところ、その「商品名」欄には、「194831 727 ドレスフェイスアップパウダー」の記載がある。
(3)乙第3号証の2は、セブンツーセブンからセブンツーセブン東京神奈川営業所に宛てた、2003年1月30日付け納品書であるところ、その「商品コード」、「商品名」の欄には、「194831」、「727 ドレス フェイスアップパウダー」の記載がある。
そして、上記「727 ドレスフェイスアップパウダー」は、請求に係る指定商品中の「おしろい」と認められる。
(1)請求人は、本件審判における被請求人の代理人は、被請求人の代表者と同一人であるから、民法第108条に規定の自己契約、商法第265条に規定の利益相反取引に該当する。両社が自己契約及び利益相反取引きの外観を容易に呈し得ることは、これは取りも直さず、被請求人とセブンツーセブンとの関係が極めて親密であり、利益が完全に一致していることを示すものである。提出された乙各号証は、被請求人とセブンツーセブンのそれぞれに共通する代表者のもので、自分達の都合のよい証拠方法を作出することも簡単であると推察される。また、両社者間における商取引きにおいて利益相反行為もいとも簡単になし得ることも推察される旨主張する。
請求人の上記主張は、にわかには理解し難いところであるが、要するに、被請求人の代表者と代理人(セブンツーセブン)の代表者とが同一人であるから、答弁の理由及び乙各号証は、証拠力に欠けるというものと理解される。
しかし、本件審判における被請求人(依頼者本人)とその代理人との関係において、被請求人の代表者と代理人の代表者とが同一人であるとしても、被請求人(株式会社セブン化学)と代理人(セブンツーセブン)は、それぞれ別個独立した会社であるばかりでなく、請求人(相手方)と代理人とは何らの関係を有しない第三者であるから、本件代理人が被請求人(依頼者本人)のために、請求人(相手方)との間における法律行為を代理した場合においても、被請求人(依頼者本人)の利益が不当に害されるなどのおそれはなく、本件にあっては、自己契約、利益相反取引に当たらないのみならず、そもそも、代理人は、依頼者本人の利益のために行動する義務があることを考えれば、本件における被請求人と代理人との関係は、何ら不自然であるということはできない。
また、答弁の理由及び乙各号証は、被請求人及びこれと商取引上利益を共有するその関連会社が作成したものであるからといって、証拠力に欠けるものであるとすることもできない。
(2)請求人は、使用商品の製造元が「株式会社セブン化学」であり、発売元が「株式会社セブンツーセブン」となっており、また、売上伝票も上記両社による取引きであるから、この取引形態における本件商標の使用は、本来あるべき商取引下における商標の使用とはいえない旨主張する。
しかしながら、被請求人とセブンツーセブンは、その代表者が同一人であるとしても、被請求人とセブンツーセブンとの取引は、両会社がそれぞれ業として、独立した会社間の取引として行っていることが容易に推認され、乙第3号証の1及び2(売上伝票及び納品書)が、単に架空ないし名目的な取引であったと認めるに足りる証拠はない。
(3)したがって、上記請求人の主張はいずれも理由がない。
したがって、本件商標の指定商品中「香水、香粉、香袋、香紙、髪油、髪液、白粉及び化粧下」についての登録は、商標法第50条第1項の規定により、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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