Trademark Appeal Case
本件商標の登録情報
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2003−68015(T2003−68015/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件国際登録第773536号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)に示すとおりの構成よりなり、2001年(平成13年)3月13日Franceにおいてした商標登録出願に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張して、2001年(平成13年)8月22日を国際登録の日とし、第9類「Radios;photographic cameras;audio and video cassettes;videotapes;sound recording disks,compact disks(audio and video),magnetic disks,optical disks,laser disks;floppy disks;video−game cartridges;memory or microchip card;magnetic cards;magnetic identity cards;data processing and computer equipment;computer software;CD−ROMs;tape recorders;cinematographic apparatus;motion−picture films;animated cartoons;cleaning apparatus for sound recording disks;transmitters(telecommunication);sound recording films;sound recording apparatus;sound recording media;magnetic−tape recorders;apparatus for games adapted for use only with television receivers;microprocessor;modems;computers;recorded computer programs;radiotelephony sets;telephone answering machines;data processing apparatus.」、第16類「Printed matter;bookbinding material;photographs;stationery;adhesive materials for stationery purposes;artists’ supplies;paintbrushes;typewriters and office articles(except furniture);instructional and teaching materials(excluding apparatus);playing cards;printing blocks;books;reviews.」、第25類「Clothing;footwear(excluding orthopedic footwear);headgear.」、第28類「Games;toys;play balls;balls for playing games;chess games;checkers;appratus for electronic games other than those adapted for use only with television receivers;skis;board games.」、第35類「Advertising agency services;dissemination of advertisements;dissemination and distribution of advertising matter(leaflets,pamphlets,printed matter,samples);television program broadcasting;television commercials;business management consultancy;business management of performing artists;advisory service for business management;rental of advertising space;modeling for advertising or sales promotion;advertising mailing;rental of advertising material;publishing of advertising texts;radio commercials;television advertising;radio advertising;telephone answering services;transcription of communications.」、第38類「Electronic messaging particularly via the Internet,Extranet and Intranet;transmission of information available via voice servers;transmission of information over the Internet;press agency;cable television broadcasting;mobile radio broadcasting,communication via computer terminals;radio broadcasts;telephone communications;telecommunications;television program broadcasting;radio programs;television programs;sending of telegrams;information on telecommunications;rental of telecommunication equipment;rental of message sending apparatus;message transmission;computer−aided message and image transmission;radio program broadcasting;radio broadcasting;cellular telephone communication;telephone communications;telephone services;provision of access to the Internet;telecommunications via national and international networks(the Internet).」、第41類「Radio and television entertainment;dissemination of radio and television entertainment particularly via national and interational telecommunication networks(the Internet);sports and cultural activities,namely sports activities,entertainment services,organisation of fairs in the field of education and entertainment,orchestra services,organisation of shows(impresario services),presentation of live shows,organisation and conducting of seminars,show and film production;performing arts’ agencies;rental of films and sound recordings;arranging of competitions in the field of education or entertainment;organisation and conducting of colloquiums,conferences,conventions;productions of radio programs.」及び第42類「Publication of books and reviews;record production;agency providing models for artists;patent exploitation;coffee shops;cafeterias;copyright management;rental of vending machines;software design and development;printing;legal research;exhibition site management;intellectual property licensing;computer rental;rental of computer software;updating of computer software;maintenance of computer software;computer programming;database reconstruction;elaboration,rental and hosting of Internet sites;design work in the field of telecommunications.」を指定商品として、平成15年6月27日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立ての理由
本件登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、本件商標の登録を取り消すべき旨申し立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第25号証を提出した。
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、上記したとおりの構成よりなるから、「ロフト」又は「ロフトストーリー」の称呼を生じ、かつ、「ロフト物語」程度の意味合いを観念させると認められる(第1号証)。
これに対し、申立人の引用する登録第2227248号商標、登録第4498945号商標、登録第2229176号商標、登録第2239150号商標、登録第2262011号商標、登録第4318773号商標、登録第4070684号商標及び登録第2202415号商標は、別掲(2)に示すとおり、デザイン化された欧文字で「Loft」と横書きしてなり、同じく、登録第3058906号商標、登録第3108229号商標、登録第3123772号商標及び登録第3226923号商標は、別掲(3)に示すとおり、デザイン化された欧文字で「Loft」と横書きし、その下に小さく「ロフト」の片仮名文字を書した構成よりなるものである(以下、これらをまとめて「引用商標」という。)。
そして、これらの引用商標よりは、「ロフト」の称呼を生じ、英語として本来の「屋根裏部屋」程度の意味及び「申立人の経営する雑貨専門店の名称」程度の観念を想起させると認められる(甲第25号)。
したがって、本件商標と引用商標とは、その称呼「ロフト」及び本件商標から生ずる「ロフト物語」の観念と、引用商標から生ずる「ロフト」の近似した観念において類似し、かつ、その指定商品及び指定役務も同一又は類似であるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(2)商標法第4条第1項第8号について
申立人である株式会社ロフトは、1996年8月8日に設立されたが、その前身である株式会社西武百貨店ロフト事業部は、1987年11月から東京渋谷で「Loft」の名称による雑貨専門店の営業を開始し、1999年には全国12カ所で雑貨専門店の営業をしている(甲第25号証)。申立人の経営する雑貨専門店「Loft」は、1987年ないし2001年3月の段階でFC店を含め、全国20店舗を営業中である(甲第25号証)。
日経流通新聞記事によれば、1999年度使用総資本経常利益率ランキングで6位にランクされている等、新聞・雑誌に多数の紹介記事が掲載されている。
しかして、雑貨専門店「Loft」は、大規模雑貨専門店であり、全国に20店舗近くを運営する会社としては、申立人と東急ハンズ以外に存在しない。
また、インターネット上で商品との関連を考慮して「大型雑貨専門店」をキーワードとして検索すると、ヒットする情報は、ほぼ前述の「東急ハンズ」及び申立人に関する事項である。
上記のほか、申立人は、「Loft」「ロフト」の名称で大型雑貨専門小売店の経営、各種生活関連雑誌の撮影用として販売雑貨の貸し出しをしている。
したがって、本件商標の出願前から今日に至るまでの多大な宣伝広告により、「Loft」又は「ロフト」は著名となっており、該著名性は、本件商標の出願時ないし査定時においても変わるところがない。
以上述べたように、本件商標は、申立人の経営する著名な店舗名「ロフト」又はその名称の著名な略称「LOFT」の文字を含む商標であって、商標権者が本件商標の出願・登録に際し、申立人の承諾を得たものとは認められないから、本件商標は、商標法第4条第1項第8号に該当する。
(3)商標法第4条第1項第15号について
申立人である大型雑貨専門店「株式会社ロフト」は、業界を二分する勢力を有し、その規模は日本最大級であって、日本全国で毎日のように黄色地に黒字で「Loft」のロゴの入った包装紙が何万枚と使用されていること、申立人の前身である株式会社西武百貨店のロフト事業部は、1987年11月以降、「Loft」又は「Loft/ロフト」の文字よりなる引用商標を「日用品・雑貨・クレジットカード」等の商品又は役務について長期(過去13年間)に亘って継続使用し、宣伝広告してきた結果、本件商標の登録出願時である2000年ないし査定時に、引用商標は、既に申立人の名称又は申立人の業務に係る商品又は役務を表示する商標として、我が国及び外国の需要者の間において広く知られるに至っていたものであり、商標権者が「LOFT」の文字を含む本件商標を、その指定商品及び指定役務中、特に雑貨に属する第9類,第16類,第25類等の商品に使用するときは、申立人又はそれと何らかの関係を有する者の業務に係る商品又は役務であるかの如く、その出所について混同を生ずるおそれがあるものといわざるを得ないので、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。
(4)商標法第4条第1項第7号について
本件商標は、申立人の所有に係る引用商標「Loft」と同一又は類似の文字をその構成の一部に含むところ、本件商標の如く「○○ストーリー」等の構成よりなる「ストーリー」「STORY」の文字は、観念において「○○」とは異なるため、別商標と考えられがちであるが、実際には、「LVストーリー」「シャネルストーリー」等のように著名ブランド等の宣伝用として広く使用されている。
しかるに、本件商標は、一般需要者としての至極当然の判断基準を無視して登録されたものであり、公序良俗に反し、我が国において周知・著名と認められる「LOFT」の文字を他と区別し得る態様で含んでいることで、かかる商標を申立人と何ら関係のない商標権者が採択し使用することは穏当でなく、ひいては、競業秩序の維持を図る商標法の趣旨にも反するから、商標法第4条第1項第7号に該当する。
(5)商標法第4条第1項第16号について
本件商標の構成中「LOFT」は、申立人である大型雑貨専門店「株式会社ロフト」の名称の著名な略称等を含む商標であり、これを使用した商品又は役務は恰も申立人の選別した一定の品質の商品又は申立人が企画等した新たな質の役務であるかの如く、商品の品質又は役務の質について誤認を生じさせるおそれがあるものといわざるを得ず、本件商標は、商標法第4条第1項第16号に該当する。
3 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、別掲(1)に示すとおり、横長長方形中の左側を黄色地の逆台形とし、そこに青い瞳を見開いた人の眼及びその周辺をイラスト風に表すとともに、その右側を青色地の台形とし、そこに英語の「LOFT」及び「STORY」の文字を上下二段にいずれも同書、同大、等間隔に白抜きした構成よりなるものである。
そして、この逆台形と台形とが一体に結合して前記横長長方形を全体として構成しており、その中にあって、「LOFT」と「STORY」とが同書、同大、等間隔に表示されている関係上、当該構成中より、殊更、「LOFT」の文字部分のみが分離抽出されて、単に「ロフト」のみの称呼をも生ずるものとすべき格別の事情は見出せない。
かつての国際分類(第7版)下における第42類に属する役務として「Loft clearance 屋根裏の整理(L0032)(固有番号420035)」が存し、該「Loft」の文字部分は、「屋根裏(部屋)」等の意味合いを有するものとされていたことに照らすと、「Loft」の文字が常に特別顕著な自他商品(役務)識別力を有するとか、それが大型雑貨専門店である申立人「株式会社ロフト」の周知又は著名な名称の略称として、我が国は勿論、外国においても広く知られているとか、該文字が我が国において申立人の著名な略称を想起させるために、それから申立人を表示する「ロフト」の観念が生ずるなどという主張は到底認め難いものといわざるを得ない。
また、上記2(1)の引用商標中には、他社が所有する商標権が含まれており、申立人は、単に、その専用使用権者となっているにすぎない登録も多数存する。
以上のことからして、本件商標中の「LOFT」及び「STORY」の文字部分は、全体が一体のものと把握され、「ロフトストーリー」の自然称呼を生じ、特定の観念を生じ得ない造語として認識されるか、仮に、観念を生ずる場合があるとしても「屋根裏物語」という程度のものとみるのが相当である。
これに対して、申立人の引用商標(なお、引用商標中、登録第2229176号商標及び登録第2202415号商標は、本件商標の指定商品又は指定役務と同一又は類似の商品又は役務を包含していないものと認める。)は、「LoFt」又は「LoFt/ロフト」の文字よりなるから、「ロフト」の称呼を生じ、特定の観念を生じ得ない造語として認識されるか、仮に、観念を生ずる場合があるとしても「屋根裏(部屋)」という程度のものとみるのが相当である。
そこで、本件商標より生ずる「ロフトストーリー」の称呼と、引用商標より生ずる「ロフト」の称呼とを比較するに、前者は8音であるのに対し、後者は3音であって、それぞれの音構成及び構成音数において著しい差異を有し、この差異が称呼の全体に与える影響は決して小さいとはいえず、両者をそれぞれ一連に称呼するときには語調、語感が相違し、称呼上彼此聴き誤るおそれのない非類似のものと判断するのが相当である。
また、本件商標は、前記したとおり、逆台形と台形とが一体的に結合して横長長方形を構成しており、その左側に配された青い瞳を見開いた人眼周辺のイラスト風図形と、右側に配された「LOFT」と「STORY」との二段併記の文字がどちらも同書、同大、等間隔に白抜きで表示されていることからして、全体として一体的な構成よりなるものとみるのが相当であり、通常の注意力をもってすれば、引用商標との差異は判然と認識し得るものであるから、互いに見誤るおそれはなく外観上十分に区別し得る。
さらに、本件商標は、特定の観念を生じ得ない造語として認識されるか、仮に、観念を生ずる場合があるとしても「屋根裏物語」という程度のものとみるのが相当であるのに対し、引用商標は、特定の観念を生じ得ない造語として認識されるか、仮に、観念を生ずる場合があるとしても「屋根裏(部屋)」という程度のものというのが相当であるから、両者は観念においても相違する。
してみれば、本件商標と引用商標とは、その称呼、外観及び観念のいずれの点からしても十分に区別し得るものであって、類似する商標と認めることはできない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものではない。
(2)商標法第4条第1項第8号について
申立人は、本件商標中の「LOFT」の文字部分が申立人の名称の著名な略称として認識される旨主張し、その根拠として甲第16号証ないし甲第25号証を提出している。
しかしながら、そのうちの甲第16号証ないし甲第24号証[甲第16号証(「Loft インテリアカタログ99年度版(渋谷ロフト)の配布広告記事」出典及びその発行日不明)、甲第17号証(陶器製の足の裏のツボ押しとセットのハーブ入り入浴剤(2個付き)ツボマウス&バスパック(渋谷ロフト)の販売広告記事」出典及びその発行日不明)、甲第18号証(「エッセンシャルオイル・健康食品(渋谷ロフト)の販売広告記事」出典及びその発行日不明)、甲第19号証(「Loft インテリアカタログ99年度版(渋谷ロフト)の配布広告記事」・・・111 CASA NUOVA MAY 1999)、甲第20号証(「すばやく靴を乾かす乾燥剤、ツボを刺激するシャワー、スーツのしわ伸ばしスプレー、ギョウザつくり用グッズ、炊飯器(渋谷ロフト)の販売広告記事」出典及びその発行日不明)、甲第21号証(「コード巻き取り用グッズ、CD等収納ボックス、書類立て、CDラック及びCDボックス、リモコン等収納ケース、時計等のコレクション収納ケース(渋谷ロフト)の販売広告記事」出典及びその発行日不明)、甲第22号証(「時計(渋谷LOFT)の販売広告記事」出典及びその発行日不明)、甲第23号証(「甘酢漬け器、皿(渋谷LOFT)の販売広告記事」出典及びその発行日不明)、甲第24号証(「金属製旅行用かばんケース、小型コンピュータ収納バッグ(渋谷ロフト)の販売広告記事」出典及びその発行日不明)]よりすれば、申立人は、「渋谷LOFT」で、いわゆるアイデア的商品に近いもの、少額小物の便利グッズ的なものを専ら取り扱っており、その販売促進用広告記事も、他社商品と同じ頁中に掲載されているものがほとんどの中にあって、極めて小さく「渋谷ロフト」又は「渋谷LOFT」の文字を表示しているにすぎず、また、甲第17号証、甲第18号証、甲第20号証は、いずれもその出典・発行日の不明なものであることからすると、甲第25号証の申立人の会社案内を考慮するとしても、申立人提出の甲各号証によっては、「LOFT」の表示が申立人の著名な略称とは認め難く、本件商標中の「LOFT」の文字部分が申立人の名称の著名な略称を想起させるから、本件商標は、商標法第4条第1項第8号に該当するとの申立人の主張は採用できない。
(3)商標法第4条第1項第15号について
前記(2)で認定したとおり、申立人提出の前記甲各号証をもってしては、「Loft」又は「ロフト」の文字が本件商標の出願前から、申立人の商品又は役務を表示する標識として我が国の取引者・需要者の間において広く認識されていたものとは認められないから、商標権者が「LOFT」の文字を含む本件商標をその指定商品又は指定役務に使用しても、当該商品又は役務が申立人又はそれと何らかの関係を有する者の業務に係る商品又は役務であるかの如く、その出所について混同を生ずるおそれがあるものとは認められない。
してみれば、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しないものである。
(4)商標法第4条第1項第7号について
本件商標は、その構成自体が矯激、卑猥、差別的な印象を与えるような文字又は図形からなるものでなく、また、「LOFT」「ロフト」の表示が周知著名なものといえないことを考慮すると、商標権者がこれをその指定商品又は指定役務について使用することが社会公共の利益あるいは一般道徳観念に反するものでもなく、かつ、商標権者が本件商標を採択使用する行為に不正の目的があったものとは認められない。
(5)商標法第4条第1項第16号について
本件商標の構成中「LOFT」の文字は、申立人の商号の著名な略称等を表示したものとは認められないから、商標権者が本件商標をその指定商品及び指定役務に使用しても、当該商品又は役務が恰も申立人の選別に係る品質の商品若しくは申立人の企画に係る質の役務であるかの如く、商品の品質又は役務の質について誤認を生じさせるというおそれはない。
(6)したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号、同第8号、同第11号、同第15号及び同第16号のいずれにも違反して登録されたものではない。
よって、商標法第43条の3第4項の規定に基づき、結論のとおり決定する。
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