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Trademark Appeal Case

パリ条約代理人冒認出願

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号取消2002−30561(T2002−30561/J2)
審判種別取消
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。

理由テキスト

第1 本件商標

本件登録第4102742号商標(以下「本件商標」という。)は、「アルビタ」の片仮名文字と「ALVITA」の欧文字とを二段に横書きしてなり、平成7年8月4日に登録出願され、第30類「コーヒー,ココア,コーヒー豆,ハーブ茶,ウーロン茶,紅茶,ジャスミン茶,みそ,ケチャップソース,ドレッシング,しょうゆ,はちみつ,粉末あめ,ごま塩,化学調味料,香辛料,食品香料(精油のものを除く。),米,脱穀済みの大麦,食用粉類,食用グルテン,サンドイッチ,べんとう,和菓子,洋菓子,パン,即席菓子のもと,アイスクリーム用凝固剤」を指定商品として、平成10年1月16日に設定登録されたものである。

第2 請求人の主張

請求人は、商標法第53条の2第1項の規定により、本件商標の登録を取り消す。との審決を求めると申し立て、その理由を次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第7号証を提出している。

1 請求人の業務に係る商品について

請求人は、パリ条約の同盟国であるアメリカ合衆国の法人であり、1922年から現在に至るまで、80年に亘りハーブ茶、薬草茶などの茶をはじめとする健康食品及び薬剤の輸出・販売を行なってきたものである。

そして、その商品を販売するに当たって、請求人は、商標「ALVITA」及び商標「TWINLAB」を盛大に継続して使用をしてきたものである。

2 請求人の本国における登録商標について

請求人は、本国であるアメリカ合衆国において、最先使用日を1922年(日付なし)として商品「医療用ハーブ茶」について商標「ALVITA」を1991年8月22日に出願し、1993年3月23日に登録された登録第1759398号商標(以下「本国登録商標」という。)を所有し(甲第2号証)、使用しているものである。

さらに請求人は、アメリカ合衆国の法人であり、アメリカ合衆国を中心として、海外市場にも販路を拡大し、商標「ALVITA」が付された商品を積極的に販売するために、現在では南北アメリカ、カナダを中心に、アジア諸国、中近東諸国、南アフリカにも及び、世界の主要国で45もの商標「ALVITA」の商標権を取得し、販売を行ってきた。

これらの事実からも、請求人がパリ条約の同盟国において、指定商品「医療用ハーブ茶」について「ALVITA」の文字より成る商標に関する権利を有することは明らかである(甲第3号証)。

また、請求人は、日本にも商標「ALVITA」を付した商品を積極的に輸出している。このことは、甲第4号証として提出する日本向け請求書(INVOICE)から明かである。

これらの請求書に記載された内容から、請求人は、ハーブ茶、薬草茶などを初めとする各種の茶を大々的に我が国に輸出していることが明白である。

以上のとおり、請求人は、パリ条約の同盟国であるアメリカ合衆国の法人であって、パリ条約の同盟国において、商品「ハーブ茶、薬草茶などを初めとする各種の茶」について「ALVITA」の文字より成る商標に関する権利を有する者である。

3 本件商標が本国登録商標と類似することについて

本件商標は、「アルビ夕」「ALVITA」の各文字を上下二段に並記してなり、その構成文字に相応して「アルビ夕」の自然的称呼を生ずるものである。

これに対し、甲第2号証に示す本国登録商標は、「ALVITA」の英文字を書してなり、その構成文字に相応して「アルビ夕」の自然的称呼を生ずるものである。

よって、両商標は、「アルビ夕」の称呼を同じくする類似の商標であることが明らかである。

4 本件商標の指定商品が本国登録商標の商品と同一又は類似のものであることについて

本件商標の指定商品は、「コーヒー,ココア,コーヒー豆,ハーブ茶,ウーロン茶,紅茶,ジャスミン茶,みそ,ケチャップソース,ドレッシング,しょうゆ,はちみつ,粉末あめ,ごま塩,化学調味料,香辛料,食品香料(精油のものを除く。),米,脱穀済みの大麦,食用粉類,食用グルテン,サンドイッチ,べんとう,和菓子,洋菓子,パン,即席菓子のもと,アイスクリーム用凝固剤」であるところ、本国登録商標の商品は、ハーブ茶、薬草茶などの各種の茶であり、両商標は、商品の点においても同一又は類似の関係にあることが明らかである。

以上のとおり、本件商標は、本国登録商標と類似し、かつその商品においても同一又は類似の関係にある。

5 本件商標が正当な理由なく、請求人の承諾を得ないで、出願されたものであることについて

ここで「正当な理由」とは、商標に関する権利を有する者が、その代理店等に対しその国においてその商標を放棄したこと、又は、その商標の権利を取得する関心がないことを信じさせた場合等が挙げられる。

しかして、請求人は、前記した如く、海外市場にも販路を拡大し、世界各国で商標「ALVITA」の権利化を図って当該商標を付した商品の販売を行なっている企業である。

よって、かかる請求人の商品販売戦略上、我が国だけがその例外ではなかったことは容易に推認することができるものである。

さらに、請求人がわが国で「ハーブ茶その他の茶」等について商標「ALVITA」の権利取得の意思があったことは、請求人が平成9年(1997年)9月18日付で「ALVITA」の英文字より成る商標を指定商品「ハーブ茶その他の茶」等について出願した商願平9−158868(拒絶査定不服審判2001−20652)の存在からも明白である。

それと同時に、請求人の承諾を得ないで本件商標が出願されたことも、上記出願事実によって明らかである。

以上のとおり、本件商標は、正当な理由なく、請求人の承諾を得ないで出願されたものである。

6 本件商標がその代理人等である被請求人により出願されたものであることについて

「代理人等」とは代理人若しくは代表者をいい、「代表者」とは、法人である商標所有者の代表者をいうが、被請求人が商標所有者(請求人)の代表者でないことは言うまでもない。また、「代理人」とは、自然人であるか法人であるかを問わず、商標所有者から何らかの代理権を授与された者を指し、通常は、当該商標に係る商品等の取引について代理権を有する者が問題となるが、必ずしもこれに限らず、それ以外の事項についての代理権を有する者も含まれる。すなわち、代理店、特約店、委託販売業者、総代理店等、広く商標所有者の商品を輸入し販売し広告するものが含まれると解すべきである。

本件の場合には、請求人が甲第4号証として提出する日本向け請求書(INVOICE)の名宛人が、請求人の代理人等に該当することになる。すなわち、HYPER PLANTS CO.,LTD.及びKAWAHITO TRADINGが、請求人のわが国における代理人等である。

ところで、KAWAHITO TRADINGは、法人格を表示する文言がその名称内に存在しないことから、個人事業主と推測されるところである。そして、KAWAHITO TRADINGは、1996年3月18日を最後にかかる名義での請求人との取引は存在しない。

一方、HYPER PLANTS CO.,LTD.は、平成8年(1996年)2月28日に設立された法人(甲第5号証)で、代表者は川人紫氏、すなわち、被請求人である。そして、HYPER PLANTS CO.,LTD.は、1996年4月15日からかかる名義で請求人と取引開始している。

そこで、両者の関係を見てみると、KAWAHITO TRADINGの住所は、東京都府中市栄町3−11−13府中武蔵野308及び東京都新宿区北新宿2−17−9であり、これに対してHYPER PLANTS CO.,LTD.の住所は、東京都新宿区北新宿2−17−9及び東京都大田区西馬込1−9−12である。

すなわち、両者は住所を共通にしており、請求人の発行する日本向け請求書(INVOICE)に記載のCUSTOMER NO.も005000で同一であることから、両者は代表者を共通にする同一団体であることが明らかである。

以上の点を勘案すると、両者と請求人との関係は、HYPER PLANTS CO.,LTD.設立前には、KAWAHITO TRADING名義で請求人と取引し、HYPER PLANTS CO.,LTD.設立後には当該法人名義で取引していたことが容易に推認できる。

なお、このことは、甲第5号証として提出するHYPER PLANTS CO.,LTD.(ハイパープランツ有限会社)の閉鎖事項全部証明書の役員に関する事項の欄からも明らかである。当該法人の代表者は川人紫氏、被請求人であり、KAWAHITO TRADINGも被請求人個人を表示しているものと推測されるからである。

そして、当該ハイパープランツ有限会社は、資本金が300万円であり、この金額は有限会社としては最小限度の資本金であって(有限会社法第9条)、2名いる役員についてみても、代表取締役は被請求人であり、他の役員は川人エツ氏であって、川人姓がわが国で非常に珍しい姓であることから、おそらく被請求人の親族の一人であると容易に推測できる。

このように、当該ハイパープランツ有限会社も、親族企業であり、その内情は被請求人の個人的な企業といえるものである。

以上述べたところより、KAWAHITO TRADINGもHYPER PLANTS CO.,LTD.(ハイパープランツ有限会社)も被請求人と実質的に同一視できるものであるがゆえに、請求人の代理人といえるものである。

ここで、甲第4号証として提出する請求人発行の日本向け請求書(INVOICE)の発行者は、ALVITA PRODUCTS,INC.であるが、甲第5号証として提出する年次報告書に記載されている通り、これは請求人の一部署である。

よって、甲第4号証として提出する日本向け請求書(INVOICE)は、請求人が発行するものであることを念のため申し添える。

なお、被請求人は、過去に、請求人が本国登録商標「ALVITA」と、これと同様に請求人が世界各国で使用し、特許庁でも日本国内及び外国において取引者・需要者の間に広く認識されていたと認定されている商標「TWINLAB」の商標を含む商標「ALVITA A TWINLAB」について我が国に商標登録出願をしたが(商願平7−80870)、請求人からの登録異議申立てにより、特許庁において被請求人の不正の目的の存在を認定され、商標法第4条第1項第19号の規定に該当するとして当該登録異議の申立ては理由があるとの決定により拒絶査定の処分を受けているものである(甲第7号証)。

よって、当該登録異議申立て事件と本審判とは直接の関係はないものの、過去に不正目的で請求人所有の商標を所有しようと企んだものの、特許庁における適切な審理の結果、請求人の利益が辛うじて保護されたという事実を考慮し、本審判の審理をお願いする。

9 まとめ

以上述べたとおり、本件商標は、請求人の本国登録商標と同一又は類似する商標であって、その商品も同一又は類似の商品であり、かつ、その商標登録出願が正当な理由がないのにその商標に関する権利を有する請求人の承諾を得ないで、その代理人若しくは代表者又は当該商標登録出願の日前1年以内に代理人若しくは代表者であった川人紫氏によってなされたものであるから、商標法第53条の2の規定により、その登録は取消されるべきものである。

第3 被請求人の答弁

被請求人は、何ら答弁するところがない。

第4 当審の判断

1 商標法第53条の2第1項の規定にると、当該審判請求に係る登録商標は、その商標がパリ条約の同盟国等において、商標権に相当する権利を有する者の当該商標と同一又は類似の商標であって、その指定商品も同一又は類似の商品とするものであり、かつ、その商標登録の出願が、正当な理由がないのに、その商標に関する権利を有する者の承諾を得ないで、その代理人又は代表者であった者(出願の日前1年以内の代理人又は代表者であっ者を含む。)によってされたものであることの要件を満たす場合に、当該登録商標の登録を取り消すものと解される。そして、その「代理人」とは、当該商品取引においてパリ条約の同盟国等における商標権に相当する商標に関する権利を有する者と代理店、特約店、総代理店のように何らかの継続的な契約関係の存在等により代理権が授与された者を指すものであって、そのような関係のない単なる得意先又は顧客の関係にとどまる者は含まれないものと解される。

そこで、本件について検討するに、請求人提出の甲第2号証である「アメリカ合衆国特許商標庁提供の検索結果票」によると、「ALVITA」の欧文字からなる商標(本件登録商標)が、「herb teas for medicinal purposes」(医療用ハーブ茶)及び「tea」(茶)を指定商品として、1993年(平成5年)3月23日に登録第1759398号として登録され、商標の権利者を「(REGISTRANT)ALVITA PRODUCTS, INC.」(登録者「アルダビ プロダクツ インコーポーレテッド」)、(LAST LISTED OWNER)「TWIN LABORATORIES INC.」(現在の権利者「ツイン ラボラトリーズ インコーポーレッド」)と記載されていることが認められ、また、甲第4号証である「インボイス」によると、「ALVITA PRODUCTS, INC.」が「KAWAHITO TRADING」又は「HYPER PLANTS CO., LTD.」に対し、1996年(平成8年)2月7日(注文の日同2月6日)から1997年(平成9年)9月17日(注文の日同9月9日)までの期間に発行されたインボイスであり、その記事に「ROSE HIPS TEA BAG 30」(ローズヒップティーバッグ 30)等各種ティーバッグ(ハーブ茶)の記載がされている。

上記甲号証の事実及び請求人の主張、さらに甲第6号証の「請求人の1999年次報告書」、甲第5号証の「ハイパープランツ有限会社の閉鎖事項全部証明書」を合わせ考慮すると、請求人の一部署である「ALVITA PRODUCTS, INC.」は、本件商標の出願(平成7年8月4日)後である1996年(平成8年)2月7日(注文がされた日同2月6日)以降にハーブ茶を被請求人が代表取締役を務める会社「HYPER PLANTS CO., LTD.」へ輸出したものと推測される。

また、甲第4号証及び同第5号証によっては、被請求人は、わが国において、請求人のハーブ茶を輸入し、販売する会社(この会社の代表取締役である被請求人は、該会社と実質的に同一視できる立場の者と認められる。)であり、わが国における取引先又は得意先に止まり、請求人とハーブ茶の販売に関し、継続的な契約関係による代理権が存在していた代理人と認めることはできない。

その他、請求人は、被請求人との間において、代理人契約その他実質的に代理人と判断するに足りる証拠を何ら提出していない。

してみれば、被請求人は、本件商標の登録出願時又は当該登録出願の日前1年以内に、請求人の代理人であったということはできない。

以上からすると、本件商標は、本国登録商標と同一又は類似の商標であり、かつその指定商品に本国登録商標の商品「ハーブ茶」を含むとしても、当該登録出願時に被請求人が請求人の代理人又は代表者であった者若しくは本件商標の登録出願の日前1年以内の代理人又は代表者であった者ということはできない。

したがって、請求人の主張するその余の点について検討するまでもなく、本件商標の登録は、商標法第53条の2の規定により取り消すことはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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