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Trademark Appeal Case

結合商標の類否

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号無効2002−35463(T2002−35463/J3)
審判種別無効
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第4461746号の指定商品中「運動用具」についての登録を無効とする。
その余の指定商品についての審判請求は成り立たない。
審判費用は、その2分の1を請求人の負担とし、2分の1を被請求人の負担とする。

理由テキスト

第1 本件商標

本件審判請求に係る登録第4461746号商標(以下「本件商標」という。)は、「ハイパーヘッド」の片仮名文字と「HIPER HEAD」の欧文字とを二段に横書きしてなり、平成12年5月10日に登録出願され、第28類「遊戯用器具,ビリヤード用具,ボードゲーム,囲碁用具,将棋用具,さいころ,すごろく,ダイスカップ,ダイヤモンドゲーム,チェス用具,チェッカー用具,手品用具,ドミノ用具,マージャン用具,液晶画面ゲームおもちゃ,液晶画面ゲームおもちゃ用プログラムを記憶させた記憶媒体,その他の液晶画面ゲームおもちゃの部品及び附属品,電子おもちゃ,その他のおもちゃ,人形,運動用具,釣り具」を指定商品として、平成13年3月23日に設定登録されたものである。その後、平成15年2月7日に本件商標の指定商品中「運動用具」についての登録の一部放棄によりその商標権の一部抹消がされた。

第2 請求人の引用商標

請求人が、本件商標の登録無効の理由に引用する登録第1070887号商標は、「HEAD」の欧文字を横書きしてなり、昭和42年5月29日に登録出願され、第24類「スキー用具、その他本類に属する商品(ただし、マネキン人形、洋服飾り型、及びその類似商品を除く)」を指定商品として、昭和49年6月10日に設定登録されたものである。

同じく、登録第1590417号商標は、「HEAD」の欧文字を横書きしてなり、昭和48年3月26日に登録出願され、第24類「スキー専用特殊ズボン、スキー用アノラツク、スキー用ヘルメツト、その他本類に属する商品、ただしマネキン人形、洋服飾り型類を除く」を指定商品として、昭和58年5月26日に設定登録されたものである。

そして、上記2件の登録商標に係る商標権は、現に有効に存続しているものである(以下、上記2件の登録商標を一括して「引用商標」という。)。

第3 請求人の主張

請求人は、本件商標の登録はこれを無効とする、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし同第106号証を提出している。

1 請求の理由

(1)商標法第4条第1項第11号について

引用商標は、請求人の商標として、本件商標の指定商品に含まれている「運動用具」について著名な商標である。本件商標は、引用商標と他の文字「HIPER/ハイパー」との結合であるから、本件商標と引用商標とは互いに類似する商標であるといわざるを得ない。そして、本件商標の指定商品と引用商標の指定商品とは抵触していることは明らかである。

以上より、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものである。

(2)商標法第4条第1項第15号について

請求人は、オーストリア国ケネルバッハに本社を置くオーストリア法人であり、1953年以来、世界各国において、ハウスマークとしての引用商標の下、スキー用具、テニス用具、ゴルフ用具、その他の運動用アクセサリー及び運動用ウェア等を大々的に販売している。請求人は、テニスラケット及びスキー製品の販売に関しては、世界第3位の売り上げを有しており(甲第5号証)、例えば、スキーだけの売り上げにおいても、1960年には、20億米ドル、1963年には、41億米ドル、1965年には、86億米ドル、そして1967年には、110億米ドルを記録している。また、請求人は、テレビやラジオをはじめとする宣伝広告にも積極的に力を注いでおり、1994年だけでも、その宣伝広告費は、2,000万米ドルに及んでいる。したがって、請求人の引用商標は、世界各国において著名な商標として認識されるに至ったものである。

そして、我が国においても、請求人は、昭和30年代より代理店であった大沢商会株式会社を通じて、引用商標の下、スキー用具、テニス用品及びゴルフ用品の販売を開始し、平成に入ってからは日本法人であるヘッドスポーツジャパンを通じて販売を拡大し、現在においては、日本法人であるエイチ・ティ・エムスポーツジャパン株式会社及び代理店であるワールド通商株式会社などを通じて大々的に上記商品の販売を行っているものである。ちなみに、エィチ・テイ・エムスポーツジャパン株式会社の取り扱った引用商標の付された商品の売り上げのみをみても、1999年度は約170億円、1995年度は約42億円、1996年度は約71億円、1997年度は54億円、そして1998年度は約92億円にも達している(甲第6号証)。

このように、引用商標は、長年の間、盛大に使用されてきたものであり、そして、請求人及び請求人の代理店の活発な営業及び宣伝広告活動と相俟って請求人の業務を示す商標として、取引者・需要者の間で極めて広く認識されるに至ったものである。かかる事実を立証すべく請求人は、甲第7号証ないし甲第105号証を提出する。

本件商標の英文字部分は、「HIPER」と「HEAD」の文字を組み合わせて成るものであるが、両文字を一体として特定の意味合いを有するものではなく、常に一体的に把握しなければならない特段の事情は有しない。また、「HIPER」の語は造語であるため、本件商標に接する需要者・取引者は、「HEAD」の文字のみを殊更に捉え、請求人の周知・著名商標たる「HEAD」を連想し、想起するものと考えられる。したがって、本件商標をその指定商品(特に、「運動用具」)に使用した場合には、取引者・需要者は、あたかも請求人と経済的又は組織的に一定の関係がある者の業務に係る商品であると誤認し、請求人の商品と出所の混同を生じるおそれがあるといわざるを得ない。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するものである。

(3)その他

なお、請求人は、本件商標と同じく、「HEAD」を一部に含む商標に対して過去に異議申立を行っており、請求人の主張が認められその登録が取り消された事例(甲第101号証ないし甲第103号証)があるので、援用するものである。

また、たとえば、インターネット上で、「HEAD」および「スキー」、「テニス」をキーワードとして検索した場合、日本語のウェブページに限ったとしても、甲第104号証及び甲第105号証に示すように膨大なヒット件数を記録したものである。

(4)むすび

以上詳述した通り、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に該当し、商標法第46条によりその登録が取り消されるべきものである。

2 答弁に対する弁駁

(1)まず、被請求人は、「請求人は、本件商標に対し、本件審判請求の理由と同じ理由で登録異議の申立てをしている。...以上のことだけからみても、請求人の主張に理由がないことは明らかである」とする。

このように、被請求人はその議論の前提として本件商標に関する登録異議申立ての結果を提示するものである。

しかしながら、いうまでもなく本件登録無効審判事件と前記異議申立て事件は別個独立の事件であり、そうである以上、かかる異議申立て事件の結論が、直ちに本件無効審判事件に関する認定の前提・基礎となることはあり得ないものである。

したがって、被請求人の前記主張はそもそも前提自体が当を失したものである。

また、被請求人は請求人が甲第104号証及び甲第105号証を提出した趣旨を取り違えているものである。甲第104号証及び甲第105号証は、請求人が本件商標の出願前より現在に至るまで営々たる企業努力を行い、結果として本件商標の出願前は勿論のこと現在に至るまで継続的にその周知・著名性を保持している旨を立証すべく提出されたものである。

したがって、かかる証拠は請求人の引用商標に係る確固たる周知・著名性の存在の立証をさらに強めるものであることは明白なものである。

よって、本件商標は商標法第4条第1項第11号及び同第15号に該当するものである。

(2)また、被請求人は、「本件商標は、片仮名文字『ハイパーヘッド』と欧文字『HIPERHEAD』とを上下二段に左横書きしてなるものである。...してみれば、本件商標は、引用商標と称呼、観念、外観のいずれにおいても相紛れるおそれのない非類似の商標であるから、本件商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとの請求人の主張に理由がないことは明らかである。」と述べるものである。

たしかに、このような被請求人の主張は、引用商標が通常の商標である場合に限って認められることのある主張である。

しかしながら、いうまでもなく引用商標は周知・著名商標であるため、本件については「商標審査基準」(特許庁商標課編)における次の基準が該当するものである。すなわち、かかる審査基準においては、「他人の著名な商標と他の文字又は図形等と結合した商標は、その外観構成がまとまりよく一体に表されているもの又は観念上の繋がりがあるものなどを含め、原則として、商品又は役務の出所の混同を生ずるおそれがあるものと推認して取り扱うものとする。」である旨が明白に述べられているものである。

ここで引用商標が周知・著名商標であることは間違いのないことであるから、被請求人が主張する称呼、観念、外観に分けての一般的議論は今回の審判事件には当てはまらず、むしろ例外たる前記基準が該当するものである。

したがって、被請求人によるこの主張も商標審査基準の適用を誤った失当なものであり、本件商標は商標法第4条第1項第11号及び同第15号に該当するものである。

なお、引用商標の周知・著名性の立証をさらに補強すべく、請求人は甲第106号証を提出するものである。

(3)さらに、被請求人は、「商標法第4条第1項第15号にいう『他人の業務に係る商品又は役務と混同を生ずるおそれがある商標』には、...したがって、これらの各事情を総合的に考慮すれば、本件商標が、これに接した取引者、需要者に対し、引用商標を連想させて商品の出所につき誤認を生じさせるということはできないというべきであり、また、その商標登録を認めた場合に、引用商標の持つ顧客吸引力へのただ乗り(いわゆるフリーライド)やその希釈化(いわゆるダイリューション)を招くという結果が招来されるということもできないというべきである。」旨を主張する。

しかし、被請求人の答弁(3)(ア)の点については、上記(2)における請求人の反論と同様の反論が主張できるものである。すなわち、被請求人が(ア)で主張する議論は一般的商標についてのみ成り立ちうるものであり、引用商標が周知・著名商標である本件の如き場合は本来的に成り立たない議論である。

また、同(イ)の点が成り立つのもその対象が一般的商標である場合であり、かつ、引例としてあげられている乙第8号証ないし乙第133号証もその殆どが本件無効審判で争われている争点を異にするものであり失当である。特に、本件商標中「HIPER」の文字が造語であるため、本件商標に接する需要者・取引者が「HEAD」の文字のみを殊更に捉え、請求人の周知・著名商標たる「HEAD」を連想し、想起するという本件の事情の下では尚更である。

さらに、同(ウ)の点については、引用商標が周知・著名商標であることは明かであり、かつ本件商標の一部に明らかに引用商標を含む以上、「引用商標の持つ顧客吸引力へのただ乗り(いわゆるフリーライド)やその希釈化(いわゆるダイリューション)を招くという結果が招来されるということもできないというべきである。」という被請求人の主張も当を失したものである。

(4)むすび

以上より、答弁書において主張されている被請求人の主張はいずれも失当であり、本件商標は商標法第4条第1項第11号及び同第15号に該当することは明白な事実であるため商標法第46条に該当することは明らかである。

第4 被請求人の答弁

被請求人は、本件審判の請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし同第133号証を提出している。

(1)請求人は、本件商標に対し、本件審判請求の理由と同じ理由で登録異議の申立てをし、その結果、本件商標の登録を維持するとの異議決定(乙第1号証ないし乙第4号証)がされている。ここで、本件審判において新たに追加された証拠は甲第104号証及び甲第105号証のみである。

しかしながら、甲第104号証及び甲第105号証は、そのフッターの記載からみて、いずれも本件商標の出願時(平成12年5月10日)はもとより査定時(平成13年1月29日)よりも遙かに遅れた平成14年10月15日に検索したものと考えられる。したがって、甲第104号証及び甲第105号証は、本件商標の商標法第4条第1項第15号該当性を判断するにあたっては、何ら意味を持たないものであることは明らかである。

以上のことだけからみても、請求人の主張に理由がないことは明らかであるが、念のため、以下さらに本件商標が商標法第4条第1項第11号及び同第15号のいずれにも該当しないものであることについて詳述する。

(2)本件商標は、片仮名文字「ハイパーヘッド」と欧文字「HIPERHEAD」とを上下二段に左横書きしてなるものである。ここで「ハイパーヘッド」「HIPERHEAD」の語は、同書同大の片仮名文字7文字、欧文字9文字によりそれぞれ一連に表されており、外観上殊更「ヘッド」「HEAD」の部分が要部として分離抽出されるとすべき理由はない。

また、本件商標を全体として称呼した場合の「ハイパーヘッド」の称呼も、形式的にいえば7音構成であるが、3音目の「パ」は長音「一」を帯有する音であり、5音目の「へ」は促音「ッ」を帯有する音であることから、実質的に見れば5音から構成されているものであって、比較的短い音構成のものである。しかも、「ハイパ」と「ヘッド」が、中間に位置する長音で結ばれていることから、全体を称呼したときに語呂が良く淀みなく一連に称呼できるものであって、称呼上も殊更「ヘッド」の部分が要部として分離抽出されるとすべき理由はない。

さらに、「ハイパーヘッド」「HIPERHEAD」の語は、被請求人が創作した、全体として特定の語義を有しない造語であるから、観念上も殊更「ヘッド」「HEAD」の部分のみが要部として分離抽出されるとすべき理由はないところである。

以上のことからみて、本件商標は「ハイパーヘッド」の称呼のみを生ずるものである。

一方、引用商標は、ともに欧文字「HEAD」を左横書きしてなるものであるから、「ヘッド」の称呼を生ずるものである。

ここで、本件商標より生ずる「ハイパーヘッド」の称呼と、引用商標より生ずる「ヘッド」の称呼とを対比するに、両者は構成音数を異にし明瞭に聴別し得るものである。

また、本件商標は特定の観念を持たない造語よりなるものであるから、本件商標と引用商標とを観念において比較することはできないものである。

さらに、本件商標と引用商標とは、その構成よりみて詳細に比べるまでもなく外観において明らかに相違するものである。

してみれば、本件商標は、引用商標と称呼、観念、外観のいずれにおいても相紛れるおそれのない非類似の商標であるから、本件商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとの請求人の主張に理由がないことは明らかである。

(3)商標法第4条第1項第15号にいう「他人の業務に係る商品又は役務と混同を生ずるおそれがある商標」には、当該商品又は役務が上記他人との間にいわゆる親子会社や系列会社等の緊密な営業上の関係又は同一の表示による商品化事業を営むグループに属する関係にある営業主の業務に係る商品又は役務であると誤信されるおそれがある商標が含まれる。そして、上記の「混同を生ずるおそれ」の有無は、当該商標と他人の表示との類似性の程度、他人の表示の周知著名性及び独創性の程度や、当該商標の指定商品又は指定役務と他人の業務に係る商品又は役務との間の性質、用途又は目的における関連性の程度並びに商品又は役務の取引者・需要者の共通性その他取引の実情などに照らし、当該商標の指定商品又は指定役務の取引者・需要者において普通に払われる注意力を基準として、総合的に判断されるべきものである(最高裁平成12年7月11日判決(乙第5号証)、最高裁平成13年7月6日判決(乙第6号証)、東京高裁平成14年10月16日判決(乙第7号証))。

これを本件について見ると、次のとおりである。

(ア)本件商標は、上記(2)のとおり、引用商標とは外観、称呼、観念のいずれにおいても相紛れるおそれのない非類似の商標である。

(イ)仮に引用商標が「運動用具」について周知著名であるとしても、「HEAD」の語は「頭」等を意味する英単語として我が国において広く親しまれた既成語であるから、造語による商標と異なり、引用商標の独創性の程度は極めて低いものである。このことは、「HEAD」あるいはその表音である「ヘッド」の文字をその構成の一部に含む商標が、本件指定商品と同一又は類似の商品について、古くから多数公告又は登録を認められていること(乙第8号証ないし乙第124号証)、近年においても出願が後を絶たないこと(乙第125号証ないし乙第133号証)からみても明らかである。

(ウ)しかも、「おもちゃ,人形」等と「運動用具」とは、その用途・目的において関連性が低く、また、その製造部門、販売・流通部門も異にし、取引者・需要者の共通性も低いものである。

以上によれば、本件商標は、「HEAD」の文字をその構成の一部に含む商標ではあるが、その外観、称呼及び観念上、この同一部分がその余の部分から分離して認識される要素は存在しておらず、また、引用商標の独創性の程度は極めて低く、さらに、「おもちゃ,人形」等と「運動用具」との間で用途又は目的における関連性の程度は弱く、両商品の取引者及び需要者の共通性の程度も弱いものである。

したがって、これらの各事情を総合的に考慮すれば、本件商標が、これに接した取引者及び需要者に対し、引用商標を連想させて商品の出所につき誤認を生じさせるということはできないというべきであり、また、その商標登録を認めた場合に、引用商標の持つ顧客吸引力へのただ乗り(いわゆるフリーライド)やその希釈化(いわゆるダイリューション)を招くという結果が招来されるということもできないというべきである。

そうすると、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に規定されている「他人の業務に係る商品又は役務と混同を生ずるおそれがある商標」には該当しないというべきであり、本件商標が商標法第4条第1項第15号に該当するとの請求人の主張に理由がないことは明らかである。

以上のとおり、請求人の主張はいずれも理由がないものである。

なお、本答弁書と同日付けで、本件商標の指定商品中「運動用具」について権利を放棄する旨の商標権の一部抹消登録申請書を提出したことを申し添える。

第5 当審の判断

(1)請求人は、本件商標は商標法第4条第1項第15号に該当すると主張するので、その点について検討する。

請求人の提出に係る雑誌、請求人発行のインボイス、商品カタログ等である甲第12号証ないし同第14号証、甲第18号証ないし同第32号証、甲第35号証ないし同第42号証、甲第44号証、甲第47号証ないし同第59号証、甲第65号証、甲第66号証、甲第69号証ないし同第72号証及び他の甲各号証によれば、上を頂点とする放物線状の図形に「HEAD」の文字を組み合わせた商標と共に、「HEAD」の文字からなる引用商標とほぼ同一の商標を「スキー用具、テニス用具」について使用がされていることが認められ、それらの甲号証を総合勘案すれば、引用商標は、本件商標の登録出願時には請求人の業務に係る上記商品の商標として取引者、需要者の間において広く認識されていたものと推認できるものである。

そして、「HEAD」の欧文字は、「ヘッド」と読まれ、「頭」を意味する親しまれた英語であることから、引用商標からは、「ヘッド」の称呼及び「頭」の観念を生じるものである。

他方、本件商標は、その構成第1の項で述べたとおり、「ハイパーヘッド」の片仮名文字と「HIPER HEAD」の欧文字を二段に横書きしてなるところ、上段の「ハイパーヘッド」の片仮名文字は下段の「HIPER HEAD」の欧文字の読みを表したものと理解される構成であり、また下段の欧文字「HIPER」と「HEAD」の文字の間が若干間隔があることから、容易に「HIPER」と「HEAD」の文字を連結した構成からなるものといえるものである。

そして、その構成の後半部に引用商標と同一綴りからなる「HEAD」の欧文字及びその読みを表す「ヘッド」の文字を有しているものであり、その「HEAD」及び「ヘッド」の文字は「ヘッド」の文字に相応して「ヘッド」の称呼を生じ、また「頭」の観念を生じるものといえる。

そうしてみれば、本件商標は、その構成中に含まれる「ヘッド」及び「HEAD」の文字部分が請求人の「スキー用具、テニス用具」の商標として運動用具を取り扱う取引者、需要者の間において広く認識されていたものとみるのが相当といえる。

してみれば、本件商標をその指定商品中、運動具としての共通した用途、販売店等を同じくする関連性を有する「運動用具」に使用したときには、引用商標を想起、連想させ、請求人の業務に係る商品若しくは請求人と何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように、商品の出所について混同を生ずるおそれがあるものといわなければならない。

しかしながら、本件商標の指定商品中上記以外の商品については、請求人の業務に係る商品「スキー用具、テニス用具」とは、その商品の分野が相違し、用途、販売店を異にするものであって、取引者、需要者が相違し、関連性を有しない商品であり、しかも「HEAD/ヘッド」の語はわが国において親しまれた語であることを考慮すると、本件商標の構成中の「HEAD」の部分をとらえ、その商品の出所について混同を生ずるおそれがあるものということはできないので、本件商標は、「運動用具」以外の商品について、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものということはできない。

(2)次に、請求人は、本件商標は商標法第4条第1項第11号に該当する旨主張するので、その点について、その指定商品中「運動用具」以外の商品について検討する。

本件商標は、その構成各文字は、同じ書体、同じ大きさで表されていて、外観上まとまりよく一体のものとして看取し得るものであって、これより生ずると認められる「ハイパーヘッド」の称呼は、格別冗長というべきものでなく、よどみなく一連に称呼し得るものであることより、その構成文字中の「ヘッド」又は「HEAD」の文字部分のみが独立した標識部分として認識され得ないというべきであるから、本件商標は、その構成文字全体をもって一体不可分のものと認識し把握されるとみるのが相当である。

そうすると、本件商標は、その構成文字に相応して、「ハイパーヘッド」の称呼のみを生ずるものであり、特定の意味合いを理解させ観念を生じるものとはいい得ないものと認められる。

他方、「HEAD」の欧文字からなる引用商標は、その構成文字に相応して、「ヘッド」の称呼を生じ、及び「頭」の意味を理解されその観念を生ずるものと認められる。

しかして、本件商標より生ずると認められる「ハイパーヘッド」の称呼と引用商標より生ずる「ヘッド」の称呼とは、その音構成及び音数に明らかな差異があるものであるから、両称呼は相紛れるおそれのない区別し得るものであり、また、本件商標と引用商標とは、観念においても区別し得るものである。

さらに、本件商標は「ハイパーヘッド」と「HIPER HEAD」との片仮名文字と欧文字よりなるものであり、他方、引用商標は「HEAD」の欧文字よりなるものであるから、両者は外観においても相違し相紛らわしいものということはできない。

してみれば、本件商標と引用商標とは、その外観、称呼及び観念のいずれの点においても相紛らわしく、混同を生じる程に類似する商標ということはできないから、本件商標は、その指定商品中「運動用具」以外の商品について、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものということはできない。

したがって、本件商標は、その指定商品中「運動用具」について、商標法第4条第1項第15号に該当するものであって、その登録は同法条の規定に違反してされたものといわざるを得ないから、同法第46条第1項により、これを無効とすべきものである。

しかしながら、本件審判請求に係るその余の指定商品については、同法第4条第1項第11号及び第15号に違反して登録されたものということはできないから、これを無効とすることはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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