結論テキスト
審判費用は、請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2003−30884(T2003−30884/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第4243939号商標(以下「本件商標」という。)は、「DAN」の文字を標準文字で書してなり、第9類「配電又は制御用の機械器具,回転変流機,調相機,電池,電気磁気測定器,電線及びケーブル,インターホン,無線チャイムその他の電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品,電気アイロン,電気式ヘアカーラー,電気ブザー」を指定商品として、平成9年4月24日登録出願、同11年2月26日に設定の登録がなされたものであり、現に有効に存続している。
請求人は、「電気アイロン,電気式ヘアカーラー,電気ブザー」についての登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求めると申し立て、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のとおり述べ、証拠方法として、甲第1号証の1及び2を提出した。
(1)通常使用権について
乙第3号証は、平成11年2月26日から現在に至るまで、被請求人が株式会社ダン工業(以下「ダン工業」という。)及び株式会社桂(以下「桂」という。両会社をまとめていうときは、以下「被請求人会社」という。)に対し、本件商標についての通常使用権を許諾していた旨の証明書であるが、許諾による通常使用権は、使用契約の締結行為を前提として効力が発生するものであるが、該証明書には、かかる前提に関する記載がなく、事後的に通常使用権を許諾していた旨の証明となっているにすぎない。「許諾した」旨の事実の存否が問題となっているにもかかわらず、当該事実が欠落しているのである。
しかも、被請求人がダン工業の一取締役であり、かつ、桂の代表取締役であること(乙第1、2号証)にかんがみれば、乙第3号証のような証明書などは、前提としての締結行為がなくても、通常使用権を許諾していたという架空又は虚偽の事実状態を形成することは、極めて容易と認められる。
してみれば、乙第3号証は、被請求人が被請求人会社に対し、通常使用権を許諾した事実の証明にはなり得ないから、本件商標を指定商品「電気ブザー,無線チャイム」について使用する通常使用権が許諾された事実は認めることができない。
(2)使用に係る商標について
(a)商品包装台紙(乙第4号証の1、乙第6号証の1、乙第8号証の1、乙第10号証の1)及びカタログ(乙第11号証)の表紙右下に表示された「DAN」は、単独で表されているのではなく、ダン工業の英語表記としての「DAN Industrial Corp.」(「A」は筆記体のSとも認識し得る態様である。)が表されているのであって、「Industrial Corp.」が付加された全体から「ダン」以外の特定の称呼、観念を生ずることは明らかである。しかも、外観上も本件商標とは、同視される図形からなる商標ではないから、商標法第50条第1項の括弧書きに該当しないものである。また、カタログの表紙右上に表示された「DAN」は、上記のように、「DSN」とも認識可能な態様であるから、標準文字によって登録された本件商標の使用とは認められない。なお、カタログ見開き上部の「DANの<ワイヤレス・レスポンサー(無線応答器)>は、」の記載は、商品に関する記述的記載部分における説明にすぎず、商標的な使用態様とはいえない。
(b)商品包装台紙(乙第4号証の1及び3、乙第6号証の1及び3、乙第8号証の1及び3、乙第10号証の1及び3)、商品自体(乙第6号証の2、乙第10号証の2)及びカタログ(乙第11号証)に表示された色付四角形中に白抜きで書された小文字「dan」は、普通に欧文字の小文字を表した文字商標ではなく、四角形状に色塗りされ、かつ、独特の模様が白抜きで表された四角形図形と認識される図形商標と認められるものである。もっとも、「dan」は小文字のみゆえ、大文字のみからなる本件商標のとは同一の文字ではないし、書体のみに変更が加えられたものでもなく、大小の差が歴然としている。また、「dan」は、独立した文字で表されているもの(態様)ではないから、「ダン」の称呼のみが生ずるものである。これに対し、本件商標は、「D」「A」「N」がそれぞれ独立した大文字で表されているから、「ダン」の称呼のほかに、「ディーエ(イ)ーエヌ」という称呼も生ずるものである。
さらに、使用に係る商標「dan」は、「Daniel」の愛称という観念を有するが、本件商標は、上記観念のほか、アルファベット3字を並べたにすぎない一種の造語とも認識し得るものである。
してみれば、使用に係る商標「dan」は、本件商標と同一の称呼及び同一の観念が生ずるとはいえないから、本件商標と社会通念上同一の商標とは認められない。
(3)使用に係る商品について
(a)乙第4号証に示された商品は、「携帯用防犯ベル」であり、「電気ブザー(11A06)」に属する商品と考えられる。
(b)乙第6号証に示された商品は、「盗難警報器(09G04)」又は「ドアチャイムなど(lIB0I)」と考えられ、取消しに係る商品「電気ブザー(11A06)」と認めることができない。
(c)乙第8号証に示された商品は、その説明に照らせば、「盗難警報器(09G04)」と考えられ、取消しに係る商品「電気ブザー(11A06)」に該当しない。
(d)乙第10号証に示された商品「ワイヤレス・チャイム」は、「インターホン(11B01)」又は「無線チャイム(11B01)」と考えられ、取消しに係る商品「電気ブザー(11A06)」と認めることができない。
(e)乙第11号証(カタログ)に示された商品は、「ワイヤレス・レスポンサー(無線応答器)」、「ドアチャイム」、「ワイヤレス・チャイム」であり、「電気ブザー(11A06)」ではなく、「インターホン,無線チャイムその他の電気通信機械器具(11B01)」に属する商品である。
(4)取引書類について
(a)乙第5号証中の「WPA−44 ビーガード」は、乙第4号証に表示された商品と思われるが、上記記載によっては、これが具体的に如何なる商品に関する納品書であるか不明である。このような納品書は、どのようにでも作成可能な内容の書類であるから、信憑性が薄く証拠価値は低い。
(b)乙第7号証中の「REA−351 セット ワイヤレス・アラート」は、乙第6号証に表示された商品と思われるが、上記記載によっては、これが具体的に如何なる商品に関する納品書であるのか不明である。
(c)乙第9号証中の「アラームセンサー」は、乙第8号証に表示された商品と思われるが、上記記載によっては、これが具体的に如何なる商品に関する納品書であるのか不明ではある。
(d)乙第11号証(カタログ)のみでは、リアルタイムで使用していることの保証はないから、現在も使用している事実の根拠にはなり得ない。1998年2月にカタログが作成された事実が判るにすぎない。
(5)上記のとおり、乙第1号証ないし乙第11号証(枝番を含む。)は、いずれも本件商標がその指定商品中の「電気アイロン,電気式ヘアカーラー,電気ブザー」について使用されている事実を立証するものではない。
したがって、本件商標は、その指定商品中「電気アイロン,電気式ヘアカーラー,電気ブザー」についての登録は、商標法第50条の規定により、取り消されるべきものである。
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第11号証(枝番を含む。)を提出した。
被請求人は、桂(本社:大阪市中央区)の代表取締役であり、ダン工業(本社:大阪市中央区)の取締役である(乙第1、2号証)。
被請求人は、本件商標が商標登録された平成11年2月26日から現在に至るまで、被請求人会社に、指定商品「電気ブザー」、「無線チャイム」について通常使用権を許諾していた(乙第3号証)。
ダン工業は、商品を輸入し、桂は、営業及び商品の納品を行っている。被請求人会社は、下記の商品又はそれらの包装台紙、カタログに本件商標と同一又は社会通念上同一と認められる態様で、本件商標を審判請求日前3年以内及び現在に至るまで使用していた。
(1)護身用電気ブザー(乙第4号証の1ないし3、乙第5号証)
該商品は、本件商標の指定商品中の「電気ブザー」に相当するものである。
(2)無線警報電気ブザー(乙第6号証の1ないし3、乙第7号証、乙第11号証)
該商品は、スイッチの切替によって、チャイム音とサイレン音のいずれかを発することができ、設置したドア、窓の開閉を感知して、発鳴するもので、本件商標の指定商品中の「電気ブザー」に相当するものである。
(3)防犯電気ブザー(乙第8号証の1ないし3、乙第9号証)
該商品は、家庭、オフィースの扉、窓、器物に取り付けて、それらに振動又は衝撃が加えられた時、警報ブザー音を発するものであり、本件商標の指定商品中の「電気ブザー」に相当する。
(4)無線チャイム(乙第10号証の1ないし3、乙第11号証)
該商品は、家庭の扉に取り付けて扉の開閉により、又は送信機に対応させて、送信機からの呼び出し信号の受信により、チャイム音を発するものであり、下位概念では、「電気ブザー」とは異なるが、平成4年国際分類が採用されるまでは、日本分類第11類の指定商品「電鈴」として分類されており、中概念では電気ブザーと同じ産業分野に属する同じ商品であった。
商品包装台紙(乙第4号証の1、乙第6号証の1、乙第8号証の1、乙第10号証の1)及びカタログ表紙(乙第11号証)に表示した「DAN」の文字は、登録商標の文字と比べて、文字間隔及び「A」の形が多少変更されているが、これは商標法第50条第1項が規定する「書体のみに変更を加えた同一の文字からなる商標」に該当し、本件商標の使用に含められるべきものである。
また、商品包装台紙(乙第4号証の1及び3、乙第6号証の1及び3、乙第8号証の1及び3、乙第10号証の1及び3)及び商品自体(乙第6号証の2、乙第10号証の2)に表示した黒色四角形の中に白抜きの小文字「dan」は、本件商標の称呼「ダン」と同一の称呼と概念を有し、本件商標と社会通念上同一と認められるから、本件商標の使用に含められるべきである。
(1)護身用電気ブザーは、2003年1月29日に、桂が和気産業株式会社(滋賀県蒲生郡)に12個納品した(乙第5号証:納品書中の「DAN WPA−44 ビーガード ブラック」)。
(2)無線警報電気ブザーは、2003年3月14日に、桂が有限会社土佐一金物店(高知県高知市)に10セット納品した(乙第7号証:納品書中の「DAN REA−351 セット ワイヤレス・アラート」)。
(3)防犯電気ブザーは、この商品は、2003年2月13日に、桂が株式会社カギの救急車に5個納品した(乙第9号証:納品書中の「DAN UA−26 アラームセンサー」)。
(4)カタログについて
ダン工業は、1998年(平成10年)2月にカタログ「ワイヤレス・レスポンサー」(乙第11号証)を作成し、現在までこのカタログを使用している。カタログ裏面の右下の文字「1998.2」は、1998年2月の印刷を意味する。このカタログには、無線警報電気ブザー(乙第6号証の2)、無線チャイム(乙第10号証の2)が掲載されており、カタログ表紙には本件商標が表示されている。
以上のとおり、本件商標は、通常使用権者によって、指定商品中「電気ブザー」に審判請求日前3年以内に使用されていた。
(1)被請求人は、本件審判の請求の登録日(平成15年7月30日)以前より、桂の代表取締役であり、ダン工業の取締役であったこと、被請求人及び被請求人会社は、平成15年9月1日に、被請求人が被請求人会社に対し、本件商標の商標権についての通常使用権を無償で許諾したことを証明したこと(乙第1号証ないし乙第3号証)。
(2)使用に係る商品「ワイヤレス・アラート/ドア&ウインドウ警報器(REA−351)」(以下「使用商品」という。)は、その商品包装台紙の表面に、「ドアが開くとチャイムが響く!配線不要のワイヤレスタイプ。」の記載があり、また、その裏面には、商品の特徴として、「ドアチャイムにもグッド!」、「ドア・窓が開くとセンサーが反応。離れた場所にある受信器のチャイムが鳴ります。/チャイム音は2種類。チャイム(ピンポン)とアラーム(サイレン音)を用途により切り替えてご使用いただけます。」、「使用可能範囲は約30m以内」などの記載がある。さらに、取付方法として、「送信器に6V乾電池1本を、受信器に1.5V乾電池2本をセットしてください。」、「送信器とマグネットスイッチをネジもしくは両面テープでドアや窓に取り付けてください。」などの記載があり、また、「ご注意」として、「本製品は汎用チャイムであり、・・・」との記載もある(乙第6号証の1ないし3)。
「ワイヤレス・レスポンサー」と題するダン工業のカタログ(乙第11号証)中、裏表紙の「REA−351 ワイヤレス・アラート ドア&ウインドウ警報器」にも、上記と同様な記載があるが、使用目的として、「ドアや窓にセットして不法侵入者を撃退!」、「事務所や商店の入口ドアにセットして来客用チャイムに・・」、「ご家族の帰宅や外出をお知らせ・・」の記載がある。
(3)上記カタログの表紙の右上に、別掲のとおりの構成よりなる商標(以下「使用商標」という。)が表示されている。また、使用商標の下には、「DANの〈ワイヤレス・レスポンサー〉は、人と人の関係を・・・」なる記載があり、さらに、見開き上部には、「DANの〈ワイヤレス・レスポンサー(無線応答器)〉は、人と人の関係を・・・」なる記載がある。
(4)桂は、2003年(平成15年)3月14日に、高知県高知市に所在の有限会社土佐一金物店に、「品番・品名」を「07000295/DAN REA−351 セット ワイヤレス・アラート」を10セット納品した(乙第7号証)。
前記1(1)で認定した事実によれば、被請求人会社は、本件商標の通常使用権者と推認し得るところである。
この点に関し、請求人は、許諾による通常使用権は、使用契約の締結行為を前提として効力が発生するものであるが、使用許諾証明書(乙第3号証)には、かかる前提に関する記載がなく、しかも、被請求人が被請求人会社の代表取締役ないし取締役であるから、前提としての締結行為がなくても、通常使用権を許諾していたという架空又は虚偽の事実状態を形成することは、極めて容易であり、したがって、被請求人が被請求人会社に対し、通常使用権を許諾した事実は認めることができない旨主張する。
確かに、通常使用権の許諾契約は、締結行為を前提として効力が発生するものであることは請求人主張のとおりであるが、契約は、当事者間の合意があれば成立するというべきであるから、上記証明書に通常使用権の許諾契約の締結に関する記載がないとしても、これをもって被請求人と被請求人会社との間に、本件商標の商標権の通常使用権の許諾契約がなかったとみることはできないのみならず、被請求人が桂の代表取締役、ダン工業の取締役を務めていることは明らかな事実であり、商標権者が自己の経営する企業などに商標権の使用を許諾することは、商取引の実際においてごく普通に行われていることにかんがみれば、被請求人会社が被請求人より本件商標の商標権の通常使用権を許諾されていたとみることは、何ら不自然ということはできないし、使用許諾証明書が架空又は虚偽の事実を記載したものと認めるに足りる客観的証拠は見出せない。
そうすると、被請求人会社は、商標権者より本件商標の商標権について通常使用権の許諾を得ていたものとみて何ら差し支えないものである。
(1)本件請求に係る指定商品は、第9類「電気アイロン,電気式ヘアカーラー,電気ブザー」であるところ、該商品は、平成3年政令第299号による改正前の商標法施行規則別表による第11類の「電気機械器具」の「八 民生用電気機械器具」の範疇に属していた商品であり、主として家庭において使用される電気機械器具と認められる。
(2)一方、使用商品は、前記1(2)で認定した事実によれば、その使用目的が「ドアや窓にセットして不法侵入者を撃退!」、「事務所や商店の入口ドアにセットして来客用チャイムに・・」、「ご家族の帰宅や外出をお知らせ・・」であることからすると、一義的には、不法侵入者等に対し、警報音を発する、いわゆる防犯警報器具であると認められるが、それ以外にも、器具の操作方法により、来客や家族の帰宅等を音で知らせるためのものとしても使用できるといった、二面性を有する商品であって、その使用目的、取付方法等を総合勘案すると、主として家庭で使用される商品であると認められる。
ところで、「ブザー」は、「呼出や信号、警報などに使う振動音を出す器具」(「新版 電気用語辞典」株式会社コロナ社、1999年9月30日 26版発行)であり、「電気ブザー」は、上記ブザーの機能を電気の力を利用して行うものということができる。
また、従来玄関や門などに取り付けられ、来客等を通報する電気ブザーは、いわゆる単調なブザー音であったところ、近時、その単調なブザー音に代わるものとして、軽快な音色のチャイムが鳴る「ドアチャイム」等と称される商品が存在し、これは、「玄関や門などからボタンを押すと,室内に軽快な音色のチャイムが鳴るもの.2点打式と,2点打・6点打両用式がある.2点打式は,ボタンを押すときと放すときに鳴る一般的な方式で,2点打・6点打両用式は,たとえば玄関と勝手口の2カ所からコールでき,点打数でいずれかを判別できるようにした方式である.」(「商品大辞典」東洋経済新報社、1996年4月15日 第13版発行)ことが認められ、これら商品は、いずれも来客等を通報するという使用目的において共通するものであって、上記「ドアチャイム」は、電気ブザーの範疇に属する商品ということができる。
そうすると、使用商品は、その使用目的からみて、玄関や門などに取り付けられ、来客等を通報する電気ブザーと同じ使用目的を持つ「ドアチャイム」の機能を兼ね備えた商品と認められるものであるから、請求に係る商品中の「電気ブザー」の範疇にも属する商品というのが相当である。
使用商標は、別掲のとおりの構成よりなるものであるところ、多少図案化されているとはいえ、欧文字の「DAN」を表したと認識することができるばかりでなく、使用商標の下に表示された「DANの〈ワイヤレス・レスポンサー〉は、人と人の関係を・・・」なる記載があることからしても、使用商標に接する需要者が「DAN」の文字以外の他の文字を想起するものとは、考えにくいところである。
そうすると、使用商標は、本件商標と外観において多少差異を有するとしても、「ダン」の称呼及び「男の名」の観念において、同一のものというべきである。
したがって、使用商標は、本件商標と社会通念上同一の範囲内の商標というのが相当である。
なお、請求人は、カタログ見開き上部に記載された「DANの〈ワイヤレス・レスポンサー(無線応答器)〉は、人と人の関係を・・・」なる記載中の「DAN」は、商標としての使用ではない旨主張するが、該「DAN」は、やや見づらい位置に表示されているとはいえ、「〈ワイヤレス・レスポンサー(無線応答器)〉」の出所標識として十分機能しているものということができる。
そうすると、使用商標及び「DANの〈ワイヤレス・レスポンサー〉」の文字部分中の「DAN」の表示は、カタログに掲載された通常使用権者であるダン工業の取扱いに係る商品すべての識別標識としての機能を果たしているものとみるのが相当であるから、使用商品の商標としての使用ということができる。
(1)前記1(4)で認定した事実によれば、通常使用権者である桂は、本件審判の請求の登録日(平成15年7月30日)前3年以内である2003年(平成15年)3月14日に、高知県高知市に所在の有限会社土佐一金物店に、使用商品と認められる「品番・品名」の「07000295/DAN REA−351 セット ワイヤレス・アラート」を10セット納品したことが認められる。
(2)請求人は、納品書に記載された「DAN REA−351 セット ワイヤレス・アラート」は、乙第6号証に表示された商品と思われるが、上記記載によっては、これが具体的に如何なる商品に関する納品書であるのか不明である旨主張する。
しかしながら、使用商品が「REA−351/ワイヤレス・アラート」であることは、乙第6号証の1ないし3及び乙第11号証から明らかであり、これは、納品書に記載された商品の「品番・品名」と一致するものであるから、上記に関する請求人の主張は理由がない。
また、請求人は、ダン工業のカタログ(乙第11号証)について、1998年2月にカタログが作成された事実が判るにすぎず、現在も使用している事実の根拠にはなり得ない旨主張する。
しかし、上記したように、乙第6号証の1ないし3及び乙第7号証に記載された使用商品の品番、品名とカタログ裏表紙に掲載された使用商品の品番、品名とが一致しているところからみれば、上記カタログは、本件審判の請求の登録前3年以内にも使用されていたと推認することができるから、この点に関する請求人の主張も採用することができない。
以上のとおり、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、通常使用権者が請求に係る指定商品中の「電気ブザー」に含まれる使用商品「ワイヤレス・アラート/ドア&ウインドウ警報器(REA−351)」について、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を使用していたことを証明したと認めることができる。
したがって、本件商標の指定商品中の「電気アイロン,電気式ヘアカーラー,電気ブザー」についての登録は、商標法第50条の規定により、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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