結論テキスト
審判費用は、被請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2003−30234(T2003−30234/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
本件登録第2318058号商標(以下「本件商標」という。)は、「ピュアレチノ」の欧文字を横書きしてなり、平成元年1月13日に登録出願、第4類「化粧品、その他本類に属する商品」を指定商品として、平成3年6月28日に設定登録、その後、平成13年2月20日に商標権の存続期間の更新登録、同年4月11日に第3類「せっけん類,歯磨き,化粧品,植物性天然香料,動物性天然香料,合成香料,調合香料,精油からなる食品香料,薫料」及び第30類「食品香料(精油のものを除く。)」とする指定商品の書換登録がなされたものである。
請求人は、結論同旨の審決を求めると申立て、その理由及び被請求人の答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ、参考資料1を提出している。
過去3年間において、本件商標が使用された形跡はない。
(1)乙第1号証の1、乙第1号証の2及び乙第2号証(商品「化粧品」のパンフレット及びパッケージ)をみる限り、商品名は「ピュアレヂナ 2」、「ピュアレヂナ クリーム 2」及び「ピュアレヂナ ローション 2」(構成中の「2」の文字はローマ数字で表されている。被請求人の使用する商標については、以下同じ。)として使用されていることは明らかである。すなわち、商品の名称として「ピュアレヂナ」が使用されている。
証拠方法としての乙第3号証の1ないし9までの納品案内書(受領書)の控えにおいても、商品名として記載されているのは「ピュアレチノ」ではなく「ピュアレヂナ」である。
このような商品名(商標)の使用をもって商標「ピュアレチノ」を使用してきたとの主張を受け入れることはできない。
(2)商品カタログやパッケージに商品名(商標)として「ピュアレヂナ」が明確に特定されて使用されている。単に商品の容器やパッケージに小さく「PURE RETHINO(2)」、「PURE RETHINO CREAM(2)」及び「PURE RETHINO LOTION(2)」の記載があるからといって商品名(商標)「ピュアレチノ」が使用されているという主張には無理がある。
「PURE RETHINO」は造語である。これについて一般に特定の呼び方は存在しない。請求人が「ピュアレヂナ」として商品名を特定していれば、一般の人々もこのように読ませたいのだなという意識をもつのが自然である。被請求人が使用する商品名「ピュアレヂナ」を無視して一般の取引者・需要者が商品名をあえて「ピュアレチナ」であると認識するようなことは一般の商品取引社会では考えられない。むしろ一般取引者・需要者は被請求人が「PURE RETHINO」の表現をピュアレヂナと読ませたいのだなというような認識をもつのが自然ではないかと考える。
また、「PURE RETHIN0(2)」、「PURE RETHINO CREAM(2)」及び「PURE RETHINO LOTION(2)」は仮に商標の使用であると主張されるとしても、商標的使用態様で使用されているとは考えられない。単に商品の内容・品質等を示しているにすぎないように思われる。
被請求人は、また商標「ピュアレヂナ」も化粧品を含む商品について登録商標を有している(参考資料1)。したがって、被請求人は、登録商標「ピュアレヂナ」を使用しつつ「ピュアレチノ」の登録商標を使用しているという主張は不自然である。
(3)被請求人は、厚生省担当官から商品販売名「ピュアレチノ」を変更するようにとの指導を受けたと説明している。
「ピュアレチノ」ではなく「PURE RETHINO」であればよいというのであれば、これは社会常識に著しく反している。しかも、被請求人も主張しているように「本件商標『ピュアレチノ』を薬事法上の販売名として商品に使用することをやむなく断念し、その代わりに、『ピュアレヂナ』を使用している」とある。厚生省の担当者は、「ピュアレチノ」では問題があるから「ピュアレヂナ」であれば医薬部外品として使用できるとして許可を出したものと理解している。
被請求人は商品名「ピュアレヂナ」を用いているのであって、「ピュアレチノ」の称呼においてPURE RETHINOが用いられていることにはならない。商品名(商標)は、明らかに「ピュアレヂナ」が使用されているのである。
(4)被請求人は、証拠方法として乙第4号証、乙第5号証の1及び乙第5号証の2により、本件商標「ピュアレチノ」を登録のままの態様(片仮名文字態様)で使用しないことについては、公的機関からの指導という正当な理由が存在していると主張している。
それならば何故に「PURE RETHINO(2)」、「PURE RETHINO CREAM(2)」及び「PURE RETHINO LOTION(2)」(商標的使用態様か否かは別としても)の使用が本件商標「ピュアレチノ」の使用であると主張されるのか。許可を受けた商品名は、「ピュアレヂナ」であって「PURE RETHINO」ではないはずである。
(5)答弁書においては、平成元年当時(14年前)何故に化粧品の商品名としての「ピュアレチノ」が使用できないとされたのかその理由は全く示されていない。平成元年当時、医薬部外品として使用できない事情が今日においても依然として続いているのか否か定かではない。今日でも「ピュアレチノ」が使用できない正当な理由とは何であるのかその理由、根拠を示されたい。
被請求人は、「本件審判の請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする」と答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第5号証(枝番号を含む。)を提出している。
(1)本件商標の使用について
(ア)「オパール化粧品」の名で広く知られている我が国有数の化粧品メーカー「株式会社三香堂」(被請求人)は、平成元年から現在まで継続して、本件商標「ピュアレチノ」と社会通念上同一といえる商標を、商品「化粧品」について使用している。
(イ)乙第1号証の1、乙第1号証の2(以下「乙第1号証」と総称する。)は、いずれも被請求人の製造に係る化粧品のパンフレットである。乙第1号証に商品Aとして示す商品の容器には、本件商標「ピュアレチノ」を英文字表記した商標「PURE RETHIN0(2)」が付されている。また、乙第2号証として提出するのは、該商品のパッケージ(包装箱)であり、このパッケージにも同商標が付されている。
さらに、前記商品Aのシリーズ商品であるクリーム(乙第1号証に商品Bとして示した商品)とローション(乙第1号証に商品Cとして示した商品)についても、それぞれ本件商標と社会通念上同一の商標「PURE RETHINO CREAM(2)」「PURE RETHINO LOTION(2)」が付されている。
このように、商品「化粧品」について商標「PURE RETHINO」が使用されていることは証拠より明らかであるが、この使用商標「PURE RETHINO」は、本件商標「ピュアレチノ」を英文字表記したものであって、本件商標と社会通念上同一の商標といえるものである。
(ウ)乙第3号証の1ないし9は、本件商標と社会通年上同一の商標「PURE RETHINO」を付した商品(前記商品A)が、「ピュアレヂナ」の商品名において、被請求人から日本各地の化粧品小売業者へ納品されたことを示す納品書の控えである。
商標「PURERETHINO」を付した商品は、実際には、平成元年頃から現在まで継続して販売されているが、乙第3号証の1ないし9によって、少なくとも納品書記載の各日付(いずれも本件審判の請求登録前3年以内の日付である)の時点において取引に供されていた事実が証明される。
(エ)以上のとおり、乙第1号証ないし同第3号証によって、本件商標と社会通念上同一の商標「PURE RETHINO」が、本件審判の請求登録前3年以内に、日本国内において使用されたことが証明できたものと思料する。
(2)商品名「ピュアレヂナ」の使用について
(ア)本件商標「ピュアレチノ」が登録されたそのままの態様(片仮名文字態様)において使用されていないことにつき、その理由を詳述する。
(イ)本件商標「ピュアレチノ」は、商品「化粧品」のうち、特に薬事法に規定される「医薬部外品」に該当する商品(即ち、前記商品A)について使用するために採択された商標である。
被請求人は、この商品を製造するに際し、薬事法上、「販売名」と呼ばれる名称を「ピュアレチノ」と定め、平成元年4月21日付けにて薬事法上必要とされる医薬部外品の製造承認申請を行った。ところが、後日厚生省担当官から電話により、この販売名「ピュアレチノ」を変更するようにとの指導を受けたものである。
当時、この種申請の内容については、文書だけでなく、電話で口頭指導を受けることも常態であったので、平成元年10月24日電話にて担当官と相談を重ねた結果、販売名として別の名称「ピュアレヂナ」を採用することにした。そして、平成元年10月30日に被請求人が厚生省に赴いて、医薬部外品製造承認申請書の販売名欄の「ピュアレチノ」の記載をその場で「ピュアレヂナ」に訂正し、それによって承認されたという事情がある。
以上の事情によって、被請求人は、責任表示として本件商標「ピュアレチノ」を薬事法上の販売名として商品に使用することをやむなく断念し、その代わりに、「ピュアレヂナ」を使用しているのである(乙第4号証並びに同第5号証の1及び2)。
(ウ)以上のとおり、本件商標「ピュアレチノ」を登録のままの態様(片仮名文字態様)で使用していないことについては、公的機関からの指導という正当な理由が存在している。
(3)むすび
上記によって明らかなとおり、被請求人は、審判請求登録前の3年間に、そして現在まで継続して、本件審判請求に係る指定商品「化粧品」について本件商標と社会通念上同一の商標を使用しており、本件商標を使用していないとする請求人の主張は何ら根拠がない。
また、もし万一、商標「PURE RETHINO」の使用が本件商標の使用とは認められないとしても、本件商標を使用しないことについては正当理由があるから、商標法第50条第2項の規定により、登録を取り消されるべきではない。
(1)本件商標は、前記のとおり「ピュアレチノ」の欧文字よりなるものであるところ、被請求人は、平成元年から現在まで継続して、本件商標と社会通念上同一といえる商標を商品「化粧品」について使用していると主張し、乙第1号証ないし同第5号証(枝番を含む。)を提出した。
そこで、被請求人の提出に係る証拠を検討するに、乙第1号証の1及び2は、被請求人の商品パンフレットであると認められるところ、「ピュアレヂナ 2」の項に掲載されている商品の容器には「PURE RETHINO 2」の文字が表示されている、また、「ピュアレヂナ クリーム 2」の項に掲載されている商品の容器には「PURE RETHINO CREAM 2」の文字が表示されている、そして、「ピュアレヂナ ローション 2」の項に掲載されている商品の容器に「PURE RETHINO LOTION 2」の文字が表示されている。
また、乙第2号証は、展開された包装箱と認められるところ、当該箱の上面には「ピュアレヂナ 2」の文字、当該箱の側面には「株式会社三香堂」、「PURE RETHINO 2」及び「ピュアレヂナ 2」の文字が、表示されている。
しかして、「クリーム」の語は「CREAM」の語の片仮名文字、「ローション」の語は「LOTION」の語の片仮名文字として広く知られていることを考慮すると、乙第1号証及び乙第2号証に表示されている文字の中で、「ピュアレヂナ 2」と「PURE RETHINO 2」、「ピュアレヂナ クリーム 2」と「PURE RETHINO CREAM 2」、「ピュアレヂナ ローション 2」と「PURE RETHINO LOTION 2」は、それぞれ対応していると解するのが相当である。
そうとすれば、乙第1号証及び乙第2号証に接した取引者、需要者は、「ピュアレヂナ 2」の文字は「PURE RETHINO 2」の文字を、「ピュアレヂナ クリーム 2」の文字は「PURE RETHINO CREAM 2」の文字を、「ピュアレヂナ ローション 2」の文字は「PURE RETHINO LOTION 2」の文字を、それぞれ仮名文字で表したものと容易に看取し認識するものというべきである。しかも、乙第3号証の「納品案内書(受領書)」には商品名として「ピュアレヂナ」又は「ピュアレヂナ 2」と記載されているところ、被請求人は、これらの取引書類は乙第1号証及び乙第2号証の商品に関するものであると述べているのであるから、乙第1号証及び乙第2号証の商品は、市場において「ピュアレヂナ」と認識して取引に供されていたものと認められる。加えて、被請求人は、本件商標を薬事法上の販売名として商品に使用することを断念した旨述べている
してみれば、被請求人は、「ピュアレヂナ」とのみ称呼される「PURE RETHINO」の商標を使用したといえるところ、当該商標は、商標法第50条に規定する「平仮名、片仮名及びローマ字の文字の表示を相互に変更するものであって同一の称呼及び観念を生ずる商標」など、本件商標と社会通念上同一と認められる商標には該当しないものと判断するのが相当である。
他に、本件商標と社会通念上同一といい得る商標を使用したと認めるに足りる証拠はない。
したがって、被請求人の提出に係る証拠によっては、被請求人は、我が国において、本件審判の請求の登録(平成15年3月19日)前3年以内に、請求に係る指定商品「化粧品」について本件商標を使用したものとは認められない。
(2)被請求人は、本件商標の使用が認められないとしても、被請求人には本件商標を使用しないことについて公的機関からの指導という正当な理由が存在する旨主張する。
被請求人の取締役研究室長の宣誓書(甲第4号証)には、医薬部外品製造承認申請から「ピュアレチノ」が「ピュアレヂナ」に販売名を変更して承認されるに至った経緯が記載され、また、平成元年4月21日付け「医薬部外品製造承認申請書」(乙第5号証の1)の「販売名欄」に「ピュアレチノ」が「ピュアレヂナ」と訂正され、平成元年11月15日付け「医薬部外品製造承認書」に「平成元年4月21日付で申請のあった医薬部外品の製造を・・・申請のとおり承認する。」と記載されていることが認められる。
そして、商品パンフレット(乙第1号証の1及び2)の商品「ピュアレヂナ 2」、「ピュアレヂナ クリーム 2」及び「ピュアレヂナ ローション 2」の「医薬部外品」の記載及び宣誓書の内容からすると、被請求人は、これらの商品を当初「ピュアレチノ」の名称で販売することを予定していたが、厚生省の担当官の指導により販売名を「ピュアレヂナ」に変更訂正して承認を受け、「ピュアレヂナ」の名称で販売することとなったものと推認することができる。
しかしながら、その申請、承認は平成元年であるから、この事実を本件商標を化粧品に使用する準備をしていたものととらえても、本件審判の請求の登録の10年以上も前の事情であり、もとより、その申請書に記載された商品について「ピュアレチノ」の販売名で製造承認が得られなかったというにとどまるものである。しかも、その事実は、厚生省の承認という行為により確定しているばかりでなく、その後、「ピュアレチノ」の名称について、再度、申請を行ったという主張、立証もない。
また、被請求人は、上述の事実を正当理由に挙げるのみで、例えば、「本件審判の請求の登録前3年以内の平成12年3月から同15年3月の期間に本件商標を使用できなかったのは、本件商標の使用の準備を進めていたにもかかわらず商標権者の責めに帰することのできない特別の事情によるためであった。」など、当該期間に登録商標の使用に至らなかった事実関係を、具体的に主張、立証していない。
そうすると、被請求人における平成元年当時の上述事情を考慮しても、被請求人の主張する理由によっては、商標法第50条第2項ただし書き所定の正当理由があったものということができない。
(3)してみれば、被請求人の提出に係る証拠によっては、本件商標は、本件審判の請求の登録前3年以内に、日本国内において、請求に係る指定商品中の「化粧品」について、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれによっても使用されていなかったものといわなければならず、かつ、使用しないことについて正当な理由があったものともいうことができない。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、本件の指定商品中第3類「化粧品」について、取り消すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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