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Trademark Appeal Case

著名団体名称の無断使用

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2000−17191(T2000−17191/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、別掲Aのとおりの構成よりなり、第12類「ヨット,ヨットの部品,ヨットの付属品」、第14類「キーホルダー,ペンダント,ブレスレット,ネックレス,イアリング,ブローチ」、第16類「書籍,地図,航海図,雑誌,パンフレット,便箋,ノート,包装紙,手帳,メモ帳,日記帳,ポスター,カレンダー」、第18類「カバン類,袋物」、第24類「タオル,ハンカチ」、第25類「セーター,シャツ,Tシャツ,ジャージ(上下),トレーナー(上下),ウインドブレーカー,ヨットパーカー,ブレザー,スーツ(上下),コート,レインコート,ズボン,スカート,下着,靴下,パジャマ,バスロープ,手袋,帽子,バンダナ,ネクタイ,マフラー,スカーフ,膝当て,履物,ベルト,サスペンダー」、第26類「ボタン類」、第27類「船舶の置物」、第28類「船舶の模型」及び第41類「ヨットスクール」を指定商品及び指定役務として、平成9年6月17日に登録出願されたものである。

2 当審において通知した拒絶理由

(1)本願商標は、その構成中に、「Royal Yachting Association」の文字を含むものであるところ、該文字は、ヨットリクリエーション及びヨット競技の発展を図ることを目的として、1875年に設立され、現在に至るまでヨットの訓練を初めとしてマリンスポーツに関する活動を継続して行っている協会の名称「Royal Yachting Association」(英国の「RYA House,Romsey Road,Eastleigh,Hampshire」所在)と同じであり、かつ、出願人(請求人)が、本願商標の権利を取得することについて、その者の承諾を得ているものとは認められない。したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第8号に該当する。

(2)また、本願商標は、その構成中に、「Royal Yachting Association」、「ROYAL YACHTING ASSOCIATION」、「英国王立ヨット協会」及びやや図案化した「RYA」の文字を含むものである。しかしながら、「Royal Yachting Association」は、上記(1)で説明したとおりの協会であり、現在ではマリンスポーツの世界的権威として知られ、そのトレーニングコースを、毎年、13万人以上の者が修了していることが、該協会の公式ウェブサイトにより認められる(http://www.rya.org.uk)。

そして、我が国においては、「Royal Yachting Association」が、「英国王立ヨット協会」と訳されて使用されており、該協会公認のヨットスクールが存在すること(例えば、BSCヨットスクール(http://www.bsc−int.co.jp)、サンセイル・セーリングスクール(http://www.oceandream.net/Schppl))、同協会のヨットトレーニングコースを卒業した旨を宣伝としたインストラクターや、そのような者をコーチとする旨を宣伝としたヨットスクールの存在などが認められる。

さらに、該協会の公式ウェブサイトによれば、該協会のマークは、別掲のとおり(別掲B)の「RYA」の文字をやや図案化したものであることが認められるところ、本願商標中の「RYA」の文字は、該マークと酷似しているものである。

これらの事情よりすれば、出願人(請求人)が、本願商標中の「Royal Yachting Association」、「ROYAL YACHTING ASSOCIATION」、「英国王立ヨット協会」及び「RYA」の文字を採択使用するについては、偶然の一致によるものとは到底認め難く、むしろ、該協会の存在を知った上で採択し、登録出願したものといわざるを得ない。

したがって、出願人(請求人)が、本願商標をその指定商品及び指定役務について使用することは、一般的社会通念に照らし、社会的妥当性を欠くものであって、公正であるべき商取引の秩序を乱すおそれがあり、ひいては国際信義に反するものであるから、本願商標は、商標法第4条第1項第7号に該当する。

3 当審の判断

(1)本願商標は、別掲Aのとおり、上段に、文字の上下に直線を配した「英国王立ヨット協会 (Royal Yachting Association)」の文字を配し、中段に「RYA英国ヨット協会」の文字を配し、下段には、図案化した「RYA」の文字とその横に国旗のような図形(十文字の図とその中央に菱形の図を配した構成よりなる)を配し、これらの下に「ROYAL YACHTING ASSOCIATION」の文字を配してなるものである。

(2)商標法第4条第1項第8号について

本願商標は、前記3(1)のとおり、その構成中に「Royal Yachting Association」及び「ROYAL YACHTING ASSOCIATION」の文字を含むものであるが、該文字は、前記拒絶理由のとおり、ヨットの訓練を初めとしてマリンスポーツに関する活動を行っている英国の団体名称「Royal Yachting Association」と同じであり、かつ、出願人(請求人)が、本願商標の権利を取得することについて、その者の承諾を得ているものとは認められない。したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第8号に該当する。

なお、請求人は、当審における拒絶理由通知に対して、「『Royal Yachting Association』は社団または財団として組織されているものである。このような場合には、法人の種類を表現する部分を含めたものが他人の名称であり、右部分を除いた部分は他人の名称の略称となる。そして、略称であれば商標法上著名であることが必要になるが、外国の一企業や法人にすぎないものには一般に著名性は認められていないから、本願商標は商標法第4条第1項第8号に該当しない。」旨主張している。

しかしながら、「Royal Yachting Association」は、正式名称と認められるから、請求人の主張は採用できない。

(3)商標法第4条第1項第7号について

請求人は、当審における拒絶理由通知に対して、「商標の採択使用が国際信義に反するとして商標法4条1項7号に該当するとされるのは、出願にかかる当該商標が外国の特定の国家機関・組織・公用物等を表わす場合などである。著名でない外国の一法人にすぎないものについては、基本的に無関係である。また、請求人は、英国内法人としての『Royal Yachting Association』を知っていたという事実はない。」旨主張している。

しかしながら、Royal Yachting Associationは、ヨットリクリエーション及びヨット競技の発展を図ることを目的として、1875年に「Yacht Racing Association」として設立され、1952年に「Royal」のタイトルを与えられ、名称を「Royal Yachting Association」とし、それ以降現在に至るまでヨットの訓練を初めとしてマリンスポーツに関する活動を継続して行っており、かつ、現在も英国王室のサポートを得て活動しているものである。そして、同協会は、「Royal Yachting Association」又は「RYA」の略称で、現在では、マリンスポーツの世界的権威として知られ、そのトレーニングコースを、毎年、13万人以上の者が修了している。わが国においても、同協会公認のヨットスクールが存在し、同協会のヨットトレーニングコースを卒業した旨を宣伝としたインストラクターや、そのような者をコーチとする旨を宣伝としたヨットスクールの存在などが認められること、また、同協会が主に「英国王立ヨット協会」の日本語訳で使用されている実情があることは拒絶理由通知のとおりである。

そこで、本願商標をみると、本願商標は、前記3(1)のとおり、「Royal Yachting Association」、「ROYAL YACHTING ASSOCIATION」、「RYA」及び「英国王立ヨット協会」の文字を含むものである。

また、本願商標の構成中のやや図案化された「RYA」の文字部分は、同協会の使用する「RYA」のマーク(別掲B)と比較すると、文字が黒塗りかあるいは白抜きかという点や各文字の線幅が若干相違するといえるものの、文字の重なり方やその他のデザイン的要素を同じくするという点において酷似しているものであって、請求人が当該マークを知得することなく、無関係にこれらが偶然の一致によるものとは認め難い。

このような本願商標を、同協会と何らの関係もない出願人が、その指定商品及び指定役務について私的独占使用の目的をもって採択し、これを商標として登録することは、国際商業道徳に反するものというべきであって、公正な取引秩序を乱すおそれがあるばかりでなく、国際信義に反し、公の秩序を害するおそれがあるといわざるを得ない。

したがって、本願商標を商標法第4条第1項第7号に該当する。

(4)以上のとおり、本願商標は商標法第4条第1項第7号及び第8号に該当するものであり、原査定を取り消すことはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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