Trademark Appeal Case
形状描写と識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 平成11年審判第2912号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、別掲のとおりの構成よりなり、第9類「電線及びケーブル,電気通信機械器具,レコード,メトロノーム,電子応用機械器具及びその部品,遊園地用機械器具,雑誌・書籍・新聞・地図及び図面の画像・文字情報を記録させた磁気ディスク・光ディスク・光磁気ディスク・CD−ROM及び磁気テープ,写真を記録させた磁気ディスク・光ディスク・光磁気ディスク・CD−ROM及び磁気テープ,その他の録画済みビデオディスク及びビデオテープ,業務用テレビゲーム機及び家庭用テレビゲームおもちゃ用のプログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク・光ディスク・光磁気ディスク・CD−ROM及び磁気テープ,家庭用テレビゲームおもちゃ専用のコントローラー・ジョイスティック・メモリーカード・ボリュームコントローラ・マウス,その他の家庭用テレビゲームおもちゃ」を指定商品として、平成9年4月1日に登録出願されたものであるが、指定商品については当審において平成11年2月18日付けの手続補正書で、第9類「家庭用テレビゲームおもちゃ専用のジョイスティック」に補正されたものである。
2 原査定の拒絶理由
原査定は、「本願商標は、ありふれた黒塗りの隅丸横長長方形を背景に、そこから浮き出るように、左右に2本のスティックを備え、中央付近に黒塗りの小円を8個(4個×2列弧状に)配し、全体をほぼ白抜きしてなる機種状物を顕著に表した構成よりなるところ、これをより子細にみるとき、該機種状物の左右に設けた2本のスティックが、各々握り部を有すること等より、この部位は容易に操作スティックと解され、かつ、当該機種状物の中央付近における黒塗りの8個の小円も容易に操作ボタンと解されるものというのが相当である。そうとすれば、本願商標は、その全体構成からみて、ゲーム機操作用のコントローラー(所謂、ジョイスティック)の類いを写実的に表したものといわなければならない。してみると、このような商標をその指定商品中、「家庭用テレビゲームおもちゃ用コントローラ,電子計算機ゲーム専用コントローラ」に使用しても、これに接する取引者、需要者は、単に商品の品質、形状等を表示したものと把握するに止まり、自他商品識別標識としての機能を有するものとは認識しないとみるのが相当である。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記に照応する商品以外の商品に使用するときには、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定判断して、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
本願商標は、別掲のとおり、隅を丸くした黒塗りの矩形内に、厚みのある基盤上の左右に2本のスティックを備え、中央上部に黒塗りの小円を8個(4個×2列)配列し、全体をほぼ白抜きしてなる操作盤とみられる機器を、右下斜め上方から見下ろす如き視点により表示した図形よりなるものであるところ、該機器中に表された2本のスティックと8個の小円はその機器の機能上から備えられた操作スティック及びスイッチ類であると認められ、これらの特徴的な機構及びその全体的な構成からみて、かかる図形は、補正後の指定商品である「家庭用テレビゲームおもちゃ専用のジョイスティック」を表したものと、容易に認識、把握し得るものと認められる。
請求人は、この点について、本願商標は、商品の機器の形状を思い起こさせることがあるとしても、十分に抽象的に表され、出所表示機能を有する商標として図形化処理がされていること。この種商品は、有力3社の商品(「PlayStation」「Nintendo 64」「Sega Saturn」)自体の形状に極めて特色があり、商品の形状を見て需要者は出所を識別できること。そして、請求人の商品はその形状が周知であり立体商標として機能しているとして、需要者の証明書を提出し、さらに、登録例を挙げ、本願商標は登録要件を具備するものである旨、主張している。
しかしながら、本願商標は、補正後の指定商品である「家庭用テレビゲームおもちゃ専用のジョイスティック」を描写する場合において、当該機器を写実的な手法で普通に描写し得る範囲内で表わされた程度のものといわざるを得ず、この程度の表示によっては、かかる図形が、その補正後の指定商品との関係において、自他商品の識別標識としての機能を獲得し得たといえるほどに図案化が施されたものということはできない。
また、この種商品は、当該機器の操作のためのスティック及びスイッチ類がその基盤上に備えられているのが機構上の共通した特徴といい得るところ(甲第3号証)、本願商標が、その構成中の上記共通の特徴等から、前記のとおり、その指定商品である「家庭用テレビゲームおもちゃ専用のジョイスティック」を表示したものと容易に認識、把握し得るものである以上、たとえ、請求人の述べる3社の製品がそれぞれの形状に特徴を有し、本願商標が同種商品のそれとは異なる形状よりなるものであるとしても、それは、単に、デザイン等の相違によるものと理解されるに止まるというのが相当であり、したがって、そのことをもって、直ちに、本願商標に接する取引者、需要者をして、これが請求人の業務に係る商品であることを認識せしめるということはできない。
しかして、仮に、本願商標が、その指定商品について使用された場合において、これが自他商品識別標識としての機能を果たし得るといえるのは、結局、本願商標が当該商品について継続して使用された結果、獲得し得た商標としての機能というべきである。
しかるに、請求人の提出した甲第4号証ないし甲第14号証をみるに、かかる証明書に示された商標はいずれも3方向より観察した3種の図により構成されてなる立体商標としてのものであって、本願商標とはその構成態様を異にするものであるから、該証明書をもってしては、本願商標が、使用の結果、自他商品の識別標識としての機能を備えるに至ったものと認めることはできない。
また、請求人の挙げる登録例は、いずれも本願商標とは事案を異にしており、これらについての判断を本件について適用しなければならない格別の理由は見出すことができないから、これを採用の限りでない。
以上、請求人の主張はいずれも認めることができないから、本願商標は、これを補正後の商品について使用する場合、単に商品の品質(形状、用途等)を表示するにすぎないものといわなければならない。
したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するとしてその出願を拒絶した原査定は、妥当であって取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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