Trademark Appeal Case
機能的形状の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 平成10年審判第16575号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、別掲のとおりの構成よりなり、第9類「家庭用テレビゲームおもちゃ用コントローラ,電子計算機用ゲーム専用コントローラ」を指定商品として、平成9年4月1日に立体商標として登録出願されたものである。
2 原査定の理由
原査定は、「この商標登録出願は、『家庭用テレビゲームおもちゃ用コントローラ,電子計算機用ゲーム専用コントローラ』を指定商品とするものであるところ、この商標登録出願に係る商標は、例えば、その構成中の左右に設置された十字状の形の部分(○、×、△及び□の印が右側に、また、△の印を十字の方向に左側に配してあるもの)がスイッチで、これらによって操作をするゲーム機のコントローラの一種を表したものと容易に認識されるものであることから、これをその指定商品に使用したときは、その商品の形状を表示するにすぎないものと認める。したがって、この商標登録出願に係る商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定、判断して、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
(1)本願商標は、別掲のとおり、その構成から明かなように、家庭用テレビゲームおもちゃ用のコントローラー、電子計算機用ゲーム専用コントローラの一形態を立体的形状で表示したものである。
すなわち、該立体的形状は、上記ゲームをコントロールし易いように、両手で持つための持ち手が2本でており、該持ち手の左側には、その上部の円盤状形状内に十字形内を配し、該十字形内には、画面上のカーソルマークを希望の位置に動かすための方向キーがあり、また、該持ち手のうち、右側の上部の円盤状形状内の各ボタンは、上記方向キーでセレクトした機能を確定等するためのボタンと理解されるものである。その他、電源を入れるためのスイッチなどを配してなるものであって、「家庭用テレビゲームおもちゃ用のコントローラー、電子計算機用ゲーム専用コントローラ」の機能上不可欠
な構成要素からなるものである。
そうすると、本願商標は、その指定商品の特有の特徴、形状を顕著に表したものと容易に理解されるものといわなければならない。
加えて、本願商標の立体的形状を構成する2本の持ち手、方向キー及びボタン等の形状は、商品の機能(持ち易さ、使い易さ)を効果的に発揮させるためのものであり、あるいは、その商品の形状の持つ美感を追求する等の目的で選択されたものであり、本来的(一義的)には商品の出所を表示し、自他商品を識別する標識として採択されるものではなく、商品の機能、美感を発揮させるためのに必要な形状を有しているというべきである。
してみると、本願商標は、これをその指定商品について使用しても、取引者、需要者は、全体として本願指定商品の形状を表示するにすぎないものと理解するにとどまり、自他商品の識別標識とは認識し得ないものと判断するのが相当である。
(2)請求人(出願人)は、本願商標は、「家庭用テレビゲーム用おもちゃ用コントローラ」について、1994年から継続して使用しているものであり、その結果、何人かの業務に係る商品であるかを認識するに至ったものであるから、商標法第3条第2項の規定により登録されるべき旨主張し、資料2ないし資料22を提出している。
しかしながら、資料2ないし資料12、資料16ないし資料19は、請求人の取引先による証明であるが、これらの証明は、請求人と取引先との利害関係のある者による証明であって、例えば、同業他社、公的機関による証明などのように、客観的な立場から証明するものではない。
また、資料13ないし資料15は、「家庭用テレビゲームおもちゃ」本体の商品(プレステーション)の世帯普及率、販売数量、使用説明書、プレステーション・ドット・コム会社設立の発表会に関するものであって、資料14において、僅かに、使用説明書にゲームコントローラの使用方法が紹介されているにすぎないものである。
さらに、資料21は、「PS2」(家庭用テレビゲーム用おもちゃ)の識別性に関する調査(報告書)であるところ、その一環として主要ゲーム機附属品の識別性に関する調査も含まれているが、調査対象者200人と少ないこと及び調査の対象が、「PS2」(家庭用テレビゲーム用おもちゃ)に関するものである。
そうすると、これらの証拠のみをもってしては、本願商標が、請求人の取扱いに係る「家庭用テレビゲーム用おもちゃ用コントローラ」について使用された結果、独立して自他商品の識別標識の機能を有するに至ったものと認めることができない。他に、その事実を認めるに足りる客観的証拠は見当たらない。
したがって、本願商標が、商標法第3条2項の所定の要件を具備するに至っていたという請求人の主張は採用することができない。
その他、請求人提出の資料を総合してみても、本願商標が自他商品の識別標識としての機能を有するに至っていることを証明する証拠は発見し得ない。
(3)以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものであるから、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
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