Trademark Appeal Case
原材料名の複数形商標の記述性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2001−22398(T2001−22398/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「エレミス」の片仮名文字を標準文字で横書きしてなり、第3類及び第42類に属する願書記載の商品又は役務を指定商品又は指定役務として、平成12年2月4日に登録出願され、その後、指定商品又は指定役務については、同15年3月13日付け手続補正書により、第3類「化粧水,オーデコロン,コロン,ハンドローション,ボディローション,顔用ローション,ハンドクリーム,ボディクリーム,美顔クリーム,頭髪用化粧品,香水類,バスオイル,バスソルト,ボディパウダー,マニキュア液,マニキュア液除去剤,ひげそり用化粧品,身体用の防臭剤(化粧品)及び発汗防止剤(化粧品),その他の化粧品(エレミ油を用いたものを除く。),シャンプー,その他のせっけん類(エレミ油を用いたものを除く。),エッセンシャルオイル,アロマテラピー用オイル及び香料,その他の香料類(エレミ油を用いたものを除く。),つけづめ,つけまつ毛,かつら装着用接着剤,つけまつ毛用接着剤,歯磨き,家庭用帯電防止剤,つや出し剤,つや出し紙,つや出し布,靴クリーム,塗料用剥離剤」及び第42類「健康管理の指導及び助言,栄養の診断及び指導,美顔・脱毛・マニキュア・ペディキュア・全身トリートメントを主とするエステティック美容,電気分解療法による脱毛,アロマテラピー,その他の美容(エレミ油を用いたものを除く。),理容,マッサージ,美容院用又は理髪店用の機械器具の貸与,化粧品又は食品の試験・検査又は研究,宿泊施設の提供,飲食物の提供,入浴施設の提供,電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守」と補正されたものである。
2 原査定の拒絶の理由
原査定は、「本願商標は、せっけん、香水などの香料として使用される『エレミ油』の複数形『Elemis』を表したものと認識される『エレミス』の文字よりなるものであるから、これを香料、香水などを含む化粧品、アロマテラピー、オイルマッサージ等の芳香による心身の回復サービス等に使用しても商品の品質、使用原材料あるいは当該役務に使用される香料の種類を表すものとして認識されるにすぎない。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記香料を使用した商品、前記香料の香気、芳香を使用して行う役務以外に使用するときは商品の品質、役務の質について誤認を生ずるおそれがあるので同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
本願商標は、「エレミス」の片仮名文字を横書きしてなるものである。
ところで、本願商標の指定商品、指定役務を取り扱う業界においては、アロマセラピー用オイル等の化粧品の一つとしてエレミ油が取引されており、また、各種オイルを用いたアロマセラピー等の美容が提供されているところ、該エレミ油は、カンラン科の木から採る芳香性樹脂である「エレミ」を水蒸気蒸留して得られるものであり、かつ、該「エレミ」は英語で「elemi」と表記されるといい得るものである。
このことは、各種辞典類、各種商品を紹介するインターネットのホームページにおいて、以下のような記事があることからも十分裏付けられるところである。
(1)「elemi」の見出しのもと「熱帯地方産カンラン科の種々の木から採る芳香制樹脂」と掲載。(「研究社 新英和大辞典 第6版」株式会社研究社)
(2)「elemi」の見出しのもと「エレミ:カンラン属Canariumの木、特にカナリーノキC.communeから採れる芳香性樹脂;主としてニス、ラッカー、膏薬の製造や香料に用いる」と掲載。(「小学館ランダムハウス英和大辞典 第2版」株式会社小学館)
(3)「エレミ Elemi」の見出しのもと「エレミとは、カンラン科カンラン属の植物で、その分泌物のオレオレジンを指す。成木の幹の樹皮に切り傷をつけ滲出させる。(中略)エレミオイルはオレオレジンを水蒸気蒸留して得る。20〜30%の収率で無色又は淡黄色のオイルが得られる。」と掲載。(「香りの総合事典」株式会社朝倉書店)
(4)「精油名、植物名(科名)」及び「用部、採取法」の見出しのもと「エレミ油(Elemi oil)」及び「樹脂の水蒸気蒸留」とそれぞれ掲載。(「最新 香料の事典」株式会社朝倉書店)
(5)「エレミは、フィリピン原産の高木で高さは30mまで成長します。エレミオイルはスキンケアのオイルとして知られ、お肌のシワや老化した肌などに用いられています。」と掲載。(http://pure-la.cside1.com/colum/soap_seiyu.htm)
さらに、我が国における英語の普及度からすれば、一般的に名詞の複数形は、例えば、「book」を「books(ブックス)」、「drum」を「drums(ドラムス)」、「fabric」を「fabrics(ファブリックス)」のように語尾に「s」を附加し、これを「ス」と発音する用例に倣い、英語の「elemi」の複数形は、「elemis」と表し、これを「エレミス」と発音すると認識し、理解するというのが相当であり、このことは、前出の「小学館ランダムハウス英和大辞典」に、「elemi」の複数形が「elemis」と記載されていることからも十分裏付けられるものである。
してみれば、本願商標は、これをその指定商品又は指定役務に使用したときは、これに接する取引者、需要者は、「エレミス」の文字からエレミ油の原材料「エレミ(elemi)」の複数形である「elemis」の表音を認識、理解するに止まり、恰も該商品にはエレミ油が含まれているかの如く商品の品質について誤認を生ずるおそれがあり、また、恰もエレミ油を用いてなるアロマテラピーであるかの如く役務の質について誤認を生ずるおそれがあるというのが相当である。
したがって、本願商標が商標法第4条第1項第16号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当であって取り消すことはできない。
なお、請求人は、種々述べているが、前記の認定、判断に影響を及ぼすものとは認められないから、請求人の主張は採用することができない。
よって、結論のとおり審決する。
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