Trademark Appeal Case
国際機関略称の類否
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2001−20953(T2001−20953/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は「MBT」の欧文字を横書きした構成よりなり、第10類「歯科矯正用器具,その他の医療用機械器具」を指定商品として、1999年8月27日アメリカ合衆国においてした商標登録出願に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張し、平成12年1月14日に登録出願されたものである。
2 原査定の拒絶の理由
原査定は「本願商標は、通商産業大臣が平成6年4月26日号外通商産業省告示第270号で指定した『国際労働機関の標章』中の『M.B.T』の標章と類似のものと認められるものである。したがって、この商標登録出願に係る商標は、商標法第4条第1項第3号に該当する。」と認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
本願商標は、前記したとおり「MBT」の文字よりなるものであるところ、該文字は、商標法(昭和34年法律第127号)第4条第1項第3号の規定に基づき、通商産業大臣が「国際労働機関の標章指定」(平成6年4月26日号外通商産業省告示第270号)(平成6年5月1日から適用)として指定する標章の一、すなわち、国際労働機関の略称を表示する標章「M.B.T.」と「.」の有無の差を有するにすぎず、その構成文字を同じくするものである。(なお、原審説示の「M.B.T」は「M.B.T.」の記載の誤記であったので、その旨訂正し、以下審理する。)
してみれば、本願商標は、通商産業大臣が指定する前記標章と類似の商標といわざるをえないものであり、本願商標を商標法第4条第1項第3号に該当するとして本願を拒絶した原査定は妥当であって、取り消すことはできない。
なお、請求人は、請求の理由において、「商標法第4条第1項第3号の趣旨が国際機関の尊厳・権威を保護するものであるから、当該商標の使用が国際労働機関の尊厳・権威を害するか否かの点から判断すべきであって、本願商標『MBT』は、様々な語の略語として日常頻繁に使用されていることは明らかであり、平均的水準の需要者をして、本願商標を国際労働機関の標章と直ちに認識されることはない。したがって、本願商標がその指定商品に使用された場合にも、該機関の尊厳・権威を害することはないから、本願商標『MBT』は国際労働機関の標章の略称である『M.B.T.』には類似しない」旨述べ、それを裏付けるものとして、インターネットによる「MBT」の文字についての検索結果(甲第2号証)を提出している。
しかしながら、商標法第4条第1項第3号は「国際連合その他の国際機関を表示する標章であって経済産業大臣が指定するものと同一又は類似の商標は、商標登録をうけることができない。」とするものであって、工業所有権の保護に関する国際間の条約であるパリ条約第6条の3(1)(b)の規定の趣旨を受けて設けられたものである。そして、同条約の規定の目的とするところは、同盟国が加盟している政府間国際機関の紋章、旗章その他の記章、略称及び名称については、これと同一又は類似の標章を工業所有権の保護対象から除外することにより、当該機関の主権を尊重し、その権利と尊厳を維持・確保することにあり、前記法条の規定はこれと同趣旨をもって、一私人に独占させることにより当該国際機関等の尊厳性を害し、公益上支障のあるような標章は、登録しない旨を定めたものと解され、本件の場合、本願商標と、指定された標章そのものとの類否を検討すれば足りるのである。
そして、本件については、前記認定・判断を相当とするものであるから、この点について述べる請求人の主張は採用することはできない。
また、請求人は他の登録例を挙げ、本願も登録されるべきである旨主張するが、当該商標が登録されるべきか否かは、それぞれ個別、具体的に判断されるものであることから、前記登録例をもって、本件の判断基準とすることは適切ではないので、この請求人の主張は採用できない。
よって、結論のとおり審決する。
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