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Trademark Appeal Case

「BIO」の識別力と称呼類似性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号無効2003−35264(T2003−35264/J3)
審判種別無効
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

登録第4516864号の登録を無効とする。
審判費用は被請求人の負担とする。

理由テキスト

第1.本件商標

本件登録第4516864号商標(以下「本件商標」という。)は、平成12年10月20日に登録出願され、「BIO COLLAGE」(「BIO」と「COLLAGE」との間に半文字程度のスペースを含む。)の文字と「バイオコラージュ」の文字を上下2段に横書きしてなり、第3類「化粧品,せっけん類,歯磨き」を指定商品として、平成13年10月26日に設定登録されたものである。

第2.請求人の引用する商標

請求人が本件商標の登録無効の理由に引用する登録第2120276号商標は、昭和54年1月17日に登録出願され、「コラージュ」の文字を横書きしてなり、第4類「せつけん類(薬剤に属するものを除く)歯みがき、化粧品(薬剤に属するものを除く)香料類」を指定商品として、平成元年3月27日に設定登録されたものである。

同じく登録第2318621号商標は、平成元年月31日に登録出願され、別掲(1)に示すとおりの構成よりなり、第4類「せっけん類(薬剤に属するものを除く)歯みがき、化粧品(薬剤に属するものを除く)香料類」を指定商品として、平成3年6月28日に設定登録されたものであるが、その後、指定商品については、平成13年3月12日にした書換申請により、第4類「せっけん類,歯磨き,化粧品,香料類,薫料」及び第30類「食品香料(精油のものを除く。)」として、平成13年4月11日に書換登録されたものである。

同じく登録第2413569号商標は、平成元年1月31日に登録出願され、別掲(2)に示すとおりの構成よりなり、第4類「せっけん類(薬剤に属するものを除く)歯みがき、化粧品(薬剤に属するものを除く)香料類」を指定商品として、平成4年5月29日に設定登録されたものであるが、その後、指定商品については、平成14年4月26日にした書換申請により、第3類「せっけん類,歯磨き,化粧品,香料類」及び第30類「食品香料(精油のものを除く。)」として、平成14年5月29日に書換登録されたものである。(以下、まとめて「各引用商標」という。)。

第3.請求人の主張

請求人は、結論同旨の審決を求めると申し立て、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第661号証(枝番を含む、甲第271号証及び甲第321号証は欠番)を提出した。

本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反して登録されたものであるから、同法第46条第1項の規定に基づいて、その登録は、以下の理由より無効とされるべきものである。

1.請求の理由

(1)本件商標と各引用商標との商標の対比

本件商標を構成する文字中「BIO」「バイオ」の部分は、「biotechnology」すなわち「生物のもつ物質変換・情報変換・エネルギー変換などの機能を、さまざまな有用物質の生産、医療、品種改良など実用に重きをおいて応用する技術。特に組換えDNA技術や、細胞融合技術などを利用して改良した新種微生物を中心とする生物素材を広く用いた、新しい産業技術をいう。生物工学。生命工学。」(広辞苑第5版)の略称又は接頭語として広く知られている。

商標としては、「BIO」「バイオ」の文字は、バイオテクノロジーを活用して製造された製品、例えば「バイオ野菜」「バイオ食品」「バイオ農薬」等を表示するものとして、さまざまな分野において使用されていることは証明を要しない事実である。本件商標の指定商品「化粧品,せつけん類,歯磨き」に関しても、「バイオ化粧品」「バイオ洗剤」「バイオ洗浄成分」のように使用されている実情がある。

昭和57年審判第10652審決では、「Bio‐SEVEN」の文字よりなる商標が洗剤について使用された時、取引者・需要者は、「Bio」の文字は、その洗剤がバイオテクノロジーを利用して製品化されたものであることを表示したものと理解するにとどまる、と判断されている(甲第42号証)。

よって、本件商標に接した需要者・取引者は「『コラージュ』という製品のうちでバイオ技術を応用したタイプのもの」の観念を想起し、また製造方法を表示したにすぎない「バイオ」の部分を除いて単に「コラージュ」とのみ称呼する可能性がある。

したがって、本件商標は、「コラージュ」の文字を含む各引用商標とは観念・称呼において相紛らわしいものであり、相互に類似する商標である。両者は指定商品も相抵触するから、本件商標は商標法第4条第1項第11号に該当し、同法第46条第1項の規定によりその登録が無効とされるべきものである。

(2)各引用商標の著名性

請求人は、基礎化粧品を中心としたシリーズ商品を表す一種のファミリーマークとして各引用商標を使用し続けている。

請求人は、昭和55年1月より各引用商標の使用を開始し、以来今日に至るまで継続して使用している。今までに製造・販売された「コラージュ」シリーズの初期ラインナップ(平成4年まで)は、石鹸、クレンジングクリーム、化粧水、乳液、クリーム、シャンプー及びリンス等である。

「コラージュ」シリーズは製造販売の開始時より現在に至るまで莫大な広告予算を投入して(甲第43号証及び甲第91号証)、雑誌・新聞を中心として宣伝広告や紹介記事を掲載し(甲第11号証ないし甲第37号証、甲第49号証ないし甲第86号証、甲第109号証ないし甲第660号証)、たびたびキャンペーンを打ち(甲第92号証ないし甲第103号証)、コラージュ愛用者の会「コラージュ倶楽部」を立ち上げる(甲第44号証の4ないし6、甲第106号証)、などして需要者に強く働きかけた結果、「コラージユ」シリーズ全体の売上は、平成3年9月期には月商約9千万円、平成4年9月期には月商約1億1千万円(甲第38号証)、平成5年3月期には月商約1億9千万円、平成6年3月期には月商約2億3千万円(甲第48号証)、平成12年には年商約19億5700万円に達している(甲第43号証)。平成3年には、「コラージュ」シリーズは既に審判請求人の薬粧部門の中核商品を占めるに至っていた(甲第39号証)。

また「コラージュ」シリーズは、保湿剤として天然のS−コラーゲンをたっぷり配合し、皮膚刺激の原因となりやすい成分を一切含んでいないことを特徴としており、そのため皮膚科医師による書籍にも紹介され(甲第40号証)、乾燥や肌荒れや油脂肌やニキビ、ひび割れなど肌に問題がある人や乳児にも使用することができ(甲第2号証他)、近年特に増加したアトピー性皮膚炎やアレルギー体質の人にも勧められる低刺激性の製品として定評を得ている(甲第120号証、甲第126号証、甲第132号証、甲第133号証及び甲第138号証など)。

この特徴のため、甲各号証の広告・記事が掲載されている雑誌は女性ティーンズ誌、ヤングアダルト誌、ミセス誌に限らず、マタニティ・育児誌、生活情報誌、青年向け総合誌、タウン情報誌、テレビ情報誌、旅行情報誌などにも及び、「コラージュ」シリーズは幅広いジャンルの需要者層をターゲットにしている商品であると言うことができる(甲第661号証)。

以上のように、「コラージユ」シリーズは長期間にわたって盛大に商品に附されて販売され、宣伝広告されてきたことに加え、上述のような特徴故に、特に皮膚に問題を有する需要者は「コラージュ」シリーズを継続的に使用するために反復して購入することが多く、また皮膚科医、薬剤師、美容師等、特に人の皮膚に直接関わる取引者は製品の特徴と強く結びつけて「コラージュ」シリーズ商標を認識している(例えば甲第107号証及び甲第108号証)。このため、遅くとも本件商標の登録出願時には、「コラージュ」は需要者・取引者間に広く認識された著名商標となっていた。

請求人の申立に係る昭和56年商標登録願第16694号に対する異議申立についての決定においては、「コラージユ」シリーズの発売の翌年には、既に「コラージユ」は著名商標になっていたものと認められている(甲第87ないし甲第89号証)。

(3)出所の混同の可能性

各引用商標はシリーズものを表示する商標として著名となっていること、及び本件商標の「BIO」「バイオ」の部分は「バイオ技術を利用して製造されたこと」を表すにすぎないことを考え合わせると、仮に本件商標が実際に市場にて商品に使用された場合には、需要者・取引者は該商品が「『コラージュ』シリーズのうちバイオ技術を利用して製造されたタイプのもの」であると誤認し、請求人の製造販売に係る商品であると出所を誤認する可能性が十分にあるものと判断される。

よって、本件商標は、使用された場合に請求人の業務に係る商品と混同を生じるおそれが十分認められるから、商標法第4条第1項第15号に該当する。

(4)利害関係について

被請求人は、請求人が審判請求の利益を有しない旨主張する。

しかしながら、本件商標は、請求人の所有に係る各引用商標と相抵触しており、さらに、市場において本件商標の指定商品に使用された場合に請求人の著名商標との間で出所の混同を生じさせるものとしてその登録を無効とすべきものであるとすると、本件商標の登録の存在により、請求人は各引用商標及び著名商標の所有者・使用者として直接影響を受けるものであるから、本件審判を請求するについて法律上の利益を有する。

(5)むすび

以上のとおり、本件商標は、各引用商標との関係において商標法第4条第1項第11号に該当し、また請求人の業務に係る商品と混同を生ずるおそれがあるから同第15号に該当するものである。

よって、本件商標は商標法第46条第1項の規定により無効とされるべきものであるので、請求の趣旨とおりの審決を求めるものである。

第4.被請求人の主張

被請求人は、本件審判の請求は却下又は本件審判の請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第39号証を提出した。

(1)利害関係について

商標法第46条の規定による審判の請求は、請求人に本件審判を請求し、審決を求める正当な利益またはその必要性がある場合に限られるところ、審判請求書の記載からすれば、請求人が本件審判を請求する法律上の利益を何等証明していないものであるから、請求人が本件審判を請求する法律上の利益を有しないものである。

(2)証拠について

請求人の提出に係る甲第2号証ないし甲第560号証(枝番を含む)の中には、発行年月日と記事との関係が不明確なものが多数ある。

甲第10号証の1ないし甲第10号証の3及び甲第38号証は、請求人の主要製品の月商を表したものであり、請求人会社内の資料であって、各引用商標の使用の事実を立証したものといえないものである。

甲第43号証は、請求人会社が「コラージュ」製品の売上げ及び広告費の過去10年の推移を示したものであって、請求人会社内の資料であり、「コラージュ」商標の使用の事実を立証したものとは認められないものである。

甲第44号証の19は、「コラージュ化粧品」のディスプレイ用ツール等の申込書であって、各引用商標の使用の事実を立証したものとは認められないものである。

甲第44号証の34は、各引用商標と商標において非類似の商標である。

甲第48号証は、請求人会社の主要製品の月商(平成5年通期実績)を表したものであり、請求人会社内の資料であって、各引用商標の使用の事実を立証したものとは認められないものである。

甲第90号証及び甲第91号証は、「コラージュ製品について」(販売・広告経過メモ)、昭和61年薬粧広告予算(案)資料であって、各引用商標の使用の事実を立証したものとは認められないものである。

甲第92号証及び甲第93号証は、昭和56年度夏期宣伝キャンペーンの告知チラシ及びテレビCMタイムのスケジュール(1981.8.1ないし30)であって、各引用商標の使用の事実を立証したものとは認められないものである。

甲第94号証ないし甲第98号証は、昭和56年初冬宣伝キャンペーンの告知チラシ及び薬局・薬店店頭用ポスター、昭和60年初夏宣伝キャンペーンの薬局・薬店用パンフレット及び告知ポスターであって、キャンペーンの案内及びコーヒー割賦及びエプロンプレゼントに関するものであって、各引用商標の使用の事実を立証したものとは認められないものである。

甲第99号証は、昭和60年初夏宣伝キャンペーンのテレビCMタイムスケジュール(1985.5.10ないし6.2)であって、各引用商標の使用の事実を立証したものとは認められないものである。

甲第100号証ないし甲第103号証は、宣伝キャンペーンであり、エプロンプレゼントに関するものであって、各引用商標の使用の事実を立証したものとは認められないものである。

甲第104号証ないし甲第108号証は、請求人会社のホームページであって、本件商標の登録出願日以降の資料である。

甲第463号証ないし甲第465号証、甲第469号証、甲第470号証、甲第472号証、甲第475号証、甲第481号証、甲第483号証、甲第485号証、甲第488号証及び甲第538号証は、「ポーチのサンプルプレゼント」に関するものであって、各引用商標の使用の事実を立証したものとは認められないものである。

甲第540号証は、各引用商標と非類似の商標である。

甲第42号証、甲第87号証ないし甲第89号証は、審決例、異議申立書、異議理由補充書及び異議決定書であり、各引用商標の使用の事実を立証したものとは認められないものである。

甲第323号証は、表紙と記事との関連性が不明確であり、各引用商標の使用の事実を立証したものとは認められないものである。

甲第566号証ないし甲第660号証は、本件商標の登録出願日以降に発行されたものである。

甲第661号証は、「広告・記事掲載誌媒体一欄」であって、広告及び記事の掲載された一欄表であり、各引用商標が記載されていないものである。

(3)商標法第4条第1項第11号について

両商標の構成は、それぞれ前記したとおりであるから、その外観においては相紛れるおそれはないものである。

つぎに、称呼及び観念についてみるに、本件商標は、「BIO」「COLLAGE」の欧文字及び「バイオ」「コラージュ」の片仮名文字を同書体をもって、同間隔に軽重の差なく表示されているばかりでなく、これらを殊更にたとえば「BIO」「バイオ」の文字部分と「COLLAGE」「コラージュ」の文字部分に分離して観察しなければならない特段の理由もないものであり、また、全体をもって「バイオコラージュ」と語呂よく一連に称呼され得るものであり、さらに、上述したような事情を有することと相俟って、全体の文字が一体となった結合状態にあるといえるものである。

審決例及び異議決定例もしくは登録例及び公告例においても「BIO」及び「バイオ」の文字部分が分断されることなく、一連一体の不可分のものである。

そうとすれば、本件商標は「バイオコラージュ」とのみ称呼され、また、特定の観念を生じない造語よりなるものと判断するのが妥当である。

これに対し、各引用商標は、その構成文字に相応して「コラージュ」とのみ称呼されることは、明らかであり、かつ、「コラージュ、無関係なものを組み合わせて芸術化する画法の一種又は無関係なものを組み合わせて芸術化する画法による作品」(乙第34号証)の観念を生ずるものである。

してみれば、本件商標より生ずる「バイオコラージュ」の称呼と各引用商標より生ずる「コラージュ」の称呼は、語頭部分において、「バイオ」の音の有無を有し、明らかに聴別し得る程度の差異を有するものであって、その観念についても、本件商標は特定の観念を有しないものであるから、比較すべくもないものである。

そうとすれば、本件商標と各引用商標とは、その外観、称呼及び観念のいずれの点においても類似しない商標であるから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものということはできない。

なお、請求人は、本件商標の指定商品「化粧品、せっけん類、歯磨き」に関しても、「バイオ化粧品」「バイオ洗剤」「バイオ洗浄成分」のように使用されている事情があると主張しているが、この点に関し、請求人は主張するのみで、その事実を立証する証拠を何ら提出していないものである。

また、請求人は、昭和57年審判第10652号審決では、「Bio−SEVEN」の文字よりなる商標が洗剤について使用されたとき、取引者・需要者は、「Bio」の文字は、その洗剤がバイオテクノロジーを利用して製品化されたものであることを表示したものと理解するにとどまる旨判断されている(甲第42号証)と主張しているが、「バイオセブン」の文字よりなる商標が一連一体のものとして判断され登録(平成3年審判第4778号 商標登録第2710608号 乙第35号証)されている。

(4)商標法第4条第1項第15号について

請求人は、各引用商標を商品「乳液、化粧クリーム、石けん」等の商標として使用し取引者、需要者間に広く認識されているものであるから、本件商標をその指定商品に使用するときは、取引者、需要者をして請求人の取扱いに係る商品であるかの如く誤認を生ぜしめるおそれがある旨主張し、証拠方法として甲第2号証ないし甲第661号証(枝番号を含む)を提出している。

しかしながら、請求人の提出に係る証拠のうち、第4.(2)項で述べた証拠は、発行年月日が不明のもの、登録査定日以降にアウトプットしたホームページ及び引用各商標を客観的に「化粧品、せっけん類」に使用した事実を立証したものとは認められないものであり、また、商標の使用態様が各引用商標と非類似のものが含まれているものであって、第4.(2)項で述べた証拠は、証拠として認めることができないものである。

さらに、「コラージュ」及び「Collage」なる商標が、請求人の提出した証拠のうち、上述した証拠として認めることができないものを除き、請求人の提出した証拠から、本件商標の出願時前から、請求人により「乳液、化粧クリーム、石けん」等の商標として使用されていることは認められるとしても、第4.(3)「商標法第4条第1項第11号について」の項で述べたとおり、本件商標と各引用商標とは、その外観、称呼及び観念のいずれの点においても類似しない別異の商標であって、一歩譲って、もし仮に請求人が各引用各商標を商品「乳液、化粧クリーム、石けん」等の商標として使用して、取引者・需要者間において広く認識されていたとしても、本件商標から各引用商標を想起するものとはいい難く、他に両者が取引上混同を生ずるとすべき特段の事情も見い出さないものである。

してみれば、本件商標は、これを指定商品に使用した場合、その商品が請求人または請求人と関係のある者の業務に係るものであるかの如く.その商品の出所について、取引者、需要者をして誤認混同させるおそれのないものである。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものであるということができない。

(5)むすび

以上のとおり、請求人が本件審判を請求する法律上の利益を有しないものであるから、本件審判の請求は却下すべきものであり、また、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に該当しないものであるから、無効とされるべきものではない。

第5.当審の判断

1 利害関係について

被請求人は、請求人が本件審判を請求する法律上の利益を有しないものである」旨主張する。

しかしながら、請求人は、前記のとおり、現に有効に存続する自己の商標権に係る登録商標を引用して本件商標と類似し、出所の混同を生じさせるおそれがあると主張しているところ、本件商標の存在により、直接不利益を被るおそれがあるといわなければならないから、本件審判請求をなすについて法律上の利益を有する者と認められる。

2 被請求人は、請求人の提出に係る各甲号証には、発行年月日と記事との関係が不明確なものが多数ある旨述べている。

しかしながら、請求人より提出された甲第10号証ないし甲第20号証(1992年発行)、甲第53号証ないし甲第72号証(1994年発行)、甲第100号証ないし甲第103号証(昭和60年広告キャンペーン等)、甲第109ないし119、121、122、125ないし127、129、130及び141ないし158号証(1995年発行)、甲第132ないし134、136、137、139、140、159、160、162及び163号証(1996年発行)、甲第253ないし257及び259号証(1997年発行)、甲第301、302、308、310ないし317、322、323、328ないし330、332ないし334、336、337、340、341、344、346、348、350、353、354、358及び359号証(1998年発行)、甲第361、364、409、422、428ないし430、435ないし440、443、448、449、459ないし461、464、465、469、473、475、477、478、480、481、483、488、489、502及び503(1999年発行)、甲第508、509、523、524、528、538ないし542及び562ないし565号証(2000年発行)は、雑誌又は広告キャンペーンの商品カタログの写しであり、いずれも、その表紙等の記載によって本件商標の登録出願の時までに発行されたものと認められる。

3 前項2の雑誌等によれば、請求人は、各引用商標を構成する「コラージュ」の文字及び「Collage」の文字からなる商標を、請求人の業務に係る商品「クリーム」に付して昭和55年に発売して以来、「せっけん」、「化粧水」、「乳液」、「シャンプー」、「リンス」等の各種商品にシリーズ商標として使用し、製造・販売してきた事実があることが認められる。

そして、「昭和61年度 薬粧広告予算資料−60年度広告費実績−」(甲第91号証)によれば、昭和60年度の商標「コラージュ」の広告実績は、テレビジョン(TV・スポット)3,500万円、交通広告4,595万円、雑誌(10誌)3,263万円、新聞(13紙)1億5,347万円等で合計額にすると4億円(推計)に達していることが認められる。この証拠は、請求人(会社)のマーケテイング部が作成したものであるが、各項目毎に細かく内訳(実績)が記載されているものであり、「コラージュ」商標について、既に昭和60年(1985年)時点において、相当の費用をかけて宣伝、広告してきたことが推認し得るものである。さらに、甲第568、569、575、579、581、621、625、627ないし631、633、634、655、657及び660号証(2001年発行)(以上、枝番を含む。)によれば、各引用商標「コラージュ/Collage」は、その後も一貫して、前記した各種商品について使用されてきたことが認められ、本件商標の登録査定時(平成13年8月23日)においても継続して使用されていることが認められる。

以上の事実を総合すると、「コラージュ」及び「Collage」の商標は、昭和55年に請求人の取扱いに係る商品「クリーム」に付して製造、販売されて以来、その後、「せっけん」及び「各種化粧品」に付されて使用され、この間、相当額の費用をかけて宣伝、広告されてきた結果、本件商標の登録出願(平成12年10月20日)の時はもとよりその査定時においても、せっけん、化粧品業界をはじめ医薬品業界において、その取引者、需要者の間で、請求人の取扱に係る上記商品(せっけん、化粧品)の商標として、広く認識され、周知・著名な商標になっていたものと認めることができる。

しかして、本件商標は、前記したとおり「BIO COLLAGE」の文字と「バイオコラージュ」の文字を併記してなるものであり、「BIO/バイオ」の語を除けば、他の綴り字及び称呼を各引用商標と全く同じくするものであって、加えて、その構成に係る「BIO/バイオ」と「COLLAGE/コラージュ」の両語は、熟語的な関連性(意味合い)を有する語とは認められず、むしろ、該「BIO/バイオ」の文字は、「バイオテクノロジー(biotechnology)」(生命技術、生物工学)の略語として、しばしば用いられるものであり、「BIO/バイオ」(生命技術、生物工学)技術を利用した商品が、開発されていることからみても、識別標識としての識別力がやや乏しい語といえるものであるから、本件商標が、請求人の業務に係る商品と同じ「化粧品、せっけん類」に使用された場合には、その構成中の「コラージュ」及び「COLLAGE」の文字部分が看者に強く印象付けられるものといわざるを得ない。

してみれば、被請求人が本件商標をその指定商品に使用した場合には、前記認定の実情よりして、これに接する取引者・需要者は、「コラージュ」及び「COLLAGE」の文字部分に着目し、容易に請求人の使用する著名な各引用商標を直ちに連想・想起し、該商品が請求人又は請求人と経済的又は組織的に何らかの関係のある者の業務に係る商品であるかのように、その商品の出所について混同を生ずるおそれがあるものといわなければならない。

4 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものというべきであるから、同法第46条第1項の規定により、その登録を無効とすべきものである。

よって、結論のとおり審決する。

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