結論テキスト
審判費用は、請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2003−31110(T2003−31110/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第4121102号商標(以下「本件商標」という。)は、「熊出没注意」の文字を横書きしてなり、第29類「食肉,食用魚介類(生きているものを除く。),肉製品,加工水産物,豆,加工野菜及び加工果実,卵,加工卵,乳製品,食用油脂,カレー・シチュー又はスープのもと,なめ物,お茶漬けのり,ふりかけ,油揚げ,凍り豆腐,こんにゃく,豆乳,豆腐,納豆,食用たんぱく」を指定商品として、平成8年4月24日登録出願、同10年3月6日設定登録され、その後、指定商品中「乳製品,食用油脂」についての登録を取り消すべき旨の審決が確定し、その確定審決の登録が同16年2月17日になされているものである。
請求人は、「本件商標の指定商品中『肉製品,加工水産物,カレー・シチュー又はスープのもと』について、その登録は取り消す。審判費用は被請求人の負担とする。」との審決を求め、その理由として、本件商標は、その指定商品中「肉製品,加工水産物,カレー・シチュー又はスープのもと」の各商品について、商標権者が過去3年以内に使用した事実がなく、また、特許庁備え付けの商標登録原簿によるも、専用使用権者又は通常使用権者の登録もなく、この点からも本件商標の使用を窺わせるような具体的事実は発見できなかったものであるから、商標法第50条第1項の規定により、指定商品中「肉製品,加工水産物,カレー・シチュー又はスープのもと」の各商品について登録を取り消されるべきである旨主張している。
被請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由を以下のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし同第16号証及び検乙第1号証ないし第3号証を提出した。
(1) 被請求人「株式会社北都」について
被請求人「株式会社北都」は、乙第1号証(八木誠一郎の陳述書)および乙第2号証(被請求人の「現在事項全部 証明書」)に記載されるように、昭和57年11月20日に設立した企業であって、水産食品、惣菜、その他の加工食料品の製造・加工を主たる業務としており、被請求人と同住所地に設立した「丸三北都商事株式会社」(以下、「北都商事」と略称)を通じ、被請求人の製造する商品を全国各地に販売している。ちなみに、この「北都商事」は、乙第3号証(丸三北都商事株式会社の「現在事項全部証明書」)の役員に関する事項の欄の記載からも明らかなとおり、乙第2号証と比較して役員の殆どが共通した被請求人の子会社的存在であって、言うなれば被請求人の商事部門を担当しており、被請求人が製造する各種加工食料品のほか、外部の製造業者から菓子、パン類、各種飲料、乳製品、木彫民芸品等の観光土産品を購入して全国各地の小売店に卸売をしている。
(2) 本件商標の使用事実
本件商標は、被請求人が平成8年4月24日に登録出願をし、平成10年3月6日に設定登録されたものである。被請求人が本件商標を出願し商標登録を受けたのは、「熊出没注意」という文字構成が人の予覚、印象、連想能力を刺戟して観光客や登山客らに独特の強いインパクトを与え、商品の標識として優れた注意喚起力を発揮する点に注目したからである。そして、本件商標を使用した商品は、乙第1号証の第3項に被請求人会社の取締役副社長「八木誠一郎」氏が陳述するとおり、被請求人で製造されて商事部門を担当する「北都商事」を通じて全国(特に、北海道)の観光地各地の小売店および問屋などへ販売されている(乙第1号証)。
以下、本件商標の使用事実を更に詳細に説明する。
ア 本件商標の熊肉大和煮の缶詰への使用事実
被請求人は、平成8年5月頃から熊肉を笥と一緒に醤油・砂糖・味噌・生姜などを使って甘辛く煮た熊肉大和煮の缶詰を製造し、これに本件商標「熊出没注意」を付して売り出した。乙第4号証は、被請求人が熊肉大和煮の缶詰のパッケージ(化粧箱)を平成8年5月1日に10,600c/s「共和紙業株式会社北海道小樽市銭函3丁目503番地8)」から納品された事実を証する証明書であり、また、検乙第1号証は、前記共和紙業の印刷・製函したパッケージである。
こうして、商標「熊出没注意」の付された熊肉大和煮缶詰は、被請求人の商事部門を担当する前示「北都商事」を通じて、「オホーツク観光株式会社(北海道常呂郡端野町緋牛内153番地)」の経営する『網走海鮮市場(北海道網走市藻琴3番4 所在)に卸し、同市場で一般観光客に販売された(乙第5号証)。そして、商標「熊出没注意」を付した熊肉大和煮缶詰は、大変に好評を博して、爾来、販売を継続し、また検乙第2号証のパッケージも別に制作して、平成15年6月以降には、例えば、「株式会社渡辺商店札幌支店(札幌市東区北20条東2丁目)」(乙第6号証)、「株式会社ハラダ(札幌市中央区北6条西18丁目1番18)」(乙第7号証)、ならびに「株式会社オホーツク流氷観光物産(北海道紋別市港町4丁目1番12号)」(乙第8号証)でも販売されているのである。なお、乙第9号証は、本件商標を付した熊肉大和煮缶詰のパッケージが「凸版印刷株式会社・北海道事業部(札幌市西区二十四軒4条1丁目1番30号)」で制作され、平成15年5月27日に被請求人に5000枚納入された事実を証する証明書であり、また、検乙第2号証は同凸版印刷の制作したパッケージであり、本件商標の缶詰熊肉大和煮の販売が継続されている実態を如実に物語っている。
さらに、本件商標を付した熊肉大和煮缶詰は、乙第5号証の提供者である『網走海鮮市場』が発行した昨年の冬バザール用商品カタログ(乙第10号証=第57回:2002年版)の商品番号No.140にも、また、本年の夏バザール用商品カタログ(乙第11号証)の商品番号No.179にも掲載されており、商標法第2条第3項第8号の使用事実が明確に示されている。なお、乙第12号証は、乙第10号証の商品番号140および乙第11号証の商品番号No.179 に掲載の『北海道王国セット』の拡大カラー写真である。
よって、以上の証拠から、被請求人において、本件商標を肉製品である熊肉大和煮に使用していることは明らかであり、そして、これが商品類似群の32F01に属することも事実と云える(特許庁:「類似商品・役務審査基準」の第29類の欄参照)。
イ 本件商標の熊肉を使用したカレーの缶詰への使用事実
被請求人は、平成10年9月頃から、熊肉を使用したカレー缶詰の製造販売を開始した。この熊肉カレーの缶詰は、温めるだけで即席にてライスに懸けてカレーライスにすることも、またカレーシチュウとしても食べれる加工食料品であって、被請求人は平成15年5月に本件商標を付した熊肉カレー缶詰を準備し同年6月から北海道の観光地各地において本格的に出荷し売出した。
乙第13号証は、被請求人が熊肉カレー缶詰の缶周に巻着するための商品ラベル10,000枚を「野崎印刷紙業株式会社札幌営業所(札幌市中央区大通西15丁目3番地)」から平成15年5月23日に納品されている事実を証する証明書である。また検乙第3号証は、前記「野崎印刷」の印刷した商品ラベルの実物である。
こうして、商標「熊出没注意」の付された熊肉カレー缶詰は、被請求人の商事部門を担当している前示「北都商事」を通じて、「株式会社ハラダ(所在地:前出のとおり)」(乙第14号証)、「株式会社渡辺商店札幌支店(所在地:前出のとおり)」(乙第15号証)、および「株式会社オホーツク流氷観光物産(所在地:前出のとおり)」に卸売りされ、一般観光客に販売されているのである。
また、乙第16号証の1は、「株式会社ヤスノC&C(東京都板橋区高島平6−6−6)」が小売店向けの販促用のチラシ「北海道うまいものフェア」であり、北海道特産の加工食料品などを本年8月10日までの期間を限って特売する旨が広告されており、その中に彼請求人が製造販売している商標「熊出没注意」を付した熊肉カレー缶詰も掲載してある。そして、乙第16号証の2は、被請求人の商事部門を担当する「北都商事」が前記「株式会社ヤスノ」のチラシに熊肉カレー缶詰「熊出没注意」の広告を掲載したことに対する礼状であって、チラシ広告料の請求も同時に受けたことが記載してある。
しかして、乙第1号証および乙第13〜16号証、ならびに検乙第3号証は、何れも本件審判が請求された平成15年8月19日以前に商品類似群32F01に属する「熊肉カレー缶詰」について本件商標が使用されていた事実を示している。
(3) 本件審判請求が排斥されるべき理由
本件審判請求の登録日は平成15年9月10日であるところ、本件審判の請求前3年以前に、被請求人が商品熊肉大和煮の缶詰および熊肉カレーの缶詰について本件商標を使用していたことは明らかである。
よって、本件審判の請求人の主張は失当であって、理由なきものとして棄却せらるべきである。
被請求人の答弁並びに証拠として提出された乙各号証及び検乙各号証について総合して検討する。
「丸三北都商事株式会社」(以下「北都商事」という。)は、被請求人「株式会社北都」の子会社的存在であって、被請求人の商事部門を担当していることは、乙第1号証ないし乙第3号証から認められる。
そして、乙第5号証は、熊肉大和煮缶詰を前記「北都商事」を通じて、「網走海鮮市場(北海道網走市藻琴3番4 所在)」に卸したことを証するものであり、前記「網走海鮮市場」が発行した冬バザール用商品カタログ(乙第10号証)及び夏バザール用商品カタログ(乙第11号証)には、商品「北海道王国セット、熊、エゾ鹿、トド肉の3缶」が掲載されており、その商品には本件商標と社会通念上同一と認め得る「熊出没注意」の文字よりなる商標が使用されており、乙第12号証 に掲載の拡大カラー写真から、「北海道王国セット」には、「熊肉大和煮」が含まれているものと推認し得る。さらに、このカタログは、それぞれ「2002、お申し込み期間11月1日〜2月20日」及び「2003年、お申し込み期間6月中旬〜9月末日」と明記され、本件取消審判請求前3年以内の使用であることが認められる。
また、被請求人が提出した乙第16号証の1によれば、「株式会社ヤスノC&C(東京都板橋区高島平6−6−6)」の小売店向けの販促用のチラシには、商品「熊肉カレー」が掲載されており、その商品には本件商標と社会通念上同一と認め得る「熊出没注意」の文字よりなる商標が使用されている。そして、乙第16号証の2は、「株式会社ヤスノ」が前記「北都商事」に宛てた、チラシに広告を掲載したことに対する礼状であって、その日付は、平成14年7月8日と明記されていることから、前記チラシは、本件取消審判請求前3年以内に商品の広告に使用されたものであることを推認し得る。
そうすると、本件商標の商標権者(被請求人)は、被請求人の商事部門を担当する「北都商事」を通じて、「熊肉大和煮」及び「熊肉カレー」を販売していた事実を確認し得る。
そして、「熊肉大和煮」は、本件審判請求に係る指定商品中「肉製品」に含まれる商品であり、また、「熊肉カレー」は、同じく「カレーのもと」に含まれる商品であると認められる。
してみれば、本件商標と社会通念上同一と認め得る商標「熊出没注意」を、被請求人は、本件商標を取消請求に係る指定商品中の「肉製品」及び「カレーのもと」について、本件審判請求の登録前3年以内に使用していた事実を証明し得たというべきである。
なお、請求人は、被請求人の答弁に対し、何ら弁駁していない。
したがって、本件商標の指定商品中請求に係る商品についての登録は、商標法第50条の規定により取り消すべき限りでない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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