Trademark Appeal Case
オフィスカラーの識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2001−18101(T2001−18101/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「オフィスカラー」の文字を標準文字により書してなり、第9類に属する願書記載の商品を指定して、平成12年7月4日登録出願、その後、指定商品については、平成13年7月18日付の手続補正書をもって「理化学機械器具,測定機械器具,配電用又は制御用の機械器具,回転変流機,調相機,電池,電気磁気測定器,電線及びケーブル,写真機械器具,映画機械器具,光学機械器具,電気通信機械器具,レコード,メトロノーム,電子応用機械器具及びその部品,遊園地用機械器具,スロットマシン,電気アイロン,電気式ヘアカーラー,電気ブザー,火災報知機,ガス漏れ警報器,盗難警報器,磁心,抵抗線,電極,自動販売機」と補正されたものものである。
2 原査定の拒絶の理由
原査定は、「本願商標は、『オフィスカラー』の文字を普通に用いられる方法で表示してなるものであるが、マウスなどの電子計算機等の商品の色においてオフィス用の商品の色を『オフィスカラー』と称している実状や、オフィスにおいて使用されるカラープリンターやカラープリント機能を『オフィスカラー』と称している実状が認められる。そうすると、本願商標をその指定商品中、例えば『電子計算機,カラープリンター』に使用しても、単に商品の品質を表示したものと認識するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の『電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品』に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨、認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
(1)当審による審尋
当審において、「本願商標は、『オフィスカラー』の文字を標準文字により書してなるものであるところ、該文字は、オフィス用の色あいの商品、オフィスの配色、といった意味合いを認識させるものであり、又、コピー機、プリンター等を扱う業界においては、以前は白黒印刷が主であったが、近時、カラー機能が付いたものが普及しつつあり、このオフィス用で使用するカラー機能を有する商品を指称するものとして『オフィスカラー』の文字が、『オフィスカラー戦略』『オフィスカラー市場』のように使用されている実情があることからすれば、これをその指定商品中、オフィスにおいて使用されることの多い商品、例えば『電子計算機,電話機』等について使用するときは、オフィス用の色の商品の如き意味合いを認識させ、また、『複写機,コンピュータ用プリンター』等においてはカラー機能を備えたオフィス用の商品程度の意味合いを理解させるにとどまり、需要者をして何人かの業務に係る商品であるかを認識することができないものといわなければならない。してみれば、本願商標は商標法第3条第1項第6号に該当するというべきものであるから、本願商標はこの理由をもって拒絶すべきものである。
なお、原査定は、本願商標の商標法第3条第1項第3号及び同第4条第1項第16号該当を理由として本願を拒絶したものであるが、前記とおり、本願商標については、結果的に同法第3条第1項第6号をもって拒絶すべきものである。
しかして、商標法第3条第1項は、同一の法律要件(登録要件の有無)に関し、例示的又は総括的に定めたものであって、両条項は本願商標の登録要件について、実質的に同趣旨の規定をしているものとみて差し支えないものである。」旨の審尋書を請求人に送付した。
(2)請求人の意見
上記、審尋に対し、請求人は要旨次のような意見書を提出している。
(a)「オフィスカラー」は、オフィスの色合い、オフィスの配色、といった意味合いの言葉として認識されることはあっても、オフィス用の色合いの商品を意味するものと認識されることはなく、また、極めて曖昧な概念のものであって、具体的な色彩・状況等を認識させない漠然としたものであるため、事物の特性を表すことにはならない。
(b)オフィス用の色の商品という概念によって特定される具体的な商品があるものとは思われず、商品の色彩を認識するということはあり得ない。また、「オフィスカラー戦略」「オフィスカラー市場」のような言葉が使用されているからといって、商品の色彩、あるいは機能を理解させることはない。
(C)「複写機,コンピュータ用プリンター」等において、カラー機能を備えたオフィス用の商品が「オフィスカラー」と呼ばれていることはない。したがって、「複写機,コンピュータ用プリンター」等に「オフィスカラー」を商標として用いても、それが、カラー機能を備えたオフィス用の商品であることを示す表示であると認識されることにはならない。
(d)自他商品の識別性があるか否かは、当該語がひんぱんに使われているか否かではなく、当該商標を使用する商品との関係において、取引者又は需要者がどのように認識するかによって決まることであり、何らかの暗示を与えることがある程度のものも、通常、自他商品識別性を持つものであることはいうまでもない。
(3)請求人の意見に対する当審の判断
本願商標は、前記に示すとおりの構成よりなるところ、全体として、オフィス用の色あいの商品、オフィスの配色、といった意味合いを認識させるものである。
そして、本願指定商品中の、コピー機、プリンター等を扱う業界においては、以前は白黒印刷が主であったが、近時、カラー機能が付いたものが普及しつつあり、「オフィスカラー」の文字が使用されていることが、インターネット情報、あるいは新聞記事情報等において、例えば、次のような記載があることから、その実情が伺われる。
(a)株式会社リコーの製品情報のホームページにおいて、「IPSiO Color6500/6000」について「特長6−1 カラーもモノクロも低ランニングコスト」、「一般的なオフィスカラー文書の場合、約12.1円*1(各色合計20%原稿)と低コスト」の表示がある(http://www.ricoh.co.jp/IPSiO/color/6500/point/point6.html)。
(b)「カラーネットワーク複合機“Color imageRUNNER”を発売オフィスの新しいカラーソリューションを提案する“キヤノン iR C3200/C3200N”」のタイトルのもと、【カラー複写機/複合機市場動向】の見出しで「2001年のカラー複写機/複合機の市場規模は、世界市場で16万6千台、国内市場で6万4千台でした。2002年においては、プリプレスや印刷といったグラフィック・アーツ市場の拡大はもとより、オフィスドキュメントの急速なカラー化に伴い形成されたオフィスカラー市場の広がりにより、世界市場では前年比約37%増の21万2千台、国内市場では約80%増の11万5千台と予想しています。(キヤノン調べ) 」の表示がある(http://www.canon-sales.co.jp/newsrelease/2002-10/pr_irc3200n.html)。
(c)「キヤノン、カラーネットワーク複合機「Color imageRUNNER」シリーズを拡充」のタイトルのもと、「・・キヤノン販売代表取締役社長は、同社のオフィスカラー戦略について触れた。日本国内におけるカラーMFP(デジタル複合機)の出荷台数推移は、昨年ついに10万台/年を突破、世界を見ても日本市場のカラー化の進行は際立っているという。・・市場のニーズに的確に応えるアプリケーションの開発 -- によってオフィスのカラー化をさらに一層進めると述べた。・・」の表示がある(http://pcweb.mycom.co.jp/news/2003/09/02/08.html)。
(d)「NEWS RELEASE」のタイトルのもと、「オフィスにおけるパソコンやインターネットの普及によって、ビジネスドキュメントのカラー化が進んでいます。・・・より身近なオフィスカラープリンティングソリューションをお約束致します。」の表示がある(http://www.nikki.ne.jp/news/94344.html)。
(e)日刊工業新聞 1998年2月12日(24頁)においては「深層断面/ページプリンター各社、オフィス文書もカラー化の時代へ」の見出しの下、「オフィス文書にカラー化の波が押し寄せてきた。・・オフィスカラーの覇権争いが始まった。」の記載がある。
してみれば、「オフィスカラー」の文字よりなる本願商標は、その指定商品中、オフィスのおいて使用されることの多い商品、例えば「電子計算機,電話機」等について使用するときは、「オフィス用の色の商品」の如き意味合いを認識させるものであり、また、前記の(a)ないし(e)の事実・実情によれば、「複写機,コンピュータ用プリンター」等においては「カラー機能を備えたオフィス用の商品」程度の意味合いを理解させるにとどまり、需要者・取引者をして何人かの業務に係る商品であるかを認識することができないものといわなければならない。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当するものといわざるを得ないから、本願商標は、この理由をもって拒絶すべきである。
なお、原査定は、本願商標の商標法第3条第1項第3号及び同第4条第1項第16号該当を理由として本願を拒絶したものであるが、本願商標については、結果的に同法第3条第1項第6号をもって拒絶すべきものであり、これが、実質的に、同法第3条第1項第3号と同趣旨のものとみて差し支えないものであることは、前記3(1)に記載のとおりである。
また、本願商標は、「オフィス用の色合い」「カラー機能を備えたオフィス用の商品」程の意味合いを認識させるに止まるものであって、何人かの業務にか係る商品であることかを認識することができないものであることは、前記認定のとおりであるから、本願商標が、商品の具体的な内容、機能、色彩、品質を認識させるものではない旨主張する請求人の主張はこれを採用することができない。
よって、結論のとおり審決する。
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