Trademark Appeal Case
キャラクター名の著名性判断
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2003−90554(T2003−90554/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4681026号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、平成14年1月24日登録出願、第14類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成15年6月13日設定登録されたものである。
2 登録異議の申立ての理由
(1)引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)の引用する登録第4548856号商標(以下「引用商標」という。)は、「ARAGORN」の欧文字を横書きしてなり、平成12年11月20日(パリ条約による優先権主張 2000年7月28日 アメリカ合衆国)登録出願、第6類、第14類、第16類、第20類、第21類、第25類及び第28類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成14年3月8日設定登録されたものである。
(2)商標法第4条第1項第15号について
引用商標は、人気小説「The Lord of the Rings」(1954年)に登場する人気キャラクターであり、該小説は、「指輪物語」として日本語にも翻訳され、1966年の初版出版以来、多くの愛読者を獲得してきた。更に、本作品は、昨年(2002年)より公開されて人気を博している映画「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズの原作であり、第1作目、第2作目とも多くの観客を動員して話題となったものであり、公開前より大々的なキャンペーンを行うとともに、新聞・雑誌等に紹介記事が掲載されたこととも相俟って、映画の内容同様、その主要キャラクター「アラゴルン」の語は、需要者の間で広く知られるに至った(甲第5号証ないし甲第14号証)。
こうした事実を勘案すれば、本件商標がその指定商品に用いられた場合、その商品に接した需要者において、それが著名な「アラゴルン」の語を創造した英国の作家J.R.R.トールキンの関係者あるいは申立人をはじめとした前記映画関係者の販売に係る商品であるものと誤認するおそれがあり、商品の出所につき混同を生ずるおそれがある。
(3)商標法第4条第1項第19号及び同第7号について
「ARAGORN」なる語は造語であり、偶然選択されるということはあり得ず、本件商標の出願日前に、該小説及び映画が大ヒットしていたという事情に鑑みれば、本件商標は、申立人等の関係者の努力により築き上げられた高い人気、信用にフリーライドしようという不正の目的を持って採択されたと推認するのが妥当であり、公正な商取引の秩序を乱し、国際信義に反するものである。
(4)したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第7号、同第15号及び同第19号に違反してされたものであるから、取り消されるべきである。
3 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第15号について
本件商標と引用商標とは、別掲及び前記したとおりの構成からなるところ、申立人の提出に係る証拠によれば、「ARAGORN/アラゴルン」が小説であり映画でもある「The Lord of the Rings」の登場人物の一人であることは認められるとしても、本件商標の登録出願時において、商標権者が本件商標をその指定商品に使用することにより、商品の出所の混同を生じさせるおそれがある程に、引用商標が該小説あるいは映画に登場するキャラクターを表示するものとして取引者・需要者の間に広く認識されていたものと認めることはできない。
してみれば、商標権者が本件商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者・需要者をして、引用商標を連想又は想起させるものとは認められず、その商品が申立人又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く、その商品の出所について混同を生じさせるおそれはないものといわなければならない。
(2)商標法第4条第1項第7号及び同第19号について
本件商標と引用商標との関係は、上記のとおりに理解されるものであるから、本件商標が引用商標の著名性に依拠し、これに只乗りすることを意図して出願されたものとはいえず、また、不正の目的をもって使用をするものとも認められない。
(3)まとめ
したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第7号、同第15号及び同第19号に違反してされたものとは認められないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきものとする。
よって、結論のとおり決定する。
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