Trademark Appeal Case
称呼の音感・音調の差異
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2003−90580(T2003−90580/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4689501号商標(以下「本件商標」という。)は、「ムコストン」の文字を標準文字により表してなり、平成14年10月29日に登録出願、第5類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として同15年7月4日に設定登録されたものである。
2 登録異議申立ての理由の要点
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、「ムコスタ」の文字を横書きしてなり、昭和63年11月4日に登録出願、第1類「化学品、薬剤、医療補助品」を指定商品として平成3年8月30日に設定登録、その後、指定商品については、平成13年3月2日にされた書換登録申請の結果、第5類「薬剤」に書換の登録が同年4月25日にされた登録第2330326号商標(以下「引用商標」という。)を引用し、「本件商標は、引用商標と称呼上類似するものであり、その指定商品も同一又は類似のものであるから、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであって、同法第43条の2の規定により、その登録は取り消されるべきである。」旨主張している。
3 当審の判断
本件商標と引用商標との類否について検討するに、それぞれの構成文字に相応して、本件商標は「ムコストン」の称呼を生じ、引用商標は「ムコスタ」の称呼を生ずることが明らかである。
しかして、この「ムコストン」と「ムコスタ」の称呼を対比すると、両者は、前者が5音、後者が4音という構成音数の相違に加え、末尾部分において「トン」の音と「タ」の音の差異を有している。しかも、相違する「トン」の音は、無声破裂音(t)と母音(o)との結合した音節「ト」に通鼻音「ン」が続く2音節で、両唇を閉じた形で終わり余韻があるように響くのに対し、「タ」の音は無声破裂音(t)と母音(a)との結合した1音節のみで、両唇を開いた形で明確に発音される音で終わるものであって、聴取者が受ける両者の音感、音調は別異のものとなる。かかる差異がそれ程長くない音構成の全体に与える影響は大きく、両称呼は、それぞれを一連に称呼するときは全体の音感、音調が異なり、彼此相紛れることなく、明瞭に区別できるものというのが相当である。
申立人は、本件商標から実質的に「ムコスト」の称呼が生ずることを前提に、本件商標と引用商標とが称呼上類似すると主張し、審決例を挙げている。
しかしながら、本件商標は、上記のとおり、明らかに「ムコストン」の称呼を生ずるものである。すなわち、末尾の「ン」の音は、それ自体で1音節を形成するものであり、鼻音だからといって聞き取ることが不可能というものではないし、それ程長くない構成音数からなる称呼の比較において1音の有無の差異は決して無視することのできないものであるから、申立人の主張は、前提において誤っており、採用することができない。
その他、本件商標と引用商標は、それぞれの構成に照らし、外観において判然と区別し得るものであり、また、両者はいずれも既成の観念を有する語を表したものともいえないから、観念上比較すべくもない。
してみれば、本件商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点からみても相紛れるおそれのない類似しない商標とみるのが相当である。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものではないから、その登録を維持すべきものとする。
よって、同法第43条の3第4項の規定に基づき、結論のとおり決定する。
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