Trademark Appeal Case
欧文字1字違い商標の類似
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2003−90599(T2003−90599/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4685233号商標(以下「本件商標」という。)は、「ABP」の欧文字を標準文字で表してなり、平成12年11月14日に登録出願され、第35類、第36類、第37類、第38類、第39類、第40類、第41類及び第42類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として、同15年6月20日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立ての理由
(1)引用商標
登録異議申立人は、下記の11件の登録商標を引用している(以下、これらの商標を「引用商標」と総称する。)。
(a)登録第3085868号商標は、「ABB」の欧文字を横書きしてなり、平成4年9月28日に登録出願、第35類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として、同7年10月31日に設定登録されたものである。
(b)登録第3085869号商標は、やゝ図案化し大きく表した「ABB」の欧文字と小さく表した「ASEA BROWN BOVERI」の欧文字とを二段に横書きしてなり、平成4年9月28日に登録出願、第35類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として、同7年10月31日に設定登録されたものである。
(c)登録第3102302号商標は、「ABB」の欧文字を横書きしてなり、平成4年9月28日に登録出願、第36類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として、同7年11月30日に設定登録されたものである。
(d)登録第3102303号商標は、やゝ図案化し大きく表した「ABB」の欧文字と小さく表した「ASEA BROWN BOVERI」の欧文字とを二段に横書きしてなり、平成4年9月28日に登録出願、第36類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として、同7年11月30日に設定登録されたものである。
(e)登録第3080475号商標は、「ABB」の欧文字を横書きしてなり、平成4年9月28日に登録出願、第37類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として、同7年10月31日に設定登録されたものである。
(f)登録第3080476号商標は、やゝ図案化し大きく表した「ABB」の欧文字と小さく表した「ASEA BROWN BOVERI」の欧文字とを二段に横書きしてなり、平成4年9月28日に登録出願、第37類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として、同7年10月31日に設定登録されたものである。
(g)登録第4384010号商標は、黒地長方形内に、やゝ図案化した「ABB」の欧文字を白抜きに横書きしてなり、1996年6月14日スイス連邦においてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張して、平成8年12月13日に登録出願、第37類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として、同12年5月19日に設定登録されたものである。
(h)登録第3021358号商標は、「ABB」の欧文字を横書きしてなり、平成4年9月28日に登録出願、第41類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として、同7年1月31日に設定登録されたものである。
(i)登録第3021359号商標は、やゝ図案化し大きく表した「ABB」の欧文字と小さく表した「ASEA BROWN BOVERI」の欧文字とを二段に横書きしてなり、平成4年9月28日に登録出願、第41類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として、同7年1月31日に設定登録されたものである。
(j)登録第3112156号商標は、「ABB」の欧文字を横書きしてなり、平成4年9月28日に登録出願、第42類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として、同8年1月31日に設定登録されたものである。
(k)登録第3112157号商標は、やゝ図案化し大きく表した「ABB」の欧文字と小さく表した「ASEA BROWN BOVERI」の欧文字とを二段に横書きしてなり、平成4年9月28日に登録出願、第42類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として、同8年1月31日に設定登録されたものである。
(2)商標法第4条第1項第11号について
本件商標と引用商標の称呼は、同数音からなり、相違するのは語尾の「ピー」と「ビー」の一音のみである。そして、これとても、半濁音と濁音において違いがあるだけであるから、時と処を異にして観察した場合には、全体的印象(音感)から著しく相紛らわしく、称呼上類似するものである。
また、両商標は、3文字目の「P」と「B」において、Pの下に半円があるかないかだけの違いであり、外観においても類似の商標である。
してみれば、本件商標と引用商標とは、称呼及び外観において類似する商標であり、指定役務も同一又は類似のものである。
したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものであるから、取り消されるべきである。
3 当審の判断
本件商標と引用商標とは、前記のとおりの構成よりなるところ、その構成文字に相応して、本件商標からは「エイビーピー」の称呼を、引用商標からは「エイビービー」の称呼を生ずるものと認められる。
そこで、この両称呼を比較するに、両者は、語尾部分において、「ピー」と「ビー」の音の差異を有するものである。
しかして、「ピ」の音は、無声の破裂音にして軽快に明瞭に響く音であるのに対して、「ビ」の音は、有声の破裂音にして重々しく響く音である。そして、両商標は、いずれも成語を形成するものではなく、アルファベット3文字を羅列してなるものであって、このような場合、発音に際しては、一気一連というよりも、一文字一文字を区切って明確に発音されるのが常といえる。また、両称呼間には、音配列上、差異音に続く前音「ビー」との関係で、該「ビー」の音が繰り返し発音されるかされないかの違いも存するところである。
そうとすれば、語尾部分における差異とはいえ、発音上のかかる事情と上述の音の差異とを併せ考慮すれば、両商標は、称呼上相紛れることなく十分区別し得るものとみるのが相当である。
また、本件商標と引用商標の外観を比較してみても、両者は、3文字という短い文字構成中において、語尾とはいえ、明らかに字形の異なる「P」と「B」の文字の差異を有しているものであるから、通常の注意力をもってすれば、両者の外観を見誤ることはないものというべきである。
その他、本件商標と引用商標とを類似するものとすべき特段の理由は、見出せない。
してみれば、本件商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。
したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきものとする。
よって、結論のとおり決定する。
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