Trademark Appeal Case
団体名商標の登録の違法性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2003−90612(T2003−90612/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4688324号商標(以下「本件商標」という。)は、「日本文芸振興会」の文字を標準文字により表してなり、平成14年3月28日に登録出願、第41類「文芸振興の業績特に顕著な者に対する表彰式の企画・運営又は開催」を指定役務として平成15年7月4日に設定登録されたものである。
2 登録異議申立ての理由の要点
登録異議申立人山田晃外4名(以下「申立人」という。)は、本件商標の登録は取り消されるべきであると申立て、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1ないし第3号証(枝番を含む。)を提出している。
(1)日本文芸振興会は、昭和56年に阿木翁助氏、木屋氏、利根川裕氏、小松茂朗氏などによって創設されて以来、毎年、文芸振興の業績が特に顕著な者に対する表彰式を企画、運営又は開催しているもので、過去に、森繁久弥氏、淡谷のり子氏他多くの方々の表彰を毎年開催している(甲第3号証)。
(2)創設者の一人である小松茂朗氏が平成10年11月30日に故人となった後は、日本文芸振興会の今後の運営について協議した結果、平成13年12月からは会則を改定し、創業以来、初の個人商店的運営から全会員の意見を反映できる民主的な政策を大事に行い、全会員による会費納入によって当会を維持し、理事を定め、理事会の議決によって当会を運営してきた。小松茂朗氏の生前には、小松栄子氏は全く日本文芸振興会に尽力した事実も、責任をとる形で参画した事実もない。
(3)本件商標は、日本文芸振興会が昭和56年以来使用している商標であり、これを当該理事会に付議することもなく、ある日突然小松栄子氏が商標登録出願し、登録されたことは違法行為である。
(4)したがって、本件商標は、商標法第3条第1項第2号及び同法第4条第1項第11号に該当し、商標登録を受けることができないものであるから、その登録は同法第43条の2第1号の規定により取り消されるべきものである。
3 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第2号及び同法第4条第1項第11号について
申立人は、本件商標が商標法第3条第1項第2号及び同法第4条第1項第11号に該当するものであると主張し、その理由を述べている。
しかしながら、同法第3条第1項第2号は、商標登録の要件の一つとして、商品又は役務について慣用されている商標については商標登録を受けることができないことを定めたものであるところ、申立人は本件商標の使用等について何ら具体的に示していないばかりでなく、申立人の述べる理由をもって、本件商標が慣用されている商標に該当するものであると認めることができない。また、同法第4条第1項第11号は、商標登録を受けることができない商標の一つとして、当該商標登録出願(すなわち本件商標の登録出願)の日前の商標登録出願に係る他人の登録商標又はこれに類似する商標であって、その商標登録に係る指定商品若しくは指定役務又はこれらに類似する商品若しくは役務について使用をするものは商標登録を受けることができないことを定めたものであるところ、申立人は、同号にいう本件商標の登録出願日前に係る他人の登録商標を何ら具体的に示していないので、本件商標が同号に該当するか否かの判断をすることができない。
(2)商標権者が登録する行為の違法性について
申立人は、本件商標は日本文芸振興会が昭和56年以来使用している商標であり、これを当該理事会に付議することもなく、ある日突然商標権者が商標登録出願し、登録されたことは違法行為である旨主張している。
しかしながら、登録異議の申立て理由及び甲各号証によっては、申立人と日本文芸振興会との関係が明らかでないほか、申立人が証拠として提出した「日本文芸振興会会則」の効力も明らかでなく、同会則には本件商標について何ら規定するところがない。むしろ、本件商標の出願審査の過程において出願人(商標権者)が提出した資料「平成13年版 文藝年鑑」(株式会社新潮社発行)によれば、出願人(商標権者)が日本文芸振興会の会長代行となっていることが認められる。
そうすると、日本文芸振興会の名の下に、文芸振興の業績特に顕著な者を対象とする「日本文芸大賞」等の表彰式の企画・運営又は開催が行われていることが認められるとしても、申立人の述べる理由及び提出された甲号証によっては、直ちに商標権者が本件商標について登録を得たことが違法であると認めることはできないので、上記申立人の主張は採用できない。
(3)まとめ
したがって、本件商標は、商標法第3条第1項第2号又は同法第4条第1項第11号のいずれにも違反し登録されたものではない。また商標権者が本件商標を登録出願し登録を得る行為について違法があったものと認めることはできないので、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものとする。
よって、結論のとおり決定する。
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