Trademark Appeal Case
「牧場」と「農場」の称呼観念類否
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2003−90690(T2003−90690/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1.本件商標
本件登録第4694029号商標(以下「本件商標」という。)は、平成14年11月6日に登録出願され、「だいずぼくじょう」の平仮名文字と「大豆牧場」の漢字とを二段に横書きしてなり、第32類「ビール,きなこ・納豆・豆乳・大豆粉その他の大豆製品を加味した清涼飲料,乳酸菌を加味した清涼飲料,その他の清涼飲料,果実飲料,ビール製造用ホップエキス,乳清飲料,飲料用野菜ジュース」を指定商品として、同15年7月25日に設定登録されたものである。
2.引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が本件商標の登録異議の申立てに引用する登録第4615016号商標(以下「引用商標1」という。)は、平成13年6月28日に登録出願され、「大豆農場」の漢字を標準文字で書してなり、第32類「豆乳又は大豆成分を配合した清涼飲料,豆乳又は大豆成分を配合した果実飲料,豆乳又は大豆成分を配合した乳清飲料,豆乳又は大豆成分を配合した飲料用野菜ジュース」を指定商品として、同14年10月25日に設定登録されたものである。
同じく、登録第4615015号商標(以下「引用商標2」という。)は、平成13年6月28日に登録出願され、「大豆農場の豆乳」の文字を標準文字で書してなり、第29類「豆乳」、第32類「豆乳を配合した清涼飲料,豆乳を配合した果実飲料,豆乳を配合した乳清飲料,豆乳を配合した飲料用野菜ジュース」を指定商品として、同14年10月25日に設定登録されたものである。
さらに、以下の(3)ないし(19)の引用商標((3)登録第4235797号商標、(4)同第4499695号商標、(5)同第4482800号商標、(6)同第4235792号商標、(7)同第4187674号商標、(8)同第4225451号商標、(9)同第4339481号商標、(10)同第2571166号商標、(11)同第2618064号商標、(12)同第4187673号商標、(13)同第4321186号商標、(14)同第4235800号商標、(15)同第4482654号商標、(16)同第4187672号商標、(17)同第4187675号商標、(18)同第4187676号商標及び(19)同第4225452号商標)(以下「引用商標3ないし引用商標19」という。)は、願書記載のとおりの構成からなり、何れもその構成中に「ソヤファーム」、「SoyaFarm」又は「SOYAFARM」の文字を含み、指定商品については登録原簿記載のとおりである。
3.申立人の主張
申立人は、「本件商標は、前記の引用各商標と類似し、商品も類似するものであり、また、「ソヤファーム」、「SOYAFARM」は著名であるから、本件商標は商標法第4条第1項第11号、同第10号、同第15号に該当するので、その登録は取り消されるべきである。」旨主張し、証拠方法として甲第1号証ないし甲第32号証を提出している。
4.当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号について
イ.引用商標1及び引用商標2との類否
本件商標は「だいずぼくじょう」の平仮名文字と「大豆牧場」の漢字を二段に併記した構成よりなるものであるから、その構成文字に相応して「ダイズボクジョウ」の称呼を生ずるものと認められる。
他方、引用商標1は「大豆農場」、引用商標2は「大豆農場の豆乳」の文字よりなるものであるから、両者はそれぞれの構成文字に相応して引用商標1は「ダイズノウジョウ」、引用商標2は「ダイズノウジョウノトウニュウ」のほか、その構成文字中、自他商品の識別機能を有すると認められる「大豆農場」の文字に相応して「ダイズノウジョウ」の称呼をも生ずるものと認められる。
そこで、本件商標より生ずる「ダイズボクジョウ」の称呼と、引用商標1及び引用商標2より生ずる「ダイズノウジョウ」の称呼とを比較するに、両者は共に7音から構成され、そのうち第4音目と第5音目において、「ボク」と「ノウ」の音の差異を有するものである。
そして、該差異音は中間に位置する音ではあるが、音質が異なるものであるから、この差異が全体の称呼に与える影響は大きく、両者をそれぞれ一連に称呼しても、称呼上相紛れるおそれはないものというべきである。
また、本件商標中の「牧場」の文字は「家畜を放牧するための設備をした土地。まきば。」であるが、一般的には「家畜を放牧するための土地」の意味合いを認識させるものであるのに対し、引用商標中の「農場」の文字は「一定の土地に農舎・農具・家畜・人間労働力などを備えて農業の経営をするところ。」の意味合いを有する語である。
そうとすると、本件商標は「大豆」の文字と「家畜を放牧するための土地」の意味合いを看取させる「牧場」とを結合した一種の造語を認識させるものであるのに対し、「大豆農場」の文字からは「大豆を生産するために農舎等を備えた場所・土地」ほどの意味合いを認識させるものであるから、両者は観念上も相紛れるおそれはない。
さらに、両者の構成は上記のとおりであるから、外観においても相紛れるおそれはないものというべきである。
ロ.引用商標3ないし引用商標19との類否
申立人は、「引用商標3ないし引用商標19中の『ソヤファーム』、『SoyaFarm』及び『SOYAFARM』の文字部分からは、『大豆農場』又は『大豆農園』の意味合いを生ずるので、本件商標と観念上類似する。」旨主張しているが、仮にそのような意味合いを認識させるとしても、本件商標「だいずぼくじょう」「大豆牧場」は、前記のとおり、一種の造語と認識されるものであるから、両者は観念上相紛れるおそれはないし、また、称呼及び外観についても互いに区別し得るものである。
したがって、本件商標と引用商標1、引用商標2及び引用商標3ないし引用商標19とは、その商品の類否について判断するまでもなく、外観、称呼及び観念の何れについても相紛れるおそれのない非類似の商標と判断するのが相当である。
(2)商標法第4条第1項第10号、同第15号について
申立人は、「『ソヤファーム』及び『SOYAFARM』は、申立人及びグループ会社であるトーラク(株)の業務に係る商品『大豆関連食品』に使用されて、本件商標の出願前より取引者・需要者の間に広く認識されていた商標である。」旨主張し、その著名性を証する書面として、甲第20号証ないし甲第32号証を提出している。
そこで、申立人が提出した甲第20号証及び甲第21号証によれば、本件商標の出願前に「ソヤファーム」及びやや図案化した「SOYAFARM」の商標を「豆乳で作ったヨーグルト」や「豆乳飲料」等について使用していること、及び特定保健用食品について4.4%程度の市場占有率を有することが認められるから、上記商標はある程度知られていたものと言うことができる。
しかしながら、本件商標と申立人の使用に係る商標「ソヤファーム」、「SOYAFARM」とは非類似の商標であること前記のとおりであり、また両者は別異の商標と認識されるものであるから、本件商標をその指定商品に使用した場合、その商品が申立人又は申立人と関係のある者の業務に係るものであるかのように、その商品の出所について混同を生ずるおそれのないものと判断するのが相当である。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号、同第10号及び同第15号のいずれにも違反して登録されたものではない。
よって、本件商標は商標法第43条の3第4項の規定に基づき、結論のとおり決定する。
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