Trademark Appeal Case
称呼類似と周知商標
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2002−90801(T2002−90801/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標は、「イオンスポーツ」の文字を標準文字で書してなり、平成12年8月4日登録出願、商品及び役務の区分第6類、第8類、第15類、第21類、第22類、第24類、第25類、第27類及び第31類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同14年8月16日に設定登録されたものである。
2 引用商標
登録異議申立人東洋物産株式会社及び同株式会社イオンスポーツ(以下「申立人」という。)が引用する登録第2471056号の2商標(以下「引用商標」という。)は、別掲の構成のとおり、「EON」の文字を書してなり、平成2年3月13日登録出願され、第24類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、同4年10月30日に設定登録された登録第2471056号商標の商標権の分割に係るものであり、第24類「運動具」を指定商品として、同14年7月24日にその分割の登録がなされたものである。その後、指定商品については、平成14年9月6日付けの指定商品の書換申請により、第6類「アイゼン,カラビナ,金属製飛び込み台,ハーケン,金属製あぶみ,拍車」、第8類「水中ナイフ,水中ナイフ保持具,ピッケル」、第9類「ウエイトベルト,ウエットスーツ,浮袋,運動用保護ヘルメット,エアタンク,水泳用浮き板,レギュレーター」、第18類「乗馬用具」、第19類「飛び込み台(金属製のものを除く。)」、第20類「スリーピングバッグ」、第21類「コッフェル」、第22類「ザイル,登山用又はキャンプ用のテント」、第25類「運動用特殊衣服,運動用特殊靴(「乗馬靴」を除く。),乗馬靴」、第27類「体操用マット」及び第28類「運動用具」に、同16年1月21日付けで書換登録がされたものである。
3 登録異議の申立ての理由
申立人は、本件の指定商品中第6類「アイゼン,カラビナ,ハーケン,金属製飛び込み台」、第8類「水中ナイフ,水中ナイフ保持具,ピッケル」、第21類「コッフェル」、第22類「ザイル,登山用又はキャンプ用のテント」、第25類「運動用特殊衣服,運動用特殊靴(「乗馬靴」を除く。)」及び第27類「体操用マット」についての本件商標の登録は取り消されるべきであるとして、その理由を次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第5号証(枝番を含む)を提出している。
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、その構成中に「スポーツ」の文字を有しており、該文字は、本件指定商品との関係においては、その用途や業種を表示するにすぎないから、「イオン」の称呼を生ずる。他方、引用商標は、別掲のとおり「EON」の文字より「イオン」の称呼を生ずるものであるから、両者は、「イオン」の称呼において類似し、かつ、その指定商品も同一又は類似のものである。
(2)商標法第4条第1項第15号について
株式会社イオンスポーツはスポーツ用品の製造、販売を目的とし本店所在地において平成2年9月17日に設立された。
一方、東洋物産工業株式会社は商標登録第2471056号の商標権者と「運動具」について専用使用権を平成5年12月14日に契約し、平成6年3月7日設定登録を完了した。その専用使用権に基づき株式会社イオンスポーツに通常使用権を許諾した。(株式会社イオンスポーツは東洋物産工業株式会社のスポーツ用品部門を独立して設立された関連会社である。したがって両社の本店所在地は同一である。)株式会社イオンスポーツは商標として「EON」を、製造者名・販売社名として商号の一部である「インオスポーツ」及び「EON SPORTS」を商品に使用して今日に至っている。
商品「ゴルフ道具」の業界において、他社商品とは一味異なる特異な機能を有する商品の提供者として本件商標の出願時である平成12年8月4日には広く知られるようになっていた。
したがって、本件指定商品の分野の需要者は、「イオンスポーツ」の文字よりなる本件商標が、本件指定商品について使用された場合には、「株式会社イオンスポーツ」の業務に係る商品と出所の混同を生ずるおそれがあることは明らかである。
(3)商標法第4条第1頃第8号について
本件商標は、取引上、申立人の名称の一部と目されるところの「イオンスポーツ」の文字を左横書きしてなるものである。株式会社イオンスポーツは平成2年創業以来継続して「スポーツ用品の製造、販売」をしている。同社は商標「EON」と「イオンスポーツ」及び「EON SPORTS」を商品に使用している。
「イオンスポーツ」は「株式会社イオンスポーツ」の略称として永年にわたり使用された結果、本件商標の出願時である平成12年8月4日には商品「ゴルフ道具」において、他社商品とは一味異なる特異な機能を有する商品の提供者として広く知られるようになった。
なお、本件商標権者に対し、株式会社イオンスポーツは本件商標を登録することを承諾していない。
4 当審の判断
(1)本件商標は、「イオンスポーツ」の文字よりなるところ、構成中「スポーツ」の文字は、「運動」を意味する語であるとしても、同じ書体、同じ大きさで等間隔にまとまりよく表してなるものであり、これより生ずると認められる「イオンスポーツ」の称呼も格別冗長というべきものでなく、よどみなく一連に称呼し得るものであるから、一体不可分の造語と判断するのが相当である。
そうすると、本件商標はその構成文字に相応して「イオンスポーツ」の一連の称呼のみを生ずるものとみるのが相当である。
他方、引用商標は別掲のとおり、「EON」の文字よりなるものであるから、該文字に相応して「イオン」の称呼を生ずるものである。
そこで、本件商標より生ずる「イオンスポーツ」の称呼と、引用商標より生ずる「イオン」の称呼を比較すると、両者は後半部における「スポーツ」の音の有無に明瞭な差異を有するものであるから、称呼において相紛れるおそれはないというべきである。
さらに、本件商標は、一体不可分の造語とみられることは前記のとおりであって、特定の観念を有しないものと判断するのが相当であるから、両者は観念において比較し得ないものであり、外観においてもそれぞれの構成からみて、判然と区別し得るものである。
してみれば、本件商標と引用商標とは、称呼、観念及び外観のいずれからしても十分に区別し得る別異の商標である。
(2)申立人の提出に係る甲第4号証(枝番を含む。)の月刊誌「ゴルフダイジェスト」、週刊誌「ゴルフダイジェスト」、月刊誌「ゴルフクラシック」及び週刊誌「アサヒゴルフ」等を総合勘案すれば、株式会社イオンスポーツは、ゴルフ用具の分野において既に著名なものとなっていたと認め得るものである。
しかしながら、提出に係る証拠をもってしては、本件商標の登録出願時において、「イオンスポーツ」の文字からなる標章が申立人の名称の略称として、また、申立人が主張している本件の取消に係る商品についてまで出所の混同のおそれがある程に取引者・需要者の間に広く認識されていたものと認めるには十分とはいえない。
そして、「ゴルフ用具」は、ゴルフ専門店又はゴルフ専門コーナー等で販売されており、その生産者もゴルフ用品に特化して開発・販売している場合も少なくないことから、本件の取消に係る商品と「ゴルフ用具」とは、商品の用途や販売場所を異にするばかりでなくその需要者も異にするものといえる。
してみれば、本件商標は他人の名称の著名な略称をからなる商標ということはできず、また、商標権者が本件商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者・需要者をして直ちに引用商標を連想又は想起させるものとは認められないから、その商品が申立人又は同人と何らかの関係のある者の業務に係るものであるかの如く、その商品の出所について混同を生じさせるおそれはないといわなければならない。
(3)まとめ
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号、同第8号及び同第15号のいずれにも違反して登録されたものではないので、商標法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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