Trademark Appeal Case
結合商標の要部抽出の可否
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2003−90466(T2003−90466/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4669250号商標(以下「本件商標」という。)は、「ONE EARTH」の文字を標準文字により表してなり、平成14年8月29日に登録出願、第31類「ペットフード,その他の飼料」を指定商品として平成15年5月9日に設定登録されたものである。
2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録第4212676号商標は、「アース」の文字を横書きしてなり、平成8年10月24日に登録出願、第31類「飼料」を指定商品として平成10年11月20日に設定登録されたものである。同じく、登録第4259328号商標は、別掲のとおりの構成からなり、平成5年5月10日に登録出願、第31類「飼料」を指定商品として平成11年4月9日に設定登録されたものである。以下、これらをまとめて「引用商標」という。
3 登録異議の申立ての理由
申立人会社は、明治25年の創業当初より「アース」、「EARTH」及び「地球印」の商標(以下、これらをまとめて「使用商標」という。)を家庭用殺虫剤を始め多くの製品に使用し、取扱い商品と共に新聞、雑誌は勿論のことテレビ等あらゆる媒体を通じて盛大な宣伝広告を反復継続してきた結果、使用商標は、少なくとも本件商標の出願日前において、申立人の製造販売する商品に使用するものとして広く知られて周知著名な商標となっている。本件商標は、「EARTH」に識別力があり、申立人の商標・商号と類似であることは明白であって、一般需要者は本件商標の後半部の「EARTH」を見たり聞いたりした場合、申立人と何らかの関連性があるかの如く認識すると思われる。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号、同第11号及び同第15号に該当する。
4 当審の判断
(1)商標の類否について
本件商標と引用商標及び使用商標との類否について検討するに、本件商標は、上記のとおり、同書同大の文字でまとまりよく一体的に構成されているものであり、これから生ずると認められる「ワンアース」の称呼も、冗長なものでなく、よどみなく一気一連に称呼し得るものであって、殊更、これを「ONE」と「EARTH」とに分離して観察すべき特別の理由を見出し難いものである。
この点に関し、申立人は、本件商標の「ONE」と「EARTH」の間に間隔があること及び「ONE」は数字の1の単なる英文字であることから、本件商標の自他商品の識別力は「EARTH」にある旨主張しているが、申立人の主張理由のみをもって「EARTH」の文字部分が独立して識別力を有するものとすることはできないし、その具体的な証左もなく、むしろ、本件商標は、一連の一種の造語を表したものと看取されるとみるのが自然であるから、「ワンアース」の一連の称呼のみを生ずるというのが相当である。 他方、引用商標及び使用商標は、その構成に照らし、「アース」の称呼を生ずること明らかである。
そうすると、本件商標から生ずる「ワンアース」の称呼と引用商標及び使用商標から生ずる「アース」の称呼とは、それ程冗長でない構成における「ワン」の音の有無という構成音の相違により明瞭に区別できるものである。
また、本件商標と引用商標及び使用商標とは、それぞれの構成に照らし、外観上判然と区別し得る差異を有するものであり、本件商標が一種の造語を表したものであることからすれば、観念上引用商標及び使用商標と比較すべくもない。
してみれば、本件商標と引用商標及び使用商標とは、称呼、外観及び観念のいずれの点からみても相紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。
(2)商品の出所の混同のおそれについて
申立人は、本件商標の「EARTH」の文字部分より一般需要者は申立人と何らかの関連性があるかの如く認識し商品の出所の混同を生ずるおそれがある旨主張している。
確かに、使用商標が殺虫剤に使用する商標として需要者間に広く認識されていることは認められる。しかしながら、上記(1)のとおり使用商標と本件商標とは非類似の商標であり、両者は別異のものであることに加え、本件商標の指定商品「ペットフード,その他の飼料」と使用商標の使用に係る殺虫剤とは、その原材料、製法、用法、用途、流通系統等を異にする関連性の薄い商品であることや、申立人が殺虫剤関連の商品以外の種々の商品分野に進出し多角経営を行っているとして広く知られているとまではいえないこと等からすれば、本件商標をその指定商品に使用した場合に、これに接する取引者、需要者が使用商標を連想、想起するようなことはなく、該商品が申立人又は同人と組織的・経済的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く、その出所について混同を生ずるおそれもないというのが相当である。
(3)まとめ
以上からすれば、本件商標は、商標法第4条第1項第10号、同第11号及び同第15号のいずれの規定にも違反して登録されたものではないというべきであるから、その登録を維持すべきものである。
よって、同法第43条の3第4項の規定に基づき、結論のとおり決定する。
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