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Trademark Appeal Case

生活医療の識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2002−23797(T2002−23797/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「生活医療」の文字を標準文字により表してなり、第5類「薬剤」,第10類「医療用機械器具」,第37類「医療用機械器具の修理又は保守」,第42類「医療用機械器具の貸与,医療情報の提供」の商品及び役務を指定商品及び指定役務として、平成13年12月21日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由

原査定は、「本願商標は、『生活医療』の文字を書してなるものであるが、これは広く一般に使用されている語であって『生活(社会での暮らし)の中の医療(医術によって病気を治すこと。)』の意を理解させるところ、指定商品及び指定役務に関係する業界においては、病気や障害をもった者が日常生活をより快適に過ごすことができるような製品(医薬品、医療機器等)の開発や販売がされていること、また、日常生活における医療に関する情報がインターネット等の通信手段を通じ広く提供されているといった実情があることよりすると、本願商標をその指定商品及び指定役務に使用するときは、これに接する取引者・需要者は、『日常生活の医療に関係する商品又は役務の提供』であると理解するに止まり、自他商品・役務の識別標識としては認識しないものというのが相当であるから、需要者をして何人の業務に係る商品・役務であるかを認識することができない商標と認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

本願商標は、「生活医療」の文字を書してなるところ、その構成中の「生活」の文字は「世の中で暮してゆくこと。また、そのてだて。」等を意味する語であり、「医療」の文字は「医術で病気をなおすこと。療治。治療」を意味する語(「広辞苑」第5版)として、社会一般の人たちに認識され、よく知られているものであり、これよりは「日常生活の中の医療」の意を理解させるものである。

そして、高齢化社会に向かいつつある今、日常生活の介護も含めた総括的な医療が重要になり、利用者のニーズが高まって来ている現状がある。

また、「生活医療」の文字が使用されていることは、例えば下記(ア)ないし(ウ)の新聞或いは医療に関係する図書情報からもその実情が是認できる。

(ア)「住宅支援制度を 震災から5年、貝原・兵庫県知事に聞く 【大阪】」の見出しの下

「...ハード面で力を入れたのは、高齢者住宅のバリアフリー化と一定の被災者へのケア付き住宅の用意。閉じこもりがちな人には生活復興支援プログラムをつくった。高齢者に社会参加してもらう機会提供もきめ細かく行っているが、もう一歩進めばアルコール依存症など心のケアが必要な人の生活医療サービスも含め、対応しないといけない。」との記載

(2000.01.14 大阪朝刊 29頁)

(イ)「『生活=図書室』目指す『普通の生活』『医療は[生活]に出会えるか』(竹内孝仁著)」の見出しの下

「...実践の脈所は入所者の『おむつ外し大作戦』。おむつの外れた『普通の生活』は、入所者に全人的な自信を与える。その発見から、臓器治療と並ぶ『生活医療』の確立が老人医療のかなめであるとの確信がより深まっていく。ケアの視点がまた一つ広がる。(医歯薬出版・二〇〇〇円)」との記載(1995.10.17 共同通信)

(ウ)「おもしろ看護老年病学」(1999年7月20日発行所 株式会社メディカ出版)の題号の下

第3章の1「病院のスローガンに掲げる『生活医療』とは」との記載

そうすると、本願商標をその指定商品及び指定役務に使用するときは、これに接する取引者、需要者は、「日常生活における医療行為に関係する商品及び役務」であることを表したものと理解するに止まり、本願商標は何人かの業務に係る商品又は役務であることを認識することができないものであり、それ以外に、これら文字を結合することによって、別個の意味合いを表わすというような特段の事情は見出せず、結局、自他商品の識別標識としての機能を有しないものというのが相当である。

なお、請求人は、本願商標は、辞書はもちろんのこと、医学辞典にも掲載されていない。このことからみて、「生活医療」の語は全体として特定の語義を持たない造語を形成しているとみるのが妥当である旨主張しているが、使用の事実は上記のとおりであって、指定商品及び指定役務との関係においては、自他商品及び役務の識別標識としての機能を有するものとは理解し得ないものであるから、請求人の主張は認められない。

また、請求人は、当庁における登録例を挙げて本願商標の登録適格性を主張しているが、過去にされた審査例等は本願とは事案を異にするばかりでなく、そもそも、具体的事案の判断においては、それら事例をもって現在における本願商標の登録の適否を判断する基準とするのは適切でないから、その主張は採用することができない。

そうとすれば、本願商標を商標法第3条第1項第6号に該当するとして、本願を拒絶した原査定は、妥当であって取り消すことはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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