結論テキスト
審判費用は、請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2001−30159(T2001−30159/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第2345796号商標(以下「本件商標」という。)は、「アローソープポリッシュ」の片仮名文字を書してなり、第4類「せっけん類」を指定商品として、昭和54年11月12日に登録出願、平成3年10年30日に設定登録されたものであるが、本件商標に係る商標権は、平成13年10月30日存続期間満了によりその登録を抹消する旨の登録が、同14年7月17日にされているものである。
請求人は、本件商標の登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由及び被請求人の答弁書に対する弁駁を要旨次のように述べ、甲第1号証ないし甲第4号証を提出した。
(1)本件商標は、請求人の調査によれば、本件審判の請求の登録前3年以内に、日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれによっても使用されていないのみならず、本件商標を使用していないことについて何ら正当な理由が存するとも認められない。
(2)被請求人は、使用を証明する証拠として「平成13年4月号の最新版」のカタログを提出している。しかし、本件審判請求の登録日は平成13年2月28日であるから、同カタログは請求登録日以降に作成されたものである。たとえ、同カタログが本件審判の請求の登録日以前のものであったとしても、登録商標の使用をしている事実は認められない。すなわち、「毎年、3万本前後の販売を行っている」ことを客観的に立証する「納品伝票」「請求書」「売上げ表」等の証拠の提出がない。
(3)本件商標を使用している事実は認められない。同カタログでは上段に緑色に着色した「アローソープ」の片仮名文字を、下段に上記「アローソープ」より五倍以上の大きさで文字部分の回りを赤色で着色し、文字部分を白抜きしてなる「ポリッシュ」の文字をポリビンに付している。「ポリッシュ」の文字は、ポリビンの中央に目立つように表し、対照的に「アローソープ」の文字は、小さく目立たないように記載されている。
(4)また、被請求人のホームページの「環境事業部」の商品には「アローソープポリッシュ」は掲載されておらず、代わりに「ポリッシュ」が「浄化槽トイレ洗剤」の商品名として掲載されている。そして、「ポリッシュ」を検索すると被請求人提出のカタログと近似する内容が表示される。
ここでも片仮名文字「ポリッシュ」の文字は、ポリビン中央に目立つように表示され、対照的に「アローソープ」の文字は、小さく目立たないように記載されている。さらに、画面中央上部には、「ポリッシュ」の片仮名文字中「ポ」の「°」部分が看者の目を引くように図案化までされている(甲第4号証)。
(5)以上のように、被請求人は、洗剤の商標として「ポリッシュ」を使用している。すなわち、小さく書かれた「アローソープ」はトイレ洗剤の普通名称的使用態様であることから、社会通念上、一般消費者は、「ポリッシュ」がトイレ洗剤の商標であると認識するものであり、登録商標の使用の範囲を逸脱したものである。
被請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として「商品カタログ(平成13年4月号)」及び乙第1号証ないし乙第6号証を提出した。
(1)乙第1号証は、被請求人が頒布した通信販売用のカタログである。これは、「平成11年3月号」であり、平成11年2月頃約4000部を印刷し、全国各地の浄化槽清掃業者などにダイレクトメールとして郵送した。このカタログ表側中央部分には、本件商標「アローソープポリッシュ」を付したトイレ洗剤が掲載されている。
(2)乙第2号証は、乙第1号証に示されたトイレ洗剤のポリ瓶製造メーカーによる納入確認書である。本件商標「アローソープポリッシュ」が記載されたラベルが貼付された包装用容器のポリ瓶は、品番500で表示される容量450ccのものと、品番200で表示される容量200ccのものの2種類があるが、両容器とも平成10年2月から平成12年3月までの間に相当数量を被請求人がポリ瓶製造メーカーから購入していることが証明されている。
(3)乙第3号証は、ポリ瓶製造メーカーから被請求人に対しポリ瓶を納品した納品伝票写しである。これら伝票においても、納入されたポリ瓶が本件商標「アローソープポリッシュ」用であることが明記されている。
(4)乙第4号証は、被請求人が本件商標の付された商品を販売した商品の受領書写しである。伝票日付は、平成11年8月26日から平成12年3月23日までのものである。
(5)乙第5号証もまた、被請求人が販売した商品の受領書写しである。伝票日付は、平成11年9月14日であり、品名・銘柄として本件商標が明記されている。
(6)乙第6号証は、前記乙第5号証に記載された本件商標に係る商品の納品先株式会社アールエコの棚卸表写しである。作成上、本件商標を省略して「ポリッシュ」としている。
被請求人の提出した乙第1号証は、平成11年3月号と認められる「商品カタログ」であるところ、同カタログの表側中央部分には細線で区画した矩形枠内に以下の記載が認められる。
すなわち、同枠内の上部には緑色に着色した「アローソープ」の文字と、赤色で縁取りし白抜きした「ポリッシュ」の文字とを連記した「アローソープポリッシュ」の文字。なお、「ポリッシュ」の文字は、「アローソープ」の文字に比し約1.5倍程度の大きさで書されている。そして、該文字の下部には、「ポリッシュは浄化槽の微生物に全く影響のない安全性の高いトイレ洗剤。」との記載。その下段右半分のスペースには、2個の瓶状容器を表し(写真)、それぞれの胴体表面中央部分には、上記「アローソープポリッシユ」の文字と同様の配色による「アローソープ」と「ポリッシユ」の文字が二段で表示されている。なお、「ポリッシュ」の文字は、「アローソープ」の文字に比し、左右で約2倍、上下で約5倍程度の大きさで書されている。
そして、同容器の胴体表面最下部には、被請求人の名称「矢切薬品株式会社」の文字が緑色の帯状の地色に白抜きで表示されている。
また、同下段左半分には5項目にわたり、本件商品(トイレ洗剤)の特徴、使用方法、効能等の説明文が表示されており、加えて、商品の容量、価格を示す「450cc 1本当り 450円」等の文字が表示されていることが認められる。
つぎに、乙第4号証は、被請求人が販売した商品を取引先が受領したことを示す「受領書」(4社各1通)と認められるが、各受領書には取引先の郵便番号、住所、名称及び電話番号が表示され、また、お客様コード、伝票No.の表示とともに、伝票日付の欄が設けられ、それぞれの受領書の受取日とみられる年月日が「11−08−26」「11−09−24」「12−02−24」「12−03−23」の表示をもって明記されている(例えば、「11−08−26」は、平成11年8月26日を示すものと認められる。)。そして、商品名規格欄には「アローソープポリッシュ」の表示があり、受領欄(若しくは備考欄)には取引先担当者の受領印(若しくは署名)が押印されていることが確認できる。
なお、乙第5号証も、被請求人が販売した商品を取引先が受領したことを示す「受領書」と認められるが、その書き込み欄には乙第4号証とほぼ同様の内容が記されている。
ところで、請求人は、弁駁書で、乙第1号証と同一内容の広告物であって被請求人が先に提出した「商品カタログ」(平成13年4月号)掲載中の瓶状容器の胴体表面中央部分に表示された商標について、かかる使用商標は、社会通念上、本件商標の使用の範囲を逸脱したものである旨主張している。
そこで、この点についてみるに、本件商標は、その構成上記のとおり「アローソープポリッシュ」の文字を書してなるものであるところ、これを称呼した場合、「アローソープ」と「ポリッシュ」との間で段落を生ずるばかりでなく、その構成中後半の「ポリッシュ」の文字は、「磨くこと、光沢剤」(「コンサイスカタカナ語辞典 第2版」参照)等の意味を有する外来語として知られているものであって、その指定商品との関係においては商品の品質(効能等)を表示する程度の語と理解されるから、本件商標は、容易に「アローソープ」と「ポリッシュ」の両文字を結合したものと認識、把握し得るものである。
そうとすると、瓶状容器の胴体表面中央部分に表示された使用商標が、本件商標を「アローソープ」と「ポリッシュ」の文字とに分離し二段に表示してなるものであり、文字に着色がなされ、また、両文字間には上記した文字の大きさの相違がみられるとしても、本件商標とは全体の文字の綴り字を同じくし、二段に併記した結果、新たな観念をもって認識されるということもなく、外観上も瓶状容器の胴体の同一面上にまとまりよく表してなるものであるから、かかる使用商標は、本件商標との同一性を逸脱しない範囲のものといわざるを得ない。
しかも、同カタログ中には、併せて、緑色に着色した「アローソープ」の文字と赤色で縁取りし白抜きした「ポリッシュ」の文字とを連記した、本件商標と社会通念上同一といい得る「アローソープポリッシュ」の文字が使用されているところであり、さらに、被請求人より提出された、乙第4号証及び乙第5号証には、本件商標と社会通念上同一と認められる文字が使用されていること上記のとおりである。
しかして、上記の判断は、同一内容の広告物である乙第1号証においても同様にいえるものであることはいうまでもない。
そうとすると、瓶状容器の胴体表面に表示された商標の使用方法に着目し、そのことをもって、被請求人の使用する商標は、社会通念上、本件商標の使用には当たらないとする請求人の主張は採用することができない。
してみれば、上記乙第1号証、乙第4号証及び同第5号証によれば、被請求人は、本件審判の請求登録前3年以内に日本国内において、本件審判の請求に係る指定商品中に含まれる「トイレ洗剤」について、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を使用していたというべきである。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により取り消すべき限りでない。
なお、本件商標に係る商標権は、平成13年10月30日に存続期間満了により、その登録を抹消する旨の登録が同14年7月17日にされているものであることは上記のとおりであるが、商標法第54条によれば、同50条第1項の審判により商標登録を取り消すべき旨の審決が確定したときは、商標権は、同項の審判の請求の登録の日に消滅したものとみなされるため、本件については、本案に入り判断した。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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