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Trademark Appeal Case

不使用取消と内部使用

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号取消2001−30713(T2001−30713/J2)
審判種別取消
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

登録第2418347号商標の「第9類 電子応用機械器具(電子管・半導体素子・電子回路を含む、医療機械器具に属するものを除く)」については、その登録は取り消す。
審判費用は、被請求人の負担とする。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第2418347号商標(以下「本件商標」という。)は、「ハイプラネット」の文字を書してなり、平成3年政令第299号による改正前の商標法施行令(昭和35年政令第19号)第1条別表に定める商品の区分第11類に属する商品「電気機械器具、電気通信機械器具、電子応用機械器具(医療機械器具に属するものを除く)電気材料」を指定商品として平成1年5月10日に登録出願、平成4年5月29日に設定登録、同14年4月30日に商標権存続期間の更新登録、その後、同14年9月11日に、その商品の区分及び指定商品を第7類「起動器,交流電動機及び直流電動機(陸上の乗物用の交流電動機及び直流電動機(その部品を除く。)を除く。),交流発電機,直流発電機,家庭用食器洗浄機,家庭用電気式ワックス磨き機,家庭用電気洗濯機,家庭用電気掃除機,電気ミキサー,電機ブラシ」、第8類「電気かみそり及び電気バリカン」、第9類「配電用又は制御用の機械器具,回転変流機,調相機,電池,電気磁気測定器,電線及びケーブル,電気アイロン,電気式ヘアカーラー,電気ブザー,電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品,磁心,抵抗線,電極」、第10類「家庭用電気マッサージ器」、第11類「電球類及び照明用器具,家庭用電熱用品類」、第12類「陸上の乗物用の交流電動機又は直流電動機(その部品を除く。)」、第17類「電気絶縁材料」及び第21類「電気式歯ブラシ」とする書換の登録がされたものである。

2 請求人の主張

請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由を次のように述べた。

(1)本件商標は、その指定商品中「電子応用機械器具(電子管・半導体素子・電子回路を含む、医療機械器具に属するものを除く)」について、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。

(2)被請求人の答弁に対する弁駁

被請求人は、本件商標「ハイプラネット」と社会通念上同一と認められる商標を取消請求に係る商品に使用している旨を主張し、乙第1号証ないし乙第5号証を提出している。

しかしながら、被請求人提出のこれらの証拠を精査しても、被請求人の主張する商標の存在及び取消請求に係る商品の存在は見出すことができない。

したがって、本件商標「ハイプラネット」が使用された事実はないといわざるを得ない。

(ア)乙第1号証ないし乙第5号証における本件商標の使用について精査すると、被請求人は、情管と略される事務局を設けて、自社及びグループ会社に共通する各種システムを開発・改良し、順次、これを自社及びグループ会社に普及・拡張していることがわかる。

そのシステムの名称がHIPLANET事業所共通システムであるが、これは開発・改良・拡張の途中にあり、その開発・改良・拡張等システム運用の経費は、共通システムを使用する各グループ会社にも分担させられることがわかる。

したがって、被請求人のいう「HIPLANET」は、自社グループに共通するシステムの名称であり、被請求人が商品として、他に販売する商品の出所を表示するものとして使用される商標ではないといわざるを得ない。

以下、その事実を各証拠に当たって検証する。

(イ)乙第1号証

乙第1号証の本文中には、「情管は、SFA推進の事務局として活動」と記載されているが、この「情管」とは、乙第1号証の1枚目の右上に「http://www.kyushu.hitachi.co.jp/jokan//・・・」の文字があることから、被請求人の事務部門の略称と認められる。

本文中には、続いて共通システムの利用状況、システムの普及対応状況の説明がなされている。

その中に「HIPLANET事業所共通システム」とあり、当該対応プログラムが300本配布されたことが記載されている。

これよりすれば、「HIPLANET」は、被請求人会社が自らのために開発・作成・改良しているシステムの名称であることが明らかなものと認めて誤りではない。

したがって、この「HIPLANET」は、被請求人が取引において使用したものではなく、また、被請求人の商品に使用されたものでもないことは明らかである。

(ウ)乙第2号証

乙第2号証に表示された「HIPLANET」の文字は、いつ表示されたのか全く不明であり、本件の証拠となり得るものはない。

また、「HIPLANET」が何であるのかを明らかにするために提出したというのであれば、当該証拠は、事務所処理システムを本社に集中するためのシステムであり、平成10年3月の時点で、また、改良する必要があることを示しているものである。

前述の証拠を併せ考えると、これは被請求人が自社のシステムとして開発・使用中のシステムについて記載していることは明らかであるから、ここに記載の「HIPLANET」が出所を表示するために使用された商標ではないし、また、商品について使用されたものでもないことは明らかである。

(エ)乙第3号証

乙第3号証は、上欄に01−10−11と記載されているところから、本件審判請求後に作成されたものと認められるので、商標の使用を証するための証拠としては日時が遅い。

また、そこに表示されている「HIPLANET」は、前項までの証拠を併せ考えると、単に被請求人の自己使用目的で開発したシステムにおいて利用されるコンピュータソフトのタイトルと認められる。

自己使用の目的で自ら開発したコンピュータソフトは商品ではないから、当該証拠が「HIPLANET」を商標として使用したことを証するものといえないことは明らかである。

(オ)乙第4号証

乙第4号証は、左上欄にあるとおり、被請求人の会社及びグループ会社との間で共同して使用している共通システムの費用を共通システム使用のグループ会社である(株)日立空調システムと日立総合経営研究所に分担して支払わせたことを証するものである。

このことは、左上欄の「振替内容:HI−PLANET運用費」の記載からも明らかである。

したがって、乙第4号証は、商品の販売を証する証拠ではないし、前述のとおり、当該証拠に表示されているHI−PLANETが商標でないことも明らかである。

(カ)乙第5号証

乙第5号証は、東海銀行に対するコンピュータによる手数料引落依頼の書類である。

作成者は、乙第4号証においてHIPLANET事業所共通システムの運用費を分担することが記載されている(株)日立空調システムである。

したがって、乙第5号証が商品の購入代金を支払うことを依頼したものでないことは明らかであり、逆に、このような手数料引落依頼書を作るのは、継続して運用費を分担し続けることとなっている作成者の立場を明らかにしているものといわざるを得ない。

また、データ接受取扱者の欄に「HIPLANET」の文字が見えるが、これは前述のとおり、被請求人の会社内で、HIPLANET事業所共通システムの推進、サポートをしている担当を指し示すものであり、商標でないことは明らかある。

(3)以上、述べたとおり、被請求人は、本件商標又はそれと社会通念上同一の商標を使用している事実がないものである。

3 被請求人の答弁

(1)被請求人は、本件審判請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第5号証を提出した。

(2)被請求人は、本件商標を取消請求に係る商品について使用している。

すなわち、乙第1号証及び乙第2号証に示すとおり、被請求人は、本件商標「ハイプラネット」と社会通念上同一と認められる商標をその指定商品「電子計算機のプログラムを記憶させた磁気テープ、磁気ディスク(事業所共通システム)」について遅くとも平成10年3月以来、現在に至るまで継続して使用している。

当該システムは、事業所を複数有する会社においてデータ、帳票等の共通化を図ることによって、業務管理を容易にするシステムであって、顧客会社との間に取引があったことは、乙第4号証及び乙第5号証により明らかである。

(3)よって、本件商標は、被請求人により本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において、取消請求に係る指定商品について使用されている。

4 請求人の弁駁に対する被請求人の再答弁

被請求人は、被請求人の弁駁に対して再答弁していない。

5 当審の判断

(1)商標法第50条による商標登録の取消審判請求があったときは、同条第2項の規定により、被請求人において取消請求に係る指定商品のいずれかについて、登録商標の使用をしていることを証明し又は使用をしていないことについて正当な理由があることを明らかにしない限り、その登録の取消しを免れない。

そこで、被請求人提出の本件商標の使用事実を示す全証拠(乙第1号証ないし乙5号証)について、以下のとおり、判断する。

(ア)被請求人の使用に係る表示(又は標章)

本件商標は、上記1に示すとおり、「ハイプラネット」の片仮名文字を書してなるところ、被請求人提出の乙第1号証ないし乙第5号証には、本件商標との関連性を暗示させる表示(又は標章)、すなわち、乙第1号証の2枚目の中段に見られる「HIPLANET事業所共通システム」、乙第2号証の表題欄に見られる「(6)HIPLANET」、乙第3号証の表題欄に見られる「HI−PLANET初期画面」及び乙第5号証の「データ接受取扱者」欄に見られる「株式会社日立製作所 業務サポート事業部

勤労業務サポートセンタ HIPLANET 様」という表示(又は標章)が存するとしても、それ以外には関連性を暗示させる表示(又は標章)は皆目見当たらない。

しかるに、本件商標「ハイプラネット」の発音をもとに、これを欧文字で表記する場合に、必ずこれが「HIPLANET」(又は「HI−PLANET」)と表記されなければならないものとは認められず、むしろ、一般的には、「HIGH PLANET」若しくは「HIGHPLANET」、場合によっては「HYPLANET」などと表示される場合のあることも決して否定できないことよりすれば、本件商標との関連性をただ暗示させるだけの前記表示(又は標章)をもって、本件商標と社会通念上同一の商標であると断定することはできず、必ず、そのように解さなければならないだけの合理的理由も見出せない。

そうとすれば、被請求人は、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において、本件商標と社会通念上同一の商標を、その取消請求に係る商品「電子応用機械器具(電子管・半導体素子・電子回路を含む、医療機械器具に属するものを除く)」に使用した事実を立証していないものといわざるを得ない。

(イ)被請求人提出の乙各号証

請求人は、被請求人提出の乙第1号証ないし乙第5号証を総評して、「被請求人は、情管と略される事務局を設けて、自社及びグループ会社に共通する各種システムを開発・改良し、順次、これを自社及びグループ会社に普及・拡張していることがわかる。そのシステムの名称がHIPLANET事業所共通システムであるが、これは開発・改良・拡張の途中にあり、その開発・改良・拡張等システム運用の経費は、共通システムを使用する各グループ会社にも分担させられることがわかる。したがって、被請求人のいう『HIPLANET』は、自社グループに共通するシステムの名称であり、被請求人が商品として、他に販売する商品の出所を表示するものとして使用される商標ではないといわざるを得ない。・・・等々」の旨述べているところ、被請求人は、これに対し、何ら否定するところがない。

しかして、被請求人提出の全証拠をみても、取消請求に係る商品の取引がいつ、実際に行われたのかは、皆目不明であり、前述のとおり、使用に係る表示(又は標章)についても、本件商標と社会通念上同一のものとはいえないことよりすれば、乙第1号証ないし乙第5号証をもってしては、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において、被請求人は、本件商標を取消請求に係る商品「電子応用機械器具(電子管・半導体素子・電子回路を含む、医療機械器具に属するものを除く)」について使用した事実があったものと認めることはできない。

(2)結び

したがって、本件商標は、商標法第50条の規定により、その指定商品中「電子応用機械器具(電子管・半導体素子・電子回路を含む、医療機械器具に属するものを除く)」についての登録を取り消すべきものである。

よって、結論のとおり審決する。

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