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Trademark Appeal Case

品質表示と識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2002−1507(T2002−1507/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「古代しな上布」の文字(標準文字による。)を書してなり、願書記載のとおりの商品を指定商品とし、平成13年1月11日に登録出願され、その後、指定商品については、当審における同14年1月29日付け手続補正書をもって、第24類「織物製壁掛け,織物製ブラインド,カーテン,シャワーカーテン,テーブル掛け,どん帳,遺体覆い,経かたびら,黒白幕,紅白幕,布製ラベル,ビリヤードクロス,のぼり及び旗(紙製のものを除く。)」と補正されたものである。

2 原査定の拒絶の理由

原査定は、以下のとおり認定、判断し、本願を拒絶したものである。

(1)本願商標は、「古代しな上布」の文字を普通に使用される程度で書されたものであるが、構成文字中「上布」は、新田中千代服飾事典によれば「もとは夏用の麻地に柄をつけたものを、上等の布の意味で、上布(じょうふ)と読んでいたところからおこった名称。上布は、麻を原料として手先でつむぎ、織物としたので苧麻の紡績糸で織った布地に、柄を捺染したものは<絹麻上布>といわれる。」の記載があり、また、インターネット(http://www.net.sfsi.co.jp/ishidaya/)において「しな布」について「しなの木の皮をはぎ、糸にしてそれを居座り機で織り上げます。まさに原始的な手仕事であり、全工程が一年を要する織物です。」の事例があることより、本願指定商品との関係においては、その商品が「しな製上布のもの」程度の意を容易に認識させるから、これをその本願指定商品に使用しても、単にその商品の品質を表したものと理解するに止まり、自他商品の識別標識としての機能を有するものとは認められない。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。

(2)本願商標は、登録第544962号商標及び登録第1049141号商標(以下、まとめて「引用商標」という。)と同一又は類似であって、その商標に係る指定商品と同一又は類似の商品について使用するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。

3 当審の判断

本願商標は、前記のとおりの構成よりなるところ、該構成中の「古代」の文字部分は、「過ぎ去った古い時代、むかし」を意味する語として親しまれているものである。

同じく、該構成中の「しな」の文字部分は、その指定商品の関係からすると、繊維の種類として「科布(しなのふ)」の見出しの下に「科(シナノキ科の高木)の皮を剥(は)ぎ、灰汁(あく)で煮て細かく裂き、繊維にした物で織った古代布の一つ」と記載されていること(繊維総合辞典 2002(平成14)年10月10日初版第1刷発行 繊研新聞社)及び「科布(しなぬの)」が「シナ科の大葉菩提樹の繊維による織物。(中略)近年は素朴な味わいが民芸品などとして好評で、新潟・山形県境で織られている。」との記載があること(被服学辞典 1997(平成9)年7月1日初版第1刷発行 株式会社朝倉書店)から、商品の品質、材質を表示するものとして看取されるものと判断するのが相当である。

同じく、該構成中の「上布」の文字は、その指定商品の関係からすると、「上等の麻布。細い麻糸を用いて平織りにしたもので、多く夏の衣服に用いる。」(広辞苑第5版 岩波書店発行)を意味する語として用いられているものである。

してみれば、本願商標は、全体をして「古い時代(昔)風の科布で上等なもの」を認識するものである。

加えて、「古代」の文字は、他の文字と結合することによって「古い時代(昔)風のもの」であることを示す修飾語として認識されるものであって、また、本願指定商品の関係からすると、商品の品質を表示するものとして、普通に使用されている実情としては、例えば、以下のものがある。

(1)「こだい−ぎれ(古代切・古代裂)」の見出しのもと、「古代の織物の切地。表装・袋物などに用いた。」と記載している(広辞苑第5版 岩波書店発行)。

(2)「こだいぎれ(古代裂)」の見出しのもと、「古裂(こぎれ)のこと。(中略)江戸時代末期に法隆寺や正倉院蔵の古裂が世に知られ、明治以降その価値が高く評価され、(中略)その後、平安末期から鎌倉時代の古代織物や裂地が発見され、(中略)古代裂とよばれるものにあたろう。」(最新きもの用語事典 昭和58年9月21日第1版発行 文化出版局)。

(3)「こだいちりめん(古代縮緬)」の見出しのもと、「縮緬の一種。縮緬特有のしぼ立ちが大きい物。鬼しぼ縮緬ともいう。」と記載している(きもの用語大辞典 昭和54年12月10日発行 株式会社主婦と生活社)。

以上よりすれば、本願商標は、これをその指定商品に使用した場合、これに接する取引者、需要者は、その商品が「古い時代(昔)風の科布で上等なものを用いた商品」であると認識し、商品の品質、原材料を表示したものと理解されるに止まるから、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものというのが相当である。

したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すべきでない。

なお、本願商標については、前記理由によりすでにその拒絶を免れないものであるから、原査定が認定した引用商標との類否については、その判断を省略した。

よって、結論のとおり審決する。

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