Trademark Appeal Case
お客様相談室システムの識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2000−17862(T2000−17862/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「お客様相談室システム」の文字を標準文字で表してなり、第9類、第41類及び第42類に属する願書に記載の商品及び役務を指定商品及び指定役務として、平成11年2月2日に登録出願、その後、指定商品及び指定役務指については、同12年6月28日付の手続補正書において、第9類「配電用又は制御用の機械器具,回転変流機,調相機,電池,電気磁気測定器,電線及びケーブル,電気通信機械器具,電子計算機(中央処理装置及び電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク・磁気テープ・光ディスク・光磁気ディスクその他の周辺機器を含む。)その他の電子応用機械器具及びその部品,電気アイロン,電気式ヘアカーラー,電気ブザー,磁心,抵抗線,電極」、第41類「技芸・スポーツ又は知識の教授,動物の調教,植物の供覧,動物の供覧,図書及び記録の供覧,美術品の展示,庭園の供覧,洞窟の供覧,映画・演芸・演劇又は音楽の演奏の興行の企画又は運営,映画の上映・制作又は配給,演芸の上演,演劇の演出又は上演,音楽の演奏,放送番組の制作,ゴルフの興行の企画・運営又は開催,相撲の興行の企画・運営又は開催,ボクシングの興行の企画・運営又は開催,野球の興行の企画・運営又は開催,サッカーの興行の企画・運営又は開催,競馬の企画・運営又は開催,競輪の企画・運営又は開催,競艇の企画・運営又は開催,小型自動車競走の企画・運営又は開催,当せん金付証票の発売,音響用又は映像用のスタジオの提供,運動施設の提供,娯楽施設の提供,興行場の座席の手配,映写機及びその附属品の貸与,映写フィルムの貸与,楽器の貸与,スキー用具の貸与,スキンダイビング用具の貸与,テレビジョン受信機の貸与,ラジオ受信機の貸与,図書の貸与,レコード又は録音済み磁気テープの貸与,録画済み磁気テープの貸与,おもちゃの貸与,遊園地用機械器具の貸与,遊戯用器具の貸与」及び第42類「宿泊施設の提供,宿泊施設の提供の契約の媒介又は取次ぎ,飲食物の提供,美容,理容,入浴施設の提供,写真の撮影,オフセット印刷,グラビア印刷,スクリーン印刷,石版印刷,凸版印刷,気象情報の提供,求人情報の提供,結婚又は交際を希望する者への異性の紹介,婚礼(結婚披露を含む。)のための施設の提供,葬儀の執行,墓地又は納骨堂の提供,一般廃棄物の収集及び分別,産業廃棄物の収集及び分別,庭園又は花壇の手入れ,庭園樹の植樹,肥料の散布,雑草の防除,有害動物の防除(農業・園芸又は林業に関するものに限る。),建築物の設計,測量,地質の調査,機械・装置若しくは器具(これらの部品を含む。)又はこれらにより構成される設備の設計,デザインの考案,電子計算機・自動車その他その用途に応じて的確な操作をするためには高度の専門的な知識・技術又は経験を必要とする機械の性能・操作方法等に関する紹介及び説明,電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守,医薬品・化粧品又は食品の試験・検査又は研究,建築又は都市計画に関する研究,公害の防止に関する試験又は研究,電気に関する試験又は研究,土木に関する試験又は研究,農業・畜産又は水産に関する試験・検査又は研究,機械器具に関する試験又は研究,著作権の利用に関する契約の代理又は媒介,通訳,翻訳,施設の警備,身辺の警備,個人の身元又は行動に関する調査,あん摩・マッサージ及び指圧,きゅう,柔道整復,はり,医業,医療情報の提供,健康診断,歯科医業,調剤,栄養の指導,家畜の診療,保育所における乳幼児の保育,老人の養護,編み機の貸与,ミシンの貸与,衣服の貸与,植木の貸与,カーテンの貸与,家具の貸与,壁掛けの貸与,敷物の貸与,会議室の貸与,展示施設の貸与,カメラの貸与,光学機械器具の貸与,漁業用機械器具の貸与,鉱山機械器具の貸与,計測器の貸与,コンバインの貸与,祭壇の貸与,自動販売機の貸与,芝刈機の貸与,火災報知機の貸与,消火器の貸与,タオルの貸与,暖冷房装置の貸与,超音波診断装置の貸与,加熱器の貸与,調理台の貸与,流し台の貸与,凸版印刷機の貸与,電子計算機(中央処理装置及び電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク・磁気テープその他の周辺機器を含む。)の貸与,美容院用又は理髪店用の機械器具の貸与,布団の貸与,理化学機械器具の貸与,ルームクーラーの貸与」と補正されたものである。
2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、『客の相談に応える部屋(場所・領域)についてのシステム』といった意味合いを容易に想起させる『お客様相談室システム』の文字を書してなるから、このような商標をその指定商品(指定役務)に使用しても、これに接する需要者等は、何人の業務に係る商品(役務)であるかを認識することができず、自他商品(役務)識別標識としての機能を有するものとは到底認識しないというのが相当である。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当し、前記に照応する商品(役務)以外の商品(役務)に使用するときには、商品(役務)の品質(質)について誤認を生じさせるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 請求人の主張
本願商標から何らかの意味合いが生ずるとすれば、「客からの相談のための仕組み(システム)に関わるもの」程度であって、その「相談」の対象の範疇は多岐に亘ることや、「仕組み(システム)」の概念は多様であること等を考えれば、単にその内容を暗示するに止まり、決して具体的意味や内容を直観させるものではない。「介護相談室」、「栄養相談室」、「献立相談室」又は「住まいの相談室」等の登録例に照らしても、本願商標は、商標法第3条第1項第6号及び同法第4条第1項第16号に該当せず、自他商品(役務)識別力を有するものとして登録されるべきである。
4 当審の判断
(1)本願商標は、「お客様相談室システム」の文字よりなるところ、その構成前半の「お客様相談室」は「顧客からの製品や役務に対する問い合わせやクレーム等に対応する窓口、部署」の如き意味合いを表す語であり、後半の「システム」は「体系、方式」等を意味する外来語として、日常親しまれているものである。
ところで、近年、消費者意識の高まりに伴い、企業における製品や役務に対する問い合わせやクレーム等の処理は重視されており、その対応に当たる窓口である「お客様相談室」の業務の効率化を図るために、過去の問い合わせ内容や回答履歴等のデータベース化、報告書作成業務の省力化、顧客情報・製品情報とのリンク、社内関連部署との連携等々、企業内で独立していたセクションをコンピーターネットワークで結び、これら全体をシステム化して、顧客への迅速・的確な対応と顧客からの情報の活用を計る動きが多くの企業においてみられるところである。
これらの事実は、例えば、以下の新聞記事及びインターネットのホームページ情報等によっても首肯し得るものであり、「お客様相談室」に関する記事に限ってみれば、新聞記事横断検索(G・Search)により、2648件もの記事が検索されるところである。
(a)2004.02.05 繊研新聞5面
日本能率協会コンサルティング(JMAC)は「サービス・販売現場情報活用に関する実態調査」の結果を発表した。それによると、「客の声」「客の買物行動」「従業員の声」などの現場情報を有効に活用している企業ほど営業利益率が高いことが分かった。・・・今、企業が様々な方法で収集に努力しているのは「客の声」であることも分かった。「コールセンター」や「社員による意見収集」「店舗のご意見箱」などが過半の企業で取り組まれている方法である。JMACによれば、一般に従来の「お客様相談室」などを拡充し、「コールセンター」を設置する企業が増えている・・・
(b)2003.09.10 日本食糧新聞
ネスレジャパングループは9月から、食品業界で先駆けとなる「在宅勤務社員によるお客様対応」を試験的に導入した。同社は七〇年代にお客様相談室を設置して以来、フリーダイヤル導入、ホームページからのeメールでの問い合わせコーナー開設、時間外の留守番電話対応など、消費者対応の改善を続けてきた。・・・今回導入する在宅オペレーターによる電話対応は、在宅オペレーターが一時受付となり、消費者からの電話を受ける。問い合わせの内容によって、より専門的な知識を持った本社社員に振り分け、答えるという万全なバックアップ体制を整えている。消費者からの質問・要望に、より効果的に、的確に答える機能的な運営が可能となった。
(c)2003.08.26 日刊工業新聞25頁
松井証券は顧客サポート体制を強化する。10月1日付で、顧客サポート部内にある、顧客の苦情等を受け付ける「お客様相談室」とウェブサイト上の取引画面や自社ホームページに、要望に応じて変更を加える「サポート企画部門」を統合、「お客様相談室」とする。同部門の増員をはかり、顧客満足度向上につなげる考え。同社では、要望があった日に取引画面に変更を加えるなど、ウェブサイトの使い勝手向上に、顧客の意見を反映させている。
(d)2003.08.11 Pharmaweek 1頁
調剤薬局チェーンが顧客満足(CS=カスタマー・サティスファクション)の向上に本腰を入れ始めた。専門部署の新設や接客接遇キャンペーンの実施、フロアマネジャーの設置など、各社ともこれまで以上に力を注いでいる。・・・クラフトは7月中旬、社内に「CS室」を設置した。お客様相談室と位置づけ、患者からの問い合わせやクレームなどにもキメ細かく対応する。同室の発足と同時に、CS室直通のフリーダイヤルを設けたほか、専用の電子メールも設定した。
(e)2003.07.10 毎日新聞/神奈川22頁
動画や音声のやり取りだけでなく、文字や会議資料などの共有も可能なインターネットテレビ会議システム「Live Cast FX」を横浜市西区のソフト開発会社「ジェイ・ウェブ」が開発した。会議以外にも「お客様相談室」や英会話教室、遠隔医療などへの活用を見込んでいる。
(f)富士通のホームページ(http://services-products.fujitsu.com/frontline/solution/2003/0328/kewpie/)
お客様相談室システム刷新のきっかけになったのは、フリーダイヤル化であった。・・・同時に、旧システムでの課題の解決もシステム刷新の目的となっていった。
(g)CSICo.,LTDのホームページ(http://www.csi.co.jp/solutions/helpdesk.shtml)
CSIのご提供するサービス/お客様相談室システム、コールセンターシステム、社内ヘルプデスクシステムなどの構築を行ないます。
(h)NECのホームページ(http://www.nec-nexs.com/news/event2004/0203.html)
NEC食品製造業向けソリューションセミナーにおける展示/お客様相談室システム
(i)NECのホームページ(http://www.sw.nec.co.jp/process/trend/trd4/)
ナレッジマネジメント/食品製造業への適用/・・・■情報カードシステム・・・担当役員は、顧客からの情報収集とその情報の活用の重要性を強調しています。こうした問題意識のもとで構築された営業担当者による市場情報収集システムが情報カードシステムであり、一方では消費者情報収集の窓口となるお客様相談室システムでした。
(j)Tech Matrix Corporationのホームページ(http://www.techmatrix.co.jp/crm/case_kokuyo.html)
コクヨ株式会社への導入事例/・・・問い合わせ内容に適したさまざまなチャネルでの迅速な対応が可能なお客様相談室システムを実現しました。
(2)上記の実情からすると、「お客様相談室システム」の文字は、請求人も述べているように、「お客からの相談のための仕組み(システム)」の如き意味合いを表すものとして、あるいは、「顧客からの問い合わせ・相談に対応する窓口であるお客様相談室の業務をコンピーターネットワークなども使いシステム化したもの」程度の意味合いを表すものとして、理解され、認識されるものというのが相当である。
そして、あらゆる商品及び役務の提供において、消費者からの問い合わせやクレーム等に対する迅速・的確な対応が求められており、このことは、本願商標の指定商品及び指定役務においても例外ではない。
ところで、商標法第3条第1項各号列挙のいわゆる自他商品又は役務の識別機能を有しない商標について商標登録できないこととするのは、「これらは通常、商品又は役務を流通過程又は取引過程に置く場合に必要な表示であるから何人も使用をする必要があり、かつ、何人もその使用を欲するものだから一私人に独占を認めることは妥当でないこと、また、多くの場合にすでに一般的に使用されているものであるから、これらのものに自他商品又は役務の識別力を認めることができないこと」(特許庁編「工業所有権法逐条解説」社団法人発明協会 平成4年9月25日改訂発行)と解される。
そうすると、上記意味合いを有する本願商標をその指定商品及び指定役務に使用しても、これに接する需要者は、商品や役務の提供者が「お客様からの相談のための仕組み(システム)」を備えて業務を行っていること、あるいは、「システム化されて充実したお客様相談室」のもとに業務を行っていることを表示したものと理解をするにとどまり、自他商品・自他役務を識別する標識たる商標を表示したものとは認識し得ないものというのが相当であり、一私人に独占を認めるには妥当でないものであるというべきである。
(3)結 論
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
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類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。