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Trademark Appeal Case

VINTAGEの品質表示性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2000−5360(T2000−5360/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

第1 本願商標

本願商標は、「VINTAGE」の文字を横書きしてなり、第15類「楽器,演奏補助品,音さ,調律機」を指定商品として、平成9年1月10日に登録出願されたものである。

第2 原査定の拒絶理由の要点

原査定は、「本願商標は、楽器を取り扱う業界においては、『古くて価値のあるもの』を意味するものとして、例えば『ビンテージギター』『ビンテージシンセサイザー』等のように一般に使用されている『VINTAGE』の文字を普通に用いられる方法で書してなるから、これを本願指定商品中、『古くて価値のある楽器』に使用するときは、単に商品の品質を表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

第3 当審の判断

1.本願商標は「VINTAGE」の文字よりなるところ、該文字は「〜型、〜年代、年代ものの、(質が)古くて値打ちのある」の意を有する英語であり、また、「VINTAGE」を片仮名で表した「ビンテージ」(「ヴィンテージ」と表す場合を含む。以下、同様。)の語は「最良期の、最高のできばえであるさま、古くて価値のあるさま」等の意を表す外来語として、それぞれ一般に親しまれているものである。

2.そこで、「VINTAGE」及び「ビンテージ」(又は「ヴィンテージ」)について調査したところ、以下の事実が発見された。

(1)「ビンテージ・ギター」の見出しで、「旧型中古品のギターのことであるが、その中でも品質や音が優れているものを指す。ビンテージ・ギターには材質や作りの優れたものがあり、また経年変化によって木材が乾き、ピックアップも適度に磁力が落ちるなどして、素晴らしいサウンドを生み出すものも多く、高額で取り引きされているものもある。...」の記載(「最新音楽用語事典」1998年11月5日株式会社リットーミュージック発行)。

(2)「ビンテージ[vintage]」の見出しで、「最高の出来ばえであるさま。古くて価値があるさま。」の記載(コンサイスカタカナ語辞典)。

(3)「vintage」の見出しで、「過ぎ去った時代に属する、年代ものの;(質が)古くて価値のある[由緒ある]」の記載(ランダムハウス英和辞典)。

(4)楽器専門店「ミュージカルヒロ」の見出しで、「取扱商品■ ヴィンテージ 若干お値段が張りますが、価格に見合うだけの価値ある品々です。 全て、当店でメンテナンスしております。...ヴィンテージ品の大きな特徴は、やはり『音』でしょう。一度この音を扱うと、もう普通の楽器には戻れないかもしれませんよ。...」の記載と取り扱い商品「サックス」の紹介(http://homepage2.nifty.com/musical-hiro/gakki_page/shouhin_vin01.html)。

(5)「ヴィンテージ・サクソフォン」の見出しで、「サクソフォンの中にも『名器』と呼ばれる楽器が存在します。 すぐれた設計とよく吟味された材料、熟練の職人によるていねいな作業、そして『偶然』(「神秘性」!)によって生み出された『名器』を画像とデータで紹介します。...」の記載(http://members.aol.com/SiMIYASAX/SiMIYASAX/VINTAGE.html )。

(6)「ビンテージ・中古 トロンボーン」の見出しで、「舶来管楽器 シアズ ビンテージ・中古 トロンボーン ...楽器ご購入後のアフターケア致します。...ビンテージ・中古 テナー・トロンボーン *売価10万円までの楽器(税別)Yamaha (ヤマハ) YSL645 *売価10万円〜20万円の楽器(税別) King (キング) 2B Liberty 2B Liberty 3B Silver Sonic *売価20万円以上の楽器(税別)Conn (コーン) 4H GP Deluxe Engraving ...」の記載(http://www.shires.co.jp/sub3-2.html)。

(7)BIGLOBEの検索サービス情報で「ヴィンテージ楽器」として、例えば、以下のサイトの表示 (http://dir.biglobe.ne.jp/dir/182181/182478/186627/188351/ )。

(a)Blue−G

マーチンやギブソンなどのヴィンテージギターを専門的に扱っているショップ。通信販売、サーチサービス、買取案内が読める(http://www.blue-g.com/)。

(b)Five G music technology

ヴィンテージ、改造品、新・中古品のシンセサイザーを専門的に扱っている。おすすめ商品、買い取り案内も掲載(http://home.att.ne.jp/yellow/fiveg/)。

(c) ルイジアナギターズ

千葉県にあるヴィンテージギター専門店。楽器探索、委託販売、買い取り、修理などのサービスも行っている(http://homepage1.nifty.com/guitars/)。

(d)エアーミュージック

ギターやベース、ウェアやアクセサリーなどアメリカのヴィンテージグッズを扱っている。ハンドメイドのオリジナルギターも紹介(http://www.airmusic.co.jp/)。

(e)WAIT

ヴィンテージを含むギター、ベース、アンプなどの取扱商品を紹介している大阪府門真市のショップ。買い取り情報も掲載(http://www.jin.ne.jp/wait/)。

(f)Historique Guitars

コンディションの良い使えるヴィンテージギターを専門としている東京都文京区の店。オールド、中古ギターの買取も行っている(http://www2s.biglobe.ne.jp/~guitar/)。

(g)Collectors

カマカやマーチンが揃っているウクレレの通販ヴィンテージショップ。商品リスト、新着ニュース、入荷速報が掲載されている(http://www.hello21.com/ukulele/)。

(h)H & J

神戸市垂水区にあるヴィンテージギター・ベースショップ。商品ラインナップ、アメリカでのギターに関する話題を公開(http://www.jin.ne.jp/handj/)。

3.上記事実からすると、本願の指定商品を取り扱う業界においては、例えば、ギターについては、「ビンテージギターは旧型中古品のギターのことであるが、その中でも品質や音が優れているものをさす。」(「最新音楽用語事典」1998年11月5日株式会社リットーミュージック発行)とあり、実際に「VINTAGE」あるいは「ビンテージ」と表したギターが取り引きされている実情がある。

また、ギター以外の楽器についても、サクソフォン、ウクレレなどの楽器が、中古の楽器であっても、音が良いなどの理由によって、単なる中古品と区別して「VINTAGE」あるいは「ビンテージ」と表して取引されている実情を窺い知ることができる。

4.さらに、「VINTAGE」あるいは「ビンテージ」の表示をもって取り引きされている楽器は、例えば、上記の「最新音楽用語事典」において、「ビンテージギターは旧型中古品のギターのことであるが、その中でも品質や音が優れているものをさす。ビンテージ・ギターには材質や作りの優れたものがあり、また経年変化によって木材が乾き、ピックアップも適度に磁力が落ちるなどして、素晴らしいサウンドを生み出すものも多く、高額で取り引きされているものもある。...」の記載、インターネットサイトの記事において、(1)「ビンテージ楽器の販売」という見出しで、「楽器は新品と中古に大別できますが、ビンテージとは現在ではもう使えない良い材料を使っていたり、設計が今とは異なり、もう手に入らないとかの理由で、単なる中古とは一線をかくするものです。」(http://www5.ocn.ne.jp/~itc/business1.htm)の記載、(2)「コスモ楽器アコースティック通信」の記事中、「...よく『ヴィンテージとは60年代まで』と言われますが、私個人としては、70年代のギターはヴィンテージと呼んでもいいと思っております。...」の記載(http://www.cosmogakki.com/magazine/031002.htm)、(3)「ヴィンテージ・ギターFAQ(よくある質問と回答)」の「ヴィンテージ・ギターの定義ってなんですか。」の回答として、「それが言われ始めた頃は、1950年代までのギターのことだったようです。次第に1960年代もありになって、1970年代もそう言われることがあるそうです。...」の記載(http://member.nifty.ne.jp/tokyoJoe/guitar/faq.html)などからすると、その年代や形式、音の質等などという個々具体的な品質や評価が特定されていない場合や、その対象に変動がある場合があるといえるとしても、少なくとも、古いものであって、かつ、音質が良い、素材がよい、設計が今とは異なり手に入らないなどの理由によって、価値のあるといえるものを単なる中古品と区別して「VINTAGE」あるいは「ビンテージ」と表して、取引されている実情があるといえる。

5.これらの実情よりすれば、本願商標を楽器に使用した場合、これに接する取引者、需要者は、当該商品が(単なる中古品とは区別された)古くて価値のあるものであることを理解するにとどまり、自他商品を識別する標識たる商標とは認識し得ないものとみるのが相当である。

してみれば、本願商標は、これをその指定商品中「古くて価値のある楽器」について使用しても、単に商品の品質を表示するにすぎず、自他商品を識別する標識として機能し得ないものであり、上記商品以外の商品に使用した場合は、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるものといわなければならない。

6.この点について、請求人は、「『VINTAGE』が『古くて価値のある楽器』の品質を具体的に表現するものとして使用されてはおらず、例えば、『楽器』の業界において、『ビンテージギター』『ビンテージシンセサイザー』のような使用例があるとしても、『VINTAGE』が『古くて価値のある楽器』の品質を具体的に表現するものとして使用されてはおらず、かつ又、そのような一般的使用事実もない。したがって、『VINTAGE』の語は、『楽器』の品質表示とは認められないから、本願商標は自他商品の識別力を有するものである。」旨主張している。

しかしながら、当該商標が商品の品質を表すものであるか否かの判断に当たっては、当該商標を構成する語の意味合い及び指定商品を取り扱う業界における該語の使用状況等の実情よりみて、その語を当該商品に表示した場合における、取引者、需要者の理解、認識の度合いをもって、その語が品質を表示するものであるか否かを判断すべきものであるところ、本願商標は、「VINTAGE(ビンテージ)」の語の有する意味合いに加え、本願商標の指定商品を取り扱う業界における取引の実情よりすると、上記認定のとおり、取引者、需要者は「古くて価値のある商品」という品質を表すものと認識するものと認められるので、請求人の上記主張は採用できない。

7.したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当であり、取り消すことができない。

よって、結論のとおり審決する。

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