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Trademark Appeal Case

立体商標の識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成10年審判第16574号
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、後掲のとおりの立体的形状からなる構成よりなり、第9類「家庭用テレビゲームおもちゃ」を指定商品として、平成9年4月1日に立体商標として登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶理由

原査定は、「本願商標は、『家庭用テレビゲームおもちゃ』を指定商品とするものであるが、その種商品は近年所謂コントローラを着脱できるものが多くあるところ、本願商標は、そのコントローラの差し込み口を側面に有するゲーム機本体と容易に認識し得るものであることから、これをその指定商品に使用したときは、その商品の形状を表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

(1)本願商標は、後掲のとおり、箱形の形状を有してなるところ、その指定商品との関係からすると、その平面に有する形状は、各種ボタン類及びテレビゲーム用CD−ROMを出し入れするための開閉ディスクカバー(上蓋)を、また、その正面に有する形状は、メモリーカード差し込み口、コントローラ端子を容易に理解させるものであって、全体として、本願の指定商品「家庭用テレビゲームおもちゃ」のゲーム機本体の一形態を表したものと認められるものであるから、これをその指定商品に使用しても、取引者、需要者は、単に商品の形状と認識するにすぎないものと判断するのが相当である。

(2)立体商標は、商品若しくは商品の包装又は役務の提供の用に供する物の形状も含むものであるところ、商品の形状は、本来それ自体の持つ機能を効果的に発揮させたり、あるいはその商品の形状の持つ美感を追求する等の目的で選択されるものであり、本来的(第一義的)には商品・役務の出所を表示し、自他商品・自他役務(以下、「自他商品等」という。)を識別する標識として採択されるものではない。

そして、たとえ、各種ボタン類、メモリーカード差し込み口及びコントローラ端子などの配置を含め、商品の形状に特徴的な変更、装飾等が施されていても、それは前記したように商品の機能又は美感をより発揮させるために施されたものであって、本来的には、自他商品等を識別するための標識として採択されるのではなく、全体としてみた場合、商品の機能、美感を発揮させるために必要な形状を有している場合には、これに接する取引者、需要者は、当該商品の形状を表示したものであると認識するにとどまり、このような商品の機能又は美感と関わる形状は、多少特異なものであっても、いまだ商品の形状を普通に用いられる方法で表示するものの域を出ないと解するのが相当である。

ところで、本願の指定商品「家庭用テレビゲームおもちゃ」においては、コントローラ及び附属品も含めて、ゲーム機の商品の形状の外観上の特徴が需要者の購買心理、選択意欲、消費行動等に重要な影響を与えるものといえるから、商品の形状において、特に、美感や装飾等のデザイン性が強く追求されるのに対し、商品の品質、機能等の面から特定の形状にしなければならない必要性は比較的薄いといえる。

そうすると、上記商品の形状は、市場の流行や需要者の使いやすさ、嗜好等に合わせ、美感や装飾等のデザイン性を強く意識した各種の特徴的な変更、装飾等が施される実情にあるものと認められ、その場合、立体的形状に施されたその種の変更、装飾等は、外観上同種の商品の形状と比較し、特徴的なものと認められるとしても、それらは専ら需要者が商品を選択するに際して、外観上の美感、若しくは魅力的な形状という嗜好上の意味合いを与えているにすぎず、それはいまだその商品の形状の範囲内のものと認識するにとどまるものである。

したがって、上記商品の形状における変更、装飾等は、自他商品の出所を表示する識別標識として機能しているものではなく、その立体商標の形状の全体を観察しても識別力を有するものとは認められない。

そして、本願商標は、前記認定のとおり、その形状がやや特徴的なものであっても、それは商品の、主として美感若しくは魅力的な形状をより発揮させるために施されたものというのが相当であり、商品の形状を普通に用いられる方法の範ちゅうで表示する標章のみからなる商標というべきであるから、その形状に特徴をもたせたことをもって自他商品の識別力を有するものとは認められないことは、前記のとおりである。

(3)したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するとした原査定の認定、判断は、妥当なものであって、取り消すべき理由はない。

(4)なお、請求人は、「この出願の立体商標は、その性質上称呼は生じないが、市場においては、『Playstation』の欧文字の商標と共に使用されており、この出願の立体商標を見れば誰でも『Playstation』『プレイステーション』の称呼を導き出すと共に、『Playstation』『プレイステーション』の称呼を聞けば商品の形状、即ち、この出願の立体商標を直観することができるものである。特に、需要者が比較的若年層であることにより商品の形状に関心が高く、しかも、この種商品は実質的に任天堂株式会社の『Nintendo』、株式会社セガエンタープライゼズの『Sega Saturn』と請求人の『Playstation』の3種類であり、特に請求人の一人勝ちの現状においては、その商品の形状、即ち、この立体商標は出所表示機能を持つ著名な商標でもある。以上の通り、この出願の立体商標は指定商品につき請求人が使用した結果、少なくとも現時点では商標法第3条第2項の規定に該当するものである。」旨主張し、証拠方法として資料1ないし21を提出しているが、これら各資料によっては、本願商標のみが独立して自他商品の識別標識としての機能を有するに至ったという事実は、確認することができなかったものであるから、いまだ、自他商品の識別標識としての機能、すなわち特別顕著性を獲得するに至っていないものであるというのが相当である。

したがって、本願商標が、その指定商品に使用され、請求人(出願人)の業務に係るものとして、取引者、需要者間に広く認識されるに至っているとは認められないものであるから、本願商標が商標法第3条第2項に該当するものであるとする請求人の主張は、これを採用することができない。

よって、結論のとおり審決する。

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