結論テキスト
審判費用は、請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2003−30320(T2003−30320/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第2277524号商標(以下「本件商標」という。)は、「エスプロ」の片仮名文字を横書きしてなり、第31類「調味料、香辛料、食用油脂、乳製品」を指定商品として、昭和63年8月25日登録出願、平成2年10月31日に設定登録され、その後、平成12年11月14日に商標権存続期間の更新登録がされているものである。また、その指定商品及び商品の区分については、平成14年8月7日に、第29類「乳製品,食用油脂」、第1類「人工甘味料」及び第30類「調味料,香辛料,アイスクリームのもと,シャーベットのもと」とする書換の登録がなされているものである。
請求人は、「本件商標の指定商品中第29類『乳製品』及び第30類『アイスクリームのもと,シャーベットのもと』についてその登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする。」との審決を求めると申し立て、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のとおり述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第3号証を提出した。
本件商標は、その指定商品中の第29類「乳製品」及び第30類「アイスクリームのもと,シャーベットのもと」について、継続して過去3年以上日本国内において使用された事実がないから、商標法50条1項の規定によりその登録は取り消されるべきである。
(1)被請求人は、乙第1号証及び乙第2号証から、使用に係る商品は、食品用原料の「乳清たん白」であり、該商品は、第29類「乳製品」及び第30類「アイスクリームのもと」に該当すると主張する。
しかしながら、「類似商品・役務審査基準」(特許庁商標課編)によれば、上記「乳清たん白」は、第29類「食用たんぱく」(類似群コード:33A02)に相当し、第29類「乳製品」(類似群コード:31D01)とは非類似の商品である(甲第1号証)。
(2)被請求人は、第29類「乳製品」の解説として、「商品及び役務の区分解説[国際分類第8版対応]」(特許庁商標課編)を引用し、「この概念には、牛乳等の動物の乳及びこれらを加工したものが含まれる。」と述べ、「乳清たん白」が第29類「乳製品」に該当するとしている。
しかし、甲第1号証から、「動物の乳を加工したもの」とは、「チーズ、バター」等の加工食品のことであり、「乳清たん白」を指すものではないことがわかる。
このことは、特許庁電子図書館の「商品・役務名リスト」画面において、商品・役務名に「食用たんぱく」を入力して検索した結果、「乳清たん白」と同一の商品と考えられる「乳清を使用してなる食用たんぱく」の類似群コードが「33A02」であること、また、類似の商品と考えられる「乳清とミルクミネラルを添加した食用たんぱく」の類似群コードが「33A02」であることが、リストに表示されていることからも明らかである(甲第2号証)。
(3)前述の「類似商品・役務審査基準」によれば、第30類「アイスクリームのもと」は「乳製品」と同じ類似群コード(31D01)に属している(甲第3号証)。
(4)以上より、乙第1号証ないし乙第3号証によっては、被請求人は、商標権者が本件商標を請求に係る指定商品「乳製品,アイスクリームのもと」について、本件審判の請求の登録日前3年以内に使用していることを証明していない。
したがって、本件商標の指定商品中「乳製品,アイスクリームのもと,シャーベットのもと」についての登録は、取り消されるべきである。
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第3号証を提出した。
(1)乙第1号証(被請求人の商品パンフレット)により、使用に係る商品は、「栄養価のバランスのよい乳清を原料としてそのたん白を未変性のまま濃縮し、粉末化した乳清たん白濃縮物(Whey Protein Concentrate:WPC)」(以下「使用商品」という。)であること及び本件商標が使用されていることが確認することができる。使用商品は、乳製品(アイスクリーム、ヨーグルト、コーヒーホワイトナー)や乳飲料類(飲むヨーグルト、ミルクセーキ、ミルクコーヒー)の原材料である。
一方、「商品及び役務の区分解説〔国際分類第8版対応〕」(特許庁商標課編、(社)発明協会発行)によれば、第29類「乳製品」について、「この概念には、牛乳等の動物の乳及びこれらを加工したものが含まれる。」とある。
また、乳及び乳製品の成分規格等に関する省令(昭和26年12月27日、厚生省令第52号)第2条第11項には、「この省令において『乳製品』とは、クリーム、バター、バターオイル、チーズ、濃縮ホエイ、アイスクリーム類、濃縮乳、脱脂濃縮乳、無糖れん乳、無糖脱脂れん乳、加糖れん乳、加糖脱脂れん乳、全粉乳、脱脂粉乳、クリームパウダー、ホエイパウダー、たんぱく質濃縮ホエイパウダー、バターミルクパウダー、加糖粉乳、調整粉乳、はっ酵乳、乳酸菌飲料(無脂乳固形分3.0%以上を含むものに限る。)及び乳飲料をいう。」と定義されている。
すなわち、本件使用商品は、まさしく乳を加工することにより得られる乳清たん白濃縮物であり、たんぱく質濃縮ホエイパウダーに該当するものである。
したがって、使用商品が第29類の「乳製品」に該当するものであることは明らかである。
(2)「アイスクリームのもと」についての解説は、上記「商品及び役務の区分解説」には記載されていないが、使用商品は、その用途として、アイスクリームが明記されていることから、使用商品は、アイスクリームの原材料として使用されるものであり、第30類「アイスクリームのもと」に該当するものである。
(3)使用商品には、ラベル部分に本件商標が使用されている(商品写真、乙第2号証)。
被請求人は、2003年1月27日に株式会社フューチャー・セーフウエイへ販売促進のためのサンプルを発送した(乙第3号証)。これにより、本件商標は、販促媒体として当該審判請求登録日より前3年以内に広告の一態様として使用されたことが明らかである。
そこで、使用商品が請求に係る指定商品中に含まれるものであるか否かについて、以下検討する。
(1)乙第1号証(被請求人の商品案内(リーフレット))によれば、使用商品は、乳清を原料としてそのたん白を未変性のまま濃縮し、粉末化した乳清たん白濃縮物(Whey Protein Concentrate:WPC)であり、その用途は、乳製品(アイスクリーム、ヨーグルト、コーヒーホワイトナー)、乳飲料類(飲むヨーグルト、ミルクセーキ、ミルクコーヒー)等であることが認められる。
また、「乳清(ホエイ)」は、「牛乳または脱脂乳に酸などを加えたときに生じる凝固物を除いた残りの液。乳糖,可溶性蛋白質,無機質などを含む。」(「コンサイスカタカナ語辞典 第2版」株式会社三省堂発行)ものである。
(2)「乳及び乳製品の成分規格等に関する省令」(昭和26年12月27日、厚生省令第52号(平成15年厚生労働省令109号により一部改正))によれば、この法律において「乳製品」とは、「クリーム、バター、バターオイル、チーズ、濃縮ホエイ、アイスクリーム類、濃縮乳、脱脂濃縮乳、無糖れん乳、無糖脱脂れん乳、加糖れん乳、加糖脱脂れん乳、全粉乳、脱脂粉乳、クリームパウダー、ホエイパウダー、たんぱく質濃縮ホエイパウダー、バターミルクパウダー、加糖粉乳、調整粉乳、はっ酵乳、乳酸菌飲料(無脂乳固形分3.0%以上を含むものに限る。)及び乳飲料」(第2条第12項)をいうことが認められ、また、同様に、「たんぱく質濃縮ホエイパウダー」とは、「乳を乳酸菌ではつ酵させ、又は乳に酵素若しくは酸を加えてできた乳清の乳糖を除去したものからほとんどすべての水分を除去し、粉末状にしたもの」(同第34項)をいうことが認められる。
(3)現行の商標法における商品区分第29類の「乳製品」は、牛乳等の動物の乳及びこれらを加工したものがこの概念に含まれ(「商品及び役務の区分解説」〔国際分類第8版対応〕)、その例示商品として、「牛乳、クリーム、チーズ、乳酸飲料、乳酸菌飲料、バター、発酵乳、粉乳(幼児用のものを除く。)、やぎ乳、羊乳、練乳」が掲げられている。
一方、類似群コード「33A02」とする「食用たんぱく」は、昭和34年商標法上において、施行令別表第33類(平成3年政令299号による改正前、以下「旧第33類」という。)に属する商品であったところ、旧第33類は、主として果菜類以外の農産食品及び生きている動植物をまとめた類であり、「食用たんぱく(素材蛋白)」は、「穀物、豆、粉類」の概念に属する商品と認められる。
(4)以上(1)ないし(3)を総合して使用商品についてみると、使用商品は、乳糖、可溶性蛋白質、無機質などを含む乳清を原料として、そのたん白を未変性のまま濃縮し、粉末化した乳清たん白濃縮物であるから、「乳及び乳製品の成分規格等に関する省令」第2条で規定する「乳製品」中の「たんぱく質濃縮ホエイパウダー」と実質的に同一の商品と認められる。そして、牛乳を加工したものである使用商品は、商標法上においても、商品区分第29類の「乳製品」の範疇に属する商品とみるのが合理的であるというべきである。
そうすると、被請求人は、少なくとも請求に係る指定商品中の第29類「乳製品」に属する使用商品について使用していたというべきである。
(5)請求人は、使用商品に関し、「動物の乳を加工したもの」とは、「チーズ、バター」等の加工食品のことであり、「乳清たん白」を指すものではなく、また、「乳清たん白」と同一の商品と考えられる「乳清を使用してなる食用たんぱく」、「乳清とミルクミネラルを添加した食用たんぱく」について類似群コード「33A02」が付されていることからも、使用商品は、第29類「乳製品」の範疇に属しないものである旨主張する。
しかし、前記(4)のとおり、使用商品は、牛乳等を加工した乳清より得られるものである。また、「食用たんぱく」は、前記認定のとおり、「穀物、豆、粉類」の概念に属する商品であるところからすれば、請求人の指摘する類似群コード「33A02」が付された商品は、「乳清から得られるたんぱく」であるとみることはできない。
したがって、請求人の上記主張は採用することができない。
したがって、本件商標の指定商品中の第29類「乳製品」及び第30類「アイスクリームのもと,シャーベットのもと」についての登録は、商標法第50条の規定により、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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