結論テキスト
審判費用は、請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2002−30698(T2002−30698/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第4215306号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲に示すとおりの構成よりなり、平成8年10月17日に登録出願、第12類「二輪自動車・自転車並びにそれらの部品及び附属品」を指定商品として、平成10年11月27日に設定登録されたものである。
請求人は、本件商標の登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由及び被請求人の答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証を提出した。
(1)請求の理由
本件商標は、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれによってもその指定商品中「二輪自動車・自転車並びにそれらの部品及び附属品」(以下「本件指定商品」という。)については一度も使用された事実が存在しないことから、本件指定商品について本件商標の登録は、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきである。
(2)弁駁の内容
(ア)乙第1号証は、商品カタログであるが、当該カタログがいつ発行されたのか、また現在も使われているのかが全く立証されていない。したがって、乙第1号証は、本件審判の予告登録前3年以内に使用していたことの証拠とはなり得ないと考えられる。
また、被請求人は、審判事件答弁書において、株式会社デイトナが本件商標の通常使用権者であること、株式会社デイトナは本件商標登録権利者から本件商品を輸入していると主張しているが、乙第1号証のみならず、いずれの証拠からもこのような事実を把握することはできない。
(イ)乙第2号証は、株式会社デイトナの発行した納品書であり、その発行日は2002年10月30日である。仮に、当該納品書の対象商品が乙第1号証に掲載されている商品のうちの「GOLD SR」であるとしても、納品書の日付が2002年10月30日であり、審判の予告登録日である「2002年(平成14)年7月4日」(甲第1号証)の後である。そうとすると、予告登録前3年以内に使用していることの証明とはなっていない。
(ウ)乙第3号証、乙第4号証は、異なる者による証明であるのにもかかわらず、文面、レイアウトが略同じである。通常このようなことはあり得ず、前記証明者は予め用意された定型的なフォームに署名・捺印をしたものと考えるのが自然である。この証明書をよくみると、注文日や納入日等の日付が示されているが、当該日付中の西暦の部分は既にタイプされている。これは、各証明者が、予告登録の日前よりも3年以上前の日付や予告登録日以後の日付を書かないようにするためにフォームの作成者が先にタイプしたとも考えられる。そうとすると、これらの証拠のみでは、予告登録日前3年以内に本件商標が使用されていたことの証明としては不十分である。
(エ)乙第5号証は、使用証拠とはなり得ないものである。乙第6号証及び乙第7号証は、二輪自動車に関する陸運局における車検済証である。これらの車検証を詳細に見てみると、車両重量が150Kg、車両総重量が260Kgであることが確認できる。しかし、乙第1号証によれば、本件商標が使用されている二輪自動車の車両重量は150Kgであるが、車両総重量が215Kgと示されており、乙第6号証及び7号証のものと異なる。また、長さ、幅、高さを見ても、乙第1号証に示されているものと乙第6号証及び乙第7号証に示されているものとは若干異なる。これらの事実からすれば、たとえ、乙第6号証及び乙第第7号証の検査証がともに被請求人に製造・販売等している二輪自動車のものであるとしても、乙第1号証に示されている二輪自動車の検査証ではないと考えるべきである。したがって、乙第6号証及び乙第7号証は、本件商標を使用していることの証拠とはなり得ない。また、乙第6号証及び乙第7号証は予告登録日前3年以内に乙第1号証や乙第1号証に掲載されている二輪自動車が存在していたことの証拠とはなり得ないものである。
(オ)乙第2号証には「BSA ゴールドSR」とあるが、このうちの「ゴールド」は色をSRは型式を表しているに過ぎないとみることもでき、しかもこの納品書は欧文字もタイプできるはずにもかかわらず、何故か、「ゴールド」の部分のみが片仮名文字で表されている。そうとすれば、乙第2号証は、乙第1号証の「GOLD SR」に関する納品書であるかどうか不明であるとみるべきではないだろうか。
(カ)乙第2号証には、株式会社デイトナがチャックボックスからの注文を受注した日が2001年10月30日であると示されているのに対し、乙第3号証によれば、チャックボックスが株式会社デイトナに注文した日は2001年10月15日であると示されている。2、3日の相違であれば、別として、16日も注文日が異なるということは、乙第2号証に示されている注文と乙第3号証に示されている注文とは異なるものと考えざるを得ない。したがって、乙第3号証の証明事項は、乙第2号証から真実かどうかを判断することはできない。
(キ)乙第6号証及び乙第7号証の検査証は、乙第1号証に示されている二輪自動車の検査証ではないことは明らかである。被請求人は、明らかに真実とは異なること主張している。
(ク)以上を総合すると、乙第1号証ないし乙第7号証のみでは、被請求人の通常使用権者が予告登録日前3年以内に指定商品「二輪自動車」について本件商標を使用しているとは認められず、したがって、本件商標登録は取り消されるべきである。
被請求人は、結論同旨の審決を求める、と答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第7号証を提出した。
(1)本件商標は、「二輪自動車」について、過去3年以内に日本国内において使用されている。
(ア)乙第1号証は、本件商標登録の通常使用権者である株式会社デイトナ(住所:静岡県周智郡森町一之宮4805。平成13年1月 静岡県磐田市岩井1836より移転)が現在も使用している商品カタログである。株式会社デイトナは、本件商標登録権利者であるビーエスエー カンパニー リミテッドから、その二輪自動車の輸入、販売を行なっている日本における代理店であり、本件商標登録の日本における通常使用権者である。
カタログの裏面には、「GOLD SR」、「CLUBMAN SR」、「G40SR」の3機種の二輪自動車の写真が並び、「GOLD SR」、「CLUBMAN SR」、「G40SR」のそれぞれの文字の前に、赤く彩色された本件商標が使用されているのが確認できる。
そして、3種の二輪自動車のクランク・ケースには本件商標がレリーフされており、さらに、「GOLD SR」の場合、燃料タンクにも本件商標が使用されているのが確認される。
カタログの表面は、「British Vintage」の文字と、イギリス国旗(コニオン・ジャック)と白馬と二輪自動車が描かれているが、ユニオン・ジャックの中心には赤で彩色された本件商標が描かれており、二輪自動車は燃料タンクとクランク・ケースに本件商標が付された「GOLD SR」である。
(イ)乙第2号証は、株式会社デイトナの発行した納品書である。発行は最近(2002年10月31日)であるが、その受注日欄を見ると、2001年10月30日に受注したものであるのが確認できる。商品は、「GOLD SR」(燃料タンクとクランク・ケースに本件商標が付されている)であり、注文主は「チャック ボックス」とされている。
(ウ)乙第3号証は、「チャック ボックス」店主藤居博之氏の証明書である。「チャック ボックス」は、滋賀県大津町26−4にありマニア向けに二輪自動車及びパーツを販売しているが、乙第3号証によれば、「チャック ボックス」は、2001年9月15日、株式会社デイトナより、乙第1号証と同一のカタログの送付・供給を受け、そして、2001年10月15日、「GOLD SR」を発注し、2002年11月2日、同商品を受領したものであることが確認できる。
(エ)乙第4号証は、有限会社オレンジブルバード社長藤井孝雄氏の証明書、乙第5号証は、同社の2001年12月11日の業務日報である。
乙第6号証及び乙第7号証は、有限会社オレンジブルバードが、販売した二輪自動車につき代行して行なった陸運局における車検済証である。
有限会社オレンジブルバードも、「チャックボックス」と同じく、マニア向けに二輪自動車及びパーツを販売しているものであるが、乙第4号証ないし乙第7号証によれば、有限会社オレンジブルバードは、株式会社デイトナより、乙第1号証と同一のカタログの送付・供給を受け、これにより、2001年12月11日「GOLD SR」を2台仕入れ、そして、これを販売し、さらに、その車検手続も代行したものであることが確認できる。
(2)以上のとおり、本件商標は、通常使用権者株式会社デイトナにより、過去3年以内に日本国内において使用されたのは明らかである。
(1)請求人は、本件審判請求の趣旨及び請求の理由中において、取消請求に係る指定商品「二輪自動車・自転車並びにそれらの部品及び附属品」が本件商標の指定商品の一部であるかのように記載しているものであるが、本件商標の指定商品は、上記1のとおり「二輪自動車・自転車並びにそれらの部品及び附属品」であるから、全ての指定商品について取消請求がなされているものである。
(2)乙第1号証ないし乙第7号証及び被請求人の答弁理由によれば、以下の事実が認められる。
(ア)株式会社デイトナ(住所:静岡県周智郡森町一宮4805。静岡県磐田市岩井1836より移転)は、乙第1号証として提出の商品カタログ(以下「本件使用カタログ」という。)を作成し、これに掲載されている二輪自動車(オートバイ)を販売するために得意先に頒布した事実。
(イ)本件使用カタログには、「BSA GOLD SR」、「BSA CLUBMAN SR」、「BSA G40 SR」及び「BSA SR-TT」の4種類の二輪自動車(オートバイ)が掲載されており、「BSA SR-TT」については、開発中である旨の記載がある。また、掲載の「BSA GOLD SR」、「BSA CLUBMAN SR」及び「BSA G40 SR」の3種類については、その種類を示す前記文字中「BSA」の文字部分を本件商標と同一の態様で赤色に表しており、そのクランクケースにはいずれも本件商標がレリーフされており、「BSA GOLD SR」については、その燃料タンクにも本件商標を主要部とする商標が表示されている。
(ウ)株式会社デイトナが、本件使用カタログに記載されている「BSA GOLD SR」という種類の二輪自動車(オートバイ)(以下「本件使用オートバイ」という。)を、本件審判の請求の登録(平成14年7月10日予告登録、請求人は平成14年7月4日予告登録と主張しているが誤りである。)前3年以内に日本国内において販売した事実。
(3)ところで、請求人は、本件使用カタログの発行された時期が不明である旨主張するが、本件使用カタログ中に「BSA SR500 99年発売開始」の記載があることから、これと乙第3号証、乙第4号証、乙第6号証、乙第7号証を総合すれば、本件使用カタログは、平成11年(1999年)前後に発行、頒布され、少なくとも平成14年初頭まで使用されたものと推定できる。
また、請求人は、本件使用カタログに記載されている二輪自動車の車両総重量が215Kgであるのに対して、乙第6号証及び乙第7号証として提出の車検済証(東京陸運支局長名の「登録事項等通知書」)に記載されている車両総重量は260Kgであり、車両の長さ、幅、高さについても若干異なる事実を指摘し、これを根拠に乙第6号証及び乙第7号証は、本件商標を使用している証拠とはなり得ない旨主張する。しかしながら、乙第1号証、乙第6号証及び乙第7号証に記載されている車両重量については、いずれも150Kgで一致しており、本件使用カタログに記載されている車両総重量は、体重65Kgの乗員1名が乗車した場合を想定したものであり、これに対し、乙第6号証及び乙第7号証の車検済証に記載されている車両総重量は体重55Kgの乗員2名が乗車した場合を想定したものと考えられる。そして、車両の長さ、幅、高さの若干の相違についても、本件使用カタログに記載されている二輪自動車(オートバイ)は、現在は製造されていない名車の評価があるオートバイを復元に近い形で製作するものであって、注文を受けて英国の工場で組み立てられ、手作業により製作する部分も少なくないことから生ずる誤差と考えられる。したがって、この点の請求人の前記主張は理由のないものであり、採用できない。
さらに、請求人は、乙第2号証(株式会社デイトナの発行した納品書)に記載されている発行日2002年(平成14年)10月31日は、本件審判の請求の登録(平成14年7月10日予告登録)より後であるので、予告登録前3年以内に使用していることの証明とはなっていない旨主張する。しかし、乙第2号証には、納品された商品の受注日が2001年(平成13年)10月31日であることを示す記載があり、その限りでは証拠資料となるものである。なお、請求人は、乙第2号証に記載されている発行日を「2002年10月30日」と記載している個所がある。また、請求人は、乙第2号証に示されている注文と乙第3号証(証明書)に示されている注文とは異なる旨主張しており、この点の主張は採用できるが、乙第3号証は、乙第2号証と関係なく証拠資料となるものである。
(4)そしてまた、請求人は、株式会社デイトナが本件商標登録の通常使用権者であること、及び、本件商標登録権利者から本件商品を輸入している事実を乙第1号証ないし乙第6号証のいずれからも把握することはできない旨主張する。
しかしながら、乙第1号証ないし乙第6号証と被請求人の答弁理由を総合すれば、株式会社デイトナが本件商標登録権利者(商標権者)から本件使用商品を輸入して、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において販売した事実が認められるものであり、この事実によれば、本件商標の商標権者は株式会社デイトナを介して自ら本件商標を使用したものということができる。
(5)以上のとおりであり、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において商標権者が本件商標をその指定商品に含まれる商品「二輪自動車(オートバイ)」について使用した事実が認められる。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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