Trademark Appeal Case
特定商品と包括商品の類似性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2002−21659(T2002−21659/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「ATLAS」の欧文字を標準文字で書してなり、願書記載の商品を指定商品として、平成13年5月7日に登録出願、その後、指定商品については、原審における同14年7月8日付けの手続補正書をもって、第1類「石油精製工業用液体クラッキング触媒剤,石油精製工業用液体クラッキング触媒添加剤」に補正されたものである。
2 原査定の引用商標
原査定が拒絶の理由に引用した登録第4357663号商標(以下「引用商標」という。)は、「ATLAS」の欧文字を標準文字で書してなり、平成9年5月22日に登録出願、第1類「たんぱく質及び酵素,湿潤剤,柔軟剤(洗濯用のものを除く),織布助剤,浸透剤,脱脂剤(家庭用のものを除く),乳化剤,分散剤,その他の界面活性剤,化学剤,その他の化学品,非鉄金属」を指定商品として、同12年1月28日に設定登録されたものである。
3 請求人の主張
(1)出願人の商品は、液体クラッキング触媒の市場向けのものであり、相手の実際の商品とは全く別物で、完全に関連のない流通経路で動いている。本願の指定商品は高度に専門性を有する商品であり、それ故に主たる顧客はほんの30そこそこである。明らかに、相手方は共通する流通経路を全く持たず、従って市場の分野も混同の恐れありと分析する分野がどんな分野にしろ関連して重なり合うところは全くない。出願人は液体クラッキング触媒(FCC)の事業における世界的なリーダーであり、その著名性が出願人がそのFCC商品の明らかな出所である事実を強めるのに大いに役立つものであると思料する。相手方の商品が単に「化学品」を含むあるいは第1類であるからといって出願人の商品と密接に関連していると見るべきではなく、指定商品そのものの特定された性質やそのような商品の通常の流通経路は生来どんなものであるかによって導かれるべきであると考える。このような特殊な事業内の同一の個人が同時に相手方の商品の潜在的購入者であることはありえないと思料する。
(2)上述したように、出願人の商品は液体クラッカー及び液体クラッキングプロセスにおける購入者層(科学、技術関係に従事する人)向けの商品である。引例の商品は実際には全く異なった別の購入者及び用途に提供されるものであり、購入者、使用者、用途におけるこうした相違は引用商標と本願商標とを需要者又は取引者において出所の混同を生じさせる恐れのないものであると思料する。
(3)従って、本願商標に係る指定商品は引用商標(登録第4357663号)に係る指定商品と同一又は類似の商品について使用するものではないので、商標法第4条第1項第11号に該当するものではない。
4 当審の判断
本願商標と引用商標との類否について判断するに、本願商標及び引用商標は、いずれも「ATLAS」の欧文字(標準文字による商標)を書してなるところ、「ATLAS」の語は、「【ギリシア神話】アトラス(天を肩に担う巨人)」等の意味を有する比較的親しまれた英語である(EXCEED英和辞典:三省堂)から、当該文字に相応して「アトラス」の称呼及び「【ギリシア神話】アトラス(天を肩に担う巨人)」の観念を生ずるものである。
そうとすれば、本願商標と引用商標とは、「ATLAS」の文字と書体が同一であり、「アトラス」の称呼及び「【ギリシア神話】アトラス(天を肩に担う巨人)」の観念を同一にするものであるから、外観、称呼及び観念の全てにおいて同一の商標である。
そして、本願商標の指定商品「石油精製工業用液体クラッキング触媒剤,石油精製工業用液体クラッキング触媒添加剤」は、引用商標の指定商品「化学品」の範ちゅうに属する商品であるから、両商標は、指定商品において抵触することが明らかである。
けだし、指定商品は商標権の権利範囲を定めるものであって、具体的に商品を明示するか否かにかかわらず、その範囲は、一定の商品概念である各指定商品の表示により確定するからである。
そして、本件の場合にあっては、上記のとおり、本願商標と引用商標の指定商品とは、同一又は類似する商品について使用するものであり、かつ、商標において同一であるから、同一又は類似する商標である。
したがって、本願商標を商標法第4条第1項第11号に該当するとした原査定は、妥当であって、取り消すべきでない。
よって、結論のとおり審決する。
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