Trademark Appeal Case
著名略称と商標の混同
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 平成11年異議第90787号 |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4240581号商標(以下「本件商標」という。)は、「Donna Valentino」の文字を横書きしてなり、平成9年12月26日登録出願、第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」を指定商品として、平成11年2月12日に設定登録されたものである。
2 取消理由通知(要旨)
(1)本件登録異議申立人(以下「申立人」という。)の主張の趣旨及び提出に係る証拠によれば、次の事実が認められる。
「VALENTINO GARAVANI」(ヴァレンティノ ガラヴァニ)は1932年イタリア国ボグヘラで誕生、17才の時パリに行き、パリ洋裁学院でデザインの勉強を開始し、その後フランスの有名なデザイナー「ジーン・デシス、ギ・ラ・ロシュ」の助手として働き、1959年ローマで自分のファッションハウスを開設した。1967年にはデザイナーとして最も栄誉ある賞といわれる「ファッションオスカー(Fashion Oscar)」を受賞し、ライフ誌、ニューヨークタイムズ誌、ニューズウィーク誌など著名な新聞、雑誌に同氏の作品が掲載された。これ以来同氏は、イタリア・ファッションの第1人者としての地位を確立し、フランスのサンローランなどと並んで世界三大デザイナーと呼ばれ国際的なトップデザイナーとして知られている。
我が国においても、ヴァレンティノ ガラヴァニの名前は、1967年(昭和42年)のファッションオスカー受賞以来知られるようになり、その作品はファッション雑誌「世界の一流品大図鑑」、「男の一流品大図鑑」、「ヴァンサンカン」、「ミセス」等により継続的に日本国内にも紹介されている。
昭和49年には、三井物産株式会社の出資により同氏の日本及び極東地区総代理店として株式会社ヴァレンティノヴティックジャパンが設立され、ヴァレンティノ製品を輸入、販売するに至り、同氏の作品は我が国のファッション雑誌にも数多く掲載されるようになり、同氏は我が国においても著名なデザイナーとして一層注目されるに至っている。
以上のとおり、ヴァレンティノ・ガラヴァニは、世界のトップデザイナーとして本件商標が出願された平成9年12月当時には、既に我が国においても著名であったものと認められる。
ヴァレンティノ ガラヴァニの名前は「VALENTINO GARAVANI」「ヴァレンティノ・ガラヴァニ」とフルネームで表示され、このフルネームをもって紹介されることが多いが、同時に新聞、雑誌の記事や見出し中には、単に「VALENTINO」「ヴァレンティノ」と略称されてとりあげられており、ファッションに関して「VALENTINO」「ヴァレンティノ」といえば同氏を指すものと広く認識されるに至っているというべきである。
(2)当審において調査するに、「ヴァレンティノ ガラヴァニ」「VALENTINO GARAVANI」は、我が国においては、「ヴァレンチノ」、「ヴァレンティーノ」あるいは「VALENTINO」とも略されて表示されていることは、「服飾辞典」(同文書院1981年、550頁)、「英和商品辞典」((株)研究社1990年、447頁)、「世界人名辞典」(岩波書店1997年、84頁)において裏付けられるばかりでなく、雑誌における表現においても、たとえば、「marie claire」1996年2月1日号、「non−no」1989年 No.23号等からも認められる。
(3)以上(1)及び(2)の事実を総合すると、申立人は、「VALENTINO」又は「VALENTINO GARAVANI」よりなる商標を婦人服を始めとし、紳士服、ベルト、バッグ、靴、香水等の商品に使用しており、その結果、これら商標は、本件商標の登録出願時には、既に我が国において、取引者、需要者間に広く認識されていたものといえる。
(4)本件商標は、その構成中に「Valentino」の文字を有するものであり、その指定商品は、引用商標が使用されている被服等と密接な関係を有するものである。
(5)以上によれば、本件商標を、商標権者がその指定商品について使用した場合、取引者、需要者をして、その商品があたかも上記デザイナーあるいは、同人と何らかの関係にある者の業務に係る商品であるかの如く、商品の出所について混同を生じさせるおそれがある。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものである。
3 当審の判断
本件に関し、審判長は、商標権者に対し、平成13年9月12日付けで、前記2の取消理由を通知し、期間を指定して意見書を提出する機会を与えたが、商標権者からは何らの応答もなかった。
そして、前記2の取消理由は、妥当なものと認められるので、本件商標の登録は、商標法第43条の3第2項の規定により、取り消すべきものとする。
よって、結論のとおり決定する。
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