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Trademark Appeal Case

周知商標と混同のおそれ

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2003−90259(T2003−90259/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第4644520号商標の指定商品中第9類「録音済み磁気カード・磁気シート及び磁気テープ,録音済みのコンパクトディスク,EPレコード,LPレコード,その他のレコード,録画済みビデオディスク及びビデオテープ」についての商標登録を取り消す。
本件登録異議の申立てに係るその余の指定商品についての商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4644520号商標(以下「本件商標という。」)は、「スピード ラーニング」の片仮名文字と「SPEED LEARNING」の欧文字とを二段に併記してなり、平成14年1月23日登録出願、第9類に属する以下の商品を指定商品として、同15年2月14日に設定登録されたものである。

<指定商品>

第9類

「電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク・磁気テープその他の記録媒体,その他の電子応用機械器具及びその部品,理化学機械器具,測定機械器具,配電用又は制御用の機械器具,電池,電気磁気測定器,電線及びケーブル,写真機械器具,映画機械器具,光学機械器具,眼鏡,加工ガラス(建築用のものを除く。),救命用具,電気通信機械器具,録音済み磁気カード・磁気シート及び磁気テープ,録音済みのコンパクトディスク,EPレコード,LPレコード,その他のレコード,オゾン発生器,電解槽,ロケット,スロットマシン,回転変流機,調相機,運動技能訓練用シミュレーター,乗物運転技能訓練用シミュレーター,電気アイロン,電気式ヘアカーラー,電気ブザー,鉄道用信号機,乗物の故障の警告用の三角標識,発光式又は機械式の道路標識,火災報知機,ガス漏れ警報器,事故防護用手袋,消火器,消火栓,消火ホース用ノズル,消防車,スプリンクラー消火装置,消防艇,盗難警報器,保安用ヘルメット,防火被服,防じんマスク,防毒マスク,磁心,自動車用シガーライター,抵抗線,電極,溶接マスク,映写フイルム,スライドフイルム,スライドフイルム用マウント,録画済みビデオディスク及びビデオテープ,ガソリンステーション用装置,自動販売機,駐車場用硬貨作動式ゲート,金銭登録機,計算尺,硬貨の計数用又は選別用の機械,作業記録機,写真複写機,手動計算機,製図用又は図案用の機械器具,タイムスタンプ,タイムレコーダー,パンチカードシステム機械,票数計算機,ビリングマシン,郵便切手のはり付けチェック装置,ウエイトベルト,ウエットスーツ,浮袋,エアタンク,水泳用浮き板,潜水用機械器具,レギュレーター,アーク溶接機,犬笛,家庭用テレビゲームおもちゃ,金属溶断機,検卵器,電気溶接装置,電動式扉自動開閉装置,メトロノーム」

2 登録異議申立ての理由

登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、本件商標の登録は取り消されるべきであるとして、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第58号証(枝番を含む。)を提出している。

(1)本件商標は、申立人の商標として広く一般に知られている引用商標「スピード ラーニング/SPEED LEARNING」と称呼及び観念を共通にするから類似であって、本件商標に係る指定商品は、引用商標を付して販売している商品と抵触するものであるから、商標法第4条第1項第10号に該当する。

(2)本件商標は、申立人の商標として広く一般に知られている引用商標「スピード ラーニング/SPEED LEARNING」とその称呼及び観念を共通し、外観も、単なる字体の変更の範疇であり、本件商標がその指定商品に使用された場合、申立人の業務に係る商品と混同を生じるおそれがあるから、商標法第4条第1項第15号に該当する。

3 本件商標に対する取消理由

当審において、平成15年9月4日付けで商標権者に通知した取消理由は、要旨次のとおりである。

申立人の提出に係る甲第3号証ないし甲第58号証(枝番含む。)によれば、申立人は、1989年6月頃より「スピードラーニング」という商標を付した英語教材を販売し、その後、その英文字表記である「SPEED LEARNING」「Speed Learning」の文字よりなる商標を含めて使用し、販売を行ってきたものである。

そして、前記甲各号証によれば、「スピード ラーニング」及び「SPEED LEARNING」の文字(以下、併せて「引用商標」という。)を付した英語教材は、本件商標の出願前より取引者、需要者の間に広く認識されていたものと判断するのが相当である。

してみれば、取引者、需要者間に広く認識されている引用商標と同一の文字からなる本件商標をその指定商品中の「録音済み磁気カード・磁気シート及び磁気テープ,録音済みのコンパクトディスク,EPレコード,LPレコード,その他のレコード,録画済みビデオディスク及びビデオテープ」について使用するときは、これに接する取引者、需要者は引用商標を連想又は想起し、該商品が恰も申立人若しくは申立人と何らかの関係を有する者の製造・販売に係る商品であるかの如く、その商品の出所について混同を生ずるおそれがあるものとみるのが相当である。

したがって、本件商標は商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものといわざるを得ないから、本件商標の指定商品中上記商品については取り消されるべきである。

4 商標権者の意見

上記3の取消理由に対して、商標権者は、要旨次のように意見を述べている。

申立人が、「スピードラーニング」を宣伝広告していることを示す甲第19ないし甲第55号証には、活字が大きく目立つ記載として、「超高速英語学習法『スピードラーニング』」、「『英語は高速学習法が効果的!話題の高速学習法『スピードラーニング』で英語がグット身近になる !」、「『スピードラーニング』は素晴らしい学習法ですね!」、「『スピードラーニング』はSALTと呼ばれる加速学習法の理論を応用したすばらしい学習法です」、「『スピードラーニング』はブルガリアのロザノフ博士が開発した高速学習法が基礎となっている」と記載されている。尚、甲第3号証ないし甲第18号証は、英語教材に引用商標を付した状態を示す写真であり、引用商標の宣伝広告をしていることを示すものではない。

この記載からは、「スピードラーニング」というのは、高速英語学習法というメソッドを意味するものであり、商品や役務を表す商標ではないと大多数の人は理解する筈である。

したがって、この一事をもってしても、「スピードラーニング」が、英語教材について取引者、需要者の間に広く認識されていた商標でないこと明らかである。

甲第19号証ないし甲第55号証の小さな活字のところには、注意深く読むと「スピードラーニング入門セット」の記載がある。それから全ての証拠ではないが、証拠によっては、「英会話教材『スピードラーニング』」という記載もある。この「スピードラーニング入門セット」、「英会話教材『スピードラーニング』」の記載は、前記活字の大きい目立つ記載から「スピードラーニング」を実施する入門セット、「スピードラーニング」を実施する英会話教材を意味すると理解する筈である。単に「スピードラーニング」といった場合は、教材ではなく高速学習法を意味すると理解する筈である。

「スピードラーニング入門セット」には、テープが何巻か含まれており、このテープに「SPEED LEARNING」が付されていることが認められる証拠もあるが、これは前記新聞等の広告を読んだ者は「高速学習法」というメソッドの内容を表示していると理解する筈である。「スピード ラーニング」及び「SPEED LEARNING」は、造語ではなく、英語学習教材との関係において、「速いスピードで学習する」という意味を容易

に想起させるものであり、本来的に自他商品の識捌機能が強いというものではないと共に、「高速学習法『スピードラーニング』」などの説明が多くなされていることから、高速学習法というメソッドを英語で「スピードラーニング」と表示したと理解する筈である。

このように「スピード ラーニング」は、高速学習法というメソッドを意味する旨の説明が多くなされ、明確に商品若しくは役務の名前であるような宣伝広告をしていたわけでもないし、「スピードラーニング」自体自他商品の識別機能が強いというものでもないことを併せ考えれば、「スピード ラーニング」及び「SPEED LEARNING」の文字を付した英語教材が、本件商標の出願前より取引者、需要者の間に広く認識されていたということはないというべきである。このように「スピード ラーニング」及び「SPEED LEARNING」は、「高速英語学習法」というメソッドを表示するものであり、出所表示機能がないか弱いというべきものであるから、他人が「スピード ラーニング」及び「SPEED LEARNING」を使用しても、出所の混同を生ずるおそれはないものである。

請求人は、「スピードラーニング」の広告が主要な日刊新聞紙や週刊誌に多数回掲載されたと主張しているが、いかに多数回宣伝広告しても、これを読む者が英会話教材の名前として「スピードラーニング」を宣伝広告していると認識しない限り、商品英会話教材についての取引者、需要者の間に広く認識されていた商標とはならないこと明らかである。

更に、請求人が広告出稿量の多い企業にランキングされているということも、英会話教材について「スピードラーニング」が周知・著名化しているかどうかとは直接関係がない。

甲第19号証ないし甲第55号証の宣伝の仕方からして、これを読む者は「スピードラーニング」が高速英語学習法というメソッドを意味すると理解する筈である。この広告を熟読する特定の取引者・需要者は、「スピードラーニング入門セット」という教材の名前をも意味すると理解するかもしれないが、単に「スピードラーニング」といった場合は、どちらの意味で使用しているのか特定されるわけではない。

また現実に、「スピードラーニング」は、一般の人には殆ど知られていない筈である。このことからも明かなように、「スピードラーニング」自体現実に一般の我が国の英語学習教材等の取引者、需要者に広く認識されていることはない筈である。

以上、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものではない。

5 当審の判断

本件商標は、「スピード ラーニング」の片仮名文字と「SPEED LEARNING」の欧文字よりなるところ、上記4の取消理由は妥当なものであって、取引者、需要者間に広く認識されている申立人の引用商標と同一の文字からなる本件商標をその指定商品中「録音済み磁気カード・磁気シート及び磁気テープ,録音済みのコンパクトディスク,EPレコード,LPレコード,その他のレコード,録画済みビデオディスク及びビデオテープ」について使用するときは、該商品が恰も申立人若しくは申立人と何らかの関係を有する者の製造・販売に係る商品であるかの如く、その商品の出所について混同を生ずるおそれがあるものと認める。

そして、これに対する上記4の商標権者の意見は、以下の理由により採用することができない。

すなわち、申立人の提出に係る甲各号証よりすれば、「高速(英語)学習法」で使用するカッセトテープ、コンパクトディスク及び教材テキストである英語教材について、引用商標が使用されていることを認めることができる(甲第3号証ないし甲第18号証)。

また、引用商標は、特定の熟語的意味を有する成句からなるものではないから、自他商品の識別標識としての機能を果たし得るものということができる。

そして、引用商標は、各種新聞、各種雑誌において盛んに宣伝広告してきた結果(甲第19号証ないし甲第58号証)、英語教材について使用する商標として(例えば、甲第21号証・平成8年5月19日の日本経済新聞「スピードラーニングは素晴らしい教材だ!」の記載、甲第51号証・′94.1.23の週間読売「遂に日本人のための英会話教材『スピードラーニング』が開発されたのです。」の記載)、本件商標の出願前より取引者、需要者の間に広く認識されていたものと認められるものであるから、商標権者の主張は採用することができない。

したがって、本件商標は、その指定商品中「録音済み磁気カード・磁気シート及び磁気テープ,録音済みのコンパクトディスク,EPレコード,LPレコード,その他のレコード,録画済みビデオディスク及びビデオテープ」については、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものであるから、同法第43条の3第2項の規定に基づき、その登録を取り消すべきものである。

しかしながら、本件商標は、本件登録異議の申立てに係る上記商品以外の商品については、同法第43条の2各号のいずれにも該当しないものと認められるから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録は維持すべきものである。

よって、結論のとおり決定する。

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