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Trademark Appeal Case

著名商標と類似商標の混同

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2002−90721(T2002−90721/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第4585238号商標の指定商品中「電気通信機械器具,電子計算機用ゲームプログラムを記憶させた電子回路・磁気テープ・磁気ディスク・CDーROM,その他の電子応用機械器具及びその部品」についての商標登録を取り消す。
本件登録異議の申立てに係るその余の指定商品についての商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4585238号商標(以下「本件商標」という。)は、後掲(1)のとおりの構成よりなり、平成13年6月21日に登録出願され、第9類「電気通信機械器具,レコード,電子計算機用ゲームプログラムを記憶させた電子回路・磁気テープ・磁気ディスク・CDーROM,その他の電子応用機械器具及びその部品,業務用テレビゲーム機用プログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク・磁気テープ,業務用テレビゲーム機,業務用コイン投入式ゲーム機,業務用磁気カード式ゲーム機,その他の遊園地用機械器具,スロットマシン,乗物運転技能訓練用シミュレーター,運動技能訓練用シミュレーター,録画済みビデオディスク及びビデオテープ,録画済みCDーROM,自動販売機,家庭用テレビゲームおもちゃ用プログラムを記憶させた磁気カード・磁気ディスク・磁気テープ・CDーROM,その他の家庭用テレビゲームおもちゃ」を指定商品として、同14年7月12日に設定登録されたものである。

2 登録異議申立の理由

登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、本件商標は、申立人が商品「電子計算機」等に使用して世界的に著名な略称「Aecr」を含むものであり、またその承諾を得ているものでない。また、本件商標は、申立人の引用する下記の引用A商標ないし引用E商標(以下、これらを合わせて「引用各商標」という。)と類似し、かつ、類似する指定商品を含むものである。さらに、本件商標は、申立人が商品「電子計算機」等に使用して著名な引用各商標と類似するものであるから、本件商標をその指定商品について使用した場合、申立人の業務に係る商品であるかの如く、商品の出所について混同を生ずるおそれがある。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第8号、第11号及び第15号に違反してなされたものであるから、その登録は、取り消されるべきものである。

<引用商標>

(A)登録第2266945号商標(以下「引用A商標」という。)

「ACER」の文字を横書きしてなり、昭和62年5月28日に登録出願、第26類「印刷物(文房具類に属するものを除く)、書画、彫刻、写真、これらの附属品」を指定商品として、平成2年9月21日に設定登録されたものである。

(B)登録第2279225号商標(以下「引用B商標」という。)

後掲(2)のとおりの構成よりなり、昭和62年7月30日に登録出願され、第26類「印刷物(文房具類に属するものを除く)、書画、彫刻、写真、これらの附属品」を指定商品として、平成2年11月30日に設定登録されたものであり、現に有効に存続しているものである。また、指定商品については、平成13年12月5日に、第9類「映写フィルム,スライドフィルム,スライドフィルム用マウント,録画済みビデオディスク及びビデオテープ」、第16類「印刷物,書画,写真,写真立て」を含む及び第20類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品とする書換登録がなされたものである。

(C)登録第2696522号商標(以下「引用C商標」という。)

「ACER」の文字を横書きしてなり、昭和62年5月28日に登録出願され、第11類「電気機械器具、電気通信機械器具、電子応用機械器具(医療用機械器具に属するものを除く)電気材料」を指定商品として、平成6年9月30日に設定登録されたものである。

(D)登録第2708021号商標(以下「引用D商標」という。)

後掲(3)のとおりの構成よりなり、昭和62年7月30日に登録出願され、第11類「電気機械器具、電気通信機械器具、電子応用機械器具(医療用機械器具に属するものを除く)電気材料」を指定商品として、平成7年6月30日に設定登録されたものである。

(E)登録第4099085号商標(以下「引用E商標」という。)

後掲(4)のとおりの構成よりなり、平成6年10月6日に登録出願され、第9類「電子計算機(中央処理装置及び電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク・磁気テープその他の周辺機器を含む。),その他の電子応用機械器具及びその部品,理化学機械器具,測定機械器具,配電用又は制御用の機械器具,電池,電気磁気測定器,電線及びケーブル,写真機械器具,映画機械器具,光学機械器具,眼鏡,加工ガラス(建築用のものを除く。),救命用具,電気通信機械器具,オゾン発生器,電解槽,ロケット,遊園地用機械器具,回転変流機,調相機,電気アイロン,電気式ヘアカーラー,電気式ワックス磨き機,電気掃除機,電気ブザー,鉄道用信号機,乗物の故障の警告用の三角標識,発光式又は機械式の道路標識,火災報知器,事故防護用手袋,消火器,消火栓,消火ホース用ノズル,消防車,消防艇,盗難警報器,保安用ヘルメット,防火被服,防じんマスク,防毒マスク,磁心,自動車用シガーライター,抵抗線,電極,溶接マスク,映写フィルム,スライドフィルム,スライドフィルム用マウント,録画済みビデオディスク及びビデオテープ,ガソリンステーション用装置,自動販売機,駐車場用硬貨作動式ゲート,金銭登録機,計算尺,硬貨の計数用又は選別用の機械,作業記録機,写真複写機,手動計算機,製図用又は図案用の機械器具,タイムスタンプ,タイムレコーダー,電気計算機,パンチカードシステム機械,票数計算機,ビリングマシン,郵便切手のはり付けチェック装置,潜水用機械器具,アーク溶接機,犬笛,金属溶断機,検卵器,電気溶接装置,電動式扉自動開閉装置」を指定商品として、平成10年1月9日に設定登録されたものである。

3 当審における取消理由(要旨)

本件商標と引用D商標との類否について判断するに、本件商標は、後掲(1)のとおり、「ACER」の欧文字を大きく書し、該文字の上に一部を重ねるように、該文字の四分の一程度の大きさで「DANCING」の欧文字を配した構成からなるものであるところ、その構成上、「ACER」の欧文字は「DANCING」の欧文字に比べて、際だって大きく表されており、これを見る者に強い印象を与えるものであるから、両文字は、外観上分離して看取されるものである。また、「DANCING」の語は「踊る、ダンスをする」等を意味を表し、「ACER」の語は「カエデ(材)」の意味を表すものであるが、この両語を結合させることにより、特定の熟語的意味合いを理解、認識させるものでもなく、これらの文字を常に一体不可分のものとして把握しなければならない格別の理由があるものとも認められない。

そうとすれば、本件商標は、圧倒的顕著に書されている「ACER」の文字部分に注意を引かれ、該文字に相応して、単に「エイサー」の称呼をも生ずるものといわなければならない。

他方、引用D商標は、後掲(3)のとおりの構成よりなるところ、それ自体独立して自他商品の識別標識としての機能を果たし得るものといえる「AceR」の文字部分に相応して「エイサー」の称呼を生ずるものであり、申立人の提出に係る甲各号証によれば、申立人が「パソコン」に使用して広く知られている商標であることを認めることができる。

してみれば、本件商標と引用D商標とは「エイサー」の称呼を共通にするものであり、引用D商標の周知著名性をも勘案すれば、両商標は、互いに出所の混同のおそれのある類似の商標といわなければならない。

そして、本件商標の指定商品中「電気通信機械器具,電子計算機用ゲームプログラムを記憶させた電子回路・磁気テープ・磁気ディスク・CDーROM,その他の電子応用機械器具及びその部品」は、引用D商標の指定商品と同一又は類似するものである。

したがって、本件商標の指定商品中、上記商品についての登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものである。

4 当審の判断

平成15年6月10日付けで上記3の取消理由を通知し、期間を指定して意見書を提出する機会を与えたが、商標権者からは何らの応答もない。

したがって、本件商標の登録は、その指定商品中、結論掲記の商品については、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものといわざるを得ない。

次に、結論掲記の商品以外の商品について検討するに、申立人の提出に係る証拠を検討したが、「Acer」が申立人の名称又は著名な略称であるとは認められない。

また、引用D商標が本件商標の登録出願時には、申立人の業務に係る商品「パソコン」について使用して広く認識されていたとしても、「電気通信機械器具,電子計算機用ゲームプログラムを記憶させた電子回路・磁気テープ・磁気ディスク・CDーROM,その他の電子応用機械器具及びその部品」以外の商品について、本件商標を使用した場合、その商品が申立人又は申立人と関係がある者の業務に係るものであるかのように、その商品の出所について混同を生じさせるおそれがあるとまではいえない。

加えて、本件商標は、その構成において文字の大きさ等の差異を有するものの同じ書体をもって、まとまりよく書してなるものであって、結論掲記の商品以外の商品について、引用各商標が使用され知られているというような取引の実情も認められないから、該構成より、「ACER」の文字のみが独立して認識されるものとはいうことができない。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第8号及び第15号に該当するものではなく、また、結論掲記の商品以外の商品については、商標法第4条第1項第11号に該当しない。

以上のとおり、本件商標の指定商品中、結論掲記の商品については、商標法第4条第1項第11号に該当するものであるから、同法第43条の3第2項により、その登録を取り消すものとし、本件登録異議の申立てに係るその余の指定商品については、その登録を取り消すべき理由がないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものである。

よって、結論のとおり決定する。

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