結論テキスト
本件登録異議の申立てに係るその余の指定商品についての登録を維持する。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 異議2001−90640(T2001−90640/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第4477884号商標(以下「本件商標」という。)は、「MINTON」の欧文字、「ミントン」の片仮名文字を二段に書してなるものであり、平成12年3月31日に登録出願、第30類「菓子及びパン、コーヒー及びココア、茶、調味料、香辛料、穀物の加工品、即席菓子のもと」を指定商品とし、平成13年5月25日に設定登録され、その後、指定商品中「コーヒー及びココア、茶、調味料、香辛料、穀物の加工品、即席菓子のもと」については、平成14年8月27日に本権の登録の一部抹消の登録がされたものである。
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、本件商標は商標法第4条第1項第10号、同第15号及び第19号に該当するものであり、同法第43条の2第1項第1号により、その登録を取り消すべきものである旨主張し、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第14号証を提出している。
当審は、商標権者に対し、意見書を提出する期間を指定して、平成14年6月20日付けで商標登録の取消理由を通知した。その要旨は次の通りである。
申立人の提出に係る甲各号証によれば、次の点が認められる。
(1)陶磁器メーカー「MINTON」は、1793年トーマス・ミントンが創立し、1798年にはボーンチャイナの製造を開始し順調に発展を遂げた。特に金を何度も重ねて盛りつけて凹凸を出す「レイズド・ペイスト・ゴールド技法」等の装飾技法を駆使したものは、ビィクトリア女王に絶賛され、英国王室をはじめ、数々の王室、各国英国大使館で愛用されている。また、人気シリーズの「ハドンホール」をはじめとする花柄は、特に日本で高い人気を博している。
(2)高島屋お歳暮のtopics欄には、「MINTON」、「ミントン」の陶磁器と紅茶とを組み合わせた「ペアティーセット」が掲載されている。
(3)「ミントン」は、世界最大級の陶磁器メーカー、ロイヤルドルトングループの一員である旨の記載がある。
(4)ミントンのライセンスをうけた株式会社セルコンが、ティーカップやプレートをモチーフに図案化したファブリックシリーズとして、テーブルクロス、ランチョンマットを販売している。
これらの事情よりして、「MINTON」及び「ミントン」は、本件商標の登録出願時及び登録査定時には、申立人の業務に係る商品「ティーカップ、プレート等の陶磁器」を表す商標として、日本のみならず世界的に広く認識されていたものであると認められる。
そうとすると、本件商標は、申立人の上記周知、著名商標と同一又は類似する商標と認められるものであり、これをその指定商品に使用した場合、取引者、需要者は、その商品が申立人若しくは申立人と何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く、その商品の出所について誤認、混同するおそれがあるとみるのが相当である。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものといわざるを得ない。
商標権者は、前記取消理由に対し、意見の要旨を次のとおり述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第4号証を提出した。
本件商標は、商標権者が所有していた登録第2317970号商標(乙第1号証)の更新登録申請に代えて新規に出願し登録されたものである。
本件商標は、上記登録商標と構成上実質的に同一視しうるものであり、指定商品についても、平成14年8月8日付けにて商標権の一部抹消登録申請書を提出し「菓子、パン」を除くその他の商品についての登録を放棄したものである。
申立人の商標「MINTON」、「ミントン」が、「ティーカップ、プレート等の陶磁器」との関係では、周知、著名であることはあながち否定するものではない。しかしながら「菓子、パン」は、「ティーカップ」等の陶磁器とは現実の取引において、メーカー、取引ルート、販売店のいずれにおいても関連性を有しない商品である。
したがって、「MINTON」、「ミントン」が、現に取扱っている商品又は役務の範囲を超えて周知、著名であるとしても、本件商標が使用された場合、その商品の出所について誤認、混同するおそれがあると認められるのはせいぜい申立人の取扱商品から直感される程度にまで関連性を有する商品までであり、そこからさらに連想される商品まで誤認、混同するおそれが生ずるとは認められない。
一方、商標権者は、登録第2317970号商標の商標権に基づき過去に「キャンディー」について実際に使用していたものであり、申立人と何らかの関係を有する者の業務に係る商品であると出所について誤認、混同を生じた事実は一切存しない。
本件商標の如く「菓子、パン」に使用する商標が出所について誤認、混同を生じさせる場合、最低申立人に多角経営が「菓子、パン」やこれに類似する商品の製造、販売にまで及んでいる必要があるが、申立人の提出に係る証拠からはそのような事実が認められない。
以上、商標権者が本件商標を「菓子、パン」について使用した場合、これが申立人若しくは申立人と何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く、その出所について誤認、混同されるおそれはない。
本件商標は、前記のとおりの構成よりなるところ、申立人の商標とは、少なくとも「ミントン」の称呼において同一であって、外観においても欧文字部分の構成文字を同じにする類似のものである。
そして、申立人の商標「MINTON」「ミントン」が、1793年以来、「高級ティーカップ、プレート等の陶磁器」について永年使用された結果、本件商標の登録出願時には、我が国のみならず、世界的に周知、著名な商標となっていたと認められる。さらに「コーヒー及びココア,茶」と「ティーカップ、プレート等の陶磁器」とは、密接な関連性を有し、殆どの需要者を共通にする商品である。
そうすると、本件商標は、これを商標権者が「コーヒー及びココア,茶」に使用するときには、取引者、需要者をして申立人若しくは申立人と何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如くその出所について誤認、混同を生じさせるおそれがあるものといわなければならない。
しかしながら、申立人の提出に係る証拠よりは、商標権者が本件商標をその指定商品中「コーヒー及びココア,茶以外の商品」について使用した場合、申立人若しくは申立人と何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く、その出所について誤認、混同されるおそれがあるものと認めることができない。
したがって、本件商標の指定商品中「コーヒー及びココア,茶」についての登録は、取消理由通知に示すとおりの理由により、商標法第4条第1項第15号に違反してされたものと認められるべきものであるから、同法第43条の3第2項の規定に基づき取り消す。
本件申立てに係るその余の指定商品についての登録は、申立人の主張及び証拠によっては商標法第4条第1項第10号、同第15号、同第19号に該当するものとは認められないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき維持する。
なお、結論掲記の指定商品について、商標権の一部放棄により本権の登録一部抹消の登録が平成14年8月8日付になされているが、登録異議の申立ての取消決定が確定したときには、その商標権は初めからなかったものとされるから、前記抹消登録によって、本件の判断に影響を及ぼすものではない。
よって、結論のとおり決定する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
商標の登録可能性を無料で確認するか、費用の目安を料金表・シミュレーターで把握できます。