結論テキスト
審判費用は、請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2001−30460(T2001−30460/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第3140165号商標(以下「本件商標」という。)は、「あおばの森」の文字を横書きしてなり、平成5年6月1日登録出願、第5類「薬剤」を指定商品として、同8年4月30日に設定登録がなされたものである。
請求人は、本件商標の登録を取り消すとの審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ、甲第1号証ないし甲第12号証を提出した。
(1)本件商標は、その登録の日より継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれもが指定商品「薬剤」について使用をしていることについて、請求人が使用状況の調査を行なったところ、使用している事実はなくまた不使用についての正当理由も認められない。
よって、本件商標は、商標法第50条第1項の規定により、その登録を取り消されるべきである。
(2)請求人が使用状況の調査を行った事項
(ア)調査対象文献
(a)AOA AOBAアオバのご紹介パンフレット(甲第9号証)
(b)AOAAOBAアオバ製品のパンフレット(甲第10号証)
(c)AOAアオバ製品のご案内パンフレット(甲第11号証)
(d)インターネットによる調査 株式会社エーオーエー・アオバのホームアドレス、プリントアウトの日付を各頁の下段に記載したハードコピー(各頁の左側上段には「Welcome to Space Aoba」の欧文字が掲載されている。)(甲第12号証)
(イ)調査結果
(a)アオバのご紹介、アオバ製品カタログ、アオバ製品のご案内及び株式会社エーオーエーアオバのホームページ(http:/ /www.aobanet.co.jp)には、商品「薬剤」及び商標「あおばの森」の掲載がない。
(b) 株式会社エーオーエ・アオバに、平成13年3月26 日に電話した調査では、商品「『薬剤』を販売しておりますか」との質問に対して、「当社は、健康食品、化粧品、等を販売しており、薬剤は一切取り扱っておりません。」との明確な回答であった。
さらに、後日、「株式会社エーオーエー・アオバ」へ尋ね、上記の質問をすると共に、最近に印刷されたアオバ製品ついての「パンフレット」(甲第11号証)の商品の説明を受けた。その説明では、例えば、商品AOAアオバ、パパイヤ・クエスト・プラスなど継続して食したり、飲んだりするとアレルギー体質の人は、体質が改善され花粉症にかかりにくくなる。また、形態波状が描かれた食器は、その食器を用いると形態波動エネルギーの働きにより、そこに盛られたお料理は、美味しく変化するので、とても美味しい。 これは、形態波状の効果によるものであるとの説明があった。その商品の効能、効果については薬事法との関係で言葉を選びながらの説明であった。そして、担当者に効果効能についての説明は難しいでしょうと質問したところ、担当者は、薬事法に触れないように説明することは大変難しいと言っていた。
このように、株式会社エーオーエー・アオバでは、食品は主として健康食品であり、商品「薬剤」については、製造、販売もしていないとのことである。
以上、商品「薬剤」について、商標「あおばの森」に係る本件商標を使用している事実は認められない。
(1)被請求人は、本件商標の使用実績を主張している。
「アオバのご紹介」(乙第1号証−1)に示す会社概要欄中、事業内容には「健康食品、自然食品の販売/海洋開発事業/工業薬品の仕入及び販売、医薬品、医療機器、化粧品の輸出入販売/その他」と記載されている。そして、取扱製品として 「栄養補助食品/自然食品/波動製品/環境製品/その他」が記載され、このパンフレットは主として健康食品を対象としており、そこには、「薬剤」の文字は全く見受けられない。さらに、パンフレットに掲載されている「アオバの製品」についてみるに、「SOD様食品」、「ヘルシーフーズ」、「アオバ オリジナルギフト」、「ヘルシー&ビューティグッズ」、「波動製品」、「369(ミロク)シリーズ」、「環境製品」(乙第1号証−3)として薬剤について「あおばの森」を使用していると述べているが、そのパンフレット「アオバのご紹介」に掲載されている特にSOD様食品は、商標審査に使用されている類似商品・役務審査基準上において「加工食品」に属するものであり、そこには医薬品又は医薬部外品として厚生労働省の認可が得られない「薬剤」と極めて紛らわしい「加工食品(健康食品)」が数多く含まれている。
そこで、乙第1号証−3(瓶詰めの商品)に相当する商品の「あおばの森スプレー」「あおばの森クリスタル」についてみるに、その商品は、環境商品(乙第1号証−1)として掲載されているものである。
そして、その説明として「私たちにとってかけがいのない環境が、急速に染されつつあります。健康的で真に快適な暮らしの復活を願って、豊かな自然を蘇らせるための優れた製品をご提供しています。」と紹介している。
しかし、その商品の性質等については、どのようなものなのかも明らかにしていないばかりでなく、その製品の使用方法、用途、効能も記載せず、ただ抽象的で曖昧な説明に終わらせている。そこで、その製品の使用方法、用途、効能を具体的に説明すると、薬事法等の違反となる怖れを避けた為と推量される。
そして、被請求人の住所である音羽NSビル1階における被請求人の商品展示場兼販売所の職員の話によれば、当所には「薬剤」を一切置いていないこと、パンフレットにも「薬剤」は掲載されていないことを言い切っていた。
そうすると、パンフレットに掲載されているそれらの商品は、厚生労働大臣又は農林水産大臣の製造認可を受けていないもので、極めて「薬剤」と紛らわしい商品であり、これを「薬剤」と思われる表示をした場合には、薬事法違反として厳しく処罰されるものである。
しかし、本件にかかる答弁においては、パンフレット「AOAアオバの紹介」に掲載された環境製品が「乙第1号証−3」の証拠として示され、「薬剤」として使用していると主張しているが、これは薬事法違反であることを自ら自白し、該パンフレットの説明が上記のような抽象的な表現を用いて説明しているのを無視して、専ら取消審判請求において取消を免れるために、これら製品をあえて「薬剤」と主張したものと思われる。
してみれば、これらの製品が「薬剤」でないことは明らかである。
万が一、環境製品として表示された商品「乙第1号証−3」を「薬剤」として使用していると認めるとしても、使用している商品「あおばの森スプレー」、「あおばの森クリスタル」(乙第1号証−3)が、「薬剤」たる防臭(消臭)剤について、厚生労働大臣から薬事法等の医薬品又は医薬部外品の製造業の許可あるいは農林水産大臣から農薬製造業の許可を受けていることを窺わせる証拠もなく、前記商品「薬剤」たる防臭(消臭)剤について薬事法の製造承認を受けていることを窺わせる証拠もない。
したがって、該商品が医薬品、医薬部外品又は農薬として取り扱われていることの証拠もない「防臭(消臭)剤」は、商品区分第5類の「薬剤」について使用していたということは認めることはできない。
(2)別件ではあるが、甲第13号証に示す審決取消訴訟の判決においては、「薬剤」と商品「防臭剤」について次のように判示している。
(ア)「薬剤」の種類として掲げられる商品は、いずれも、薬事法にいう医薬品、医薬部外品に該当する薬品、あるいは農薬であること、更に、「薬剤」は、「医薬補助品」とも区別されていることを総合すると、商品の区分第1類の「薬剤」とは、取引者、需要者の間で、医薬品、医薬部外品、農薬として取扱われて取引の対象となっている薬品を意味するものと解するのが相当である。
(イ)商品「防臭剤」は、抗菌、防カビ、防ダニ、防臭の用途に用いられるものであるが、原告が同商品について薬事法の医薬品又は医薬部外品として製造の承認を受けたことを窺わさせる証拠はなく、更に、商品「防臭剤」が、医薬部外品として取り扱われて取引されていることを窺わせる証拠もない。
そうとすると、商品「防臭剤」は、無機又は有機の工業薬品であり、抗菌、防カビ、防ダニ、防臭の用途に用いられるものであるから、商品の区分第1類の「化学剤」に属するものであって、商品の区分第1類の「薬剤」に属するものではないものというべきである。
(3)以上のように、乙第1号証の1ないし3は、何れも「薬剤」たる防臭(消臭)剤について薬事法等の製造承認を受けていることを窺わせる証拠もないこと明らかである。
乙第1号証−3に示す写真は、「環境製品」そのものであり、その製品が薬剤と主張しているが、その写真からは、医薬品なのか、医薬部外品であるのか、又は農薬であるのかも不明確であり、またその製品、薬剤たる防臭(消臭)剤」をいかなる用途に使用するものなのかも不明である。そして、乙第2号証は、商品「薬剤」でないものの使用事実を証するものであるから、本件商標とは係わりがないものである。
このように、本件商標は「薬剤」について、使用しているとは到底思われない。
以上、本件商標は、薬剤たる防臭(消臭)剤につき本件審判の請求登録前3年以内に使用されていないものである。
被請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第3号証(枝番を含む。)を提出した。
(1)本件商標は、商標権者たる被請求人により、本件審判の請求の登録前3年以内に、「薬剤」たる防臭(消臭)剤につき使用されている。
(2)被請求人は、「あおばの森スプレー」、「あおばの森クリスタル」、「あおばの森補充液」、「あおばの森セット」等の名称の商品を商品案内(乙第1号証の1)及び製品価格表(乙第1号証−2)に掲載し、平成9年10月から平成10年9月にかけて全国の会員にこれを頒布している。
(3)また、被請求人は、スプレー容器入り防臭(消臭)剤やジェリー状に加工した防臭(消臭)剤の容器に、それぞれ「あおばの森スプレー」、「あおばの森クリスタル」という商標を付し、これを販売している(乙第1号証−3)。
(4)前記(3)に記載の商品は現在も販売されており、乙第2号証は一昨年度の販売実績の一部を示す。
(5)事実を証明する乙第2号証を補強するため、ハードコピーの形で提出した販売台帳の元となった注文書原本の写しを乙第3号証として提出する。
(6)以上のとおり、本件商標「あおばの森」は、商標権者たる被請求人により、本件審判の請求の登録前三年以内に、「薬剤」たる防臭(消臭)剤につき使用されている。
(1)被請求人は、消臭剤中、(ア)産業用のものは第1類中の化学品に、(イ)身体用のものは第3類の化粧品に、(ウ)身体用のものを除く家庭用のものは第5類の薬剤にそれぞれ含まれていると理解している。そして、消臭剤は専らトイレや下駄箱・居室等の家庭用のものであり、身体用のものではないから、第5類の薬剤に含まれる。審尋に従い、消臭剤の属性を示す乙乙第3号証−1ないし3を補充する。
(2)薬事法第2条は、医薬品及び医薬部外品にかかる定義規定であるが、消臭剤はその何れにも該らないと考える。したがって、消臭剤は薬事法が要求する手続を経由していない。
(3)第5類の薬剤には薬事法の医薬品の多く、及び医薬部外品の一部が含まれるが、それらの全てが第5類の薬剤であるわけではなく、また逆に、第5類の薬剤が常に薬事法第2条の医薬品及び医薬部外品でなければならないわけでもない。何れにせよ本件の争点は、家庭用消臭剤(身体用のものを除く。)が第5類の薬剤に含まれるか否かという解釈論と、消臭剤がその家庭用消臭剤(身体用のものを除く。)に該当するか否かという事実の認定にあり、薬事法云々は本件とは何ら関係ない。
(1)乙第1号証ないし同第3号証(枝番を含む。)及び東京高等裁判所のした平成15年(行ケ)350号判決(以下「本件判決」という。)における認定事実によれば次のことが認められる。
a)商品パンフレット(商標権者発行、乙第1号証−1、乙第3号証−1)、アオノミ製品価格表 1997年10月現在(乙第1号証−2)及び商品写真(乙第1号証−3)によると、アオバの製品中に「環境製品」として、「A273 あおばの森セット(クリスタル、補充液、スプレー、各−)」、「E119 あおばの森クリスタル」(カットゼリー状の瓶詰めの消臭剤)、「A272 あおばの森補充液」及び「A275 あおばの森スプレー」(スプレータイプの消臭剤)の商品があり、それらの商品包装瓶(容器)のラベルには「あおば森」の文字が大きく本件商標と社会通念上同一の構成態様で表示されていることが認められる。
そして、製品注文書及び銀行利用明細書である乙第3号証−(1)−2及び(2)−1によると、「11年7月12日」に「A275 あおばの森スプレー」、そして「11年7月2日」に「A272 あおばの森補充液」及び「E119 あおばの森クリスタル」を販売したことが認められる。
b)商品パンフレット及び商品写真(スプレータイプのもの)(乙第3号証−1及び2)によると、上記商品は、100%混合植物抽出液からなる、「純植物性消臭液」(カットゼリー状の瓶詰め、瓶詰めの補充液又はスプレータイプのもの)であり、一般家庭の居間、寝室、書斎、台所、トイレ用の消臭液であり、オフィスその他の建物用にも使用し得るものであり、身体用のものではない、家庭用の消臭剤と認められる。
そして、上記商品は、一般家庭用の消臭液であり、オフィスその他の建物用にも使用し得るものとして一般消費者に販売されるものであるから、取引者、需要者は、これを家庭用の防臭剤として認識するものとみるのが相当である。
(2)上記事実からすると、商標権者は、一般家庭の居間、寝室、書斎、台所、トイレ及びオフィス、その他の建物用に使用し得る家庭用の防臭剤(以下「使用商品」という。)について平成11年7月2日及び同年7月12日に、本件商標と社会通念上同一の商標(以下「使用商標」という。)の使用をしたものと認められる。
(3)使用商品について
本件審判請求に係る指定商品第5類「薬剤」に含まれる「防臭剤」は、身体用のものを除き、その商品の用途、商品の性格、商品の形態、商品の使用方法等から見て、第1類「工業用、科学用、又は農業用の化学品」に含まれるものでないものは、それぞれ薬事法上の「医薬品」や「医薬部外品」でないものであっても含まれるものと解すべきである。
してみると、使用商品は、家庭用の防臭剤であることからすると、本件審判請求に係る指定商品「薬剤」に含まれる商品と認められる。
以上の事実及び被請求人の答弁の全趣旨によれば、本件商標は本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において、取消請求に係る指定商品「薬剤」に含まれる「家庭用の防臭剤」について、商標権者によって使用されていたものといわざるを得ない。
したがって、本件商標についての登録は、商標法第50条の規定により取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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