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Trademark Appeal Case

登録商標と使用商標の同一性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号取消2003−30044(T2003−30044/J2)
審判種別取消
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。

理由テキスト

第1 本件商標

本件登録第3289394号商標(以下「本件商標」という。)は、「CASHMERINO」の欧文字と「カシメリノ」の片仮名文字を二段に横書きしてなり、平成7年1月20日に登録出願、第25類「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,えり巻き,靴下,毛皮製ストール,ショール,スカーフ,手袋,ネクタイ,ネッカチーフ,マフラー」を指定商品として、同9年4月25日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。

第2 請求人の主張

請求人は、本件商標の登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とするとの審決を求めると申し立て、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のとおり述べ、証拠方法として甲第1号証及び甲第2号証を提出した。

1 請求の理由

本件商標は、継続して3年以上日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれもが、その指定商品について使用をしていないから、商標法第50条第1項の規定に基づき取り消されるべきである。

2 答弁に対する弁駁

(1)使用に係る商品について

乙第1号証ないし乙第4号証に示された商品が本件商標の指定商品に属する商品であることは認める。

(2)使用に係る商標について

本件商標は、同書、同大、同間隔で表した「CASHMERINO」と、同書、同大、同間隔で表した「カシメリノ」を二段表記とするものである。

しかるところ、乙第1号証ないし乙第4号証に示された使用に係る商標は、いずれも語頭「C」のみ大文字であり、他は小文字「ashmerino」のみからなるものである。しかも、黒線によって四角形に囲まれた構成態様(乙第1号証)や長円に囲まれた構成態様(乙第2号証ないし乙第4号証)をしており、本件商標と外観上顕著に相違している。

また、欧文字のみを採り上げたとしても、本件商標が格調のある形式ばった印象を与えるのに対して、使用に係る商標は、流動的でくだけた印象を与えるとの明確な相違を有する。

さらに、使用に係る商標からは、通常の日本人であれば、ローマ字読みされて「カシュメリノ」あるいは「キャッシュメリノ」との称呼が生じるとすることが自然であり、必ずしも「カシメリノ」の称呼が生じるものとはいえず、本件商標が「カシメリノ」の称呼を生じさせるように、わざわざ仮名書きされていることと明確に相違する。

したがって、使用に係る商標と本件商標とは書体も異なり、称呼も必ずしも同一とはいえない以上、使用に係る商標は、商標法第50条第1項かっこ書に記載された態様とも合致せず、本件商標を使用しているとはいえないものであるから、本件商標は、その登録を取り消されるべきものである。

第3 被請求人の答弁

被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由及び審尋に対する回答を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第7号証(枝番を含む。)を提出した。

被請求人は、業務委託契約先の東光リミー株式会社(以下「東光リミー社」という。)に対し、本件商標の通常使用権を許諾している(乙第5号証)。

本件商標は、現在使用中であり(乙第1号証ないし乙第4号証並びに乙第6号証のaないしc及び乙第7号証のaないしc)、今後も継続して使用していく計画にあるから、請求人の主張する理由に当たらない。

第4 当審の判断

1 使用に係る商品が本件商標の指定商品に属するものであることについては、当事者間に争いがない。そこで、本件商標が使用に係る商品について、通常使用権者と認められる東光リミー社により、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において使用されていたか否かについて検討する。

2 乙第2号証及び乙第5号証ないし乙第7号証のaないしcによれば、以下の事実を認めることができる。

(1)乙第2号証は、Vネックセーターの襟部の写真であり、襟部の後の内側中央に織りネームが付されているところ、該織りネームは、黒地よりなり、そのほぼ中央部に、細い横長楕円輪郭に囲まれて、横書きにした「Cashmerino」と「cashmere blend」の各文字が二段に表示されている。また、襟の左側の胸部には、下げ札2枚が付され、その1枚には、「Cashmerino」と「PURE CASHMERE KNIT WEAR」の各文字が表示され、他の一枚には、「Cashmere」(筆記体)、羊の図柄などが表示されている。

(2)乙第5号証は、被請求人と東光リミー社との間で交わされた平成12年7月27日付け「覚書」であるところ、該覚書は、被請求人が東光リミー社に対して、本件商標を平成12年8月1日から1年間使用することを許諾するものであって、その使用期間は、双方より契約解除の申し出がない限り、1年間延長し、以後も同様とするという内容を含むものである。

(3)乙第6号証のaは、東光リミー社から株式会社大丸心斎橋店に宛てた2001年10月29日付け納品伝票であるところ、品名欄には、「9003/カシミア V」の記載がある。

乙第6号証のbは、東光リミー社作成の「SEWING SPECIFICATION 縫製仕様書(A)」と認められるところ、「SMPL NO./仮品番」には「9003」の、「ARTICLE/品名」欄には「Vネックセーター」の、「BRAND/ブランド名」欄には「CASHMERINO」の、また、「SEASON/シーズン」欄には「’01 A/W」の記載があり、中央の「DESIGN/デザイン」欄には、Vネックセーターの図面と寸法等の記載がある。

乙第6号証のcは、東光リミー社作成の織りネーム及び下げ札の縫製仕様書と認められるところ、「STYLE NO」欄には「9001〜9007」の、「DATE」欄には「6/7」の記載がある。また、「ブランドネーム」欄には、前記(1)で認定した、黒地に細い横長楕円輪郭と、該輪郭内に横書きされた「Cashmerino」と「cashmere blend」の各文字が二段に書された織りネームが表示されている。

(4)乙第7号証のaは、東光リミー社から株式会社大丸心斎橋店に宛てた2002年12月6日付け仕入伝票であるところ、「品番 65295」の「品名・規格」欄には、「9003 カシミアムジVネック」の記載がある。

乙第7号証のbは、東光リミー社作成の「SEWING SPECIFICATION 縫製仕様書(A)」と認められるところ、「STYLE NO/本品番」欄には「65295」の、「SMPL NO./仮品番」欄には「9003」の、「ARTICLE/品名」欄には「Vネックセーター」の、「BRAND/ブランド名」欄には「CASHMERINO」の、また、「SEASON/シーズン」欄には「02 A/W」の記載があり、中央の「DESIGN/デザイン」欄には、Vネックセーターの図面と寸法等の記載がある。

乙第7号証のcは、東光リミー社作成の織りネーム及び下げ札の縫製仕様書と認められるところ、「STYLE NO」欄には「65293〜65299」の、「DATE」欄には「5/16」の記載がある。また、「ブランドネーム」欄には、前記(1)で認定した、黒地に細い横長楕円輪郭と、該輪郭内に横書きされた「Cashmerino」と「cashmere blend」の各文字が二段に書された織りネームが表示されている。

3 前記2で認定した事実によれば、本件商標の通常使用権者たる東光リミー社は、2001年(平成13年)秋、冬物用としての商品「Vネックセーター」(仮品番:9003)及びこれに付される織りネームの縫製仕様書を2001年6月7日に作成したこと、上記「Vネックセーター」のブランド名は、「CASHMERINO」であり、これに付される織りネームは、乙第2号証のVネックセーターに付されている織りネームと同一のものであること、並びに上記「仮品番:9003」のVネックセーターは、2001年10月29日に東光リミー社より株式会社大丸心斎橋店に納品されたことが推認される。

また、東光リミー社は、2002年(平成14年)秋、冬物用としての商品「Vネックセーター」(本品番:65295、仮品番:9003)及びこれに付される織りネームの縫製仕様書を2002年5月16日に作成したこと、上記「Vネックセーター」のブランド名は、「CASHMERINO」であり、これに付される織りネームは、乙第2号証のVネックセーターに付されている織りネームと同一のものであること、並びに上記「本品番:65295、仮品番:9003」のVネックセーターは、2002年12月6日に東光リミー社より株式会社大丸心斎橋店に納品されたことが推認される。

そうすると、通常使用権者である東光リミー社は、本件審判の請求の登録日(平成15年2月5日)前3年以内に日本国内において、本件商標の指定商品中の「Vネックセーター」について、「Cashmerino」の文字よりなる商標(下げ札に表示のもの、以下「使用商標1」という。)、及び横長楕円輪郭内に横書きされた「Cashmerino」の文字よりなる商標(織りネームに表示のもの、以下「使用商標2」という。)を使用していたということができる。

4 使用商標1及び2について

(1)本件商標は、前記したとおり、「CASHMERINO」の欧文字と「カシメリノ」の片仮名文字を二段に横書きしてなるものである。

(2)使用商標1は、「Cashmerino」の欧文字よりなり、使用商標2は、横長楕円輪郭内に横書きされた「Cashmerino」の文字よりなるものである。

(3)本件商標と使用商標1及び2との対比

使用商標2の横長楕円輪郭は、極めてありふれたものであるから、使用商標2の要部は、「Cashmerino」の文字部分にあるというべきである。

そして、使用商標1及び使用商標2の文字部分は、本件商標中の欧文字部分とは、小文字で書された部分において差異を有するとしても、同一の綴り字からなるものである。

加えて、使用商標1が使用される下げ札には、使用商標1とともに「PURE CASHMERE KNIT WEAR」の文字が表示され、これより「混じりもののないカシミア製ニットウエア」なる意味合いを理解させるものであり、また、使用商標2が使用される織りネームには、使用商標2とともに「cashmere blend」の文字が表示され、これより「カシミア混紡」であることが理解されるものである。そうすると、これらの文字より使用商標1及び2は、カシミアを暗示させるものとして「カシメリノ」の称呼をもって、取り引きされる場合が多いというのが相当である。

そうすると、使用商標1及び2は、本件商標と社会通念上同一の範囲内の商標というのが相当である。

5 以上のとおりであるから、被請求人は、通常使用権者が本件商標と社会通念上同一の商標をその指定商品中の「Vネックセーター」について、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において使用していたことを証明したといわなければならない。

したがって、本件商標は、商標法第50条の規定により、その登録を取り消すことはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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