Trademark Appeal Case
SNAP FITの記述性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2001−18100(T2001−18100/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「SNAP FIT」の文字を標準文字により書してなり、第7類「軸受,ユニット軸受,ホイール軸受,ベアリング,軸,軸継ぎ手,ジョイント,カップリング,動力伝導装置,その他の機械要素」、及び第12類「軸受,ユニット軸受,ホイール軸受,ベアリング,軸,軸継ぎ手,ジョイント,カップリング,動力伝導装置,その他の陸上の乗物用の機械要素,自動車並びにその部品及び附属品」を指定商品として、平成12年4月28日に登録出願されたものである。
2 原査定の拒絶理由
原査定は、「本願商標は、機械部品の留め方(締結・接合方法)の一種であり、ねじ留めなどを用いない方法のことである『スナップフィット』に通じる『SNAP FIT』の文字を普通に用いられる方法で書してなるので、これをその指定商品に使用しても、『スナップフィット方式で取り付けができるもの』として認識されるに止まり、単に商品の性能・品質を表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
(1) 本願商標について
本願商標は、前記のとおり、「SNAP FIT」の文字を書してなるところ、その構成中「SNAP」の文字部分は「衣服の合わせ目を留める凸凹一対の小金具。押しホック。」等を意味する「スナップ」の英語であり、また、「FIT」の文字は「適合すること。」等を意味する「フィット」の英語として(「広辞苑第5版」)、いずれも親しまれている語である。
しかして、これを一連で表した「SNAP FIT」の文字を指定商品との関係からみれば、機械部品の締結、接合において、ネジ留めなどを用いない方法を表すものとして「スナップフィット」の文字が用いられていることからすれば、該文字を英語で表したものとみなされる「SNAP FIT」の文字よりなる本願商標も、これをその指定商品について使用するときは、同様の意味合いで理解されるというべきものである。
(2)当審において、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するか否かに関し職権により証拠調べを行ったところ、以下の事実を発見したので、商標法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定により、その内容について、審判請求人に通知し、相当の期間を指定して、意見を述べる機会を与えた。
(a)日経BP社 日経メカニカル・ニュース 1998年10月28日号に「自動車 K報告(14)スナップフィット接合の吸気マニホールドが登場」の見出しで、「吸気マニホールドの新しい工法として、スナップフィット接合による手法が登場してきた。・・・スナップフィット接合による吸気マニホールドを展示した。・・・スナップフィット接合採用の吸気マニホールドを展示した。」の記載。 (http://nmc.nikkeibp.co.jp/news2/n8775.html)
(b)同、1999年10月22日号に「自動車 モーターショー報告(20)米Lear社,コックピットモジュールとルーフモジュールを展示」の見出しで、「各部品は、スナップフィットなどで簡単に取り付けられるように工夫している。」の記載。
(http://nmc.nikkeibp.co.jp/news4/m0039.html)
(c)オイレス工業株式会社のホームページ上、「Bearing Company」の新製品紹介の「オイレス ルーテックE−02 スナップフィットブッシュ LES」に「Dカットとスナップフィット方式の固定により、回り止めだけでなく、軸受の抜け止めが不要です。」の記載。 (http://www.oiles.co.jp/1/newprod/newprod.htm)
(d)株式会山武のホームページ上、環境コラムの「工作機械の高精度位置検出を行うリミットスイッチの環境負荷低減設計」に「内部スイッチを取り外すに際し、採用されているスナップフィットというワンタッチスタイルの構造は、廃棄処理の手間低減に大きな役割を果たすことになる。」の記載。(http://jp.yamatake.com/save/kankyo/0112/kan0112.pdf )
(e)シャープ株式会社のホームページ上、「易解体性締結部品の開発」に、「2002年度は、加熱するだけで締結部分がはずれる形状記憶合金製ネジと形状記憶樹脂製スナップフィットを試作し、液晶テレビに装着して解体実証実験を行いました。」の記載。
(http://www.sharp.co.jp/corporate/eco/technology/technology_03.html)
(f)株式会社ディーメックのホームページ上、ポリエチレンライク樹脂デソライトSCR8120の商品説明として「組み立て時に勘合部や、スナップフィット形状を有する構造体の形状確認、組み立て確認を行いたい場合、あるいは実際の相手材との勘合具合を確認するような用途に特に適してします。」の記載。(http://www.d-mec.co.jp/d43/scr8120.html)
(g)1992年8月26日付け化学工業日報(4頁)に「熱可塑性エンプラにも陰り(6)求められる高度材料 ECN誌から」の見出し記事において、「部品は止め具なしのスナップフィットタイプとなり」の記載。
(h)1993年7月19日付け化学工業日報(12頁)に「プラコー、ブロー成形機で攻勢、OA機器ハウジングなど」の見出し記事において「凸凹部分を巧みに設計すればスナップフィットというはめ合わせ構造にできる。」の記載。
(i)1999年9月2日付け日本工業新聞(16頁)に「埼玉大 スナップフィット、最適形状設計法を開発 組立・分解性に優れる」の見出し記事において、「リサイクルを前提にした、組立・分解性に優れるスナップフィット(はめ込みによる部品結合)の最適形状設計を開発した。・・・・スナップフィットの実用分野としては、レンズ付きフィルムやコネクター、スイッチ、カートリッジなどがあり、産業界でも広く利用されている。」の記載。
(3)請求人の主張
請求人は、当審における証拠調べ通知に対し、何らの書面の提出もしていない。
(4)むすび
上記(1)、及び(2)の(a)ないし(i)の実情よりすれば、本願商標は、これをその指定商品との関係からみたときは、機械部品の締結、接合において、ネジ留めなどを用いない方法を表すものとして用いられている「スナップフィット」と同様の意味合いを理解させるものと認められるから、本願商標をその指定商品について使用するときは、「スナップフィット方式で取り付けができる商品」であるということを認識させるに止まり、単に、商品の性能、品質を表示するにすぎないものといわなければならない。
したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当なものであって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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