結論テキスト
審判費用は、被請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2003−31730(T2003−31730/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
本件登録第4397476号商標(以下「本件商標」という。)は、「nana横浜」の文字を横書きしてなり、平成11年12月13日登録出願、第21類「おしろい入れ,懐中鏡,化粧用スポンジ,化粧用箱,香水噴霧器,せっけん入れ,コンパクト(貴金属製のものを除く。),パフ,ヘアブラシ,紅筆,まつ毛カール器,まゆ毛用ブラシ,鏡袋,その他の化粧用具(「電気式歯ブラシ」を除く。)」を指定商品として、同12年7月7日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
請求人は、結論同旨の審決を求めると申し立て、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のとおり述べ、本件商標の登録原簿及び商標公報(いずれも写し)を提出した。
本件商標は、その指定商品のいずれについても、被請求人により過去3年以上にわたって日本国内において使用された事実がない。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条第1項により、取り消されるべきである。
(1)使用に係る商標について
本件審判の請求に係る指定商品について、本件商標が使用されている状態を示していると考えられる証拠は、乙第2号証上段の写真のみであるが、ここに表示された標章は、単に「nana」のみから構成され、本件商標である「nana横浜」が付されているものではない。
商標法第50条第1項によれば、「社会通念上同一と認められる商標」の使用が含まれることが明記され、不使用取消審判においては、現実に使用されている商標が発揮する自他商品(役務)識別力が、登録商標の自他商品(役務)識別力と同一視できる限りにおいて、登録商標と社会通念上同一の商標と認められるということである。
これを本件について検討してみると、本件商標は、外観上まとまりよく一体的に表現されており、しかも、本件商標全体から生ずる称呼「ナナヨコハマ」は、6音と簡潔でよどみなく一気に称呼し得るものであるから、このような構成からすれば、本件商標の指定商品である「化粧用具」との関係において、その需要者が、「横浜」の文字部分を当該指定商品の生産地・販売地等を具体的に表示するものとして直ちに理解し得るということはできず、むしろ構成全体をもって一体不可分のものとして把握、認識すると考えるのが自然である。このことは、本件商標の指定商品が「横浜製のおしろい入れ,・・」のように、当該指定商品の生産地、販売地を限定することを要求されずに登録を許されていることからも裏付けることができる。
したがって、本件商標は、全体として自他商品識別力を発揮すると考えるべきであるから、使用に係る商標は、本件商標と社会通念上同一と認められる商標の使用と考えることは到底できるものではない。
(2)使用に係る商品について
(a)登録商標の使用説明書(以下「使用説明書」よいう。)によれば、本件商標は、「リップパレット」なる商品について使用されているとし、乙第1号証及び乙第2号証が添付されている。
そこで、当該「リップパレット」が本件審判の請求に係る指定商品のうちに含まれるか否かについて検討する。
乙第1号証の「Sympathie」なる名称の小冊子において、本件商標が使用されているという「リップパレット」は、「くすみがちな冬の肌をクリアな肌色に演出するピンク系の口紅2色に、みずみずしさをプラスしぷるんとした唇に仕上げるグロスをセットイン。のびがよく、にじまないナチュラルな発色で、やさしく柔らかな表情をつくります。デリケートな唇の潤いを守り、荒れを防止するスクワランや甘草由来成分配合です。」と説明されている。
そして、「ダークチェリー」、「パールピーチ」及び「ベイビーピンク(グロス)」と、口紅及びグロスの色が示されている。
以上からも明らかなように、本件商標が使用されている「リップパレット」とは「パレットに収納された口紅とリップグロスのセット」に他ならず、かかる商品は、「第3類 化粧品(04C0l)」の類似群に属すると考えるのが妥当である。
すなわち、本件商標が使用されている「リップパレット」は、本件審判の請求に係る指定商品に含まれるものではない。
したがって、被請求人が提出した証拠からは、本件商標が、本件審判の請求に係る指定商品のいずれかについて使用されていると認めることはできない。
(b)仮に、「リップパレット」なる商品が、本件審判の請求に係る指定商品に含まれるものであるとしても、乙第1号証に掲載された「リップパレット」は、本件商標の使用者である株式会社ナナ化粧品(以下「ナナ化粧品」という。)の製造、販売に係る商品を5,000円以上購入した者に対して無償で配布される販売促進用のノベルティ商品であり、それ自体独立した商取引の目的物たる商品ということはできない。
(3)以上のように、被請求人の主張は失当である。
被請求人は、「本件審判の請求は、成り立たない。審判費用は、請求人の負担とする。」との審決を求めると答弁し、その理由として、「過去3年以内に我が国において本件商標を指定商品について使用している。」旨述べ、証拠方法として、使用説明書並びにこれに添付した乙第1号証及び乙第2号証を提出した。
(1)使用説明書によれば、商標の使用者は、本件商標の専用使用権者である神奈川県横浜市港南区最戸1−2−27(商標使用時の住所:神奈川県横浜市中区曙町1−8)に所在のナナ化粧品であること、使用に係る商品は、「ナナリップパレット」であること、商標の使用時期は、「最終使用年月日 平成14年10より平成15年1月」であること、商標の使用場所は、ナナ化粧品本社及び工場であることが認められる。
(2)乙第1号証は、平成14年10月発行のナナ化粧品会員向け季刊誌「Sympathie」(Vol.13)の2頁部分を切り取ったものであるところ、これによれば、「キャンペーン 期間2002年10/28〜2002年12/27」、「5000円(税別)以上ご購入の方全員に」の表示のもと、「『リップパレット』を1個プレゼント!!」との記載があり、該「リップパレット」の説明として、「くすみがちな冬の肌をクリアな肌色に演出するピンク系の口紅2色に、みずみずしさをプラスしぷるんとした唇に仕上げるグロスをセットイン。のびがよく、にじまないナチュラルな発色で、やさしく柔らかな表情をつくります。デリケートな唇の潤いを守り、荒れを防止するスクワランや甘草由来成分配合です。」との記載がある。
そして、上記説明文の左には、商品「リップパレット」を開いた状態の写真が掲載されており、「リップパレット」には、3つに区切られた箇所にそれぞれ色がやや異なった3つの内容物及び紅筆が収納されている。
また、「リップパレット」の写真の下には、内容物の色の説明として、「ダークチェリー」、「パールピーチ」及び「ベイビーピンク(グロス)」の各文字とそれぞれの色見本が掲載されている。
(3)乙第2号証は、乙第1号証に掲載された「リップパレット」の写真と認められるところ、該商品の蓋の部分に「nana」の文字が表示されている。
そして、パレット状の容器及び紅筆が、それ自体単独で取引に資されたと客観的に認めることができる証拠の提出はない。
そうすると、被請求人が本件商標の使用の事実を証明している商品「リップパレット」は、化粧品の範疇に属する商品と認められ、本件審判の請求に係る指定商品である「おしろい入れ,懐中鏡,化粧用スポンジ,化粧用箱,香水噴霧器,せっけん入れ,コンパクト(貴金属製のものを除く。),パフ,ヘアブラシ,紅筆,まつ毛カール器,まゆ毛用ブラシ,鏡袋,その他の化粧用具(「電気式歯ブラシ」を除く。)」のいずれにも含まれない商品というべきである。
以上のとおりであるから、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、取り消すべきものとする。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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