Trademark Appeal Case
型番商標の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2002−21884(T2002−21884/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「EC130」の文字を標準文字により表してなり、第12類「ヘリコプター,その他の航空機並びにその部品及び附属品」を指定商品として、平成13年1月12日に登録出願されたものである。その後、指定商品については、当審において平成14年12月20日付け手続補正書により、第12類「ヘリコプター」に補正されたものである。
2 原査定の拒絶の理由
原査定は、「本願商標は、商品の品番・等級等を表す符号として、普通に使用されているアルファベット文字の2字と数字を結合した類型である『EC130』の文字を書してなるにすぎないので、極めて簡単で、かつ、ありふれた標章のみからなる商標と認められるものであるから、商標法第3条第1項第5号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 請求人の主張
請求人は、原査定に対して、本願商標が登録されるべき理由として以下の旨主張し、甲第1号証ないし同第40号証を提出している。
(1)本願商標は、航空業界において請求人の業務にかかる商品を表示するものとして、航空業界の需要者・取引者の間においては、広く知られ世界的に著名になっている。また、使用された結果、本願商標の指定商品「ヘリコプター」の取引業界において請求人の業務にかかる商品に使用される商標として周知性を獲得するに至り、需要者・取引者は本願商標より何人の業務にかかる商品であるかを認識することができるに至った。
(2)本願商標の請求人ユーロコプテール社は、フランスのアエロスパシアル社とドイツのダイムラークライスラーアエロススペース社の合弁によって1992年に誕生したヨーロッパ最大のヘリコプター製造・販売会社であり、世界の5大ヘリコプターメーカーの1つに属している。
(3)本願商標は、多くの雑誌、新聞、およびインターネットのウェブサイトに紹介されており、これらの証拠から自他商品の識別機能を発揮する商標的な使用がなされている。
(4)請求人が著名であることから、本願商標は実際の取引業界において、自他商品の識別機能を有する出所表示として、需要者に十分認識されている。
(5)本願商標は、自他商品の識別力を有するとして、フランス、OHIM、オーストラリア等の世界各国で商標登録がなされている。
(6)「A320」指定商品第12類、「747」指定商品第12類、「737」指定商品第12類が、自他商品識別機能を発揮した商標として、商標法第3条第2項が適用され商標登録されている。
(7)本願商標は商標法第3条第1項第5号の規定にかかわらず、商標法第3条第2項の規定により、商標登録を受けることができる。
4 当審の判断
(1)本願商標の自他商品識別力について
本願商標は、前記に示したとおりの構成よりなり、全体として特定の意味合いを有するとは認められないものである。
ところで、本願指定商品である「ヘリコプター」や航空機業界においては、商品の製造・販売または取引上の便宜性から、欧文字の2文字に数字を組み合わせた標章、さらに、これらの類型の標章を、商品の規格・型式または品番を表示するための記号・符号として取引上、普通に使用されているところである。このことは、請求人の提出した証拠中、例えば、甲第2号証の「HelicopterNow」には、「イタリア・アグスタ社は今、・・・EH−101大型3発ヘリコプターの量産が・・・」とあり、甲第3号証の「ヘリエキスポ2001速報」には、2葉目に写真とともに、「AB139ヘリコプター」との表示がされている。
そうとすれば、本願商標は、極めて簡単で、かつ、ありふれた標章のみからなる商標というべきである。
(2)本願商標が使用により識別力を有するに至ったかどうかについて
自他商品の識別機能を果たし得ない商標が、使用により識別力を有するに至ったものとして登録が認められるのは、その商標と同一の商標及びその商標を使用していた商品又は役務と同一の商品又は役務に関する場合のみである。
そして、当該商標が使用により識別力を有するに至ったかどうかは、実際に使用している商標ならびに商品又は役務の使用開始時期、使用期間、使用地域、生産数量又は営業の規模及び広告宣伝の回数などを総合的に勘案して判断されるべきものである。
これを本願についてみるに、本願商標「EC130」の文字が表示されていると認められるものは、甲第4号証の1頁目(下段「川鉄商事株式会社」の広告欄)であり、以下に本願商標と同一ではない「EC130B4」の事例が多数認められる。甲第4号証1頁(中段「ユーロコプター、EC130新開発」を発表<2月11日>欄)、同2葉、甲第6号証2葉、甲第8号証3葉などである。さらに、甲第8号証2葉、甲第15号証1/10頁、同2/10頁、甲第17号証1/1頁などの書証に使用されている「EC130」の文字は、一連の文章に記載されているものがほとんどであり、甲第16号証においては、「EC130」の文字は、「実機の項目」欄に表示されているところである。そして、これらの甲号証のうち、商標的な使用がされていると認められるものは、前記、甲第4号証(下段「川鉄商事株式会社」)などのごくわずかなものであり、これとて、どの程度周知されたのかが把握し得ないものである。
また、甲第18号証以降のものは、外国雑誌等のコピーであり、これらによっては、本願商標が、わが国で使用されたと認めることはできない。
したがって、「EC130」が使用されていると認められる上記の甲号証をもってしては、本願商標が使用により識別力を獲得したものと認めることはできない。
(3)結論
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第5号に該当するものと認められ、また、商標法第3条第2項の要件を具備しているものとはいえないから、本願を拒絶した原査定は妥当であって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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