Trademark Appeal Case
「ビオガーデン」の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2002−2909(T2002−2909/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「ビオガーデン」と「BIOGARDEN」の文字を上下二段に横書きしてなり、願書記載のとおりの商品を指定商品とし、平成13年2月20日に登録出願され、その後、指定商品については、原審における同14年1月8日付け手続補正書をもって、第20類「家具,貯蔵槽類(金属製又は石製のものを除く。),プラスチック製バルブ(機械要素に当たるものを除く。),カーテン金具,金属代用のプラスチック製締め金具,くぎ・くさび・ナット・ねじくぎ・びょう・ボルト・リベット及びキャスター(金属製のものを除く。),座金及びワッシャー(金属製・ゴム製又はバルカンファイバー製のものを除く。),錠(電気式又は金属製のものを除く。),木製・竹製又はプラスチック製の包装用容器,葬祭用具,荷役用パレット(金属製のものを除く。),養蜂用巣箱,クッション,座布団,まくら,マットレス,愛玩動物用ベッド,犬小屋,小鳥用巣箱,うちわ,せんす,買物かご,額縁,家庭用水槽(金属製又は石製のものを除く。),きゃたつ及びはしご(金属製のものを除く。),工具箱(金属製のものを除く。),ししゅう用枠,植物の茎支持具,食品見本模型,人工池,すだれ,装飾用ビーズカーテン,ストロー,盆(金属製のものを除く。),スリーピングバッグ,タオル用ディスペンサー(金属製のものを除く。),つい立て,びょうぶ,ネームプレート及び標札(金属製のものを除く。),旗ざお,ハンガーボード,ベンチ,帽子掛けかぎ(金属製のものを除く。),マネキン人形,洋服飾り型類,麦わらさなだ,アドバルーン,木製又はプラスチック製の立て看板,郵便受け(金属製又は石製のものを除く。),揺りかご,幼児用歩行器,美容院用いす,理髪用いす,石こう製彫刻,プラスチック製彫刻,木製彫刻,あし,い,おにがや,すげ,すさ,麦わら,わら,きょう木,しだ,竹,竹皮,つる,とう,木皮,きば,鯨のひげ,甲殻,人工角,ぞうげ,角,歯,べっこう,骨,さんご」と補正されたものである。
2 原査定の拒絶の理由
原査定は、以下のとおり認定、判断し、本願を拒絶したものである。
(1)本願商標は、「出来るだけ野生生物にとって好ましい自然的な要素を含ませて工夫して、より健全な生態系の成立を目指すビオトープ的な公園、ビオトープ的な庭園」を称する「ビオガーデン」の文字を普通に用いられる方法で書してなるものであるから、このような商標を「養蜂用巣箱,小鳥用巣箱,植物の茎支持具,人工池」を含むその指定商品について使用しても、単に、上記のような公園、庭園の造園用の商品であるかのごとく認識させるに止まり、需要者が何人かの業務に係る商品であるかを認識できるものとはいいえない。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。
(2)本願商標は、登録第4255452号商標(以下、まとめて「引用商標」という。)と同一又は類似であって、その商標に係る指定商品と同一又は類似の商品について使用するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。
3 当審の判断
本願商標は、前記のとおりの構成よりなるところ、その構成中の前半の「ビオ」及び「BIO」の文字部分は、「生体・生物体・生物」等を意味する接頭語として親しまれているものであり、また、後半の「ガーデン」及び「GARDEN」の文字は「庭、庭園」を意味する語として親しまれているものである。
そして、これらの語を結合した「ビオガーデン」及び「BIOGARDEN」の語が、建築及び造園に関係する業界において、庭の型式の一種類を表す語として使用されている実情としては、例えば、以下のような記載が書籍等に認められる。
(1)「ビオガーデン入門」(1998年3月25日(社)農山漁村文化協会発行 6頁)に、「序 野生生物との共存をめざすビオガーデン」の表題のもと、「ビオガーデンとは」の項に、「(中略)ビオガーデンは直訳すれば『生物庭園』ということになりますが、『自然の要素をとり入れた庭園』という意味で使いたいと思います。(中略)じつは純粋に自然生態系の場をめざすものとしてビオトープがあります。このビオトープとの関連性を意識して、あえてビオガーデンとしたのです。つまり、ビオガーデンは『ビオトープ的庭園』という意味をも含んでいます。(中略)ビオトープのビオが生物を意味することは先に述べた通りですが、トープは場所を意味する言葉で、ビオトープは字義通りに解釈すれば『生物の場』ということになります。しかし、生態学の述語としてのビオトープには『野生生物の生活の場』という意味がこめられています。多くの野生生物が生活していれば、その相互関係によって当然、生態系が成立しますから、ビオトープのより実際的な定義としては『自然生態系の場』としても大きな誤りはないでしょう。」との記事が掲載されている。
(2)「現代用語の基礎知識 2004」(2004年1月1日 (株)自由国民社発行 776頁)に、「ビオガーデン〔biogarden〕野生生物と共生するビオトープの要素を取り入れた庭(ガーデン)のこと。(中略)最近では大手の住宅メーカーなどでビオガーデンを取り入れるところも出現し、新たなタイプの庭を備えた住宅として注目されている。」との記事が掲載されている。
(3)「イミダス 02」(2002年1月1日 (株)集英社発行)に、「ビオトープ〔biotope〕野生生物が共存共生できる生態系をもった場所という意味で、ドイツ語の生物を意味するbioと場所を意味するtopeの合成語。(中略)ビオガーデンはマンションの中庭や個人の庭をビオトープにしたもので、鳥や水生動物を観察して楽しんでいる。(中略)ビオトープ用の水生植物、湿生植物、野草など各地域の環境にマッチしたものが販売されている。」との記事が掲載されている。
(4)「知恵蔵 2002」(2002年1月1日 朝日新聞社発行)に、「ビオトープbiotope ドイツ語の生物(bio)と場所(tope)の合成語で、生物の生息空間の意。多様な動植物が共存して生息できる良好な空間を指す。(中略)近年、地方自治体や国土交通省などによって推進され、また、環境教育の一環としてビオトープをつくる学校も増えている。しかし、純粋な生態環境の再生というより、景観を重視したビオガーデン的なものも多い。」との記事が掲載されている。
以上よりすれば、本願商標をその指定商品に使用した場合、上記実情からしても、これに接する取引者、需要者は、その商品が「自然の要素をとり入れた庭園」に関する商品であると認識し、商品の品質を表示したものと理解するに止まり、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないから、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができないものといわなければならない。
したがって、本願商標を商標法第3条第1項第6号に該当するものとして本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことができない。
なお、原審における拒絶の理由に開示した商標法第4条第1項第11号の拒絶の理由は、前記1に示すとおりの手続補正書によって解消したが、このことは、本願商標が自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないとした上記判断に影響を及ぼすものではない。
よって、結論のとおり審決する。
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