Trademark Appeal Case
容器形状の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2002−673(T2002−673/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、別掲のとおりの構成よりなり、第31類「花の球根,種子類,動物用噛み餌,野菜及び果実,花の球根用容器」を指定商品とし、平成12年12月15日に立体商標として登録出願されたものである。
2 原査定の理由
原査定は、「本願商標は、その指定商品との関係よりすれば、指定商品に採用し得る包装容器の一形状(収納容器)を表したものと認識される立体的形状よりなるものであるから、これをその指定商品について使用しても、単に商品の形状(商品の容器(包装)の形状)を普通に用いられる方法をもって表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」として、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
(1)立体商標は、商品若しくは商品の包装又は役務の提供の用に供する物(以下「商品等」という。)の形状も含むものであるが、商品等の形状は、本来それ自体の持つ機能を効果的に発揮させたり、あるいはその商品等の形状の持つ美感を追求する等の目的で選択されるものであり、本来的(第一義的)には商品・役務の出所を表示し、自他商品・役務を識別する標識として採択されるものではない。
そして、商品等の形状に特徴的な変更、装飾等が施されていても、それは前記したように、商品等の機能又は美感をより発揮させるために施されたものであって、本来的には、自他商品を識別するための標識として採択されるのではなく、全体としてみた場合、商品等の機能、美感を発揮させるために必要な形状を有している場合には、これに接する取引者・需要者は当該商品等の形状を表示したものであると認識するに止まり、このような商品等の機能又は美感と関わる形状は、多少特異なものであっても、未だ商品等の形状を普通に用いられる方法で表示するものの域を出ないと解するのが相当である。
また、商品等の形状は、同種の商品等にあっては、その機能を果たすためには原則的に同様の形状にならざるを得ないものであるから、取引上何人もこれを使用する必要があり、かつ、何人もその使用を欲するものであって、一私人に独占を認めるのは妥当でないというべきである。
そうとすれば、商品等の機能又は美感とは関係のない特異な形状である場合はともかくとして、商品等の形状と認識されるものからなる立体的形状をもって構成される商標については、使用をされた結果、当該形状に係る商標が単に出所を表示するのみならず、取引者・需要者間において、当該形状をもって同種の商品等と明らかに識別されていると認識することができるに至っている場合を除き、商品等の形状を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標として商標法第3条第1項第3号に該当し、商標登録を受けることができないものと解すべきである。
(2)これを本願についてみれば、本願商標は、別掲のとおり、長方形のシート状のものを半分に折り、その折り目から上、全体の高さの半分程の部分に複数の弧で半円を描くように切れ目を入れ、該部分を膨らませて袋状にしたものを表した立体的形状よりなるものであり、その袋状部分は専ら、「花の球根」等を収納する容器の構造、機能を有するものであって、容器の形状の一形態を表したものとみるべきであるから、これをその指定商品に使用しても、取引者・需要者は、単に商品「花の球根」等の収納容器、及び「花の球根用容器」そのものを表示するにすぎないものとして理解するに止まり、自他商品を識別するための標識とは認識し得ないものと判断するのが相当である。
(3)そして、請求人は、本願商標は、正面、側面、上面、いずれの面からみても特異な形状を構成している図形で、特徴のある標章といえる。立体商標の一部(本願商標の膨らみ部)が収納部分となるとしても、それが外観上特異な構成であれば、一種の図形商標としての役割を果たすことになり、そこが要部となって他の商品群と区別することができると主張する。
しかしながら、本願商標は、前記認定のとおり、その膨らみ部分の形状がやや特徴的なものであったとしても、それは商品等の機能又は美感をより発揮させるために施されたものであり、該部分が収納部としての構造、機能を有しているものである以上、本願商標は、商品等の形状を普通に用いられる方法の範疇で表示する標章のみからなる商標というべきであって、その形状に特徴をもたせたことをもって自他商品の識別力を有するものとは認められない。
(4)したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものであるから、これと同趣旨をもって本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消す理由はない。
よって、結論のとおり審決する。
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